エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

青春 北杜夫

2011-10-28 | Weblog

  24日の朝、作家・北杜夫さんが亡くなった。
その作品はほとんど蔵書とし、本棚に揃って並んでいる。若き日に、愛読した特別な作家だ。
 「幽霊」「どくとるマンボウ昆虫記」、「楡家の人びと」「少年」、、「羽蟻のいる丘」など、胸躍らせて読んだ。
  あの分厚い、白い布装丁の「楡家の人々」に感動し、「幽霊」の一節「人はなぜ追憶を語るのだろうか。・・・・」を暗誦した。発刊と同時に求めた「或る青春の日記」には、信州松本での青春の赤裸々な自画像を見た。
  拙ブログ【懐かしの北杜夫 2008-04-12】
  http://blog.goo.ne.jp/tosimatu_1946/e/11cd6a517c623ef6a0d9be542297f64d
 美ヶ原でのチョウとの出会いの光景が、昆虫少年の目に重なった。
 全学部の部活の合宿であの思誠寮にも泊まることが出来た。そして寮歌「春寂寥」も全部覚え歌った。すべてが遠い思い出だ。
 やがて興味は北杜夫から斎藤茂吉へ、上山の金瓶や最上川に茂吉の面影を追ったこともある。

 父・斎藤茂吉の生涯を書いた4部作、《青年茂吉》《壮年茂吉》《茂吉彷徨》《茂吉晩年》を求め、ときどき手にとって、茂吉の歌を読み上げてたりしている。
  拙ブログ【 歌聖 斎藤茂吉を訪ねて 2007-01-28】 
http://blog.goo.ne.jp/tosimatu_1946/e/470a17da4018ca2d344c11de5b822ccc

 北杜夫は大好きな作家だった。あの一文一文の素晴らしい文体、ユーモアあふれる文章に魅了される。「楡家の人々」や、すり切れるほどに読んだ文庫の「昆虫記」は特別懐かしい。もう一度、北杜夫作品を楽しみたいと思っている。

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