滝沢峠の金堀付近の里山を巡った。
たまに通る道だったが、道沿いにフジの花が美しく垂れ下がっていた。
丘陵の向こうに磐梯のいただだきだけが見える田の畔でお弁当を広げたことを思い出した。
たしか、もう30年も昔の話、母が我が家に来た時だった。思えば、そのころ母は今の自分の年くらいだったのか。

たまに車が通る静かな田園風景が広がっていた。山側の田は何枚も水が入っていない。
休耕田で、珍しくレンゲに出会った。
赤紫色の群落は見事できれいだった。春一番のカタクリの群落を思い出した。
かつて化学肥料が貴重だった時代には、春先の田んぼ一面が紅色のレンゲの花に覆われていた。
大気中のチッソを固定してくれるマメ科のレンゲは肥料として使われていた。今はほとんど忘れていた風景だった。
畔の蕗の葉にダイミョウセセリが翅を水平に開いて止まっていた。蕗の葉に落とされた鳥の糞を夢中で吸っていた。
真っ黒に白抜きの紋が鮮やかだった。なるほど、羽織袴の紋所を連想させる模様だ。しばらくぶりに会ったような気がする。

ダイミョウセセリ

ヒメウラナミジャノメ
山際の猪苗代湖の清らかな水が流れる疏水沿いの林を歩くと、ニホンカワトンボが戯れていた。
いろいろな翅の色や模様が興味深く、身体の金属色が美しく輝いていた。

ニホンカワトンボ ♀ (縁紋が白い)

ニホンカワトンボ ♂(褐色型:白粉がふきはじめた)

ニホンカワトンボ (縁紋が赤い:多分♂の成熟したものか?)
ササ藪からシジミチョウが飛びだした。白地に鮮やかな碁石模様がきれいだった。
ゴイシシジミの生活史はユニークだ。
日本の全種の蝶の中で、唯一、幼虫が完全な肉食性、メダケ・クマザサなどのタケ科に付くササコナフキツノアブラムシなどを食べて育つ。
また、成虫もアブラムシの分泌液に依存している。
1頭だけだったが、発生は局所的ではあるが、いつか安曇野のある寺の境内で大量に発生していたゴイシシジミに出会ったことを思い出した。

ゴイシシジミ
