■玄達瀬へ■
”年に一度のヒラマサ祭”として兄と二人で毎年釣行しているのが、福井市の海岸線から35km離れた沖合にあり、6/16~8/15日の間に解禁となる玄達瀬だ。
ボクがこれまでに沖釣りで通っていた若狭湾一帯では、このブログでも触れたように、昨秋以来8年ぶりの大回遊があったのだが、今年に入って6月の半ばの声を聞くと、中~大型ヒラマサの釣果はついに下火となり、変わって小型のみが食うようになっていた。
「ということは、解禁の頃に中~大型ヒラマサが、隣の海域にある玄達瀬に移動しているのでは?。」と、勝手な期待をしての釣行になった。
心配された台風も既に消え、暑くもなく寒くもないという、人間にとっての好条件の中、いつも福井釣行でお世話になっている晴海丸に乗船し、約1時間の航海で到達する玄達瀬に向かった。
■タックル■
当日のタックルは、最近の流れに逆行した全長が3.6mという、長めの100号竿を選んだが、これには理由がある。
ボク自身、磯釣り歴が長かったせいか、やや長めの竿を用い、その全長を生かして”タメて獲る”スタイルにした方が「バラシが少なくなるかも?」と、思うようになっているからだ。
それ以外に長竿の特筆すべき利点は船縁近辺の攻防で、ヒラマサやメダイといった最後までヘバらない魚に対しては、フトコロが広くなって船縁との距離が取れるのが有り難い。また、3~4名乗船することが多い乗合船で完全フカセ釣りをする場合でも、他人の出す竿との距離がとれる分だけオマツリが防げて、重宝している。
リールはいつも使っているシマノ製電動リールの3000番では強力な部類に入るモデルで、これにフロロカーボン製道糸の8号をスプール一杯まで巻いている(約240m)。これに小型のサルカンを介して結ぶのはハリス10号の2本バリ仕掛だ。他の地区であれば8号ハリスである程度の大型を釣る自信はあっても、ここではそれは厳しく感じ、メーターオーバーを狙うのなら、この10号が標準になる。今まで山口県見島沖や若狭湾の白石グリ等でヒラマサを釣ってきたが、季節のせいか、はたまた水深のせいか、玄達瀬で釣るヒラマサの引きが一番強烈だからだ。
■バタバタの3時間■
現地に到着後、実釣スタート。マキエサが効き始めた2投目から兄の竿が曲がった。しかしこれは外道のグレ(41cm)だった。
そして、そのすぐ後、ボクのリールが急速逆転し、同時にアラームが鳴った。引きから察するとすぐに中型のヒラマサと判断できた。
今回は太目の仕掛なので、引きを楽しむ余裕のやり取りで上がってきたのは予想通りのサイズであった。
今年の玄達瀬では昨年より15cmも大きな70cm前後がレギュラーサイズとして回遊中だから、随分と釣り応えがある。
このサイズでゲット数を伸ばしてゆくという、贅沢な展開中に、時折襲ってくるメーター級のアタリを捉えてそれを確実に獲るのが理想型になるのだが、ウマい具合に話は進んでくれるのだろうか?。しかしここから「それも現実のモノか?」と思えるようなスタートダッシュが始まった。
潮流はほどほどの速さで流れ、完全フカセ釣りにはベストの速さで流れていた。こういった場合はタナさえきっちりと合っていればアタリは続くのだが、次の一投ではエサを取られてしまう。そこで、その次の流しでは発泡ウキの浮力を上げてやることにする。この調整がうまくハマって、次の流しでは2回目のアタリを捉えることに成功した。しかし、相手は10号ハリスの敵ではなく、実際に上がってきたのは、またもや70cm級のヒラマサだった。
スタート時点で遅れをとっていた隣に座る兄も何投目かにようやく竿を曲げ、レギュラーサイズのヒラマサゲットに成功し、胸を撫で下ろしていた。
そして外道の?マダイもポツポツと混じり、濃密な内容の時間が過ぎてゆく。
2時間ほど経過すると、ひときわ強い引きがボクの竿を襲った。100号竿がひん曲がり、巻き上げようにも電動リールの巻き上げ力だけではどうにもならない。そこで船長のサポート(”糸抜き”と言って、手で直接道糸を引き抜き、その分だけ巻き取る方法=クエ釣りなどでも使う)を受けて、なんとか一人でやり取りのできる距離まで引き寄せることに成功する。
しかし、40m付近では一進一退の攻防を繰り返した。この引きは、これまでに経験した中では最強クラスであり、「8年ぶりのメーターオーバーか?」との期待を込めて徐々に距離を詰めてゆく。そして船縁での攻防も無事にしのいだのだが、玉網に誘導する際になって”ビックリ”の事態が判明した。何と、上バリに84cm、下バリに70cmのヒラマサがダブルで掛かっていたのだ。
ダブルゲットの後は潮がやや緩み始めて、しばらくアタりが遠退いた。そんな中、油断をしていたのか、兄が突然のアタリに対応しきれず、超大型らしいヒラマサを根ズレでバラしてしまう。
「バラしたら後が続けへんで~。」と言っていた矢先、今度の強烈な一撃は、幸運にもボクの番だった。
完全フカセで大型のヒラマサを獲る場合、とにかく相手の頭をこちらに向かせたままにしないとゲット率が下がる。そうでなければ相手に好き勝手に走られて、海中にある岩塊の際を走られ、ラインが岩で擦れてアッという間に飛んでしまうのだ。その対策のため、アタリがあれば、アワセと共に全速で巻き上げて必死で竿を立て続け、当面の安全圏である足下の水深分の距離まで、とにかく全力で巻き取ることが必要になる。
しかし、今回の相手は上述したダブル・ゲット時以上の強烈な引きであるが為に、ロッドは前グリップの直前から曲がり、リールはすぐにブレーカーが落ちて電動の意味をなさなかった。そこで船長が”糸抜き”の助っ人に入って手でリールを巻き取ることで、なんとかやり取りが可能な距離まで相手を引っ張り上げることに成功する。
「さてここからが勝負だ!。」と意気込み、スタンディングファイトに入ったが、その矢先、「プンッ!」といったイヤな感触と共にラインから伝わる生命感が無くなった。仕掛を回収すると、ハリが外れていた…。
船頭の「今のはメーターオーバーだったよ。」という言葉が漂う中、椅子にへたり込んでしまったが、馬鹿力を出した後の手がプルプルと震えるのみで、なかなか次の作業に移れずに、しばらくの間は放心していた。
そして、その後は潮流が更にスピードを落とし、角度も変わってエサが取られる一方となり、朝の時合いは終了した。
■辛い時間帯■
釣果が得られなくなったことで、ポイント移動が始まった。次なるポイントはやや深場の足下の水深が70mのラインだった。
潮流は極緩くではあるが、魚がなんとか口を使ってくれそうな速さで流れていた。こういった潮の場合は、より回転性能の良いリールが力となってくれるのだが、ボクの最新式のリールは何故か兄の旧式タイプよりも回転性能が落ちるので、何となくイヤな予感がしていた。そしてその予感は現実のモノになった。
マキエサが効いたかと思われた第2投目で兄のリールのアラームが鳴って、レギュラーサイズのヒラマサをゲット。潮が緩いだけに連発とはいかないが、その後もポツリポツリとアタリが出続ける。しかし、それらのアタリが出るのは全て兄の竿の方だった。
結局このポイントでの3時間は、兄が全てのヒラマサをゲットし、数の上では4対6と逆転されてしまい、ボクにとっては辛く焦るだけの時間だった。
■夕マヅメ■
その後は兄のアタリも止まり、潮流は魚が食う状態に回復しそうにもないので移動することになった。そしてより良い場所を目指して更に移動を繰り返したが、好ましい状況のところはなく、マトモな魚を手にすることはできなかった。特にボクの状況はひどく、気付けば6時間もの間で魚を手にしていなかった。
そんな中、船長は大移動を決意した。
ここまでのポイントでは、上潮にほとんど動きがないものの、底潮に仕掛が入るとある程度スピードアップしていた。それを手がかりとし、「より深場の方で潮流が動いているのでは?」と、船長が判断を下した。晴海丸さんには今まで数回お世話になったが、こういった際の判断は常に的確だ。この日もその判断は正解であり、次の深場のポイントでは底潮に入ると、いかにも食うようなスピードで仕掛が流れてくれた。
深場である上に、ほとんど他船が攻めないようなポイントだっただけに、マキエサの効きが鈍かったが、それも5投程度の話で、一度アタリが出始めたかと思えば、それが連続するようになった。
しかし、残念ながらそれらは全てマダイのアタリであった。玄達瀬らしくサイズ的には55cm~72cmと、一切小型が混じらない好ましい状況だったが、「いずれアタリが出るだろう。」と思っていたヒラマサはとうとう最後まで登場してくれなかった。
午前中にヒラマサの引きを体験している身としては、物足りなさを感じざるを得ず、決して満足のいく状況ではなかったが、最後は3連発するなどそれなりには楽しむことはできた。これも船長の判断があったからだ。もしあの時、大移動をしていなければ退屈するままに一日を終えていたかも知れず、いつもながらの、船長の的確な判断に助けられた終盤であった。
■不完全燃焼■
気付けばヒラマサは二人でギリギリ二桁を釣り、粒ぞろいのマダイも12枚釣っていた。途中釣れない時間が二人共に約6時間ずつあって、この釣果だ。まさに玄達瀬の底力を感じる釣果だったが、狙いはメーターオーバーだっただけに悔いは大いに残っている。そして今回、大ヒラマサを掛けた際に竿のパワー不足を感じたことで、上段で記し、自信を持ちつつあった「長竿有利論」も揺らいでしまった。そのあたりについてもまだまだ検討の余地があるので、色々と試したいことが頭に浮かんでいる。
そんなことを考えていた矢先、運良く晴海丸さんの予約の空き日見つけ、「釣り残したヒラマサ」を求めて再チャレンジすることになった。果たして結果は…。
”年に一度のヒラマサ祭”として兄と二人で毎年釣行しているのが、福井市の海岸線から35km離れた沖合にあり、6/16~8/15日の間に解禁となる玄達瀬だ。
ボクがこれまでに沖釣りで通っていた若狭湾一帯では、このブログでも触れたように、昨秋以来8年ぶりの大回遊があったのだが、今年に入って6月の半ばの声を聞くと、中~大型ヒラマサの釣果はついに下火となり、変わって小型のみが食うようになっていた。
「ということは、解禁の頃に中~大型ヒラマサが、隣の海域にある玄達瀬に移動しているのでは?。」と、勝手な期待をしての釣行になった。
心配された台風も既に消え、暑くもなく寒くもないという、人間にとっての好条件の中、いつも福井釣行でお世話になっている晴海丸に乗船し、約1時間の航海で到達する玄達瀬に向かった。
●福井新港からの出船風景●
■タックル■
当日のタックルは、最近の流れに逆行した全長が3.6mという、長めの100号竿を選んだが、これには理由がある。
ボク自身、磯釣り歴が長かったせいか、やや長めの竿を用い、その全長を生かして”タメて獲る”スタイルにした方が「バラシが少なくなるかも?」と、思うようになっているからだ。
それ以外に長竿の特筆すべき利点は船縁近辺の攻防で、ヒラマサやメダイといった最後までヘバらない魚に対しては、フトコロが広くなって船縁との距離が取れるのが有り難い。また、3~4名乗船することが多い乗合船で完全フカセ釣りをする場合でも、他人の出す竿との距離がとれる分だけオマツリが防げて、重宝している。
リールはいつも使っているシマノ製電動リールの3000番では強力な部類に入るモデルで、これにフロロカーボン製道糸の8号をスプール一杯まで巻いている(約240m)。これに小型のサルカンを介して結ぶのはハリス10号の2本バリ仕掛だ。他の地区であれば8号ハリスである程度の大型を釣る自信はあっても、ここではそれは厳しく感じ、メーターオーバーを狙うのなら、この10号が標準になる。今まで山口県見島沖や若狭湾の白石グリ等でヒラマサを釣ってきたが、季節のせいか、はたまた水深のせいか、玄達瀬で釣るヒラマサの引きが一番強烈だからだ。
●当日のタックル●
■バタバタの3時間■
現地に到着後、実釣スタート。マキエサが効き始めた2投目から兄の竿が曲がった。しかしこれは外道のグレ(41cm)だった。
そして、そのすぐ後、ボクのリールが急速逆転し、同時にアラームが鳴った。引きから察するとすぐに中型のヒラマサと判断できた。
●心地良く曲がるロッド●
今回は太目の仕掛なので、引きを楽しむ余裕のやり取りで上がってきたのは予想通りのサイズであった。
●70cmのヒラマサ●
今年の玄達瀬では昨年より15cmも大きな70cm前後がレギュラーサイズとして回遊中だから、随分と釣り応えがある。
このサイズでゲット数を伸ばしてゆくという、贅沢な展開中に、時折襲ってくるメーター級のアタリを捉えてそれを確実に獲るのが理想型になるのだが、ウマい具合に話は進んでくれるのだろうか?。しかしここから「それも現実のモノか?」と思えるようなスタートダッシュが始まった。
●いつ見ても惚れ惚れする精悍な顔つきだ●
潮流はほどほどの速さで流れ、完全フカセ釣りにはベストの速さで流れていた。こういった場合はタナさえきっちりと合っていればアタリは続くのだが、次の一投ではエサを取られてしまう。そこで、その次の流しでは発泡ウキの浮力を上げてやることにする。この調整がうまくハマって、次の流しでは2回目のアタリを捉えることに成功した。しかし、相手は10号ハリスの敵ではなく、実際に上がってきたのは、またもや70cm級のヒラマサだった。
●ヒラマサを引き寄せる100号竿の曲がり●
スタート時点で遅れをとっていた隣に座る兄も何投目かにようやく竿を曲げ、レギュラーサイズのヒラマサゲットに成功し、胸を撫で下ろしていた。
そして外道の?マダイもポツポツと混じり、濃密な内容の時間が過ぎてゆく。
●マダイは小さくても55cmクラス●
2時間ほど経過すると、ひときわ強い引きがボクの竿を襲った。100号竿がひん曲がり、巻き上げようにも電動リールの巻き上げ力だけではどうにもならない。そこで船長のサポート(”糸抜き”と言って、手で直接道糸を引き抜き、その分だけ巻き取る方法=クエ釣りなどでも使う)を受けて、なんとか一人でやり取りのできる距離まで引き寄せることに成功する。
●水深分を切ったら、スタンディングファイトを開始●
しかし、40m付近では一進一退の攻防を繰り返した。この引きは、これまでに経験した中では最強クラスであり、「8年ぶりのメーターオーバーか?」との期待を込めて徐々に距離を詰めてゆく。そして船縁での攻防も無事にしのいだのだが、玉網に誘導する際になって”ビックリ”の事態が判明した。何と、上バリに84cm、下バリに70cmのヒラマサがダブルで掛かっていたのだ。
●大きかった方の84cm●
ダブルゲットの後は潮がやや緩み始めて、しばらくアタりが遠退いた。そんな中、油断をしていたのか、兄が突然のアタリに対応しきれず、超大型らしいヒラマサを根ズレでバラしてしまう。
「バラしたら後が続けへんで~。」と言っていた矢先、今度の強烈な一撃は、幸運にもボクの番だった。
完全フカセで大型のヒラマサを獲る場合、とにかく相手の頭をこちらに向かせたままにしないとゲット率が下がる。そうでなければ相手に好き勝手に走られて、海中にある岩塊の際を走られ、ラインが岩で擦れてアッという間に飛んでしまうのだ。その対策のため、アタリがあれば、アワセと共に全速で巻き上げて必死で竿を立て続け、当面の安全圏である足下の水深分の距離まで、とにかく全力で巻き取ることが必要になる。
しかし、今回の相手は上述したダブル・ゲット時以上の強烈な引きであるが為に、ロッドは前グリップの直前から曲がり、リールはすぐにブレーカーが落ちて電動の意味をなさなかった。そこで船長が”糸抜き”の助っ人に入って手でリールを巻き取ることで、なんとかやり取りが可能な距離まで相手を引っ張り上げることに成功する。
「さてここからが勝負だ!。」と意気込み、スタンディングファイトに入ったが、その矢先、「プンッ!」といったイヤな感触と共にラインから伝わる生命感が無くなった。仕掛を回収すると、ハリが外れていた…。
船頭の「今のはメーターオーバーだったよ。」という言葉が漂う中、椅子にへたり込んでしまったが、馬鹿力を出した後の手がプルプルと震えるのみで、なかなか次の作業に移れずに、しばらくの間は放心していた。
そして、その後は潮流が更にスピードを落とし、角度も変わってエサが取られる一方となり、朝の時合いは終了した。
■辛い時間帯■
釣果が得られなくなったことで、ポイント移動が始まった。次なるポイントはやや深場の足下の水深が70mのラインだった。
潮流は極緩くではあるが、魚がなんとか口を使ってくれそうな速さで流れていた。こういった潮の場合は、より回転性能の良いリールが力となってくれるのだが、ボクの最新式のリールは何故か兄の旧式タイプよりも回転性能が落ちるので、何となくイヤな予感がしていた。そしてその予感は現実のモノになった。
マキエサが効いたかと思われた第2投目で兄のリールのアラームが鳴って、レギュラーサイズのヒラマサをゲット。潮が緩いだけに連発とはいかないが、その後もポツリポツリとアタリが出続ける。しかし、それらのアタリが出るのは全て兄の竿の方だった。
結局このポイントでの3時間は、兄が全てのヒラマサをゲットし、数の上では4対6と逆転されてしまい、ボクにとっては辛く焦るだけの時間だった。
■夕マヅメ■
その後は兄のアタリも止まり、潮流は魚が食う状態に回復しそうにもないので移動することになった。そしてより良い場所を目指して更に移動を繰り返したが、好ましい状況のところはなく、マトモな魚を手にすることはできなかった。特にボクの状況はひどく、気付けば6時間もの間で魚を手にしていなかった。
そんな中、船長は大移動を決意した。
ここまでのポイントでは、上潮にほとんど動きがないものの、底潮に仕掛が入るとある程度スピードアップしていた。それを手がかりとし、「より深場の方で潮流が動いているのでは?」と、船長が判断を下した。晴海丸さんには今まで数回お世話になったが、こういった際の判断は常に的確だ。この日もその判断は正解であり、次の深場のポイントでは底潮に入ると、いかにも食うようなスピードで仕掛が流れてくれた。
深場である上に、ほとんど他船が攻めないようなポイントだっただけに、マキエサの効きが鈍かったが、それも5投程度の話で、一度アタリが出始めたかと思えば、それが連続するようになった。
しかし、残念ながらそれらは全てマダイのアタリであった。玄達瀬らしくサイズ的には55cm~72cmと、一切小型が混じらない好ましい状況だったが、「いずれアタリが出るだろう。」と思っていたヒラマサはとうとう最後まで登場してくれなかった。
●最大の72cmが海面に浮上した瞬間●
午前中にヒラマサの引きを体験している身としては、物足りなさを感じざるを得ず、決して満足のいく状況ではなかったが、最後は3連発するなどそれなりには楽しむことはできた。これも船長の判断があったからだ。もしあの時、大移動をしていなければ退屈するままに一日を終えていたかも知れず、いつもながらの、船長の的確な判断に助けられた終盤であった。
●兄と二人分の釣果●
■不完全燃焼■
気付けばヒラマサは二人でギリギリ二桁を釣り、粒ぞろいのマダイも12枚釣っていた。途中釣れない時間が二人共に約6時間ずつあって、この釣果だ。まさに玄達瀬の底力を感じる釣果だったが、狙いはメーターオーバーだっただけに悔いは大いに残っている。そして今回、大ヒラマサを掛けた際に竿のパワー不足を感じたことで、上段で記し、自信を持ちつつあった「長竿有利論」も揺らいでしまった。そのあたりについてもまだまだ検討の余地があるので、色々と試したいことが頭に浮かんでいる。
そんなことを考えていた矢先、運良く晴海丸さんの予約の空き日見つけ、「釣り残したヒラマサ」を求めて再チャレンジすることになった。果たして結果は…。