(縁起の良さそうなIC@東海環状自動車道・大安IC)
コロナ禍の中でささやかに始まった今年の夏休み。「日帰りで撮影旅に行くくらいはいいかなと」思っていたのですが、グダグダしていると休みが終わりそうだったので、早速ヨメの許可を貰って遠征して参りました。確か、最後に遠征に出たのが3月の日光方面が最後だったので、なんと5ヵ月ぶりの県外ですよ。5ヵ月ぶりの海外、ならちっと旅慣れた人みたいでカッコいいけど、5ヵ月も神奈川県を出なかった事なんて今まで生きてきた中でなかったから、いかにこのコロナの世の中が異常かという事なんですけどねえ・・・午前2時、ヨメと子供が寝静まってからそうっと家を抜け出して、夜の東名を西へ3時間半、東海環状自動車道の大安ICで高速を降りる。正直、行きたいところは色々あったけど、「遠出できるんだったらどこでもいいや!」という気分だったので、目的地は一番天気の良さそうな東海地方へ。四日市のDDと絡めてちょこちょことは撮っていたんだけど、面と向き合っては撮影してなかった三岐鉄道を改めて撮り直してみようかなと。
三岐と言えば、なんと言ってもファンの注目はセメント貨物。名撮影地が点在する丹生川付近、大本命のミルクロード俯瞰は置いといて、藤原岳を望む小さなインカーブへ。ここのところ東海地方を襲っている熱波で朝から非常に暑い一日でしたが、空を見るとさすがに立秋を過ぎたのか秋の気配もあり。それにしても、遠征先の線路っぱたで三脚出してガッツリと構図組んだのなんかいつ以来か・・・当たり前のように出来ていた事の尊さを思い知るのであります。上りの始発電車でアングルを調整しながら待っていると、旅客電車の来ない時間に遠くの踏切の警報機が聞こえて来ました。よしよし、ダイヤ通りにセメント貨物は動いているようです。一応お盆期間中もセメント貨物は走っていたという情報は掴んでいましたけど、貨物は突然のウヤがあるから怖いんよね。
貨車が線路の継ぎ目を叩く短い間隔の音と、ツリカケモーターの唸り声が近付いて、お立ち台の横の踏切が鳴り出しました。員弁の母なる藤原岳をバックに、ファインダーの向こうから近付いてくるのは三岐鉄道お馴染みのED45の重連3710レ。夏の朝の空気を切り裂いて、低い光線に足元までベッタベタに照らされながらインカーブを駆け抜けて行く姿・・・
サブカメはインカーブを下からアオって。天気が良さそうだったから、珍しくPLフィルターとか持ってってしまったよね。藤原岳バックで編成主体で寄って撮るのがセオリーっぽいけど、家並みが入るのを承知でこの青空に薄雲の棚引く秋めいた空の表情を撮り込みたかったんでご容赦いただきたく。うーん、メインもサブもいい。どちらもいい。カッコいい。文句なし。100点満点。イマドキの言葉で言えば、「朝から丹生川インカで優勝した」ってヤツ?(調子こきすぎ笑)。まあ優勝してるのは天気と被写体であって、誰が撮ったっていい写真撮れるよこんなん!って感じもありますし、そりゃ上手い人が撮ったら腰を抜かすような作品が出来たのかもしれないが。
しかししかし、個人的には久々の遠征で、とにかく気分のいい一枚が撮れた事は間違いない。
祝杯挙げたくなっちゃうのをグッとこらえて、熱中症防止の冷えたポカリをグビリと飲るのでありました。