エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

ギフチョウに再会

2015-05-01 | Weblog

                                                                 

 今年もギフチョウの写真を撮りに西会津方面へ出かけた。
 例年この時期に訪れる林の中でで、ギフチョウに再会できた。
 未だ雪の残る林の中では、カタクリが咲いていた。昨年より残雪は多いが、春は早かったような気がしている。ギフチョウの発生も早いようだ。

 

 時折林の中を縫って飛来するギフチョウは、春を喜ぶように舞ってなかなか止ってくれない。
 小一時間、静寂の森の中でギフチョウを待ち続け、シャターチャンスを狙っていた。
 この年に一度の発生の時期、吸密できる花はカタクリと、ヤマザクラくらいしかない。
 カタクリに吸蜜するわずかなチャンスが訪れた。

 

  雪の残る杉林に入るとひんやりした冷気が心地よかった。
 カタクリに囲まれしばし佇む。カタクリの時期に合わせて舞い始めるギフチョウ。
 これ以上の幸せはない。

 
食草のコシノカンアオイは見つけにくかったが、結構大きい葉を拡げていた。冬場も枯れない常緑多年草だ。

  例年のコースで、帰りに大山祗神社へお参りした。この山の神の本社へ3年続けてお参りすれば、一生に一度の願いが叶うと言われている。

 今年3年目だ。片道4㎞あるが、体力を試したい思いもあった。

  本社への山道は老いた身に多少きつかったが、景色、道ばたの緑が変化に富んで楽しかった。

 道の両側の雪は昨年より多かった。途中、エゾエンゴサクが咲き乱れ、キクザキイチゲやミヤマカタバミ、エンレイソウなどが咲いていた。

一株だけミヤマキケマン?を見つけた。日だまりにはシマヘビが歓迎してくれた。

  

 

  

  ツメナガセキレイ?

  

本社へ近づくと、スギタニルリシジミが吸水したり、活発に追いかけっこしていた。

  クマ鈴を鳴らしながら

  一歩一歩かみしめながら歩き、途中、可憐な花やチョウや野鳥を撮りながら、登り始めて約2時間ほどで本社へ到着した。

 今年も元気で登ってきた。健康に感謝しつつ、嬉しくて喜びが込み上げた。

 3年続けての参拝でどんな願いも叶えてくれるというが、多くは望まない。しばらくは健康でありたいと願った。
       

 例年のこの小旅行では、やりきれない暗澹たる気持ちになる。記録にとどめたい。

 今年もギフチョウ採集のマニアの数組に出会った。この連休中も多数訪れることだろう。

 普段は他県ナンバーがほとんどだが、珍しく会津ナンバーに出会った。車の横で、大きなねっとを持ちギフチョウの飛来を待っていたのは親子だった。

 無駄なこととは分かっているが、息子の方に「採集はやめましょう!」と呼びかけた。チョウの採集が趣味で標本にすると言う。

 同じ若松の住人だ。方やチョウの保護を訴える者あり、一方で、峠に車を止め、生息が心配されるギフチョウを採るものあり。何とも切ない限りだ。

 数年前、ギフチョウの危機を西会津町に訴えた。今積極的に保護しなければ本当に絶滅してしまうと思っている。