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多くの巨大石仏が安置される壷阪寺/毎日新聞「やまと百寺参り」第24回

2019年10月05日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は、『奈良百寺巡礼』の発刊を記念して毎日新聞奈良版に毎週木曜日「やまと百寺参り」を連載している。9月26日(木)に掲載されたのは「石像が語りかける山寺/壷阪寺(高取町)」、筆者は大和郡山市在住の大江弘幸さんだ。壷阪寺をご存知の方は多いだろう。『世界大百科事典』には、
※トップ写真は全長20㍍の天竺渡来大観音像=高取町壺阪3の壷阪寺で

847年(承和14)長谷寺とともに定額寺に列せられ,灯分稲が施入された。清和上皇は大和国霊山巡礼の際に当寺にも参詣するなど,霊験の山寺として貴族の崇敬をあつめた。1007年(寛弘4)藤原道長は金峰山参詣の途中当寺に宿泊し,《枕草子》は〈寺は壺坂,笠置,法輪〉とその名をあげている。

なお「定額寺」とは《平安時代、朝廷が特に数を限り官寺に準じて制定した寺。私寺の乱造を防ぎ統制を強めるために制定したもので、官稲を受けた》(『デジタル大辞泉』)という名刹のことだ。では、記事全文を紹介する。

正式には南法華寺で、壷阪観音ともいわれます。703(大宝3)年に元興寺の弁基上人が建立したと伝わる西国三十三所の第六番札所です。本尊は寄木造の十一面千手観音菩薩坐像で「目の観音様」として信仰されています。

壷阪寺では多くの石像と出会うことができます。最大は天竺渡来大観音像で全長20㍍の立像、インドでのハンセン病救済事業のご縁で招来されました。大涅槃(ねはん)像は全長8㍍。、大釈迦如来像は身丈10㍍の座像で、いずれも陽光に白く輝いています。

ほかには、めがね供養観音、有名な「お里澤市像」や地蔵、明王、福神、そして愛らしい童子など大小さまざまな石像が、広い境内一円に点在しています。またインドのアジャンタ石窟寺院をモデルとした大石堂や長大な佛伝図レリーフもあります。

本堂東北の香高山(こうこうさん)に足を延ばせば、斜面の岩肌にある歴史を刻んだ五百羅漢の石仏群にも会えます。石像と対面し、石の言葉に耳を澄ませば、静かに時が流れゆく山寺です。(奈良まほろばソムリエの会 大江弘幸)   

(宗派) 真言宗
(住所) 奈良県高市郡高取町壷阪3番地
(電話) 0744-52-2016
(交通) 近鉄吉野行壺阪山駅下車、バス「壺阪寺前」下車すぐ
(拝観) 8時半~17時
(駐車場)有(500円)


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