エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

今日の里山

2010-06-11 | 自然観察

アカツメクサの花にクモガタヒョウモン

 昼食を終え、里山へ出かけた。最近は一人で行けるようになった。
ついこの前までは妻がついてきていた。途中で倒れられると困るからだったが、その心配もなくなりすっかり健康になった。嬉しい。

 今日は2時間の予定で、A,B,Cの3地点を巡ってきた。
A地点は、昨年末からほとんど伐採されすっかり見通しの良くなった峠道の鞍部、小さな田や畑のある狭い空間だ。
小さな流れにカワトンボやオニヤンマのいたところ。
雑木林を縫って流れていた疏水もコンクリート側溝に変えられ、周囲の環境が工事でだいぶ壊された。
クサネムが生い茂っていた休耕していた田も消えたからか、この春、例年あれほどいたキチョウが全く見られなかった。
いつも悠然と飛び交っていたオニヤンマも心配している。
オニヤンマは羽化してからは1、2ヶ月ほどの寿命だが、ヤゴは3、4年もかかって育つ。流水性のトンボ類はすこし心配だ。
 大分緑も色濃くなり、ときどき照りつける日差しは一段と強く感じられた。
 満開のカマズミにクモガタヒョウモン、コチャバネセセリが吸蜜に来ていた。
むせかえるような香りに誘われ、ハナムグリ類も夢中で花粉を食べていた。
真っ黒に成熟したハラビロトンボ♂を見かけた。羽化したばかりか、動きの遅いヤマサナエがじっと止まっていた。


  コチャバネセセリ

ハラビロトンボ 成熟♂

  ホンサナエ

  クモガタヒョウモン

   アオアシナガハナムグリ

B地点はいつものトンボの観察ポイントだ。単独で産卵するクロスジギンヤンマを撮った。
先日かなり発生していたエゾイトトンボは、数組が連結産卵を繰り返していたが、めっきり数が減った。
時間帯のせいだろうか、シオヤトンボもヨツボシトンボも少なかった。
小さなコサナエがホバリングする姿がかわいい。
目の前でクロスジギンヤンマが産卵を始めた。
ギンヤンマはオスとメスが連結したまま産卵するが、クロスジギンヤンマは単独で産卵するのだ。
産卵の光景を見るたびにいつも愛おしさがこみ上げてくる。

  クロスジギンヤンマの産卵

 C地点、ついこの前まで楽しみに訪れていた柳の木には、虫たちの姿が全くなく、さびしかった。
あれほど飛び交っていたルリタテハ、シータテハ、ヤマキマダラヒカゲ、そしてそれらを追い払いながら幹を食いちぎっていたオオスズメバチ、
みんなどこへ行ってしまったのだ。
切なく寂しいおもいだった。これが自然の摂理だというのか。

”むかしの夢の 懐かしく
  訪ね来たりし 信濃路の
  山よ小川よ また森よ
  姿むかしの ままなれど
  なぜにかの君 影もなし ”


 伊藤久男の歌った「高原の旅愁」の気持ちそのもだった。涙が流れそうだった。
 明日の命を残して自然に帰って行ったのだろう。
厳しい冬を越して元気に飛び回っていた姿がまぶたに浮かんでくる。また、夏の暑い日に彼らの子孫が乱舞する姿を想像した。

 帰路に着くと、コゴメウツギノの花に、翅の傷んだウスバシロチョウがひらひら舞いおりた。
さぞ疲れただろう。お疲れ様、また来年元気な仲間と会おうと、労いの言葉をかけた。また、せつなさがこみ上げてきた。
 ふと横を見ると、アカツメクサの花にクモガタヒョウモンが蜜を吸っていた。
やはりほかのヒョウモン類より一足早い出現だ。
 去る者、生れいずるもの、自然界は何と規則正しく流れて行くことか。

  翅の傷んだウスバシロチョウ

楽しみにしていたカンボクがきれいに咲き始めていた。
お皿のように白い5弁の装飾花がとりまいてきれいだ。3つに裂けている葉が特徴だ。
まだ少ないがハナムグリ達が花に頭を突っ込んでいた。これからハナカミキリ類が集まってくることだろう。
(2010.6.10)


 きれいなカンボク

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