エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

庭の木々に感謝

2010-06-08 | 自然観察
   
 日々成長する木々には申し訳ないが、繁りはじめた庭木の剪定をしている。
 梅はもう数週待てば大きくなるのに、成り行きで一部の枝を払った。
本格的な収穫ではないが、結構沢山落ちた小ぶりの梅を焼酎に漬けた。
梅は高田梅と確認して買ったが白加賀でがっかりした梅だ。でも、30年の間、毎年たくさんの実を付けてくれた。
 梅の木の下にはヤマボウシが白い十字の総苞片を広げていた。春先に剪定したので花は少ない。
 ヤマボウシを見ると、いつも「環境科学」の授業を思い出す。
よく教材に使っていた沼田真氏の著した『植物と人間』のはしがき部分にヤマボウシが出ていた。


 
 今日は嬉しいことがあった。剪定したカリンの枝にいくつもの実が膨らんでいたのだ。
数年前に初めて2個の実がなったが、それ以後は実を付けなかった。
脚立に登って確認したら、なんといくつもの実が付いているではないか。10~20個はあるだろうか、嬉しくなった。
収穫を楽しみにしている。

 このカリンは、20年も前に須賀川の園芸店で買ったものだ。
当時、いわきへ単身赴任中で、土曜日に会津へ帰る途中には必ずこの大きな園芸店に立ち寄っていた。
確か、『福花園』といったが、今もあるのだろうか。
 つぼみがふくらんだバラも咲き始めた。アヤメも一斉に咲き、少し遅れたイチハツも咲き始めた。
それぞれ皆、『福花園』で購入したものだ。
今、20年の歳月を経て、庭の指定された場所でそれぞれに元気に個性を見せてくれる。
思えば、生まれた子が成人する時の流れがあったわけだ。

しばらく覗かなかった裏庭にはナデシコがきれいに咲いていた。
野薔薇もきれいだ。かわいい白いつぼみのドクダミ奥で、イモカタバミのピンクがきれいだ。
ムラサキツユクサも一斉に咲きだした。











決して不平も言わずにけなげに生きている樹木や草花、朝夕に一つ一つに話しかけながら、水をやっている。
庭は救いである。彼らにいつも心救われている。
毎日の心身の健康は庭のおかげ、感謝、感謝の日々である。
 

日記@BlogRanking


今日の里山 

2010-06-07 | 自然観察

            顔 シオヤトンボ♂ 

 しばらく行っていなかったトンボのポイントを訪れた。
 ヨツボシトンボ、コサナエは今年初めてだった。また、アオスジギンヤンマも想像より早く見ることができた。先週現れたエゾイトトンボは何組もが連結して産卵していた。


  ヨツボシトンボ

  エゾイトトンボ

 一年ぶりに再会したコサナエはずいぶん小さいと感じた。昨年は羽化の瞬間を何枚も撮影したコサナエだが、昨年から約2週間遅れの羽化だ。彼はわりと逃げずに、蕗の葉に止まりじっとしている。近づくと飛び立つがホバリングしてこちらの様子を伺っているので、写真は撮りやすかった。


 コサナエ


コサナエの飛翔

クロスジギンヤンマは池の周りを何度も旋回して、先ず止まることはなかった。ときどき、ヨツボシトンボとテリトリー争いをするが飛翔を撮るのは難しかった。
 次に小さな渓流にニホンカワトンボを撮りに立ち寄った。水の流れる木陰の、陽の差すところには決まって飛んでいる。今日は連結体を見ることができて、縁紋が赤いのは透明型の♂であることが確認できた。翅の色で褐色型と透明型があるが、成熟すると褐色型は胸に粉がふき、透明型は縁紋が赤くなるとの結論だ。


  成熟した♂(褐色型)

 
 連結体:上は縁紋が赤くなった成熟した♂(無色透明型)

 いつも越冬したルリタテハの群舞する別のポイントに行った。いつもオオスズメバチが穴をあけている柳の幹には、ルリタテハやヤマキマダラヒカゲが集まっていたが、今日はシータテハ見かけなかった。また、もういなくなったと思っていたヒメシロチョウが1頭、盛んに産卵していた。食草のツルフジバカマの周りをを確認しながら、よりよい場所を探しているのだろう、休み休みに産卵していた。何を考えているのだろうか、愛おしくてならなかった。


食草を探すヒメシロチョウ

 どこでも見かけるコミスジだが、ファインダーに映ったミスジ模様がとても美しかった。
普通にいる種であまり撮ることもなかったが、あらためて自然の造形の美しさに気づかされた。何と美しいことか。

 コミスジ

このところ、ブログのテーマが「今日の里山」である。
日々、里山を巡って、同じことの繰り返しをする。この気持ちは何なのだろうか、とときどき考えることがあった。
 たまたま出会った、生きとし生ける我が同胞のとの出会いを一枚の写真に残したい。
 所詮、そのこと自体何の意味もない一時の思いだが、とりあえずそんな意味付けをしてみたい。
(2010.5.6)

日記@BlogRanking





健康を肝に銘じた一日

2010-06-05 | 健康

とかく、健康を害してから、普段の健康のありがたさを知るのが常だ。
朝からなんだか調子が悪かった。
体温、血圧を測るも、まあ正常だ。でも、生あくびが出る、悪寒がするなど、ここ2年ほどなかった例の炎症の症状だった。
こんなときはすぐにR錠を服用する。
小一時間ソファーに横になり、毛布をかけて網戸越しに庭の緑を眺めていた。
 午前中は青菜に塩の状態だったが、幸い調子も戻り昼過ぎには回復してきた。

 今日、妻に頼まれていたニシンのサンショ漬けをした。
 新芽の伸びたサンショを摘んできた。冷蔵庫が手狭で、今年は小さいニシン鉢に漬けることにした。
自作の愛用の織部風のニシン鉢だ。身欠きニシンを並べサンショをたっぷり敷く。
 味付けは、最近売り出しの「ニシンのサンショ漬の素」だから、頼まれるほどのことではない。以前は味付けを工夫して楽しんでいたが、重宝している。



 一日、目まぐるしく変わる天気だった。
晴れ時々くもり、昼過ぎに一転俄かに掻き曇り雨が落ちてきた。間もなくゴロゴロ!今年初めて聞く雷、いよいよ夏の季節だ。
 激しい雷雨はすぐに上がり、次第に雲も切れ始め、夕方には磐梯山も見えてきた。
たそがれてゆく庭に出ると、西日を受けた木々の葉が赤く染まって、真っ赤な太陽が今まさに沈まんとしていた。


西日差す書斎から


こうして夕日を眺めるとき、口を衝いて歌が出てくる。
”夕陽は赤し~ 身は悲し~ 涙は熱く頬濡らす~”
 東海林太郎の「湖底の故郷」、よく学生の頃カラオケで歌ったものだ。
  
  夕陽は赤し 身は悲し
  涙は熱く 頬濡らす
  さらば湖底の わが村よ
  幼き夢の ゆりかごよ


何となく一日が終わるもの悲しさ、寂しさを感じながら、健康第一を肝に銘じた。


日記@BlogRanking

今日の里山

2010-06-04 | 自然観察
 
滝沢峠の金堀付近の里山を巡った。
 たまに通る道だったが、道沿いにフジの花が美しく垂れ下がっていた。
丘陵の向こうに磐梯のいただだきだけが見える田の畔でお弁当を広げたことを思い出した。
たしか、もう30年も昔の話、母が我が家に来た時だった。思えば、そのころ母は今の自分の年くらいだったのか。



たまに車が通る静かな田園風景が広がっていた。山側の田は何枚も水が入っていない。
休耕田で、珍しくレンゲに出会った。
赤紫色の群落は見事できれいだった。春一番のカタクリの群落を思い出した。
かつて化学肥料が貴重だった時代には、春先の田んぼ一面が紅色のレンゲの花に覆われていた。
大気中のチッソを固定してくれるマメ科のレンゲは肥料として使われていた。今はほとんど忘れていた風景だった。

 畔の蕗の葉にダイミョウセセリが翅を水平に開いて止まっていた。蕗の葉に落とされた鳥の糞を夢中で吸っていた。
真っ黒に白抜きの紋が鮮やかだった。なるほど、羽織袴の紋所を連想させる模様だ。しばらくぶりに会ったような気がする。


  ダイミョウセセリ


  ヒメウラナミジャノメ

山際の猪苗代湖の清らかな水が流れる疏水沿いの林を歩くと、ニホンカワトンボが戯れていた。
いろいろな翅の色や模様が興味深く、身体の金属色が美しく輝いていた。


 ニホンカワトンボ ♀ (縁紋が白い)


 ニホンカワトンボ ♂(褐色型:白粉がふきはじめた)


 ニホンカワトンボ (縁紋が赤い:多分♂の成熟したものか?)

ササ藪からシジミチョウが飛びだした。白地に鮮やかな碁石模様がきれいだった。
 ゴイシシジミの生活史はユニークだ。
日本の全種の蝶の中で、唯一、幼虫が完全な肉食性、メダケ・クマザサなどのタケ科に付くササコナフキツノアブラムシなどを食べて育つ。
また、成虫もアブラムシの分泌液に依存している。
1頭だけだったが、発生は局所的ではあるが、いつか安曇野のある寺の境内で大量に発生していたゴイシシジミに出会ったことを思い出した。  

 ゴイシシジミ 


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今日の里山

2010-06-02 | 自然観察
田植えの済んだ静かな田にアオサギが一羽立って、何かを突いていた。
のどかな田園風景が広がっていた。

   今日から6月、穏やかなさわやかな一日だった。
ほぼ終日、鉢の植え替えや、落ち葉の整理など庭で過ごした。
  時折クロアゲハやアゲハが通り過ぎてゆく。また、ようやくウスバシロチョウが我が家にもやってきた。
今朝はクロヒカゲを初見した。

  昼前に、ちょっと里山をのぞきに行った。
トンボはシオヤトンボを見かけただけ、やはり、まだ虫たちの発生も少ないようだ。
 田の畔のヒメジョオンには、かなりのコアオハナムグリが止まって、せっせと花粉を食べていた。緑の個体が多いが銅色の個体もいて、しぐさがとても可愛らしい。
 ミヤマセセリがハルジョオンに止まって蜜を吸っていた。ミヤマセセリは、春まだ浅い山道の地面や石ころに止まっている印象で、こんな姿を見るのは初めてだった。魅力的なチョウだ。


 コアオハナムブリ


 ミヤマセセリ

 コミスジがスイスイト飛んできて、花火のように咲き始めたサンザシ?の花には止まった。



 春に淡黄色の花を穂状・房状につけよく目立っていたキブシの実が、数珠状に連なって実っていた。図鑑には五倍子(フシ)の代用として、染料にするとあり、江戸時代のお歯黒は、釘や鉄粉を食酢につけて酸化した液に、五倍子(ごばいし)やキブシの実の粉末をつけて歯につけ染めていたようだ。



  いつも身近にある自然を観察し、写真に撮る。そして記録した写真をPCで確認しながら、図鑑で調べる。そんなことの繰り返しが楽しい。
 こうしてまた時が流れていく。
(2010.6.1)

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