「奥会津三島町キマダラルリツバメシンポジュウム」に参加した。
前日、たまたま久しぶりに角田伊一さんのHP「雪国茶屋」を見てこの会の計画を知った。
また、今年も6/25に、キマダラルリツバメが発生したとあった。
シンポジュウムは、現地の生息状況を観察しながら保存活動の在り方を話し合うとあったので、一度参加してみようと思った。
会では、まず三島町文化財専門委員を務める角田さんから「キマダラルリツバメの生息地の現状」と題しての基調講演があった。
そこでは、会津における個体変異群や、産地の様子、保護の現状が話された。
次いで、キマダラの産地である新潟の阿賀町と喜多方市高郷地区での現状と保護の取り組みについて、それぞれ報告があった。
いずれも、チョウのマニアや業者による採集が問題で、その禁止が必要との話であった。
参加者は約30名、チョウを愛する人たちであろうが、行政関係や趣味で写真撮影をしている方々のようだった。
私自身は、チョウの保全の観点から、何が問題なのか、今後個人として何か取り組めることはなど、現状認識をしたい思いで参加してみた。
会議のあと、町内の「大林ふるさとの山」に、若いキリの木が植林されている林を見学した。
角田さんは、ここで将来、キマダラルリツバメの乱舞する姿を想像しておられた。
天然記念物に指定して採集などを禁止しながら、生息環境を保全することがまず必要である。
桐の木に巣を作るハリブトシリアゲアリとの共生のできる素晴らしい環境が三島町にはあるし、今後も保全されていくだろうと嬉しかった。
大林地区
その後、キマダラルリツバメの観察をした。キリの林の中、写真撮影会となった。
ポツリポツリ雨が落ちてきたが、ネットを持たないことが分かったのか、やがてヨモギ、ヒメジョオン、カナムグラなどの下草に下りてきた。
なにしろ飛翔が早い。しかし止まるとじっとしていて撮影は比較的容易だ。
ちょうど幸運にも交尾体を発見、みんなが輪になって撮影することができた。
ネットではなく、カメラに囲まれたチョウも穏やかで、実に微笑ましい観察会だった。
この会に参加して、いろいろ感じ考えることがあった。
先ずは、採集は禁止しなければならないと思った。当然、蒐集マニアやネット販売のための採集は論外だ。
しかし、調査と称しての無益な採集もあると思われた。確かに学術的に必要なこともあろうが、採集は極力避けるべきと痛感した。
また、減少あるいは絶滅が危惧されるている虫たちを守るには、蝶がトンボが生息続ける環境を保全することである。
三島町では、そのための対策、努力が地道に続けられいると実感した。
快い気持ちでバスに揺られ、町の市民センターへ戻った。
(2010.6.26)