中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

’14 渓流初釣行

2014-06-14 12:30:00 | 渓流&管理釣り場での釣り
■梅雨入りを待って■

 今年も春先からメダイとヒラマサに惑わされ、スタートが遅れてしまった渓流釣り。遅れたこの時期にスタートするのであれば、切っ掛けは「雪代が落ち着いた後の1回目の増水後」ということになるのだろうけど、5月に入って殆ど雨が降らず、そのまま梅雨入りとなってしまった。しかしその期待の梅雨入り後も太平洋側が局地的に降る傾向が強く、ボクが好きなヤマメが釣れる河川=日本海側に注ぐ河川にその影響は殆ど無い状態だった。
 今回の釣行先は、スケジュールの調整がつかず、減ってしまった渓流への釣行回数の中にあっても絶対に外せない河川である、いつもの久婦須川。自ずとここばっかりになっていることを許して欲しいが、この河川の水位計も渇水傾向となっており、行く前から厳しさを感じる状況だった。

 そして、現地に到着。夜明けを待って河原に降り立ったが、水位計で示された数値以上の渇水に驚かされた。

●好況時よりも20cm以上も減水した河原●

 そう言えば昨秋に、この川の水位計はリニューアルされたと聞いているが、もしかすると設置位置や設定が変わっているのかも知れない。恐らく、夏の渇水時を含めて今までで一番水の少ない状況下、「食い渋りとアタリの小ささ」を予測し、好場所では粘ることを念頭に置いて、この日の釣りをスタートさせた。

■食い渋るも、何とか■

 まずは早朝にエサを取りに出てくるはずの瀬の区間を攻めたが、やはり渇水の影響で多くは出ておらず、今期初渓魚である20cmほどのヤマメが1匹のみだった。しかも予想通り食いは渋く小アタリを何度か捉え損ねた末の1匹であった。

●20cmほどのヤマメ●

 「いつもなら素直に食うはず」と思うポイントを普通に攻めても反応は殆ど無い。しかし「居るならここに違いない。」という、信念?の下、エサのローテーションを繰り返して執拗に攻めていった。すると、ポツポツではあるが、アタリを捉える機会が増えるようになった。例えて言うのなら、入浴中にシャンプーが切れていることに気付いたが、今更風呂外に出るのも億劫な時に、「出尽くしたはずのシャンプーのボトルのポンプをシツコク押していると、1回分が出てきた」ような感覚?だ。

●25cm級の登場●

 しかし、前日にも、そしてそれ以前にも高確率で入渓者が居たであろうから、散々叩かれた後では当たり前の大場所ポイントではアタリは無く、全ては小場所での展開だ。
 そして、ギリギリではあるが、尺イワナも登場する。

●やせ気味だが、30cmチョイのイワナ●


■度重なる悪条件の中■

 2時間程が経ち、それまで曇っていた空が晴れ上がってくるという、最悪の状態になってきた。釣りの経験が浅いと、「快晴=絶好の釣り日和」となるのかも知れないが、渓流を始め、海でも沿岸部のような浅いところに棲む魚は「外敵から見れば、水中が見透し易くなる」ことを知っているため、警戒心が強くなって食いが悪くなる。

●明るくなった渓●

 従って、ここから先は更なる粘りが必要になった。しかも「何だか歩きにくい」と思っていたら、足下が…

●パカッ!●

 最悪の事態になっていた。
 しかし、歩くペースが落ちたことが、粘りに関しては貢献したのか?ポツポツながらも釣果は伸びていった。

●これまた25cm級●

 しかし捉えるアタリはずっと渋く、「何か変化を感じれば、即アワセ」と、「じっくり食い込むまでの送り込み」とを、と言っても分析してパターンを掴んだワケではなく、何となくだがその場で感じた「野生の勘」を頼りに使い分けながら攻めていった。
 上述したような状況が重なっていたため、ハリに掛けることができない魚も結構あって、その中にはヒラを返した姿から想像すると尺級ヤマメも居ただけにストレスが溜まる展開が続いた。
 だが、努力の甲斐はあった。チビチビと貯めていった釣果は意外と伸びており、脱渓点までに得た数はイワナを含めて20近くになっていたのだ。サイズはギリギリ尺のイワナの例外を除けば25cm止まりだが、小さい方も18cm以上あったため、そこそこ粒は揃っていたが、このことが逆に心配になった。と言うのも、例年ならウルサくつつく小ヤマメの姿が殆ど無かったからだ。もしかすると稚魚放流の時期がズレていただけなのかも知れないが、漁協の予算がカットされた影響であるのなら、来年以降の資源量にも関わるだけに、喜んでイイ結果ではない。

●脱渓時点では、25cm級止まり●

 一端の脱渓後は車ですぐに入れるところだけを様子伺いしながら下流へと向かったが、ふと橋の上から川を覗いていると気になる淵があった。そこで少し粘ってみると、何と当日最長寸のヤマメが登場し、それを機にこの日の釣りが終わった。

●最後にチョイ出しで釣れた28cm●


■梅雨後期に期待■

 当日は典型的な渇水による影響下で、それこそ胃の痛くなるような展開だった。しかし「手を変え、品を変え」という展開は、言わば、自分にしか出せない魚を釣った気分になる(気分だけで実際にそうなのかは疑問)ので、入れ食いでただただ数が釣れたという展開よりは好きな方だ。ただし、頼りにしている久婦須川では、資源量が減っているようにも思えるだけに今後が心配だ。
 ただし、1度増水して落ち着くとまた違った展開にもなるだろうから、今度はそのチャンスに賭けてみよう。夏場は雨の日が多そうな長期予報も出ていることから、これからチャンスも増えることだろう。釣行機会が減っているボクの渓流釣りだが、これから先にしばらく釣っていない尺オーバーのヤマメが出てくれれば幸いだ。
 と、その前に、靴底自体が外れたために修理不能かも知れないウェーディングシューズをどうにかしなければならないが…。
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短時間勝負の久婦須川

2013-07-13 12:30:00 | 渓流&管理釣り場での釣り
■梅雨末期■

 ヒラマサに惑わされ、なかなか向かうことが出来なかった今シーズンの渓流釣り。6月初旬にようやく自身の開幕を向かえたが、その後は空梅雨気味の中、予定日近くになると雨が降らず、渇水気味となり、なかなか釣行タイミングが掴めなかった。
 そしてその梅雨も末期を迎え、ボクがよく釣行する中部北陸地方では釣行前々日に大雨が降るという、ベストのタイミングがようやく巡ってきた。
 釣行先についてはアレコレと散々迷った。当初の計画では釣行先の第一候補は岐阜県奥飛騨の高原川だったのだが、ここでは逆に雨が降り過ぎて大増水した模様で、早々に候補から外れてしまった。しかも前日になって雷雨が各地で発生したため、予測がつけ辛い状況になり、困り果てていた。
 こんな時に助け船となるのが、「国土交通省・川の防災情報」だが、確認してみると、やはり各地の水位計は上昇し、かなり高い様子だった。「では、今やホームグランドとなっている久婦須川はどうか?」と覗いてみたが、ここの水位計はよく故障するため、前日の段階でも欠測続きで、時折数値が入っているという状態だった。
 その間引きされた測定値では水位が落ち着く方向のように思えたし、雨雲レーダーでも雷雲は富山湾から離れた位置に発生していること、更には、「勝手知ったる」ということで、結局はいつもの久婦須川に釣行先は絞られた。しかし、曇りだった予報は修正され、釣行当日は雨量は少ないものの、雨模様となっていたことが気がかりだったのだが…。

■降り出す雨の中■

 釣行当日の朝は曇天であった。河原に降りて状況確認すると、水位は見た感じでは20cmほど高いが、「下がる傾向」というのはこの時点では正しい判断のように思えた。しかし、川の濁りは泥っぽく、もうこれ以上ひどくなると魚が口を使わなくなるような感じが漂っていた。

●泥っぽく、流速が速い●

 今回持ち込んだエサは市販エサのミミズとブドウ虫だが、それに加えて現地採取した川虫類を使用する予定だったので、竿を出す前にとりあえずは採取に励んでみた。
 前月と比較すると川虫の生息密度が下がって、なかな数が揃わず苦労し、思いの外時間が掛かってしまった。そのため、朝一の時合い狙いにロスが出てしまった。そしてようやく竿を出せる頃になると、ポツリポツリと雨が降り出す始末。先が思いやられるスタートだった。
 最初に入ったポイントは平瀬に大きめの底石がポツポツとが点在するだけなので、スタートが遅れた分だけ出てきている魚が少なかったのか、アタリがあってもチビサイズしか出ない。そのために、実釣開始から早くも焦りが出ていた。しかも、それに拍車を掛けるように雨粒が大きくなり始めた。

●しばらくはチビばかり●

 雨模様を眺めつつ、「このままでは更に水位が上がって、釣りどころではなくなるかも知れない」との思いが巡っていた。従って、脱渓できる場所を常に念頭に置きながら、効率良く釣れそうなポイントのみをピックアップし、そこに仕掛を打ち込んでゆくという作戦に切り替えざるを得なくなった。勿論、魚の活性は低そうなので「ここは…」というポイントでの、ある程度の粘りは必要だが、そこで時間を掛ける分だけポイント間の移動はサッサと行い、いつもなら試しに仕掛を打ち込むような”念のためポイント”は、あえて無視することとした。
 そして、そんな狙いを繰り返す内に、ようやくマトモ・サイズをゲットすることができた。

●ようやく釣れた20cm前半サイズ●

 このヤマメが出たのは普段であれば入っていそうなポイントそのものではなく、「A級スポット脇にある比較的静かなところ」だった。
 この結果、以下の推論を立ててみた。
 普段なら仕掛を打ち込まない”竿抜け”と表現するところかも知れないが、前日までの、水位の様子からすると他人が散々叩いた後であるはずはなく、当日の濁りと水流の加減で条件が悪化し、「渓魚にとって普段のA級がA級でなくなったために、そこに定位せざるを得なかったのであろう。」と…。
 そして、その推論はあながち外れではなかったようで、次のヤマメも淵尻脇の陰になった部分から出てきた。

●当日としては良型になる、25cmのヤマメ●


■当日最大魚■

 その後も、普段なら狙う大場所そのものではなく、その近くにある渓魚の待避場所となるようなところに仕掛を打つことでポツリポツリながらアタリをとってゆく。しかし、一区間で一匹が出る程度で、複数が同一区間で出ることはなかった。
 エサに関しては「濁った時のミミズ」のセオリー通り、ミミズに出るアタリがほとんどで、川虫ではオニチョロに少々アタリが出るのだが、クロカワムシには全く反応がなかった。

 不調さを感じつつも、差し掛かった区間は、上流側がひな壇のように段々と落ち込んでくるところだった。
 普段であれば、段々の落ち込みや岩陰とその裏にできる流筋脇等を狙うのだが、この日の流勢では、やはり不発。そして気になったのが、段々が終わった先のやや開けたところにある下写真のようなポイントだった。

●気になったポイント●

 写真手前にある、流筋の脇は当日のパターンとしては当然のように不発だった。
 「それなら対岸のブッシュ際はどうだろうか?。」と、仕掛を打ち込んだ。何度か投入するのだが、引っ掛かるのが嫌なので、どうしても手前を仕掛が流れてしまってアタリが出ない。
 そして「最後の一投」とばかり、引っ掛かるのを覚悟しながら投入した仕掛が、ウマイことにブッシュ際ギリギリのラインを流れてくれた。
 これにアタリが出た。それも当日としては良型の渓魚ようで、アワせた瞬間に、ゴンッ!という手応えがあった。やはり本命場所ではなく、待避場所に潜んでいたようだ。
 流筋を越えて手前へ寄せなくてはならず、その意味では多少ヒヤッとしたが、とはいうものの、尺越えではないのは確かなので、引き味を楽しみながらのやり取りなった。そして、無事にゲット。当日としては最大魚のヤマメであった。

●27cmのヤマメ●


■半ば逃げ帰る■

 良型ヤマメを釣った後は、竿出しできる区間も残り少なくなっていた。また、この時点での増水具合から推測すると、普段なら最終地点になる大堰堤の周囲には近付けそうにもない。
 しかし、最終地点を諦めて脱渓地点に向かうにも、その手前で瀬を渡って対岸に向かわなくてはならない。そこで急いで渡河地点に向かったが、危険に感じることはなく無事に通過でき、もう危険箇所はなくなったのでホッとして胸を撫で下ろす。ただし、この時点で竿出しできるポイントは2箇所しか残っていなかった。
 そして、その一つでもブッシュ際作戦が成功してなんとか一匹を追加する。

●最後は25cmのヤマメ●

 このヤマメをもって「キリが良し」とし、この日の釣りが呆気なく終わった。

●堰堤の周囲は釣り不能●


■増水の中で■

 この日の釣りで濁り+増水時の、釣りパターンの一つが読み解けたためか、渓魚の食い渋りにもある程度対応できて、そこそこサイズ(22~27cm)の、ヤマメの釣果はなんとか”ツ抜け(二桁)”に届いた。
 しかし、渓魚の中ではイワナの姿は消えて泳ぎが得意な渓魚のヤマメのみ、しかもそれが待避場所に移動している中で釣りをするということは危険信号が渓魚から発せられているワケであり、ボクとしては常に脱渓を意識しての釣りだった。やはり精神衛生上良くない釣りは、内容的に満足できるモノではない。そのため、なんとかやり直しを計りたいところだが、もう既に各地で梅雨明けが始まり、北陸の渓流では恐ろしいアブの季節を迎えつつある。今年はタイミングが悪く、渓流への釣行機会が極端に減っているが、北陸を攻める以上は”アブ明け”の9月に期待するしかないため、今後は行き先について検討する必要がある。いずれにせよ、夏場は雨待ちとなるのだが…。
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渓流釣りスタート

2013-06-22 12:30:00 | 渓流&管理釣り場での釣り
■梅雨入りしたものの…■

 今年の初釣行は年券を購入した新しい川に向かうつもりだったのだが、梅雨入直後の晴天続きで釣行計画が狂っていた。
 透明度の高い川に生息する渓流魚は、雨が降らない状況が続けば水が澄みすぎる上に水量が減り、魚食する鳥達から水中が丸見えになるために警戒心が強まって食いが確実に落ちる。特に上空が開けている川はその傾向が顕著になる。従って、当初に予定していた新しい川はキビシそうな条件が予想されたので、早々に候補から外れてしまった。
 一方、この時期、いつも頼みにしていた高原川も遅れていた雪代が出る時期になっていたし、ボクが好きな本流域は晴れでは厳しそうだ。あれこれ、さんざん迷った挙げ句、結局はもう少し後に釣行するつもりだった富山県下の久婦須川へ向かうことになった。

■久婦須川■

 兵庫県から遠征する身にとって6月の富山県釣行は辛い。何しろ到着するまで4時間近くかかるし、朝4時頃には周囲が明るくなっている。夜10時頃に自宅を出発すると、車中での睡眠時間が2時間になり、釣りを終えてからはまた4時間かけて戻らなければならないのだ。それでもボクにとっては相性の良い川であることには変わりないので、ついつい足繁く(ボクの釣行ペースでは)通うことになる。

 午前2時前に現地に到着。その後は予定通り?2時間の睡眠をとった後、河原へと降りる。そこまでは藪をこいでゆかなくてはならないが、昨今話題の真ダニとりつかれることもなく、無事に到着する。

●薄暗い中、藪こぎで河原を目指す●


■ピンチョロ■

 ボクのように都市部に暮らす者にとって、渓流釣りはマイナーな釣りなので、近辺の釣りエサ店で事前購入しようにも、限られた店に在庫があるミミズやブドウ虫といった市販品以外のエサはほとんど手に入らない。最も渓魚の食いが良いとされるのは川虫だが、これらを事前購入するには、岐阜県郡上市あたりに立ち寄って自販機を利用する手もあるが、そこに立ち寄って東海北陸道経由で富山に向かうのはプラス1時間のロスがあるので、睡眠時間が更に削られる。
 「現地調達すればイイじゃないか」という意見もあるだろうが、現場に詳しい地元在住者と違って川虫の付き場所をそんなに把握しているわけではなく、川に入るタイミングによって極端に量が少なかったり、サイズが小さかったりで、ウマく手に入らないことがよくある。
 このようなもどかしい状況を打開するために川虫の通販を時折利用していたのが、これも季節限定的な要素があって、日持ちのするキンパクが採れる4月中旬頃までしか手に入らないことが多かった。そんな中見つけたのが、岩手県から通販で取り寄せるピンチョロで、今回はこれを利用し、久婦須川に持ち込むことになった。

●岩手県産のピンチョロ●


■実釣スタート■

 川に入って最初に感じた印象は例年より冷たく思える水温で、これにより、何となく当日の展開がキビシイものになる予感が漂っていた。
 その実、投入を開始してもアタリは簡単に出る様子はなかった。これは、水温低下に加えて釣行日が日曜だったために、恐らく前日に散々叩かれていたことと、雨後4日目だったことなど悪条件が重なっていたためであろうと思うが、いずれにせよ、食い渋りを想定した粘りの攻めが必要と感じざるを得なかった。
 そのため、実釣がスタートして以降は持参した市販エサとピンチョロを始め、現地採取したクロカワムシやオニチョロといった川虫とをローションをさせ、渓魚の目先を変えることで何とかアタリをとろうと試みていた。
 その結果、市販エサに出るアタリはほとんど無く、川虫類にしか、それも一種類につき一回程度しか反応がなかったし、食い込みが悪くてハリに乗らないことも多いという傾向を初期段階で掴んでいた。

●現地採取のオニチョロ●

 そのような傾向であることから、普段なら既に移動しているハズの時間帯でのアタリを捉えて、ポツポツとヤマメを拾ってゆく。しかも嬉しいことに、ピンチョロにもちゃんとアタリがあって、当初の区間では最大サイズがこのエサに反応してくれた。

●ピンチョロで釣った25cmのヤマメ●

 そこからまた更に粘って「いくら何でも、もう出ないだろう」と区間ラストのつもりで流してみたのだが、意に反して反応があって、アタリと共に”ゴンッ”と衝撃が走る大型ヤマメらしき魚が竿を大きく曲げっていった。たが、衝撃後に締め込むこと僅か数秒でハリが外れて逃してしまった。もっともこの時点では「流し終わる最終部分でアタリを捉えたために、マトモにアワセることができなかったこと」が、ハリ外れの原因だと思っていたのだが…。


■ハリスの号数を上げる■

 その後の区間も粘り腰を発揮しながらポツリポツリとアタリを捉えて釣果を積み重ねてゆくが、昨年同時期と水量が変わらないものの、流筋が変わってポイントとして成立しなくなっているところがほとんどで、その意味でも苦労を重ねた。そのうえ、誰の目にもポイントと判断できる箇所でのアタリはほぼゼロの状況で、先行者は居ないようだったが、いわゆる竿抜け部分でしかアタリが出なかった。

●昨年とは全く違う流れ●

 そして水温の影響は本当だったのか、釣り上がるにつれて、より低水温に強いイワナのアタリが増え始めた。

●25cmのイワナ●

 しかし、これすら簡単に出るわけではなく、じっくり時間を掛けて丹念に探った結果だったが、嬉しいことにその努力が実って徐々にサイズアップしてゆく。 

●28cmのイワナ●

 脱渓までの中間地点に差し掛かっても、ボクにとっては本命である、ヤマメのアタリは相変わらず渋くて、掛けることすら苦労する状態だった。そこで、食い渋り対策として「ハリスを落とそうか?」という判断に一瞬向かいかけたのだが、それよりもアタリが出た瞬間に、いつもより強めに即アワセを入れることを優先し、ハリスをそれまでの0.3号から逆に0.4号まで上げてアワセ切れを防ぐ作戦を思いついた。これで魚が出なければ細くすれば良いまでのことだ。

 有り難いことにハリスの変更後もアタリの数はそれまでと変わりはなかった。そして渋いアタリを掛けアワセて何匹かのヤマメを釣った後に、ようやく判り易い大きなアタリを目印が捉えたが、その様子から当日の状況下では、すぐに「ヤマメではないな」と判断できた。案の定クネクネとした抵抗感はヤマメとは別物で、引きにスピードがない。号数を上げていたハリスのお陰もあって強気のやり取りで無事タモに納めたのは、今シーズン初めての尺越えのイワナであった。

●32cmのイワナ●


■頻発するハリ外れ■

 尺イワナの後は、更に釣り上がっていったが、相変わらず、大場所や当たり前のポイントではアタリが皆無の状態が続いていた。そんな中であっても集中力を切らさずに即アワセで対応し、何とかゲット数を伸ばしつつ、最終区間まで到達した。
 ここまでに大型ヤマメらしき、アワセた後に衝撃が来るような渓魚には四度遭遇していたが、四度共にハリ外れで逃してしまった。それら全てにおいて、一匹目と同じ「シツコク粘って、もう出ないだろう」と思い始めた頃のアタリであったし、それを外した後は他に何も食ってこないというパターンまで同じであった。そしてこの状態は、ハリの号数を上げるといった工夫をしても好転することはなかった。要するに、ボクにとっては努力の及ぶ範囲外の超食い渋りと解釈するしかなく、尺越えのヤマメとの出会いは諦めざるを得ない状況だった。

●当日最大27cmのヤマメ●


■全ては雨後から■

 通常なら午前中の半日もあれば到達する区間だったが、脱渓した時刻は午後4時を回っていた。かなり時間は掛かったが、それでも何とかほどほどの釣果を得ることができたことは幸いだった。
 食い渋り傾向に対抗して、粘ってアタリを出し、それを即アワセで確実に掛ける方法を今回は学んだ。とは言うものの、上述した大型や、それ以外を含めてヤマメらしき渓魚のハリ外れ回数は多く、これは相当に悔しかった。こんな時「逆に細ハリスにすればもっとアタリがあって、楽に釣れたかも?」と思うのは釣り人としてのスケベ心であるが、基本的な決めごと以外は「逆もまた真なり」で、その可能性があることは釣りの奥深さでもある。
 そうやって当日の思いを再確認している今だが、気付けば昨年あたりから自身の久婦須川での釣果は下降気味であり、それに加えて川の様子が悪い方に変化していることも気になっいている。この点については次回以降の釣行でキッチリと確かめてみたいことがあるのだが、「その前に梅雨らしく、ちゃんとした雨が降って一旦川がリセットされなければ何も始まりそうにない。」と思っていた。そんな矢先、台風4号の接近と活発化した梅雨前線によって、状況は好転し始めたようである。梅雨明けまでにそのチャンスを逃さないようにしたいのだが…。
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渓流 今期最終釣行

2012-10-06 12:30:00 | 渓流&管理釣り場での釣り
■渇水続きの渓流■

 9月に入り、禁漁までに1ヶ月を切った状態の中、何とか今期の最終釣行の機会が来るのを待ち続けていた。釣行先は富山県の久婦須川と決めてはいたのだが、インターネットで水位計をずっと追っていても、今までに見たことの無いような低い水位が続いていたので、ほとんど諦めの境地に入っていた。
 9月最終週の日曜日である30日。実は、この日も渓流釣りを諦めて、最近チャレンジを開始した「たて釣り」をしようと、予約まで入れていたのだが、台風17号の影響でそれが中止になった。しかし富山県の、この日の天気予報を確認すると、前日夜遅くから降りだした雨が、適度な小康状態を挟んで時間あたり1~2mm程度の量のままで当日の昼前まで続き、一旦上がった後に夕方以降に本格的な降雨になるというモノだった。
 それを受け、「本格降雨の前であれば、イイ状況になっているのでは?」との勝手な予測をたてて、一路、久婦須川を目指すことにした。

■大ハズレ■

 午前2時頃、現地に到着するが、意外にも雨が降った形跡はあるものの、現地の道路は既に乾き始めていた。しかし、台風17号が迫る中、「降らないワケはないだろう。」と楽観気味に仮眠をとる。そして午前5時に起床したのだが、様子は変わらず、イヤな予感が漂う中での準備になった。
 入る区間は勝手知ったる、いつもの位置だった。真夏のピーク時のままに生い茂る草木の中を藪こぎし、苦労の末に河原に降りてみると、昨夜来の微量な雨では回復することのなかった”渇水の渓”の様子が目に飛び込んできた。
 そして、苦戦するのが目に見えるような状態で実釣がスタートした。

 普段の渓相であれば、早朝のエサ場になる区間には、浅すぎる水深のために警戒したヤマメたちの姿は当然のようになかった。続いて比較的にだが、水深のある瀬脇の泡の下からようやくアタリをキャッチする。しかし、それはチビサイズからのモノであった。 

●この日の初ヤマメは16cmほど●

 同ポイントでは、パラパラとアタリがあったが、全てがチビ。諦めて上流へと向かう。

 次の区間は幅の広い瀬からの落ち込みが収束する部分で、昨年の同時期に大型の渓魚をバラした区間だ。しかし、水が少なく、昨年の渇水時よりも更にポイントの数が減って、狙うべき箇所は1~2しか残されていなかった。

●実質、この部分にしかポイントはない●

 しかも、ここまでは曇天の中での釣りであったのだが、雲から晴れ間が覗きだした。更に、台風からの風が蒸し暑く、9月末だというのにミンミンゼミまでもが鳴く始末。この状態は、渓流釣りにとって最悪だ。

●憎き晴れ間が…●


 とりあえず、ミミズでチビを数匹釣った後にエサをブドウ虫にチェンジ。それにようやくマトモなアタリがあって、少しだけだがマシな20cmのヤマメをゲットする。


●苦労の末の20cm●

 あまりの反応の鈍さに、「エサのせいかも?」と思い、川虫採取を始める。辺りで獲れる川虫はクロカワムシであったのだが、実際に使うと渓魚の反応は鈍かった。結果的にだが、最終区間での例外を除き、この日一日において、獲る努力に報われる釣果を得ることはなかったのは意外だった。

●期待ハズレのクロカワムシ●


■何にも無し■

 次なる区間は、用水路からの排水が淵に滝になって流れ込むところだ。ただし、この滝は人工なだけあって、人間の都合で時折止まることがあるので、その都度条件が変わる。
 度重なる不運の中、幸運にも滝は流れ込んでおり、周囲と比較すれば、この淵だけは水量があって条件は良いように思えた。

●滝が流れ込んでいる!●

 丁寧に淵尻のカケ上がりから攻め始める。しかし答えはチビヤマメ。淵の中間にある大石周りを攻める。ここでも答えはチビヤマメ。滝と流れがぶつかる周囲を攻める。またしてもチビヤマメ。最後に淵頭の流れ込みを攻めるが、結局全てがチビヤマメだった。

●チビヤマメしか居ない●


 最高サイズが20cmという貧果のままで、脱渓地点の堰堤付近のポイント群に到達する。この区間は普段の水量であれば、攻めるポイント数が多く、丁寧に攻めれば攻めるほどに釣果が伴ってくるのだが、やはり渇水の影響は大きくポイントたり得るところは5分の1以下になっていた。

●堰堤の周囲にも水は少ない●

 それでも、堰堤が魚止めになっているから、秋の産卵を控えた大型が少しは遡って来ているだろうし、当日の条件では水量もある方だ。故に少しは期待が膨らんだが、元より上空が開ける場所だけに、時折陽射しが射す中での、この水深では魚をストックする場所にはなり得ず、とうとう堰堤直下までマトモな魚を得ないままに終わった。


●またもやのチビヤマメばかり●


■台風の迫る中■

 一旦車に戻って、念のために各地の天気予報をチェックする。結果、滋賀県辺りまでは大雨の警報が出ていたので、「タイムリミットは1時間ほどだろうか?。」との予測をたてた。
 とにかく納得サイズを得るため、ピンポイント的に一カ所だけに入ることを決意し、下流のポイントを目指した。
 上空の黒雲に注意しながら、途中のポイントは捨てて淵へと直行する。ブドウ虫は既に尽きていたので、ここではミミズと、ここまで結果の出ていなかったクロカワムシを交互に刺し替えて攻めてみた。

●最後の淵●


 数頭目、意外にも不調だったクロカワムシに、目印の変化と共にゴツンッ!としたアタリが出た。同時に、久しぶりの良型らしいアタリに期待に胸が膨らむ。しかしアタリに反して抵抗感は少なく、さしたる感動はなかった。
 そして難なく取り込んだのは、この日最長寸のヤマメだった。
●23cmのヤマメ●


 続いてミミズで20cmをゲットするが、以降はチビばかりになる。そしてそのアタリすら途絶え始めたと共に、やや大粒の雨が降り始めた。
 そして「長居は無用」とばかりに、逃げ帰るように久婦須川を後にした。

 しかし、地獄はここから始まった。帰路は紀伊半島から北西に進む台風17号に向かっての進路だったのだ。当然予測はしていたが、猛烈な風雨の中、三カ所も「起こしたて」の事故を目撃し、そのうち一カ所は追突しそうになるのをすんでの所でかわして何とか北陸、名神の高速道を走り抜けた。まさに、「這々の体(ほうほうのてい)」で帰宅することになったのだ。


■シーズンを振り返って■

 この日を振り返るため帰宅後に、インターネットで久婦須川の水位計をチェックした。すると、ものの見事にボクが居た間には渇水のままで変化がなく、夕刻以降に一気に水位が倍以上になった模様だ。
 「この増水が治まれば、一気に食いが上向く」とは判ってはいるが、もう時間切れ。来年に期待するしかない。
 今シーズンは初期段階で沖釣りに目が奪われたことと、夏以降は超渇水のために釣行機会が激減して、ついに尺オーバーを得ることができなかった。この件に関しては当然納得はしていないので、来シーズンはもっと釣行機会を増やすつもりだ。そのために、もう少し近畿圏に近い新たなフィールドにも向かうことを考えている。そして今から他人様のブログ等を眺めてデータ取りし、計画を練っている最中だ。


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’12 高原川の釣り ~その2

2012-07-14 12:30:00 | 渓流&管理釣り場での釣り
その1から続く

■芋生茂(おいも)橋■ 

 気付けば雨脚の強まる中、脱渓予定地の芋生茂(おいも)橋まで到達していた。この下流側も以前はもう少し水深があったのだが、やはり浅くなってポイントの規模は小さくなっていたが、この区間ではまだ広いポイントの一つだ。

●芋生茂橋下流のポイント●

 しかし、また先ほどのルアーマン達が居座っていた。「一声掛けてやろうかな?」と思ったが、こちらの接近に気付いてそそくさと引き上げていった。よく考えてみると、先程来ずっと「二人に往復二度攻め」されたポイントを攻めていたのだ。
 振り返れば、先ほどの流れの速いポイントからここまでの間はポイントらしい箇所はない。だからこそ、ここで例の二人は粘っていたのであり、ボクとしても「さすがにもう出る魚はないだろう」と思っていたが、浅い淵尻で、またもやこの日サイズのヤマメをゲットする。

●23cmのヤマメ●

 しかし、さんざん攻められたせいか、もう一匹同寸を加えて以降、探る場所多い割にアタリの数は少なかった。更にはここまで頼りにしてきたミミズの数は減り、極細が数本しか残っておらず、ほとんど使い物にはならなかった。そこで、半ば仕方なしにブドウ虫を装餌して、投入してみる。
 これまでの自分の経験を辿ってみると、ブドウ虫では小型のヤマメばかりを釣っていて、「目先を変える」効果以外は、そこそこの型以上の実績は少ない。しかし、この日はその目先の変化に効果があったのか、スパッと目印を引き込む一番ハッキリしたアタリをこのエサが届けてくれた。
 高原川のヤマメらしい、シャープな引きに”良型”を感じたが、”大型”ではなさそうだ。それでもこの日一番の魚には違いはないので、慎重にいなして受け玉へと導いた。

●28cmのヤマメ●

 これがこの区間最後の魚になったが、大型こそ出ないものの、ここまで”そこそこサイズ”が11匹と、「つ抜け(一つ、二つ、といった一桁を超えたという意味)」を達成したことに納得つつ、この区間を後にした。


■情報収集■

 一旦、退渓した後、ガソリン・スタンドも経営している、宝フィッシングさんで、車の給油がてら情報収集をする。
 聞けば、今年はヤマメの当たり年だったようで、春から良~大型が結構出ていたそうだ。そのことから昨年は絶不調だったヤマメは、居るには居たが、何らかの影響でハリに着いたエサを活発に食わずに、そのまま越冬したと思われるそうだ。だが、その勢いも鮎釣り用の稚鮎等を入れるまでのことであり、その放流後は食性が変わったのか、川虫等のエサへの反応はかなり鈍っているそうである。又、すでに稚魚の放流もあったので、逆に川虫への反応が早い小型が、うるさくつきまとう状況になっているそうだ。
 そのことを考慮し、中上流部とは条件の違う下流部へと向かうことにした。


■割石以北■

 神岡の町を挟んで上下流で高原川はかなり表情を変える。神岡町から上流では川底には主に人頭大程度の大きさの石が散らばっているのだが、下流側の、この地区では大石、それも読んで字の如く、巨岩を割ったような石がゴロゴロとしているので、表情がかなり違う。

●割石以北の河原風景●

 入渓場所は少しズレるが、この区間では’10年に40cmのイワナを上げているだけに期待を持って望んだ。
 ここ一帯には所々で大石が流れを狭め、そのすぐ下流の淵へと流れ込む流筋を形成している箇所が散在しているが、その一つ一つを丁寧に攻めてゆく腹づもりだ。単発だが、尺オーバーのヤマメも登場する区間と聞いているだけに、「一発勝負」に勝つため、硬度MHの8.5m竿に0.5号という太仕掛けで投入を開始した。
 しかし、以前に訪れた際とは違って、ここまで雨が少なかったせいか、何となくよどんだ水色で、水質が悪いように感じる。そのためか、アタリがあるのは鯉科の魚=ウグイばかりで閉口する。そこで、ウグイが泳ぎ辛いであろう、なるべく流れの速いポイントを中心に攻めるようにする。
 何度目かの淵に差し掛かり、速い流筋脇にある渦を巻くポイントで仕掛けを馴染ませていると、ようやくソレらしいアタリと同時に竿が大きく曲がり込んだ。
 「やった~!、尺はあるかも?」と思い、慎重にやりとりを開始するが、引きに力はあるものの、ヤマメの引きほどのシャープさとスピ-ドがない。かといって、イワナのようなウネウネとしたトルク感もない。ソレよりも第一に、使用しているタックル敵ではなさそうだ。
 「嫌な予感が…」と思いつつ、半ば強引に引き上げた瞬間に相手が姿を現した。得てして悪い方の予測は当たるモノで、ソレはニジマスだった。

●トホホな35cm級のニジマス●


■鳴り響くサイレン■

 気を取り直して、更に各所を攻め続けていたが、好転することがないまま、臭いウグイまみれになり、閉口しながらも、脱渓地点まであと残り2淵になった時点で、河原全体に大きく響くサイレンと共に「こちらは北陸電力です…」という放送が流れ始めた。
 その内容は…増水で上流の浅井田ダムが放水を始めたというモノだった。周囲を見回しても水位が上がっているようには思えなかったが、「流されては大変」と、脱渓を決意し、あっけなくこの日の釣りが強制終了となった。


■後悔先に立たず■

 「食いが悪くなった」という中でもヤマメは”つ抜け”し、イワナ等を含めると総合釣果は結構な数になった。この点からも不調だった昨期が、一時的にどうかしていただけで、高原川の実力が落ちていたワケではないということを確認した。その点では安心できたのだが、こうなってくると十分に楽しめた一日ではあっても、「鮎が入る前の好調時に入っていれば更に良型が、数が…。」と、欲が沸いてくる。正に「後悔先に立たず」だ。
 これから高原川は鮎釣りシーズンに入り、本流は鮎師たちに占領されてしまう。従って早朝や、支流といった具合に、限られた時間や限られたエリアしか竿出しができないから、遠征組のボクには制約が多くなることから、釣行は厳しくなるだろう。恐らく、次回の釣行は来シーズンになるだろうが、ソレが今から待ち遠しくなった釣行だった。
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’12 高原川の釣り ~その1

2012-07-07 12:30:00 | 渓流&管理釣り場での釣り
■行きそびれていた高原川■

 本格的に渓流釣りに取り組んで4年目のシーズンが始まっている。始めたばかりの頃は3月の解禁からスタートしていたのだが、サビ(越冬状態)の消えたコンディションの良い状態の渓魚が釣りたいことから、水温の低い3月はパスするようになり、いつしか自身のスタートは4月になっていた。
 ボクの場合はここ数年来、4月に入って最初に入る川は、釣れだしの早い川として知られている高原川に向かうことをパターンとしていた。そのために昨年までの2年間は年券を購入していたのだが、考えてみると元を取るまでには通っておらず、それに加えて昨年はヤマメが不調とあって一考の余地があった。また、沖釣りに意地になっていたところもあって今年はとうとう年券は購入せずにいた。
 ところがである。悪い方の巡り合わせに行ってしまいがちなボクが、年券を購入しなかった年だからこそだろうが、今シーズンは解禁以来、ヤマメが好調という噂が流れていた。そのあたりは、いかにもボクらしい展開になっている。今更それに乗っかっても、どうせ乗り遅れだろうが、せめて一度くらいは竿出ししておこうと、ようやく重い腰を上げるに至った。

■葛山堰堤上流■

 さてさて、どこから入渓しようかと思ったが、今年は恐らくこの川には一回しか訪れないだろうから、勝手知ったるポイントに入ろうと思い、毎年一度は入る葛山堰堤の上流から釣り上がることにした。
 この区間に入り始めて3年が経つが、随分と川筋が変わった。特に最初の区間は砂の堆積が進み、一面が砂浜のようになっている。そのためにポイントのいくつかが潰れ、区間全体の水深も浅くなっている。

●区間の始めにはポイントは少ない●

●河原に残る足跡=4本爪は犬科だそうだが、狸にしてはデカ過ぎる●

 「これも山が荒れたせいなのか?」と考えつつ、要所に仕掛けを打ち込んでゆくが、相手にしてくれるのは最近放流された稚魚ばかり。キープサイズが全く出ないままに小一時間が経過していく。

●15cmが精一杯●



■風光明媚■

 過去に良い思いをしたポイントはほとんど条件が変わってしまって、稚魚以外の反応はなく、「もしかして今日はキープサイズはゼロかも?」という、予感が走る。それでもここ高原川の河原から見る景色は風光明媚という言葉がピッタリと当てはまるので、気分がイイ。
 晴れた日には冠雪した焼岳が正面に見え、ガスがかかり気味になれば今度は周囲の山々が水墨画のように見えるのだ。

●当日は水墨画の世界●


■ようやくのヤマメ■

 「この区間はもうダメかも?」という念に支配され、早めに退渓して、「他の区間に走ろうか?」とも考えたが、過去の実績ポイントが目前に見えたので、「ここがダメなら…。」との思いで一通りの攻めを展開する。
 このポイントには瀬から落ちてくる流筋が浅い淵(以前はもう少し深かったが…)に流れ込み、条件は整っている。淵尻には適度に人頭大の石が散らばり、それが隠れ場所になってヤマメがエサをとり易い環境だ。水深があまりないので、晴天時には厳しそうな感じがするが、幸いにも当日は小雨模様であるから期待が持てそうだった。

●過去にも実績があるポイント●

 まずは基本の下流側から。何とその一投目、淵尻の最後尾、それも仕掛けの流し終わりに、いきなりのアタリが目印に出た。あまり気合いが入っていなかったせいか、それまでチビを掛け続けていた仕掛けがそのままだったせいか、はたまた竿と腕が伸びきった辺りでアタったせいか、チモト切れ(ハリの結び目のすぐ上で切れること)でバラしてしまう。
 慌てて仕掛け全部を念のために交換して、投入を再開する。再開後は食いの渋い状態が続いたが、朝一よりも雨量の増し始めると、スイッチが入ったようで、アタリが連続し始める。
 しかし、まだアタリは小さく、掛け損ねやハリ外れをやらかして、それまでの稚魚とは違う手応えがあっても、なかなか取り込みまでには至らない。
 目先を変えるためにクロカワムシとミミズ、そしてブドウ虫やヒラタと何度かエサローテーションをさせた末に、ようやく当日一号が受け玉に収まった。

●高原川らしい体高のあるヤマメ(25cm級)●

 このポイントで腰を据えて釣る内に何となく傾向が見えてきた。つまり、稚魚サイズが反応する位置にはマトモサイズが居ないということであり、稚魚サイズはヒラタに対して特に敏感に反応するということである。そこで最初にヒラタを使って、稚魚のたまり場を見つけたらそこは省き、地形から見れば、そこにはヤマメが着いているはずなのに、実際の反応が鈍ければミミズとクロカワムシをローテーションさせてじっくり釣るというパターンを組んでみた。
 これが当たってポツポツとゲット数が増えてゆく。

●先ほどと同寸●

●ヤマメよりも小型だが、イワナも登場●

●アタリの多かったミミズ(キヂ)●


■釣り下るルアーマン■

 同じポイントでは結構アタリはあったのだが、初期のハリ外れや掛け損ね等がたたって、結局ゲット数は5匹にとどまった。
 それでも当日の展開から考えると、上出来な釣果に満足し、次なるポイントへと向かうため上流方向へ目をやると、ルアーマン2人の姿が目に入った。盛んキャストしているようだが、しばらく経つとこちらの存在に気付いたようだ。
 どう見ても釣り下りであり、ルール違反だ。他人のレポートではフライやエサ釣りの人も居るということだが、ボクが渓流に入り始めて以来、何度か出会った明らかなマナー違反の釣り人全てがルアーマンだった。あまりの確率に、ボクには渓流でのルアー釣り経験はないが、「この釣りは釣り下った方が釣り易いのか?」と思うほどだ。
 以前にも書いたが、日本の渓流釣りは、元々はエサ釣りとテンカラ釣りの人達が始めた釣りであり、後から来た人が、元々そこに存在するルールに従うのは当然だと思う。これまた書くのは二度目だが、「左側通行の日本の道路で、自分が左ハンドルの車に乗っているからと言って右側を走行すれば、正面衝突は避けられない。」ということだ。(勿論、ボクが見ていない他タイプの釣りを含めて”釣り下り行為”をする人全てにおいて同様の話だ。)
 人気河川だけに人が多いのは仕方がないし、何も独占しようとなど思ってはいない。極端な”頭はね”と呼ばれる、直前に入る行為以外であれば、河川上で攻めるポイントが重複するのは仕方がないことだと思う。だから、下から釣り上がってくるだろう釣り人と適度な距離を保って入渓し、そこから釣り上がるという基本ルールを守って欲しい。ただただそれだけだ。
 実際にはルールを守っているルアーマンも多いことだろうから、釣り上って渓魚を得るのに高度な技術が必要とは思えないが、もしそれが必要であるのならば、技術を磨きながらチャレンジして欲しいものだ。

●釣り下ってきた二人●


 で、その二人、こちらに気付いてからは、元来た方向へと慌てて戻っていった。


■釣り残し■

 これから先は、ルアーマン二人が盛んにキャストし終わったポイントばかりになるが、今更戻ろうにも先に進んだ方が脱渓点に近いので、かまわず釣り上がってゆく。
 次に目に入ったのは、割に傾斜がきつく、流れも速いポイントだった。

●二人のルアーマンが、さんざん攻めていたポイント●

 まず、下流側の淵尻(と言っても淵と呼べるほどの水深はないが)部分の石裏で目印がアタリを捉えた。流れが速いので多少手こずったが、体高のあるヤマメを無事に取り込む。

●またもや25cm級●

 結局、この区間では3匹のヤマメを追加した。ルアーとエサでは反応する魚が違うのかも知れないが、釣り残しからの3匹に気を良くし、これで以後の攻めに自信をもって望むことができるようになった。

その2へ続く
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梅雨入りの渓流

2012-06-23 12:30:00 | 渓流&管理釣り場での釣り
■ようやく梅雨入り■

 晴天続きで渇水していた渓流も、梅雨入りしたことで好転するかに思えたが、さほど降らずに一週間が過ぎようとしていた。
 釣行予定の週末を前にようやく降り出したのだが、今度は降りすぎの感があって、予定していた岐阜県奥飛騨方面では釣行24時間前からの累計で40mmを越え、更には局地的に豪雨状態のところもあって、増水しすぎで釣りになりそうにはなかった。そこで富山県に向かうことにしたのだが、反して日本海側ではそんなに降った様子はなく、八尾(やつお)周辺では24時間の累計で9mm程度だった。
 「それでも降らないよりは好転しているだろう。」との判断で、ボクにとっては、もうホームグラウンドと化している、富山県の久婦須川(くぶすがわ)へと向かうことにした。


■遅まきながらの開幕■

 河畔に到着し、仮眠すること1時間で準備を開始する。
 この日がボクに取って今シーズンの開幕となるわけだが、予想通りと言うべきか、周囲の様子からすると前夜来、そんなに降ってはいない様子であり、実際河原に到達して確認しても渇水気味の様子だった。それでも当日の天候が曇りであることは救いではあった。

●渇水気味の久婦須川●

 朝一番は、浅場へとエサを食いに上がって来ている魚を狙うのだが、まずはミミズを刺して投入する。すると、すぐに目印がブルッと小さく揺れるのだが、それは小さく、かつ力なく、まるでエサ取りの小魚のようなアタリであった。しかし、「もしや?」との思いで、半信半疑のまま、試しにアワセを入れてみた。
 すると、意に反してそれはヤマメのアタリであったのだが、1匹目から結構なサイズではあったものの、食い込みが浅くハリハズレを起こしてしまった。
 続いてのアタリも同様に小さく、無理にアワセても乗ってこない。そこで、エサを食い込みのよいヒラタに交換する。

●ヒラタ●


 この作戦が当たって、今シーズンの渓流魚第一号をゲットする。

●20cmくらいのヤマメ●

 何とか、ゲットしたものの、やはり渇水のせいか、食いは悪いようである。以後、そのことを常に頭に入れることを戦略の基本とした。


■エサのローテーション■

 要所要所で狙い撃ちをするが、普段ではポイントであるはずのところでも、当日は水量が足らず、多くがつぶれた状態であり、苦労する。やがて瀬の中にポケットのようにほれ込んだ部分が点在するポイントに差し掛かるが、ここでも全盛時の3分の1以下にポイントが減っていた。

●ポイントは少ない●

 ここでも、ヒラタ、ミミズ、クロカワムシ、オニチョロ(ギンパク)の4種を駆使して、小型のイワナを皮切りに、ぼちぼちヤマメをゲットするが、エサに傾向があることがなんとなく見えてきた。

●今年初イワナ●

 時たまアタリはあるが、ずっと小さいままで、タイミングがとり辛くて掛けてもハリが外れることが多い。そんな中、ようやく良型と呼んでも良い魚に遭遇する。

●25cm級●



 このポイント以降は、エサのローテーションをすることで次第にキャッチする量が増えるようになってきた。

●オニチョロ(ギンパク)●



■竿抜けポイント■

 もう一つの傾向もあった。やはり連日川に入りやすい状況が続いていたので、朝一番以外はいわゆる「竿抜けポイント」という、仕掛けを入れにくい部分にしか魚はついていない様子であった。
 そんなポイントを丹念に攻め、いつもの2倍近い時間をかけて探ってゆく。そうすると...

●25cm前後のヤマメ●

魚はボクに答えを返してくれた。


■最大魚■

 当日の最大魚は竿抜けポイント&オニチョロという、パターンで出てくれた。
 ポイント自体は下の写真の部分であったが、手前の石の前で20cm前半のヤマメが出た後、一番奥にあるブッシュの被った所から飛びだしてきたのだ。

●左上の隅が最大魚の出たところ●

●28cmのヤマメ●


■期待の堰堤は...■

 さてさて、第一回目の脱渓地点である、堰堤前に差し掛かったのだが、いつもよりシツコク丁寧な攻めをしていたので、時間が結構経っていた。そのため、ボクが到達する頃には誰かがすでに入渓した後になっていたのか、ほとんど反応がない。それこそ何をハリに刺しても、どう攻めても全く魚から答えが返ってくることがない。
 全く期待はずれのままに最終地点に達したが、唯一の釣果は竿抜けポイントに隠れていた小型のイワナのみであった。

●20cmほどのイワナ●


 朝4時過ぎにスタートして、この区間を脱したのは午後2時半だった。結構時間がかかったが、気付けば釣果は普段と変わりない量になっていたので、今回は粘り勝ちということだろう。(自宅用の魚を残して多くはリリースした。)
 そして、退渓後はあまり時間もなかったので、下流の小場所を少しだけ攻めて2匹追加してこの日の釣りが終わった。

●最終のヤマメ25cm●


■この日を振り返って■

 この日、最大魚は28cmのヤマメだったが、同クラスを数匹ハリ外れでバラしていた。やはり渇水のせいか、活性は低く、ヒラタで無理矢理口を使わせた感があり、掛けて取り込めた魚を含めてハリを飲み込むような魚は少なかった。
 エサのローテーションを振り返ってみると、記憶の残る範囲では、最大魚を含めて25cmクラスの多くがオニチョロに食ってきた。しかし、それぞれは単発で、連続したわけではない。昨年のこの時期にもそうだったのだが、僕自身が他地域ではイイ思いをしたことがなく、しかも、ここなぜかここ久婦須川でもこの時期しか食いの良くないこのエサが、こと梅雨時期になると威力を発揮するようである。しかし、現地で採取しようにも、数が少なくて確保に苦労した。
 反対に至るところで採れた大型のヤマメ狙いでは定番であるハズのクロカワムシは食い飽きているのか、全釣果の内、たった1匹でしかなかった。
 本文中でも触れたヒラタは最も多くのアタリを捉えたが、サイズは伸び悩む傾向にあり、ミミズは目先が変わった一瞬だけに当たりが出る傾向にあった。
 ともあれ、最大は28cmながら、20~25cmを中心に、気付けば釣果は軽く20を越えていた。やはりそういったエサのローテーションは、釣果を伸ばすには必要不可欠な要素であろう。特にヒラタは、もし無ければ釣果が一桁台だっただろうから、まさに「ヒラタ様様」だった。

 ようやくボクに取っての渓流シーズンがスタートした。今年はどんな魚が待っているのだろうか?。期待を膨らますのには十分な、幸先の良い久婦須川での開幕だった。
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今期最終釣行

2011-10-08 12:30:00 | 渓流&管理釣り場での釣り
■久婦須川での再挑戦■

 日本列島に多大な被害をもたらした台風15号。多くの河川でもその影響をまともに受けており、今シーズンはおろか、来シーズンにかけても多大な影響を及ぼしそうな気配だ。
 今期最終の釣行は、前回にボクが大バラシをやらかしてしまった久婦須川に行って再挑戦を図ろうと思っていたのだが、ここでも一時は水位が1.6m近くにまで増水し、「どうなることやら。」と心配していた。何とかそれが禁漁日までの間に落ち着くことを願っていたのだが、最終の日曜日が目前に迫る頃、ようやく下がる気配が見え始めた。
 とは言っても、釣行予定日の前日にはボクがベストだと思う水位から20cmも高い状況だった。しかし、もう時間は無い。そこで「たとえピンポイントになったとしても、釣りが可能な部分だけでもやってみよう。」と、決行することにしたのだが…。


■冷え込む朝■

 前回の釣行時は残暑の中の釣行であり、夏の虫が支配する渓では、日中は蝉時雨が鳴り響き、いつも恐怖に感じているオロロ(吸血性のアブ)が大量と言わないまでも、まだかなりの数がまとわりつくような状況だった。それが僅か2週間後の、台風一過の渓は一転して秋の虫の音で埋め尽くされるまでに季節は進んでいた。

●明け方、外気温は13度を指していた●


 周囲が薄明るくなる中、太陽と競争しながら準備を進めるが、夏の軽装ではブルッとふるえが来るような冷え込みだ。適水温の低い渓魚にとって夏の照り込みは活性を下げる要因になるが、この日の状況であればそんな心配は無さそうだ。
 ただし、気になることが…。それは渓に響く水流音が大きいことだ。その音は重みと厚みを持った「ゴーッ!」という音であり、水量の多さをうかがい知るには充分な音質であった。

●三日月が山に入り、太陽と交代する●



■水位が高い!■

 準備が整ったところで、河原に向かうが、やはり水位が高い。普段ならポイントになりそうなところも水勢のために潰れており、過去にイイ思いをしたポイント群での経験は役立ちそうになかった。

●実感では前回よりも30cm近く水位が高い●

 ただし、救いはある。それは濁りが減って、水質的には回復に向かいつつあることだ。だから、この日は「キツイ流れの中から逃れた魚が、何処にいるのか?」ということを考えれば答えが出せそうだあった。

 しかし、条件の整うポイントの数は限られていた。それでも何とか探し出して仕掛を投入すると、幸いなことに、そんなところに魚が溜まっているのか、1箇所でのアタリは多く拾える。そして簡単に「つ抜け(一つ、二つといった「つ」の付く数ではない=2ケタの意)」に成功する。
 嬉しいことに、この日は泳ぎの下手な小さな型のヤマメ達は水勢に流されたのか、ほとんどアタらず、20cm以上の、この時期としてはマズマズの型ばかりだった。
 

■消えたポイント■

 そうこうする内に、前回大きな渓魚をバラした区間に差し掛かる。しかし、その光景は無惨なモノだった。まるで上から覆い被さるかの如く流れが押し寄せて、ポイントの呈を成していない。試しに仕掛を流してみるが、オモリの重さを換えようが、立ち位置を変えようがどうにもならず、手の打ちようがなかった。

●写真で見る以上に水勢は強い●


 「どうせ同じところに居るはずはなかった」と自分で自分を言い聞かせつつ、更に釣り上がる。
 居るところと居ないところがハッキリとしているので、釣り方が単調になるが、前回に失敗しているだけに油断はならない。
 20cmクラスの引きにやや飽きつつも、何とか途中の淵と岩陰でこの日の1、2位のヤマメを獲ることに成功するが、堰堤下を含めて入るポイントが無くなってしまい、この日の釣りがあっさりと終わってしまった。結局期待の尺オーバーのヤマメは出ずじまいだった。

●この日2位のヤマメ=25cm●

●この日1位のヤマメ=28cm●


■今シーズンを終えて■

 10月1日をもって、ほとんどの河川では禁漁日を迎えた。そしてこの日の釣りで、今シーズンのボクの渓流釣りが終わった。
 振り返ってみると、尺オーバーはヤマメ、イワナがギリギリの条件だが、各1,それに準ずるサイズが数匹という結果だった。例年、初期にメインとして釣っている高原川が絶不調だったことを考えれば、ソコソコの結果だとは思うが、最終局面に入っての大バラシがかなり痛かった。
 獲れなかった原因は何となく解っている。それは、ついアタリ欲しさのスケベ根性が出て通年で同じタイプの仕掛と竿を使っていたことだ。
 例年、秋口になると、生き残った大型と、活発にエサをとる小型に二分化される傾向があることは判っていたハズだ。だったら、どうせ釣ってもツマラナイ小型は相手にせず、たとえアタリの数が少なくなっても大型を獲るためには、「食う」と信じてそれに対応した強い竿と強い仕掛を使用するべきだったのだ。
 通常だと、渓流竿は年末を前にして新製品の発表があるので、それを踏まえ、今年のオフは十分に吟味して対大型用の竿を追加する予定だ。そのためには、今から懐具合を改善しておかなくては…。
 
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渇水の久婦須川

2011-10-01 12:30:00 | 渓流&管理釣り場での釣り
■水位計■

 最終局面を迎えた’11シーズンの渓流釣り。ボク自身は一度木曽川本流に向かったものの、大増水のために18cm級が2匹という貧果に終わることを経験し、残り時間から考えると、ほとんど後がない状態になっていた。
 しかも、頼みの岐阜県北部では既に10日以降に禁漁を迎えていた。残るところボクの実績からいって「久婦須川」しか思い浮かばず、釣行チャンスをうかがっていたのだが、日頃から頼りにしている「国土交通省 川の防災情報」内の、久婦須川の水位計が、釣行前の1ヶ月以上の間で0.89mで固定されていた。
 何だか様子が変なので、H.P.上に載っている管理者である「富山土木センター」に問い合わせてみた。
 すると、係の方がチェックに向かうとのこと。そして、調査した結果をワザワザ電話で報告して下さることになった。そして2日後、「故障していたので直した。」との連絡をいただいた。
 それから釣行日までの間は、動き始めた水位計とのにらめっこが始まったのだが、釣行予定日までに何とか増水してくれないかとの願いは虚しくも届かずに時間切れし、更にはぶり返す残暑の中という、いわゆる「望み薄」の状況下での出発となった。しかし、この「望み薄」という思い込みが後々悲劇?をもたらすのであった…。

●まだ日中の気温は高かったが、付近の里では実りの秋を迎えつつある●
 

■入渓点■

 入渓点についてはもうアレコレ迷っているヒマはなかった。「いつもメインにしている場所から…。」と考えていたが、今回はパターンを変えて、とりあえず、大場所である堰堤付近を一通り攻略してから、一度退渓して下流に移動、その後は再び釣り上がるパターンで攻めることにした。
 まずは堰堤付近から…。

●朝靄に煙る堰堤付近●

 やはり、水位が低い。当日の天気予報では、昼過ぎから曇り始め、夕刻から一時雨が降る予報だったので、晴天の悪影響は受け難いものと考えていた。しかし、霞が消えた後はド・ピーカンの気配が漂っていた。
 「時合いは谷に日が差し込むまでか…。」との予想の下、徐々に釣り上がってゆく。
 しかし、晴天続きで連日のように責め立てられているのか、有望そうなポイントでは小型しか出てこない。

●好ポイントなのだが…●

●出るのは17cm級●

 そして、何も得ないまま堰堤直下に差し掛かる。

●水勢が無く、堰堤直下の流れは緩い●


 「先に押さえる」という意味もあって最初に入ってみた堰堤下は、狙いに反して結果は惨敗であった。そして得るモノはほとんど無いままに一度目の退渓を決意した。

●トホホな15cm級●


■いつもの区間へ■

 少し下って、いつもの区間から入渓し直す。しかし、盛りを過ぎたとはいえ、夏の一部であることは変わらず、入渓点へと続く踏み跡は生い茂る草木で覆い隠されていた。したがって完全藪こぎ状態で入らねばならず、「暑さ」と「草いきれ」でギブアップしそうになりながらも、何とか河原に降り立つことが出来たが、そこには夏同様の日差しが渓に向かって容赦なく差し込んでいた。
 竿を振り始めるが、予測通りの食い渋りに遭う。ここぞという箇所で何度もシツコク粘るといくらかアタってくるが、全てが小型からのものだった。

●15cm級…●


■エサの傾向■

 当日は4種類のエサを使い分けていた。いわゆる市販エサの「ミミズ(キヂ)」、「ブドウ虫」と、川虫の「ヒラタ」と「クロカワムシ」だったが、全ての場面において「この日基準の」良型がアタるのは、「秋の大型」を見込んで持ち込んでいた太いタイプのミミズ(キヂ)だった。ただし、エサの太さとハリ掛かりを考慮して、ミミズ通しを使ってキッチリと装餌することを心掛けていた。
 次いで、成績が良かったのがブドウ虫だったが、ヒラタに関しては、アタリの数が段違いに増えるものの、ほとんどが小型と、ウグイなどの外道だった。ヒラタはワザワザ遠回りまでして岐阜県の郡上で仕入れてきただけに、この結果に無念さが残る。

●ヒラタ●

●ミミズ(キヂ)●

●ブドウ虫●


■この日の最大魚■

 瀬からの流れが収束するポイントで、それらしき良型魚のアタリがあったものの、アワせた瞬間に、アッという間に仕掛が高切れして逃してしまった。
 何となく、気配が残っているような気がしたので、そのポイントで粘ろうかと思ったが、ここで大失敗に気付く。この日メインで使っていたミミズの予備パックを車内のクーラーに置き忘れていたのだ。
 えさ箱を覗いてみると、ミミズの数は残り7本。残りポイントの数から逆算すると、ギリギリの数だった。そこで、1箇所であまり粘らず、ここぞという要所のみでミミズを使ってアタリを拾っていく「一撃必殺」の作戦をとることにした。
 そして、次なるポイントは日陰になった淵に滝が流れ込むというロケーションだった。
 「絶対に居るはずだ。」との予想の下、色々と手を変えて流してみたが、アタリが出ない。ここで、「流れてくるエサ」に反応しないのなら、「ほとんど動かないエサだったらどうだろう?」という疑問が湧いてきた。「だったら…」とばかりに仕掛を回収する。そして0.5号を二つハリから60cmほど離して打った超ヘビーな仕掛に変えて流れの底をズルズルとブレーキを掛けながら流してみることにした。

●この下には絶対に居るはずだ…。●


 幸い底質は砂混じりだったので、根掛かりは少なそうだった。何投目かのズルズルで「フッ」と竿先にかかっていた重みが軽くなり、抜けたような感触になった。「アタリかな?」と思った瞬間に反射的に手首が返る。
 「ズンッ!」と竿に乗った感触はこの日、これまでで一番のものだが、超大型ではないことも同時に理解ができた。
 半ばこのクラスを諦めていただけに、じっくりと引き味を充分に楽しむ。そして無事玉網の中に誘導できたのは、良型と言っても良いサイズのヤマメだった。

●♀ヤマメの28cm●


■フライ・インジケーター■

 次なる区間は左岸に樹木が茂るポイント群だ。この区間は本来手前の底石の周囲もポイントなのだが、この日は全くの無反応。どうやら渓魚達は日差しを恐れて樹木の覆い被さる部分のエグレに入り込んで、出てこない様子であった。

●枝の下や、岸のエグレの影に渓魚は居る●

 事前にそのことは予測済みだったので、今回はその対策にある小物を用意していた。その名を「フライ・インジケーター」という。
 コレはフライで釣る際に、どうしてもアタリが見にくい場合に目印とする、言わばウキのようなものだ。様々なタイプがあるらしいが、ボクが選んだのは粘土のように自在に形が変わり、どんな位置にでも装着できるタイプだ。

●「フライ・インジケーター」のパッケージ●

●「フライ・インジケーター」を装着した様子●

 大豆が三粒ほどの大きさで、ガン玉G4程度の浮力があったので、G4のオモリをハリ上40cmのところに打ち、あらかじめ、水深を予想してウキ下を決定する。その仕掛を対岸ギリギリに投入してみると、普通の脈釣り仕掛ならオモリの重みで手前に寄ってくるところだが、インジケーター仕掛だとキレイに対岸の流れの際をトレースしてくれる。と、思ったらすぐにアタリがあって、この日ではソコソコの渓魚が連続ゲットできた。

●22cmのヤマメ●

●23cmのイワナ●

●22cmのヤマメ●

 渓流釣りの諸先輩方からは「邪道だ!」と叱られてしまいそうだが、「釣れないより釣れた方が楽しいのは間違いのないところなので、その点はご理解のほどを。


■諦めきれずに…■

 インジケーターの釣りを試した後、少し釣り上がると、そう時間が掛からないうちに、朝一に入った堰堤が見渡せる位置まで到達した。それとほぼ同じタイミングで、ミミズの餌が尽きたので「このまま脱渓しようか?」とも思ったが、ちょっと気になる部分があった。良型らしき魚を高切れでバラした瀬から落ち込むポイントのことだ。幸いブドウ虫が10粒ほど残っていた。
 「あそこで、このエサを使い切ったら今日の釣りを終えよう。」と思い、そのポイントに戻って攻め直すことにした。

 まずは瀬の上部の石裏にある流れの影を狙ってみる。先程は残り少ないミミズのせいであまり時間が掛けられなかったが、じっくり攻め直してみると自分自身で竿抜けをつくっているようだ。そんな数カ所の小さなスポットで小型ながらヤマメを数匹ゲットすることができた。
 残るブドウ虫は4粒。少し小さいので、2粒刺して小さな瀬脇に投入した。コレに反応があって、良型が掛かるが、一気に瀬を下られてハリ上から仕掛が飛んでしまった。

 唖然とする中、しばらく立ちすくんでいたが、残ったエサを2つハリに刺すと、エサを使い切ることになる。だから、このエサがハリから落ちたら辞めようと思いつつ、ハリを結び直して、今度は1時間ほど前にミミズエサで高切れをさせてバラしたのと全く同じスポット=この区間では本命だと思われる部分そのものに投入を再開する。
 一投目から数頭目にかけて何も起こらず、エサが着いたままの状態で手元に返ってくるが、諦めずに仕掛を打ち返す。
 だが、この区間では渓魚をバラしてばかりだし、昼の日中、それもド・ピーカンの中、「まさか、もうイイ魚は残っていないだろう」と、高を括っていたし、ほぼ諦めていた。しかし、そんな時に限ってトンでもないことが起こるものだ。
 バラしてから何分経ったであろうか、流れの中に仕掛が馴染み、動きが落ち着いたかに見えた目印が視界から一瞬にして消え、それと同時に「ズドンッ!」という衝撃がボクの持つ竿を襲った。

 何とか足場を固めてその場で踏ん張ってみる。すると、根本から悲鳴を上げつつ曲がっている竿の反発力に負けたのか、相手は表層まで浮かび上がり、背中で水面を切るかのように飛び出して一旦は上流方向へと泳ぎ始めた。
 「獲れるかも?」と思ったその瞬間、今までに見たこともない魚影が目に飛び込んできた。それは今まで見た秋色の♂渓魚のどれよりも茶色く、鼻は遡上する鮭のように曲がっていた。しかも目測で軽く40cmは超えている。

 はっきり言ってその姿を見てビビってしまった。仕掛の太さは0.3号だから、その場で止まってタメ切れる相手でないことは、この時点で理解できた。しかも、一度切られて1mほど短くなった仕掛である。だから無理は全くきかない。
 辺りのロケーションは魚の居る位置のすぐ上流に1段上がって幅の広い瀬がある。逆の下流側は一旦流れが集まった後に岩の間から吹き出す早い瀬を創り出している。すなわちワザワザ泳ぎにくい上流に向かってくれることはないし、「下流に走られれば地獄」が待っており、安全圏は今魚が定位している前後の3mほどの間にしかない。

 「こうなりゃ、魚に自分から近付くしかない。」とばかりに、竿を上流に倒したままで接近してゆくが、その瞬間に、こちらの作戦に気付いたかの如く魚は反転して猛ダッシュを開始し、岩の間を抜けて下流側の瀬に入り込んでゆく。こうなると滑る底石の上をボクが下流に向かって走るしかないのだが、動こうにも魚の動きにはとうていついて行けず、竿の確度を保てなかった。
 「万事休す。」次の瞬間、竿先が跳ね上がった。竿からは、もう生命感が伝わってこない。それと共にボクの生命感も抜けたかのように「ふぬけ」となった。「茫然自失」とはこのことである。

 結局、その後は後悔の中、トボトボと重い足取りで退渓するのみであった。


■禁漁期が迫る中…■

 あの渓魚は見た目では大型の♂ヤマメに見えたが、一瞬だったので確証はない。もしかすると出足のスピードが遅かったので大イワナだったのかも?…。それを確かめに「再挑戦!」といきたいところだが、悪いことに禁漁までの残り少ない時間に、台風15号が北上していた。その影響を考慮すれば、チャンスは極僅かしかないようだ。しかしそれよりも、あの渓魚が待っててくれることが先決なのだが…。
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丹生川村漁協管内

2011-08-20 12:30:00 | 渓流&管理釣り場での釣り
■新兵器導入■

 ボクが渓流釣りをする際のウエアの構成は和式の渓流タビや鮎タイツを利用するのではなく、洋式のルアーやフライ用のナイロン・ウエーダーと呼ばれるタイプを利用している。
 しかし、真夏の暑さは、他のタイプに比べてマシだと言われている透湿ウエーダーであっても、容赦なく釣り人を襲う。だからと言って、ネオプレン・ソックスとウエーディングシューズだけの組合せでは藪コギ時にズボンの裾が引っかかって破れたりするかも知れない。そんな不安を解消するのが、ゲーターと呼ばれるスネあてであったりするのだが、ソックスのお代とをプラスすると結構な値段になってしまう。
 そこで登場するのが「リトルプレゼンツ」というルアーやフライ用品を扱う会社から販売されている「ウエット・ゲーター」だ。これはネオプレン・ソックスとゲーターが一体になったタイプだが、コレは「濡れることを回避する」ウエーダーとは違う逆の発想で、「あらかじめ濡れること」を想定して、水が抜ける素材を使っていたりと、濡れてからの不快感を低減する発想の下で開発されている。モチロン、組み合わせるズボンや下着は、即乾性のある素材を使用したモノを履くことでその機能が強化される。

●パッケージの能書き●

 ウエット・ゲーターは数年前の発売以来、好評のようであり、各ブログ等でもよく紹介されているが、現在販売されているのは改良が重ねられて何世代か経ったもののようだ。主な改良点はソックス部の強化とスパッツ部の延長ということらしい。
 今回はその「ウエット ゲーター」を伴っての釣行となったが、ウエーダーとは段違いの涼しさであり、一日中が快適そのものであった。

●何しろモデルの足が短いもので…。●


■荒城川へ■

 今回釣行したのは岐阜県の北部、高山市内にある丹生川村漁協管内の二つの河川だ。
 この管内には「荒城川」と「小八賀川」の2本の中規模の河川が流れており、そのどちらもがヤマメやイワナの有望河川であるし、一つの入漁証で行き来できるのが有り難い。
 まずは、この春にも訪れた荒城川に向かい、一昨年のこの時期に、初めて訪れた際に入って好釣果を得たポイントで竿出しすることにした。

●条件的には最高のポイント●

 夜明けと共に、河原に降りるが、周囲が明るくなって状況が確認できるようになると、ビックリすると共に、不安がよぎるのであった。何しろ春先に訪れた際に比べて1mほど低いのだ。もっともインターネット情報で水位が下降気味なのは承知の上だった。だが、比較したのが雪解け水が多い時期だったとは言え、これほどまでに低いとは思わなかったのだ。
 しかしながら、付近では前日に雷雨が降った模様であったし、当日の天候も曇りベースで夕方から雨が降り出すようであったから、予報通りにゆけば状況が好転するかも知れない。その期待を胸に秘め、実釣がスタートした。

 今回は「ここぞ!」と思うポイントでは粘るつもりであったので、腰を据えて釣り始めた。しかし、打てども打てどもアタリは無く、普段ならこの時期にウルサくアタってくる小型のヤマメ達からの反応も極端に少なく、稀につついてピリピリと穂先を振るわすのみであった。
 ようやく捉えたアタリの結果は、お話にならないサイズであった。
 
●これが、この場の唯一の釣果…●



■移動するも…■

 この日の不安要素は他にもあった。エサである。一箇所目のポイントから移動する際に何カ所か目星を付けた場所で川虫の採取を試みるが、全く獲れない状況だった。この日は全般的に川虫の量が少なく、持参していた市販エサの、「ミミズ」と「ブドウ虫」頼らざるを得なかった。

●ブドウ虫●


●ミミズ●


 二箇所目の区間に入る際、更なる不幸が訪れた。天気予報が外れて晴れてきたのだ。
 こうなると、魚にとって上空の鳥などの外敵から狙いが付けられにくい影になる場所=日陰や水深の深いポイントを狙うのがメインになってくる。そして、そういったポイントを見付けては粘るのではあるが、そこからの答えは相変わらずであった。

●これまた一級ポイントなのだが…●

●答えはこれのみ…●


■ようやくの一匹■

 春先にイワナを数本引き出した大場所からも答えはなく、半ば諦めつつも、更に釣り上がってゆく。
 時折様子を伺うように日の当たる瀬も攻めてみたが、予想通りにまるで反応が無い。その度に「やはり影なのか?」という思いが募るが、超小型ながら、反応の違いからやがてそれが確信に変わってゆく。そして影を見付けては少しでも条件のよさそうなところを探ってゆく。
 釣り続けて何度目かの日陰で、ようやく目印の動きにマトモな変化が起こり、ソレと判断できる魚の反応がボクに伝わった。

●石裏でアタリが出た●

 全然大きくはないが、この日初めての手応えだけに喜びは大きい。それこそ味わうように引きを楽しみつつ、無事にゲット出来たのは予想通りのヤマメだった。


●22cmのヤマメ●



■影をさがしつつ■

 その後は同じ区間では本命のアタリがなく、次なる移動を決意した。とは言ってももう時間は10時を過ぎており、車で移動しても先客がある場合が多く、入る場所に困る状況になっていた。
 そこで、先行者との距離を測りつつ、邪魔にならない位置にある日陰を探して、スポット的に入ることにした。そして何度目かの移動で発見したのが、こんなポイントだった。

●浅いが石の裏が少し掘れている●

 慎重に後方から近寄ってキャストをするが、珍しく狙い通りに一発でアタリを捉えることに成功した。
 先程の魚と同じで、さほど大きくはないが、貴重な魚についニヤけてしまう。

●またもや22cmのヤマメ●



■大移動■

 2匹目のヤマメをゲットした後は、入るポイントも無くなってしまったが、この管内にはもう一つ小八賀川があるので、こういったときには有り難い。従ってここは大移動を決意する。とは言っても一山超えるだけなので、移動は容易だ。
 時間は昼に近くアレコレ迷っているヒマはない。そこで過去に訪れた際の記憶をたどり、この日のキーワードである「影」を当てはめてみる。そこから導いたポイントに入ってみるが…。

●ここもダメ●


●ここもダメ●

 アチコチ探ってみた答えがコレだった。

●15cmのヤマメ●


■最悪の事態が■

 小八賀川では二度目の移動で河原に降りたって準備をしていると、裏手の山から「ゴロゴロ・ドッスン」と雷鳴がとどろき始めた。「雨が降り出す」というのは予報通りではあったが、まさかの雷雨である。しかも、雷鳴は近付きつつあるようだった。
 ご存じの方も多いと思うが、カーボン素材がメインの釣り竿は電気伝導率がかなり高い。従って、この状況で竿を持って釣り歩くことは7.5mの避雷針を持って河原を歩くことになるので、釣りの続行は不可能だ。因みにボクは過去に、磯釣りをしている最中に同様の状況になってもナメて竿を持ち続けていたことがあったが、実際に雷が落ちている地点とは距離が離れているように思えても、竿を持つ手がまるで電気風呂に入ったようにピリピリと震え出した経験があるのだ。
 釣れないヤマメと命を引き替える訳にはいかないので、ここは撤退を決意して儚くもこの日の釣りが終了した。

●恨めしくも恐ろしい、空●


 当日の釣果は、ボクの渓流釣り史上最低の釣果だった。この状態を脱出するには天候を含めて、各河川の水況に大きな転換が必要だと思う。それが秋までに来ればいいのだが…。と、自分の腕を棚に上げて祈っている今日この頃なのである。
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