■フィネスの世界■
ドラグの違いや仕組みについて調べていると、「フィネス・フィッシング」と呼ばれる、スピニング・リールを使って細糸で対象魚に挑む釣り人や、逆にジグやプラグで超大物を狙う「ソルト・ウォーター・フィッシング」界の、釣り人の記述に意味深い内容が記されていた。
彼らの中には社外品のドラグ・ワッシャーを装着する人も居るが、純正品同士を組み替える人も居る。こういった人たちの要望にこたえるべく、ダイワでは一つ前のUTDから、最新のATDにバージョン・アップさせるキャンペーンを行っているから、ニーズは結構あるのだと思う。
この辺りについての記述をもう少し詳しい段階まで読み進めてゆくと、ダイワ製リールのUTDとATDの差はグリスの違いであって、ドラグ・ワッシャーは同じだということが判明した。面白いと言うか、単純と言うか、ドラグ・グリスの違いは大きく、例えばダイワ製のドラグ・ワッシャーにシマノ製のドラグ・グリスを染み込ませるとシマノ・フィーリングに変わったという記述までもが見られたほどだ。
ダイワではUTD用ドラグ・グリスは補修用として販売されているが、ATD用は販売されておらず、グリスだけの入れ替えはできなくて、あらかじめグリスを染み込ませたワッシャーへの、丸ごとの交換になる。と言うことは、グリスの成分には門外不出のノウハウが秘められているのかも知れない。
「これらを電動リールに応用すれば…。」と思い立ったのだが、純正品のメーカーでの交換キャンペーンはスピニング・リールのみが対象であって、電動リールは対象外なので、メーカー任せでは実行できない。
「だったら、UTDグリスを使って…。」と思っても、販売はスピニング用のみに絞られていて、メーカー確認をとってもこれを電動リールに流用はできないとのことだった。
「何か、他に良い方法は無いものか?」と探してゆくうちに、CCM SALT WORKS社(http://www.oct.zaq.ne.jp/ccm/main.html)のH.P.に行き着きついた。ここでは電動リールに最適だという、「乾式カーボン・ドラグ・ディスク」なるものを販売しているが、質問をすると「ダイワの純正ドラグは引っかかるが、それが改善される」との返答があったから、期待値は大きい。しかし、もう少し純正にこだわってもみたいので、「失敗後に試せば良い」と後回しに…。
そんなこんなで、今回の「ドラグ改良アプローチ」に至った次第だ。
■旧型シーボーグ750MTのドラグ■
現在、ボクが所有する電動リールの中で、一番古いモデルは旧型シーボーグ750MTになる。これは、以前に記したように、今年度の玄達瀬への最終釣行近辺で、すったもんだの挙句に手に入れた。
購入前に、このリールをレンタルしたこともこのブログで記したが、その時のドラグに関するイメージは、典型的な「ストップ&ゴー」状態の“デジタル・フィール”ドラグで、「間は無いんか~い!」と思うほどに極端な効き具合だったために、ヒラマサが掛かった際には、調整に、かなり苦労させられた。
レンタル品だから使い込まれているには違いないが、それでもオーバーホールは定期的に何度か行ってきた状態だから、コンディションが悪いわけではなかった。従って、ボクのリールも、すぐにそうなりそうな気がするし、第一、保障期間はとっくに過ぎているため、「イジッたら保障が効かない」なんて思うこともない。で、あるから、まずはこのリールをドラグ改良の手始めとした。

旧型シーボーグ750MTのドラグ・ワッシャーをメーカーH.P.内のパーツ検索で調べると、普通のフエルト仕様であろう、部品単価¥300のドラグ・ワッシャーが5枚使用されている。このモデルの後継機であるレオブリッツ750MTだと、部品単価¥600のドラグ・ワッシャー5枚構成だから、レオブリッツでUTD搭載と銘打ったのはカーボン・ドラグ・ワッシャーに変更された結果だと思われる。もしかすると、ドラグ・グリスも同時に変更されたのかも知れないが…。
’14年に発売の、赤いシーボーグ750MTは、当初はUTDと謳われていたのが、途中からATDと謳うようになった。もしかすると、その時点でATD仕様のドラグ・グリスに変更されたのかも知れない。
■いざ改良■
改良は、「どうせなら、最新のシ-ボーグ用を」と、それを手に入れることから始まった。もっとも、これがそのまま旧型シーボーグのドラグ周りの径にぴったりと合うのかが心配だったが、よく見てみると、3代にわたって変遷していても、外観が変わっていないため「金型は同じなんだろう。」「ダメだったら、ハサミで切ってしまえば…。」と、見切り発車でのスタートだった。
必要枚数は、5枚。上述したように単価が¥600だがら、¥3240(税込み)の出費だった。

到着後、確認してみると、見るからに、カーボン・クロス製のようだ。電動リールの向かって右側のサイドパネルを外してから、ドラグ周りに仮挿入してみると、無加工でピッタリと収まった。どうやら予測どおり、代を重ねても内部の変更はあまりされていないようだ。
入ることが確認できたので、一旦ドラグ・ワッシャーを外してドラグ・グリスを塗りこむ作業に入る。ここで純正、しかも最新のATDグリスが手に入れば良いのだが、上述したようにスピニングでは販売されているUTDグリスすら手に入らないので、パスせざるを得なかった。
「何か、イイ物は…。」と物色してみると、社外品が結構出ている他、シマノではスピニング~電動まで、各種のドラグ・グリスが販売されているようだった。
少し迷ったが、元々はシマノのドラグ・フィールに好印象があって、この改良が始まったわけだから、「ここはシマノのドラグ・グリスを使って…。」と言うことで、同社サイト内にあるアフターサービス欄内の「グリス/オイル早見表」で電動リール用を探してみると、「サービス用グリス ACE-0(部品NO,DG01)」に行き着いた。このグリスは、同社の両軸受け&電動リール全般に使われているようなので、グリス単体での性能面では安心できそうだった。

このグリスをドラグ・ワッシャーの両面に指定量である米粒3個分ずつ乗せて、含浸させて組み込んでみた。
装着後は、道糸を手で引き抜いて作動状況をチェックしてみる。結果はOKそうだったが、如何せん実際に魚を掛けてみないことには正確な答えは出せない。
と、ここで、アホなことに気付かされた。よく考えてみると、このリールは、来年6月の玄達瀬の解禁日以降になるまで使わないのだ。荒天続きで釣りに行けず、ヒマに任せて道具をイジっていると、こんな結果に…。
で、評価は来年6月半ば以降ということで…。
※分解した写真を載せていないのは、分解できる知識のない人にはオススメできないからで、その点は理解していただきたい。
この手の話では毎回記しているが、「改良や改造は自己責任で!」これを忘れずに。
ドラグの違いや仕組みについて調べていると、「フィネス・フィッシング」と呼ばれる、スピニング・リールを使って細糸で対象魚に挑む釣り人や、逆にジグやプラグで超大物を狙う「ソルト・ウォーター・フィッシング」界の、釣り人の記述に意味深い内容が記されていた。
彼らの中には社外品のドラグ・ワッシャーを装着する人も居るが、純正品同士を組み替える人も居る。こういった人たちの要望にこたえるべく、ダイワでは一つ前のUTDから、最新のATDにバージョン・アップさせるキャンペーンを行っているから、ニーズは結構あるのだと思う。
この辺りについての記述をもう少し詳しい段階まで読み進めてゆくと、ダイワ製リールのUTDとATDの差はグリスの違いであって、ドラグ・ワッシャーは同じだということが判明した。面白いと言うか、単純と言うか、ドラグ・グリスの違いは大きく、例えばダイワ製のドラグ・ワッシャーにシマノ製のドラグ・グリスを染み込ませるとシマノ・フィーリングに変わったという記述までもが見られたほどだ。
ダイワではUTD用ドラグ・グリスは補修用として販売されているが、ATD用は販売されておらず、グリスだけの入れ替えはできなくて、あらかじめグリスを染み込ませたワッシャーへの、丸ごとの交換になる。と言うことは、グリスの成分には門外不出のノウハウが秘められているのかも知れない。
「これらを電動リールに応用すれば…。」と思い立ったのだが、純正品のメーカーでの交換キャンペーンはスピニング・リールのみが対象であって、電動リールは対象外なので、メーカー任せでは実行できない。
「だったら、UTDグリスを使って…。」と思っても、販売はスピニング用のみに絞られていて、メーカー確認をとってもこれを電動リールに流用はできないとのことだった。
「何か、他に良い方法は無いものか?」と探してゆくうちに、CCM SALT WORKS社(http://www.oct.zaq.ne.jp/ccm/main.html)のH.P.に行き着きついた。ここでは電動リールに最適だという、「乾式カーボン・ドラグ・ディスク」なるものを販売しているが、質問をすると「ダイワの純正ドラグは引っかかるが、それが改善される」との返答があったから、期待値は大きい。しかし、もう少し純正にこだわってもみたいので、「失敗後に試せば良い」と後回しに…。
そんなこんなで、今回の「ドラグ改良アプローチ」に至った次第だ。
■旧型シーボーグ750MTのドラグ■
現在、ボクが所有する電動リールの中で、一番古いモデルは旧型シーボーグ750MTになる。これは、以前に記したように、今年度の玄達瀬への最終釣行近辺で、すったもんだの挙句に手に入れた。
購入前に、このリールをレンタルしたこともこのブログで記したが、その時のドラグに関するイメージは、典型的な「ストップ&ゴー」状態の“デジタル・フィール”ドラグで、「間は無いんか~い!」と思うほどに極端な効き具合だったために、ヒラマサが掛かった際には、調整に、かなり苦労させられた。
レンタル品だから使い込まれているには違いないが、それでもオーバーホールは定期的に何度か行ってきた状態だから、コンディションが悪いわけではなかった。従って、ボクのリールも、すぐにそうなりそうな気がするし、第一、保障期間はとっくに過ぎているため、「イジッたら保障が効かない」なんて思うこともない。で、あるから、まずはこのリールをドラグ改良の手始めとした。

●自己所有の旧型シーボーグ750MT●
旧型シーボーグ750MTのドラグ・ワッシャーをメーカーH.P.内のパーツ検索で調べると、普通のフエルト仕様であろう、部品単価¥300のドラグ・ワッシャーが5枚使用されている。このモデルの後継機であるレオブリッツ750MTだと、部品単価¥600のドラグ・ワッシャー5枚構成だから、レオブリッツでUTD搭載と銘打ったのはカーボン・ドラグ・ワッシャーに変更された結果だと思われる。もしかすると、ドラグ・グリスも同時に変更されたのかも知れないが…。
’14年に発売の、赤いシーボーグ750MTは、当初はUTDと謳われていたのが、途中からATDと謳うようになった。もしかすると、その時点でATD仕様のドラグ・グリスに変更されたのかも知れない。
■いざ改良■
改良は、「どうせなら、最新のシ-ボーグ用を」と、それを手に入れることから始まった。もっとも、これがそのまま旧型シーボーグのドラグ周りの径にぴったりと合うのかが心配だったが、よく見てみると、3代にわたって変遷していても、外観が変わっていないため「金型は同じなんだろう。」「ダメだったら、ハサミで切ってしまえば…。」と、見切り発車でのスタートだった。
必要枚数は、5枚。上述したように単価が¥600だがら、¥3240(税込み)の出費だった。

●’14シーボーグ750MT用のドラグ・ワッシャー●
到着後、確認してみると、見るからに、カーボン・クロス製のようだ。電動リールの向かって右側のサイドパネルを外してから、ドラグ周りに仮挿入してみると、無加工でピッタリと収まった。どうやら予測どおり、代を重ねても内部の変更はあまりされていないようだ。
入ることが確認できたので、一旦ドラグ・ワッシャーを外してドラグ・グリスを塗りこむ作業に入る。ここで純正、しかも最新のATDグリスが手に入れば良いのだが、上述したようにスピニングでは販売されているUTDグリスすら手に入らないので、パスせざるを得なかった。
「何か、イイ物は…。」と物色してみると、社外品が結構出ている他、シマノではスピニング~電動まで、各種のドラグ・グリスが販売されているようだった。
少し迷ったが、元々はシマノのドラグ・フィールに好印象があって、この改良が始まったわけだから、「ここはシマノのドラグ・グリスを使って…。」と言うことで、同社サイト内にあるアフターサービス欄内の「グリス/オイル早見表」で電動リール用を探してみると、「サービス用グリス ACE-0(部品NO,DG01)」に行き着いた。このグリスは、同社の両軸受け&電動リール全般に使われているようなので、グリス単体での性能面では安心できそうだった。

●サービス用グリス ACE-0(部品NO,DG01)●
このグリスをドラグ・ワッシャーの両面に指定量である米粒3個分ずつ乗せて、含浸させて組み込んでみた。
装着後は、道糸を手で引き抜いて作動状況をチェックしてみる。結果はOKそうだったが、如何せん実際に魚を掛けてみないことには正確な答えは出せない。
と、ここで、アホなことに気付かされた。よく考えてみると、このリールは、来年6月の玄達瀬の解禁日以降になるまで使わないのだ。荒天続きで釣りに行けず、ヒマに任せて道具をイジっていると、こんな結果に…。
で、評価は来年6月半ば以降ということで…。
※分解した写真を載せていないのは、分解できる知識のない人にはオススメできないからで、その点は理解していただきたい。
この手の話では毎回記しているが、「改良や改造は自己責任で!」これを忘れずに。