青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

向日葵も うだる猛暑や 盆休み

2013年08月12日 23時40分54秒 | 中央東線

(ほくとのひまわり@山梨県北杜市明野)

日曜~月曜と家族サービスで山梨に行ってきました。本来であれば避暑も兼ねて…ってトコだったんだけど、そもそもが甲府で連日の40度超えとか言ってるんだから開いた口がふさがりませんわな。まあアタシら家族が行ったのは八ヶ岳南麓の北斗市(旧大泉町)なんで朝晩はさすがに涼しかったけど、日中は自宅にいる時と大して変わんなかったよ。クルマでの移動、観光と小さい子連れでは熱中症が怖いから、とにもかくにもその辺りには気を使ったんだけど家族で使った飲み物代はいくらになったんでしょうか(笑)。トップ画像は北斗市名物・旧明野村のひまわり畑。毎年恒例サンフラワーフェスにはクソ暑い中大勢の観光客が参戦しとりましたが、太陽の申し子ヒマワリも心なしかうなだれ気味。お前が暑さに負けてちゃダメだろうが!(笑)。

 

今回は家族サービスなので、お鉄な活動は控えめに。それでも車窓に線路が見えれば、「あれ、なにせん?」と助手席の息子が問う。前にオトコ×2、後ろにオンナ×2と真っ二つに分断されたドライブ車中は、趣味も行動も真っ二つの冷戦状態w。後部座席で眠りこけるオンナどもを尻目に、午後はカーブの外側が順光になる小淵沢の大カーブ。夏雲の八ヶ岳をバックに築堤を行く小海線&中央本線に向かって「バイバ~イ!」と大きな声でエールを送るのであります。


宿に入る前の時間を使って、中央東線の名物ポイント「三峰の丘」で臨時あずさを捕獲with息子。多客期は国鉄型特急車も参戦する東線恒例のあずさ臨時便ですが、お盆休みの名物ポイントっつーこともあり先客もちらほら。線路際のお立ち台に子連れで参戦するのもナンなのでちょっと離れた位置からサイド気味に押さえたのだが…なんかヘッドマークは「普通」になってるし、横の行き先表示幕は「快速 白馬」になってるし何なんじゃこれは(笑)。後で話を聞けば「幕がぶっ壊れた」と言う事らしいのだが、先頭ドカンな構図で暑い中待ってたお立ち台の同業者の心中を察するに余りある夏の悲劇。何と声を掛けていいのやら分かりませんが、とりあえずお疲れ。


宿に泊まって翌朝は、こっそり一人で朝の鉄活動。再び朝の小淵沢大カーブに来てみたのですが、相変わらずここの眺めは極めて雄大ですなあ…雲一つない青空、弓なりにカーブする大築堤の手前には盛夏を謡う青々とした棚田、そしてカーブの向こうの甲斐駒ヶ岳。真夏の朝は空気がガスっぽくなるんですが、何とか甲斐駒の姿も見えますね。山の稜線が見えなかったら場所替えだと思ってたんですが。


カーブの内側に広がる農道に三脚を立て、アングルを思案しながら待つ列車を待つは始発の小淵沢6:18発の小諸行き。早朝から田んぼの様子を見に来た農家のおっちゃん、ここは昔っからあまたの撮り鉄がウロチョロしてる場所でもあるので気に留めた風もないのだが、心中やいかに。もっと山の稜線がくっきり見えていれば長いタマで山を引き付けても良かったけど、日が昇っても稜線のうっすら気配は変わらないので広角で。森の向こうからひょっこり顔を出したキハ110が、夏をなぞるようにゆっくりと大カーブを登って行きます。撮り鉄には不評なキハ110系列ですが、こうして見ると風景を邪魔しない控えめなデザインでこれも良し。そもそも列車がキハ28とかだったら、死ぬほど撮り鉄が集まっちゃって迷惑でしょうしw

いやあ、やっぱりこの大カーブは甲信越を代表する鉄道シーンと言う事を改めて実感。
朝一番で撮った事なかったんだけど、光線といいちょっとモヤった空気感といい、夏らしい写真になって満足ですよ。
さて、今日も家族サービスだ!
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猛暑お見舞い申し上げます

2013年08月10日 09時32分58秒 | 京浜急行

(お疲れサマー@京急長沢~YRP野比)

お早いものでお盆休みと言う方もいらっしゃるかと思いますが、こちらも月曜日火曜日だけプチ夏休みを取らせていただき今日から四連休。先日近江遠征をカマしたため、今回の休みは単独の遠征はございません。その代わり、家族サービスに充当させていただきます(笑)。ここでしっかり恩を売っておけば、また単独の遠征に行く事も出来るかと思うので…それにしてもたった二日の休みを取るだけでなぜにこうも忙しいのかと思う週中ではあったな。ほとんどの事案が「お盆休み前に」と言う発注になるからしょうがないのかもしれないが。

それにしてもこの一週間の関東地方は殺人的な暑さだった。あまりにも暑すぎて、帰りの電車が弱冷房車でも涼しく感じたのだが、猛暑の車外と車内を何度も行き来していると実際何度くらいか分からなくなって来る。これが最終的には自律神経を麻痺させて、夏風邪と言う方向に進んでしまうので注意が必要。ただ、それでも暑いもんは暑いので結局昨夜も朝までエアコン付けっぱなしで寝てしまったのだが。

と言う訳で今日の一枚は真夏の東京湾をバックに走る京急2100系を。
早く関東から脱出したい。
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真夏の近江熱風録 近江商人の心意気編

2013年08月03日 00時45分24秒 | 近江鉄道

(ガチャコン・コックピット@800系)

近江の電車の中でも一番の大所帯である800系のマスコン周り。西武時代の面影を残しつつ近江仕様にカスタマイズされておりますが、どの車両も昔の小学校にあった裁断機のような妙に存在感のある大箱の電気指令式ブレーキに改造されております。ちなみにこの電気ブレーキはナブコ製。「♪ふれてご~らん~ナブコのドアーを そこにときめきのとき~」のナブコです(笑)。ニッポン放送ショウアップナイターと言えばこのCMで、何となくこの歌がラジオから流れて来ると夕方の5時40分かなと思うくらいの耳馴染みのするCMだよなあ。そんな訳でアタクシこのナブコって会社は自動ドアの会社だとばっかり思ってましたが、元々が「日本エヤーブレーキ株式会社」と言いまして、日本における鉄道ブレーキのトップメーカーでもあるそうです。Nippon Air Brake Company=NABCOって事ですか。


ミュージアムに留置されていた新101系の台車は住友金属のFS372。「西武の台車」と言えばこのシャープな軸箱守の上にコイルばねを置いたこの形ですねえ。西武系の鉄道会社って伊豆箱根とかもほっとんどこの台車を履いているイメージがありますが、それだけ信頼性のある台車なんでしょう。ここ近江でもほぼ全ての車両が履いておりますが、あれこれ車体を好き勝手にいじくり回すように思える近江の改造方針も、車体はともかくマスコンや台車などの重要部分は「扱っている車両の規格を、自分たちの管理しやすい信頼性のあるもので統一する」と言う明快なコンセプトに基づいていると言えなくもない。


彦根駅改札口。近江鉄道には米原、彦根、近江八幡、貴生川と4つのJR連絡駅がありますが、どこも独自の駅舎を持たず、ホームの端っこに幅の狭い駅務室と改札を設けて、極めてコンパクトにまとめています。鑑賞するには鳥居本や彦根口や新八日市、日野などの中間駅にいい駅が目立ちましたが、こと利用者の多いターミナル駅に関しては合理的に画一化されているあたり、近江鉄道と言う会社の醸し出すポリシーと言うものは車両にしろ駅にしろある意味頑固で一貫しているように思えますなあ。


そんな事をつらつらと思いながら、五箇荘から乗ったパト電820系が彦根に到着。途中、豊郷で午前中に降りて行った大きいお兄さんの集団が再び乗って来て車内が賑々しくなった。何たる偶然。ってか単なる地元の人たちの集団だったのかな?と思い会話を聞いていると、フツーに関東の方々らしい。豊郷に何の用があるんだよ??と不思議でしょうがなかったのだが、調べてみたらこういう事だったらしい。いやあ、今流行りの聖地巡礼ってヤツですか…(笑)。ある意味、このジャンルも最近は町おこしのツールの一つだもんねえ。いや、その辺りの経済効果、否定はしませんしどんどんやってもいいと思うんですけど、近江鉄道からはそこらへんのアピールがあんまり伝わって来なかったんで気付きませんでしたよ。苦境にあえぐローカル私鉄なら真っ先にコラボしちゃうと思うんですが、意外にクールだな、近江鉄道(笑)。


米原まで行く電車が時間的に間に合わず、彦根駅の改札を出て近江鉄道の旅がフィナーレ。JRに乗り換え、米原から新幹線に乗って帰ることにします。JRの彦根駅ホームから近江鉄道ホームを望む一枚。すっかり夜の帳が降りた彦根の街、帰りの電車を待つ女子高生とパト電。

『近江商人の天性を一言で表わしているものに「しまつしてきばる」という言葉があります。倹約につとめて無駄をはぶき、普段の生活の支出をできるだけ抑え、勤勉に働いて収入の増加をはかるという、日常の心構えを表現しています。』(近江商人ゆかりの町連絡会HPより)

自社工場で色々な旧型車の部品を無駄なく使って作り上げた220型を始め、親会社のお古をベースに個性的なカスタマイズを施して仕上げた現役車両たち。JRの立派な駅舎があるならば、自らの駅はコンパクトにまとめてしまう倹約(?)の精神。近江商人が作った鉄道のそこかしこに、「しまつしてきばる」と言う近江商人の心意気の表現があるように思います。

東近江の八日市を中心に、北は米原、西は近江八幡、南は貴生川の三方向に広がる近江鉄道。
乗ってよし、撮ってよし、見てよしの、「三方よし」の鉄道でした。
長々と続いた真夏の近江熱風録、これにて大団円。
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