tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

UCC上島珈琲の創業者・上島忠雄氏は田原本町唐古出身!/奈良新聞「明風清音」第36回

2020年04月17日 | 明風清音(奈良新聞)
以前にも当ブログ(2020.3.4)で少し触れたことがあるが、UCC上島珈琲の創業者・上島忠雄氏は、田原本町唐古のご出身である。ご生家のすぐ近くには、氏を讃えた「UCC唐古庭園」がある。「唐古・鍵遺跡史跡公園」の北側に隣接し、「道の駅レスティ唐古・鍵」のお向かいである。

氏のことは『実録創業者列伝Ⅱ』(学習研究社刊)に詳しく出ていた。裸一貫で故郷を出て、大阪と神戸で修業したのち、23歳(昭和8年)でUCC上島珈琲の前身となるコーヒー焙煎(ばいせん)卸業を開業された。私が自宅で飲んでいるコーヒーは、アピタ大和郡山で販売しているUCCの「Prime ONE(アピタのプライベートブランド)有機栽培コーヒー」(レギュラーコーヒー)である。厳しい環境基準をクリアした「レインフォレスト・アライアンス」認証農園産のコーヒー豆を30%使用している。

UCC唐古庭園のことは、若林梅香さん(今井町町並み保存会会長)に教えていただき、3月27日(金)に初めて現地を訪ねた。大きな記念碑の立つ立派な公園だった。「道の駅レスティ唐古・鍵」の2階(現在はテイクアウトのみ)では、UCCの「アイスブリュードコーヒー」(税込344円)もいただき、その美味しさに驚いた。これらのことをまとめて書いたのが、昨日(4/16付)の奈良新聞「明風清音」である。見出しは「唐古出身・上島忠雄氏」。以下、全文を紹介する。



UCC上島珈琲の創業者・上島忠雄氏(明治43年~平成5年)は、磯城郡田原本町唐古の出身である。生家のすぐ近くには「UCC唐古庭園」(唐古・鍵遺跡史跡公園の北側に隣接)がある。平成5年4月3日(上島夫妻の結婚記念日)にUCCが開設したもので、園内には記念碑が立つ。

そこには「我故郷を出でて六十有余年を閲(けみ)したり。神戸の地でコーヒー業を興して六十年。(中略)我が人生を唯々(ただただ)コーヒーに捧げて社会に貢献奉仕し得たことは至福にして些(いささか)の悔(くい)もなし」。



氏の生涯は『実録創業者列伝Ⅱ』(学習研究社刊)に詳しく紹介されている。氏は豪農の五男に生まれ、大阪と神戸の食料品店で働いたのち昭和8年、23歳でコーヒー焙煎(ばいせん)卸業を営む上島忠雄商店を開業した。三宮の喫茶店で初めて飲んだコーヒーの味と香りに感動し「生活の西洋化が進めば、コーヒーは日本人に受け入れられる」と確信したからである。あるとき「コーヒーを缶入りにしたらどうだろう。いつでもどこでも、飲めるではないか」とひらめいた。そして昭和44年、世界初とされる缶コーヒー「UCCミルクコーヒー」を完成させ販売を開始した。

「ところが、UCCの苦労の賜物であるこの画期的新商品の登場に対し、意外にも業界の反応は冷ややかだった。『缶コーヒーは邪道』と、一蹴されてしまったのである。忠雄と社員たちの新たな戦いが始まった。全社一丸となって出鼻を挫(くじ)かれた缶コーヒーの売り込みに必死になった。営業マンたちは『UCCの缶コーヒーを下さい!』と売店で叫んだり、またわざと缶を人目につくように置いたりしたという。そんなとき缶コーヒーを広く知ってもらう、願ってもない機会が廻ってきた。翌年大阪で開かれた日本万国博覧会である」(同書)。万博で猛烈なセールス攻勢をかけ、缶コーヒーには製造が追いつかないほどの注文が殺到したという。

その後、ジャマイカやハワイにコーヒーの直営農園を開設した。「ジャマイカなどでの功績で忠雄は海外から高く評価され、数々の栄誉に浴している。そのなかのひとつ、国際コーヒー機構(ICO)から忠雄は『日本のコーヒーの父』という称号を贈られている」(同書)。趣味を問われた忠雄氏は「コーヒーを一人でも多くの人に飲んでもらうために没頭すること」と即座に答えたという。

そんな郷土の偉人を記念したUCC唐古庭園と史跡公園は、隣接しているのに柵があるので大回りしないとたどり着けない。これはぜひ何とかしていただきたいものだ。


UCC上島珈琲の自信作、アイスブリュードコーヒー(税込344円)

UCC唐古庭園の向かいには、田原本町から指定管理を受けた奈良交通が運営する「道の駅レスティ唐古・鍵」がある。2階の「からこカフェ」ではUCCのドリンク類を扱っていて、なかでも「アイスブリュードコーヒー」(税込344円)が人気を集めている。ビールサーバーのようなサーバーで抽出された泡の立ったアイスコーヒーで、飲んでみたところ、クリーミーなのど越しと深い味わいがマッチして、とても美味しい。



1階ではUCCの缶コーヒーやイチゴなど季節の青果が販売されている。同店の看板商品で、関西のパン好きなら知らない人がいないという「黄金の生食パン極(きわみ)」(税別570円)と合わせて、お買い求めいただきたい。



2階でランチ(現在はテイクアウトのみ)。おにぎりは2個で1合!だそうだ、知らずに食べた!

本文にも書いたが、「UCC唐古庭園」と「唐古・鍵遺跡史跡公園」は、地続きなのに、フェンスがあるのでぐるっと北に大回りしないとたどり着けない。これはぜひ何とかしていただきたい。フェンスがなければ、史跡公園に来たお客さんは郷土の偉人を讃えた唐古庭園に入り、上島氏を偲ぶことができるのだ。これはどこにお願いすれば良いのだろう、ご存じの方はご教示ください。

本稿制作にあたりお世話になりましたUCCホールディングス広報室の池川優太さん、「道の駅レスティ唐古・鍵」駅長の川合信行さん、ありがとうございました!


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 加藤雅也の「角角鹿鹿(かく... | トップ | 日本最古クラス!端正なお顔... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

明風清音(奈良新聞)」カテゴリの最新記事