午前中、映画「台湾人生」に登場する蕭錦文(しょう・きんぶん)氏と再会できたというのに、夜になってイヤな記事を見てしまった。「李登輝友の会」が配信したメールのようだ。私は、この会に所属していないが、ここに引用させていただく。
NHK【濱崎憲一・河野伸洋】卑劣なもみ消し行為
濱崎憲一ディレクターらの隠密訪台に日本語世代が激怒
NHKスペシャル シリーズ JAPANデビュー・第1回『アジアの一等国』」を担当した濱崎憲一ディレクターは6月下旬、上司で「ジャパンプロジェクト」の河野伸洋エグゼクティブ・プロデューサーを伴ってこっそり訪台していた。
番組出演者としてNHKに抗議と訂正を求める文書を出した柯徳三氏などを訪問、「自分の息子が学校で『濱崎の息子』だといっていじめに遭っている」などと泣き落し戦術でくどこうとしたという。上司の河野は名刺も出さなかったらしい。
もちろん柯徳三氏らは聞く耳を持たなかったという。台湾では情報が駆けめぐるのは日本以上に早い。これを知った台湾の日本語世代は「なんと卑劣な手を使うのだ。自分たちの番組が正しいなら、堂々と公開討論会などで説明すればいいだろう」と、またまた怒りを増幅させている。
濱崎ディレクターたちの卑劣な行動を知って、台湾ではすでに他の日本語世代グループも抗議書を出す動きが出ているという。濱崎ディレクターたちの姑息かつ卑劣な行動は、火に油を注いだ結果に終ることは確実だ。
NHKの濱崎ディレクターといえば、NHKスペシャル「アジアの”一等国”」を制作し、「日台戦争」「人間動物園」など、日台関係史に新たな「歴史的視点」(?)を切り開いた、極めつきの「エリート」らしい。
その濱崎が、番組批判、放送法違反による4000人の視聴者からの提訴という成り行きを受けて、台湾の関係者に弁明に出かけたという。
「台湾総督府の未公開資料から歴史を読み解く」「未来を読み解く鍵は歴史の中にある」等々、あれほど大見得を切ったのだから、 「息子が学校で『濱崎の息子』だといっていじめに遭っている」などというくらいのことで”泣き”を入れてはマズイだろう。「150年前、世界の荒波に船出した」先人達に会わせる顔がないだろうが…。
こういうとき、自分の信念は貫く、責任をとるというのが、「世界に船出した」日本男児の本懐だったはずだ。もっとも、息子がいじめに遭っているなどという話も、濱崎自身の捏造だと思えるが…。「産経」以外は報道もされなかったニュースをどうやって知り、誰が濱崎の息子をいじめるというのだろうか?
最近、濱崎本人の映像を見たが、かなり若い人のようだった。きっと有名大学を優秀な成績で出たか、あるいは近親者に政治家か何か有力者がいて、幸いにもNHKに入局した人なのだろう。NHKに入局するパターンは、その2つのいずれかだ。コネ入社組だとすれば、さらにその背景が気になってくる。特定の思想的、宗教的背景(!)があれば、その方が大問題だ。それにしても、この往生際の悪さは、拍子抜けするほどカッコ悪いではないか…。こんな人が歴史を”検証”するなどと言って、偉そうにしていたのか。
濱崎のようなエセ・ジャーナリストと比較しては申し訳ないが、映画「台湾人生」を制作した酒井充子(さかい・あつこ)監督は、大学卒業後、いったん一般会社に勤めた後、ジャーナリスト(北海道新聞記者)に転身し、その後台湾の日本語世代を採り上げた映画の監督となった。濱崎が潤沢な制作費と、報道のNHKという看板を背負って、媚中・反日の「アジアの”一等国”」を制作したのに対し、酒井監督は、新聞記者を辞めて、背水の陣で「台湾人生」を自主制作したのだ。
同じテーマを採り上げながら、なんとも鮮やかなこの対比。真のジャーナリストとは何かを考えさせる格好の「教材」ではないか。
酒井監督は、あるインタビューの中で、「NHKのあの番組とは、一緒にされたくない」とはっきり語っている。その矜持、たいしたものだ。私などは、むしろ酒井監督の中に清々しい”武士道”精神を見るのだが、どうだろうか?逆に、濱崎の女々しさは、本当に見苦しい。
こういうお粗末な人が、NHK報道を担っているとは…一番効果的なのはやはり”受信料支払い拒否”だな…。