3/2の天声人語に、春が書かれていた。
でも、ネットでは記事の全文は見られない。有料なのだ。
いつも、世知辛いと思いつつ、図書館で閲覧の一文をメモした。
《 花に動と静があれば、散り際の鮮やかな桜が「動」で、寒中にほころぶ梅の花は「静」だろうと。
そして”紅梅や枝々は空奪い合い”(鷹羽狩行)には、躍動感を見ると。・・・・・・・・
寂寥とした風景に,花や新しい芽が色を添えていく。そしてだんだんと長くなる日の光がある。 》
”寂寥”の文字を見た瞬間、 ”春寂寥の~ ” 懐かしい歌が口をついて出た。
一瞬、何の歌だっただろうか?、思い出せずに最後まで口ずさんだ。
ようやく、自分のこれまでの半生に影響された歌を思い出した。
旧制松本高校の寮歌だと思い至った。
学生時代に歌った歌、これほど影響されたであろう歌が、忘却の彼方に行ってしまうには切ない思いがした。
https://www.youtube.com/watch?v=2Tki3CD0sZA https://www.youtube.com/watch?v=FhhoW13Qj9w
”寂寥”という言葉が好きだ。 日々、これからの人生に求めていく、豊かな”静けさを思った。
毎日が、矢のように過ぎて行く。
いろいろ思い悩み、多少のイライラを反省することもある。
そんなとき、” 求めない ── すると 心が静かになる ” 加島祥造の詩集{求めない}の一節が聞こえてくる。
あらためて、静かな空間で過ごす豊かさを思った。