青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

ターミナルの風格とは。

2024年09月14日 11時00分00秒 | 西日本鉄道

(博多と天神の違いって・・・?@天神地下街)

貝塚線の探訪を終えて、市営地下鉄で天神へ。この日は宿を久留米に取っていたので、こっから西鉄天神・大牟田線で移動することになります。地下鉄から乗り換える天神の地下街、福岡市の中心部は東のJR駅を中心とした博多と西の西鉄・天神、そしてその中間にある歓楽街の中洲・川端と大まかにこの三つに分かれています。以前は「博多より天神の方が栄えてるよ」というイメージが漠然とあったのですが、九州新幹線開通を契機としたJR九州の積極的な不動産開発とテナント誘致によって博多がだいぶ福岡商業圏の中で存在感を増しているようで。やっぱり新幹線が直結しているってのがデカいのだろうか。金沢における香林坊と金沢駅前の相関関係なんかも似たようなとこありますよね。北陸新幹線の開通で再開発された駅周辺の大型商業施設(金沢フォーラスとか)が中心になって商圏が変化しているという。ちなみに、福岡市営地下鉄の天神駅と、西鉄の駅は微妙に離れていて天神の地下街を200mほど歩いて接続する。地下街を歩いていると、それこそ新宿とかなんばの地下街と何も変わらんよね。変わってると言えば、やたらと案内表記にハングルが目立つくらい。韓国から来てるっぽい若い女性も目に付くし、東京より釜山の方が圧倒的に近いお土地柄でもあり。

西鉄福岡(天神)駅。言わずと知れた九州最大の私鉄ターミナルであります。西鉄の天神のターミナルは、西鉄天神大牟田線の西鉄福岡(天神)駅、西鉄天神バスセンター、そして三越福岡店が一体となった超大型複合商業・交通施設で、大き過ぎて写真でも納まりきらない。ちなみにこの「西鉄福岡(天神)」という表記は、カッコ内の「(天神)」までを含めたものが正式名称だそうで。以前は西鉄福岡駅だったのだけど、2001年から今の表記になったらしい。吹き抜けのアトリウムに作られた西鉄福岡(天神)駅の大階段、これぞターミナルという雰囲気を醸し出していますねえ。日本の私鉄ターミナルで最強なのは阪急の大阪梅田駅、最高なのが南海のなんば駅だと思ってるのだけど、そこらへんに次ぐぐらいの面構えはあるだろうか。関東の大手私鉄は、東武の浅草駅がターミナル・・・かなあ、くらいで、独立性というか個性は薄めですよね(副都心線と繋がる前の東横渋谷なんかはターミナルだったかな)。関東私鉄は開業当初から国鉄(省線電車)に接続したターミナルを志向したこと&早い段階からの地下鉄との相互乗り入れによる流動分散があるので、関西から向こうの大手私鉄のターミナル駅とは機能の持ち方がちょっと違うように思う。これは関東と関西の私鉄文化の違いではないかと。

西鉄福岡(天神)駅の構造は3線4面の頭端式で、各線の両側にホームを置いて乗降を分離するタイプ。相鉄の横浜駅と相似した形ですね。平日の夕方、ひっきりなしに行き交う西鉄電車。大牟田まで行く特急は30分おきだけれども、久留米方面は普通列車&急行を含めて分刻みのダイヤで発車していて、そこには家路を急ぐ福岡都市圏の人々のラッシュアワーの光景がありました。こういう風景は関東も関西も九州も変わらないのだけど、なにぶん天神から西鉄に乗るのはいつ以来か・・・という感じなので目にするものがとにかく新鮮である。西鉄大牟田線、那の津の福岡ボートに来たときか、唐津ボートの帰りに乗ったような乗らなかったような、という朧げな記憶しかない。どっちも理由がろくでもないのだが、熱心に旅打ちをしていた頃の話である(笑)。ちなみに唐津の帰りは博多から寝台特急あかつきで三ノ宮まで出て、次の日に尼崎の周年記念を打ちに行ったのは覚えてるんだよねえ。確か唐津の周年記念(全日本水の王者決定戦)と尼崎の周年(近松賞)をハシゴしたんだよ。どっちも1月開催だから合ってるはず。調べたら1999年の話だったみたいだ。もう25年前か・・・元気だったんだね、当時の自分。

降車ホームへ一斉に吐き出される乗客。アイスグリーンにボンレッドの西鉄6000形。そうそう、最近は新しいカラーリングの車両も増えてきましたが、西鉄電車と言えばこの色ですよね。日本の大手私鉄では唯一、本州外にあるのが西鉄。その路線網と事業規模もさることながら、車両の形や塗装も一種独特のものがあります。ローカル中小私鉄への偏愛を隠さない私ですが、大手私鉄の一角としての「西日本鉄道」をきちんと味わってみたい!というのもあったんですよね。東武・京成・西武・京王・東急・小田急・京急・相鉄・東京メトロ・名鉄・近鉄・京阪・阪急・阪神・南海そして最後の西鉄。さすがに支線の全路線まで乗っている訳ではないけど、西鉄乗車で記念すべき大手私鉄の16社目です。そう言えば、昔は「準大手私鉄」なんてくくりがあって、これに新京成・神鉄・山陽・泉北なんかが入ってましたよね。このカテゴリは最近使われていないようですが。

福岡中心部のオフィス街から、筑紫野を通り久留米・柳川を経て炭鉱の町・大牟田まで。西日本鉄道の主力路線(本線筋)である西鉄天神大牟田線は、全長で74.8kmとかなり長い。関東で言うと東武東上線の池袋~寄居間が75.0kmでニアピン。京成電鉄本線が京成上野~成田空港間69.3km、小田急線の新宿~小田原間が82.5kmなのでその間くらいのサイズ感でしょうか。中京・関西圏だとこのくらいのサイズ感の私鉄が意外となくて、近鉄名古屋線の近鉄名古屋~伊勢中川間が78.8kmだからこの辺りに当てはめると分かりやすいかな。ちなみに私は生まれも育ちも小田急線民なので、天神を新宿とすると二日市が登戸、久留米が町田、柳川が秦野、大牟田が小田原くらいの位置関係で脳内変換していました(笑)。

天神発19:00の特急・大牟田行き。乗務員交替もにこやかに、天神の雑踏がそのまま車内に吸い込まれて行きます。


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