エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

幾たびも涙こみ上げ「荷車の歌」

2010-12-03 | 文芸
             【 映画「荷車の歌」フィナーレ 】
 

 近頃、涙もろくなったような気がする。
今日も泣かされた。つまりは何度も感動したということか。

思えば、ここに出あったいづれの出来事も ”意味ある偶然 ”であろう。

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○ 昨夜も寝床に入り、いつもの海坂藩の心に響く物語を読む。
藤沢周平の海坂藩大全 (上、下)だ。
手が冷たいこともあり、だいたい一編を読了し、目を閉じる。
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○ 眠れそうにない、ふと傍らの本棚の原民喜の著した「夏の花」に手が伸びた。
著作の『壊滅の序曲』『夏の花』『廃墟から』を、「夏の花三部作」という。
いつか8/6に手に取ったことがある、自身の被爆体験を基に書いた作品だ。
その扉には
  「わが愛する者よ請う急ぎはしれ
   香わしき山々の上にありて(のろ)の
   ごとく小鹿のごとくあれ
」とある。
書き出し部分は
私は亡き妻と父母の墓に、なんという名称か分からないが、黄色の可憐な野趣を帯びた、いかにも夏らしい花を手向けた。
その翌々日、街に呪わしい閃光が走り、私は惨劇の舞台に立たされる。
川に逃げ、次兄と出くわす。次兄と上流へ遡って行く際に、私は、人々の余りにも目を覆う惨状を目の当りにする。
やがて、私と次兄は甥の変わり果てた姿を確認する。
次兄の家で働いていた女中も落ち合い、一緒に避難する。
彼女は赤子を抱えたまま光線に遭い胸と手と顔を焼かれていた。
「水を下さい」と哀願し続け、一か月余りして死ぬ
。》と。
今の夢のような平和のなか、写実的に描写される、あの悲惨な生き地獄を思った。
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○ 眠れずに1時を回った。
 ラジオ深夜便のインタビューで 県立新潟西高校教諭…栗川治氏の
「NHK障害福祉賞入賞者に聞く」、思いがけずに大切な話を聞くことが出来た。
  後日 栗川治氏のHPを見つけた。
 http://homepage2.nifty.com/samusei_syoukyouren/kurikawa.html           
 これから、視覚障害を持つ現職教師の心打たれる提言をゆっくり読んでみたい。
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○ NHK朝ドラ「てっぱん」またまた泣かされた。
 19年前に、あかりの母が残した手紙を、家族全員で見るシーンだった。
 毎回、家族一人一人の心の動きを見つめて楽しんでいる。
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○ 睡眠不足で本調子でない午後、炬燵にあたりながらBS放送の映画「荷車の歌」を視聴した。
50数年前の『荷車の歌』、山本薩夫監督、主演 望月優子 三國連太郎
《広島県の山村にくらす貧しい農家の娘セキは、荷車引きの茂市と結婚、義母のいじめに耐えながら毎日荷車を引いて働き、2男3女の子供を育てる。
やがて人がひく荷車から馬車の時代になり、戦争の足音が近づいてくるなか、セキの苦難の人生は続く。
明治から昭和にかけての激動の時代を懸命に生きた一人の女性の苦難の半生をつづった年代記。
農業協同組合の婦人部320万人のカンパによって制作された山本薩夫監督の力作。》
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毎日、悩みながらの日々だが、今日も慰めとなる、涙流れる感動をいっぱい貰った。
明日もまた・・・。
(2010.12.3)

ミニ門松が届く

2010-12-03 | Weblog
娘が、嫁ぎ先から、今年も門松を届けてくれた。早速、お礼の電話をした。
毎年いただくミニ門松は、お正月に我が家の玄関を飾ってくれる。
末娘のおじいちゃんが、一つ一つ心を込めて作った手作りのミニ門松だ。
竹三本をむしろで巻き、シュロ縄で結び、松と梅が飾ってある。



一緒に、『赤べこ倶楽部通信12月号』が添えられていた。
初めて見るチラシだが、東北土木グループ・月刊コミュニティ情報通信とある。
その1ページ全面に、「こだわりのお店紹介」として『竹問屋 平出吉平商店』が載っていた。
 サイトを検索すると、こだわりのお店紹介に更新(http://www.akabekoclub.jp/kodawari/ )されていた。

師走、ここへ来て何かせわしさを感じている。
学校、幼稚園もあとわずか、すぐにクリスマス、年末、そしてお正月か。
いち早く届いた門松を見ながら、来年もいい年であってほしいと思った。
しばらく居間に飾り、暮れに玄関に供えたいと思っている。