以前毎日新聞奈良版に「蒙御免 奈良県方言」という番付表が掲載されて、話題になった。当ブログで紹介した「おとろしい」も東の大関に掲載されている。この番付表で私が注目したのが西の大関「あまい」(お菓子)と、東の小結「ほうせき」(おやつ)だ。『日本方言辞典』には「あまい【甘】」のところに、
※トップ画像は、「全国版コラム 7代先につなげたい、先人の心」から拝借
菓子。三重県北牟婁郡588/ 飯南郡590/ 奈良県 「あまいやるさかいええ子しいよ」680
《あんまい》 和歌山県伊都郡690
私は和歌山県伊都郡九度山町の出身だが、「あまい」を菓子の意味で使われたのを耳にしたことがないし、「甘い」を「あんまい」と発音するのは、まぁ子供に限ったことだろう。なお「ほうせき」(おやつ)については『日本方言辞典』に記載がなく、近藤夏織子(こんどう・なおこ)さんの「全国版コラム 7代先につなげたい、先人の心」に、こんな感じで紹介されていた。
大和では昔、おやつのことを、ホウセキ、ホセキと呼んでいた。昭和30年代頃までのホウセキは、柿やイチジク、グミ、煎った栗やそら豆、さつま芋、かき餅やキリコ(あられ)など、身近な果実や自家製の保存食がメイン。甘いものが貴重だった当時は、大人も子どももホウセキのひとときを心待ちにしていたという。
ところで、季節や天候によって、果実や保存食などのホウセキが手に入りにくい日や、ちょっと気が向いたときには、自家栽培の小麦粉を使ったホウセキの出番だ。砂糖を入れた小麦粉を水で溶き、鉄鍋でこんがりと焼く。大和高原では「すり焼き」のほか、「シリシリ」(奈良市都祁:旧・都祁村)、奈良盆地では「シキシキ」とも呼ばれた。
以下、素朴なおやつの紹介が続く。「ほうせき」(おやつ)も「あまい」(お菓子)も、奈良に移り住んでから耳にした言葉だ。こんな美しい言葉は、子々孫々にまで伝えたいものだ。
あの「ほーせき」が宝石とは 今日の今日まで結びつかなかったですが、昔のおやつは宝石だったのでしょうね。
イントネーションは
ほたるこい♪の ほーほーほーたる来い!あっちのみーずはにーがいぞ、こっちのみーずはあーまいぞ♪
の、「ほーたる」と同じで、
ほうせき ではなく「ほーせき」 と祖父は言ってました。
しきしきは 祖母が焼いてくれていました。
> あの「ほーせき」が宝石とは 今日の今日まで結びつか
> なかったですが、昔のおやつは宝石だったのでしょうね。
まだ調べがついていないのですが、「ほうせき」(おやつ)は「宝石」とは無関係と思います。「ほせき」「ほぜき」「ほうぜき」という人もいますし、お書きのように宝石とは発音が違いますので。
しかし美しい言葉であることには間違いがなく、かき氷屋さんの「ほうせき箱」は、この「ほうせき」と「宝石」をかけてネーミングされています。