蒋介石の功績を称えた「中正紀念堂」が復活するという。
中正記念堂といえば、中国大陸にで多数見られる、中華的、権威主義的、威圧的な建築物だ。台北市のサイズには似合わないほど、空疎にバカでかいのが特徴と言えるだろうか。
この記念堂、民進党の陳水扁政権下では、「台湾民主紀念館」と改称されていたようだが、この度馬英九・国民党政権のもとで「中正紀念
堂」という旧呼称に戻される。
台湾民主化を象徴する「台北二二八紀念館」は、改装に向けて休館予定だと伝えられる。果たして、従来通りの歴史認識が展示の中に活かされるのかどうか。また、これまで外国人でも簡単に許可された総統府の見学は、これまでどおり続けられるのだろうか? いずれも極めて注目されるところだ。
私は、「馬英九総統が、旧・台湾総督府の建物を嫌っていて、どうにかして移転させたいと思っている」と、他ならぬ総統府のガイド氏(日本語担当)から聞いた。こんな自由な発言もこれまでどおり容認されるのかどうか…。
台湾人自身が民主選挙で選択した馬英九政権であるだけに、われわれ外国人は、静かに見守るしかないのだが…。
【独裁崇拝へ逆戻り】馬政権・台湾民主紀念館を廃止、「中正記念堂」へ 2009.7.21 「台湾の声」
馬英九政権は7月19日夜から台湾民主紀念館および自由広場の周りを有刺鉄線で封鎖し、翌20日午前に「台湾民主紀念館」の扁額の取替えを強行し、「中正紀念堂」(蒋介石メモリアルホール)の扁額に掛け替えた。
野党・民主進歩党(民進党)の蔡英文主席は、「民進党は国家の公共資源を使って自己の人民を虐殺した歴史上の独裁者を記念することに同意できない」と批判した。 台湾民主紀念館は、陳水扁政権時代の2007年5月に改名されたが、蒋介石銅像はそのまま維持され、展示内容については台湾の民主化の内容が加えられたが、シナ大陸時代の蒋介石の活躍を中心とする展示も残され、中途半端な展示内容となっていた。また、最寄り駅の地下鉄の駅名も「中正紀念堂」のまま維持されていた。これらの中途半端さが、中国国民党が政権を取り戻した後に「中正紀念堂」を復活させる余地を与えてしまったといえる。 皮肉なのは、蒋介石がもし台湾の民主化に貢献したのなら「台湾民主紀念館」の名前でもよいはずなのに、中国国民党・馬英九政権が「台湾民主紀念館」の扁額を引きずり下ろして、蒋介石個人を称える「中正紀念堂」に戻した点である。今回の件ではっきりしたことは、独裁者・蒋介石を称える「中正紀念堂」は、台湾の民主を記念する「台湾民主紀念館」ではないということだ。
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