中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

柳の下にドジョウは…

2011-06-25 12:30:00 | 渓流&管理釣り場での釣り
■梅雨の晴れ間に■

 前回、好調に釣れたヤマメに気をよくしたボクは、今回も同様に富山県を流れる久婦須川を目指した。

 夜明けが早い夏至前後のこの時期は、遠くから訪れる者にとっては到着後の仮眠時間が短縮されて辛さが増す。実際に、この日も到着後の仮眠は1時間半しかとれなかった。コレが若き日のことであれば、ほとんど気にならなかったのかも知れないが、50を前にした男にとっては堪らない辛さがある。
 しかし、それを感じるのはその日の夜以降のことだ。どうやらボクの場合は、釣りをしている最中にアドレナリンその他が脳内に出続けて覚醒しているようだ。体力的にはともかくとして、コレが出ている内は、まだまだ精神的に「若い?」ってことになるのだろうか?。

 この日は4時に仮眠から目覚めてパンをかじりながら準備を整えていたのだが、見上げれば、もう空には朝焼けが広がっていた。

●朝焼けの山々●

 「朝焼け」を見つめながらその昔、カシオペアという当時のフュージョン音楽界を代表するバンドの「ASAYAKE」という曲をバンドでコピーしていた高校3年生時のことを思い出していた。

 あれから約30年が経った今も当時に行動や価値観を共にしたバンドのメンバーや、バンド仲間達の一部とは不変の親友であり、ボクの心の財産でもあり続けているが、残念なのはボク以外に誰一人として釣りをしないことだ。
 個人的なノスタルジーに浸りながらも、アイツらの中の誰か一人くらいが、リタイヤする頃に「『オレも連れていってくれ』って言うのかな?」なんて思っている間に準備が完了する。

 当初は前回とは違った箇所からの入渓を想定していたのだが、ボクが到着した頃には「先約有り」の状態だったので、仕方なく、前回と全く同じ区間からの入渓となってしまった。
 同じ区間に連続して入るのは好きな方ではないが、西日本とは違って北陸方面では梅雨の中休みが続いて雨が少なく、ここ久婦須川でも前回よりも水位が30cm近くも下がっていたから、川の様子も変わっているだろう。そのうえ、前回は曇り+小雨だった天気が、当日は1日中晴れるという予報が出ていたから気象条件も違う。
 こんな条件の日だと警戒心の強い渓魚のことだから、空からの外敵を恐れるあまり物陰に隠れて食い渋ることが予想され、前回とは随分と違った展開になるだろう。従って一から仕切り直す必要があるかも知れないのだ。
 僅かな望みとしては前回バラした魚が残っているかも知れず、少しは望みを持ちたいが、世間で言うところの「柳の下にドジョウが2匹」は甘い考えだとされている。果たして今回の結果はどう転ぶのだろうか…。


■エサ場には不在■

 前回と同じ地点からスタートしたのは当然だが、かなり水位が下がっているうえに水温が上がったせいか、流れの緩い底石に緑の藻が着いている。コレは底に棲む川虫たちにも良いコンディションとは言えず、当然食物連鎖の上に立つ渓魚達にも悪影響を及ぼす状態だと聞いている。
 更には、夜明けからしばらくの間はやや薄曇りではあったものの、周囲は随分と明るく、元々水深の浅いエサ場のようであるこの一帯に出てくる渓魚は少ないだろう。
 それを実証するかのように、当初は全くアタリが出ない。

 そのまま釣り上がってゆくが、ようやくアタリを捉えたのは、区間としては一つ上流にある深瀬脇の、木陰の下だ。

●木が覆う部分がポイント●

 ようやくゲットするものの、型には不満が残るサイズだ。

●20cm強のヤマメ●

 しかし、一匹の本命魚から得るモノは大きい。明らかに警戒心が増している様子から考えられることは、物陰への攻めだ。それには正確なキャストとオモリの選択が必要になる。
 例えば対岸にある物陰へのアプローチだと、オーバースローでは覆い被さる木々に引っ掛かってしまう。そこでキャストはサイドからする方法と、アンダーからする方法を取り入れなくてはならない。多少のミスによる仕掛のロストはあるものの、キャスト自体は慣れれば何とかなるレベルだが、それに加えてオモリの選択が重要になってくる。
 オモリが重いとキャストがし易く、コントロール性も向上するのは確かだ。しかし、水中に仕掛が入った後、流れの中を流してゆく際に、度を超したオモリを装着していると竿先を支点に沖側に出ている仕掛がオモリの重さで振り子が戻るように流れを横切って手前に寄ってくる。だから、想定していたラインから外れない程度のオモリがベストの選択になるのだ。この辺は磯のグレ釣りで雨期をワザと沈ませて使う、「沈ませ釣り」と同じだ。バランスの取れたオモリを装着した仕掛は、流れの中に一度食い込むと、簡単には外れなくなるのだ。
 また、物陰は木陰ばかりとは限らない。例えば石裏もそうであるし、泡立つ流芯のサイドや下にも影は出来る。そしてそれぞれに対して仕掛に打つオモリの選択も変わってくる。
 そして次なるポイントではそんな物陰の一つである、流芯の脇を狙わなくてはならなかった。

●泡立つ流芯の両サイドが狙い目だ●

 ここではまず、軽めのジンタン2号を仕掛に打って泡の流芯に巻き込まれてゆく流れに乗せて流してゆく。勿論セオリー通りに手前から、そして下流側から攻めてゆく。
 しかし、反応がない。そこで今度はオモリを2Bに打ち変えて流れが始まる頭の部分で素早く馴染ませてみる。
 この仕掛にアタリが出て、良型のヤマメをゲットする。
 
●25cmのヤマメ●

 因みに使用したエサはクロカワムシだったが、前回の経験から更に良型を狙ってこの時点で現地採取で何とか3匹確保していたギンパク(オニチョロ)を使用してみた。しかし、そう甘くはなく、このポイントで拝めた魚は他にはなかった。

●クロカワムシ●

●現地採取で数匹キープしたギンパク(オニチョロ)●


■瀬落ちのポイント■

 次は大きく広がる瀬から落ちるポイントだ。

●本来なら、落ち込みの全てがポイントなのだが…●

 本来は端から端までワイドに攻めることができるポイントなのだが、以前より水量が少ない状況下では、渓魚が居着く部分が限られるのか、反応がほとんどない。しかも流れが緩くていつものオモリ使いでは根掛かりが多発する。
 そこで、軽めのオモリに打ち変えて何とかピン中のピン・スポットから絞り出すように1匹のヤマメをゲットした。

●23cmのヤマメ●


■食性の変化?■

 次なるは、淵に小さな滝が注ぐポントだ。
 こういった場所は、初期に魚が貯まっていそうな所ではあるが、季節が進んで瀬に渓魚が出だすと、ウグイのような足の遅い外道に支配されてしまうことが多いと聞く。しかし、就餌するという面から考えると一等地には違いなく、少しは期待ができるかも知れない。
 クロカワムシをハリに刺して何投かキャストするが、案の定、ウグイが連発する。
 「エサを変えるとどうなるか?」と思って一発狙いのギンパク(オニチョロ)を指してみるが、これまたウグイが食ってくる。


 今度はダメ元で前回に成績が振るわなかったミミズ(キジ)を刺してみる。

●「もしや?」のミミズ(キジ)●

 しかし、「やってみないと判らない」もので、これに反応があった。
 すかさずアワセを入れるが、その途端に良型特有の「ゴンッ!」という衝撃と共に竿を絞り込んでゆく。
 相手はかなりの抵抗を示すが、「馬鹿デカイ」サイズの引きではない。したがってこちらの対処にも僅かな余裕がある。
 竿を上流に向けて倒し、ゆっくりと締め上げるように慎重に操作してゆく。このクラスなら、竿の角度を保持し反発力と喧嘩させることで相手のパワーが弱まってゆくものだ。そして水面近くに浮いてからは、やや強引に浮かせ、空気を充分に吸わせて更に弱らせたうえでフィニッシュへと導く。
 粘った甲斐があった。尺には届かないが、それに近いサイズのヤマメだ。

●29cmのヤマメ●

 前回通用したエサは今回通用せず、結果が出たのはその逆の方だった。もしかすると季節が進んで、川に流れ落ちるミミズの量が増えた影響でヤマメの食性が変わっていたのかも知れない。こんな風に、その日その日の条件によって変化するのも釣りの奥深さである。

 今回ボクは、たまたまミミズをハリに刺すことで答えを出したが、ボク以外の釣り人のオリジナルな思考の中で生まれた、エサ・ローテーション以外の他の方法であっても答えが出たのかも知れず、そのパターンは多岐にわたる。
 しかし、導き出した答えは、気象や水流(潮流)、水位(潮位)、水温、気温といった環境面やタイミングによって常に条件が変化するから、同じことが続けて通用するとは限らない。このあたりが、あらかじめプログラムされたコンピューター系のゲームなどと大きく違うところだ。だから本気で釣果を伸ばしたいのなら、脳内に知識と経験とが詰まった沢山の引き出しを作り、常にそこから必要なモノが取り出せるようにしておかなくてはならないのだ。
 そんな釣りの奥深いオモシロさを若い世代にも理解してもらい、受け継いでいって欲しいとボクは願っているのだ。何せ日本の釣りや漁といった魚の捕獲技術や釣具は世界一と言えるのだから…。


■更に釣り上がる■

 次なる区間は、河畔に木立が茂り木陰が多いポイントだ。その区間ではポツリポツリと拾えたが、良型と呼べるサイズにはお目にかかれなかった。

 続いて段々に、階段状に落ちてゆく区間に入るが、これまた同様にポツリポツリと忘れた頃にアタリが出る程度の状況だった。
 その区間を釣り上がる内に、とある石裏の流れが緩い部分が気になった。

●石裏ポント●

 「如何にもイワナが居そうな…。」と思って仕掛を打ち込むと、大きくはないが、その通りの答えが出た。

●20cmチョイのイワナ●

 たとえ相手が小さくとも、予想通りの展開でゲットした瞬間は、自分の読みが冴えていると感じることができるので、気持ちの良さがある。


■好ポイントのハズが…■

 そうこうしている内に、退渓地点の堰堤が見えてきた。そこまでの間は好ポイントが続くうえ、前回は水位が高くて近寄れなかった堰堤直下にも今回は入れそうだから、期待は更に膨らむ。

●好ポイントの堰堤下●

 しかし、残念ながら前回に尺オーバーを獲ったポイントは水量が減って好ポイントとは言えない状態になっていた。
 気合いを入れて望んだものの、期待は見事に裏切られ、小型がポツポツとアタるのみだ。日は高く、明るく注いでいるうえ、減水しているとは言え、いくら何でもこんなにアタリが少ないのは、ここが入渓し易い区間故に、前日の土曜日に散々叩かれていたのかもしれないし、もしかするとボクが釣り上がってくるまでの間に誰かが頭ハネをしていたのかも知れない。

●リリースサイズのヤマメ●


■堰堤直下■

 得るモノがないまま、ついに堰堤直下に到達する。アタってくる渓魚が少ないという予想は既に立っていたので、攻めに更なる慎重さと丁寧さが必要になる。

●堰堤直下●

 セオリー通り「下流から、手前から」を守ってじっくり攻めてゆくが、少ないアタリを何とか捉えても小型しか出てこない。

●またもや、リリースサイズのヤマメ●


 誰もが竿出しするような所ではアタリが出ないので、オモリを重い3Bとして、堰堤から落ちてくる流れが作り出す、泡の中を攻めてみることにした。根掛かりは多発しそうだが、流れに弾き飛ばされずに泡の下ですぐに馴染ませるにはこの方法しかない。
 予想通り、油断をすると根掛かりするが、それでも攻め続け、底をオモリが叩くように流していると仕掛の動きが止まり、それと同時に目印が引き込まれていった。
 引きのスピードと質から、相手はイワナだとすぐに理解できた。この区間に入る時点でいつものように8mの長竿に交換していたので、明らかにこちらが優位となる。
 因みに竿は長い方がショック吸収性に優れる。しかもキレイな円を描くように胴の部分から、じわりと曲がり込む竿の方が、こと取り込み性能に関しては優れている。但し、反面に操作性は落ちるが…。

 難なく引き寄せに成功し、無事玉網に収まったのはイワナで、これまた残念にも尺にはほんの3mm足りないサイズだった。

●30cmのイワナ●

 そしてその後はアタリが途絶え、期待はずれのままでこの区間の釣りを終えた。


■最下流へ■

 堰堤から退渓した後は、どこに行こうか散々迷ったが、この川では恐らくヤマメが棲息する最下流部にあたるところに入ってみることにした。

●最下流部の区間●

 ここでは、産卵期に入ったウグイの連発が始まった。それも30cmオーバーがかなり混じるので、やり取りが大変だ。
 何とかヤマメのアタリを捉えても、20cm級一匹がやっとの状況だ。

●20cm級のヤマメ●


■結局同じ場所へ■

 状況が好転しないまま、釣り上がって行くが、刻々と残り時間が減る中で、結局シビレを切らしてしまう。
 そこで前回フィニッシュした「渦巻く淵」で竿を出し、そこでダメなら諦めるつもりで移動する。(何とも節操がない話だが…。)
 前回は藪漕ぎしなくては到達できなかったが、水量が減って川沿いを歩きながら移動でき、その面では助かったが、明らかな減水は食い渋りを意味するので喜んではいられない。そしてポイントに到達するが、様相が変わっていることに驚いた。

●水流に変化が…●


 最後の一粘りをして、丁寧に攻めるが、ここはウグイの巣窟となっていた。
 「かけ上がりでウグイ」、「流れの脇でウグイ」、「渦の中でウグイ」、「ミミズでウグイ」、「ギンパク(オニチョロ)でウグイ」、「クロカワムシでウグイ」、何をやってもウグイのオンパレード。それもド派手な婚姻色に染まった大型のオスがほとんどなので、ほとほと疲れてしまう。

●婚姻色に染まる雄のウグイ●

 しかも、釣り上げると放精する姿は同じ男?として、やりきれなさを感じて更にガックリと来てしまう。

 「時間もないので、あと5投でヤメよう。」と心に決め、クロカワムシと途中で必死で捕まえたオニチョロとを交互に刺し替えつつ、1投、2投と繰り返すが、同じ状況だ。続いて3投目、クロカワムシが残ってきた。
 「ン?」と思いつつ、そのままのエサで4投目。渦の中で馴染んだ途端、目印が引き込まれてゆく。
 合わせた瞬間にソレと判る引きだった。「本日最後の一匹」とばかりに慎重なやり取りを繰り返し、無事に取り込んだのは本日2位のヤマメだった。

●28cmのヤマメ●

 「最後っ屁としては上出来」と喜びつつも、ついつい悪いクセであるスケベ心が沸いてきて、更に5投を追加したが、結果は元通りのウグイ地獄で終焉を迎えた。


■一日を終えて■

 一日を終えて振り返ると、「魚も生き物なら川も生き物」であり、「同じことは通用しない」とは判っていても、前回とは違った展開に苦労の連続だった。
 特に前回あれほど当たった「ギンパク(オニチョロ)」の効果はほとんど感じられず、だからと言って、他の当たりエサもなかった。やはり相手が自然界に棲息する生き物である限り、自分側の理屈でパターン化できるほど甘くはないのだ。
 それでも食い渋る中、好調だった前回に比べて釣果が2割減に収まっていることは自分の上達を感じた瞬間でもあるのだが…。
 まぁ、うぬぼれはさておき、今回の成績は「柳の下にドジョウはそこそこ」といった表現が適切なのだろう…。
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ガス燃焼器具の話 ~ランタン編

2011-06-18 12:30:00 | アウトドア・ギア
■数々のランタン■

 今まで、様々な灯火式ランタンを所有してきた。乾電池式のランタンや蛍光灯とは違って「火を灯す」必要のあるガスやガソリン式のランタンの灯は、揺らぐ炎にほのかな暖かさが感じられ、キャンプの夜や夜釣りの休息時に文字通り心に火を灯してくれる。
 しかし、一言でランタンと言ってもメーカー間、あるいは機種間に明るさや能力の違いがあって、それぞれ狙いが違う。ボクの場合はそれぞれを適材適所で使用しているが、今回はそのあたりについて書いてゆく。
 紹介するものの中には廃盤モデルもあるが、モデルチェンジしても材質や周辺の補器類が変わっても心臓部が変わっていなかったり、共通思想の下で製作しているモノがほとんどなので、最新モデルを購入する際の参考にしてもらってイイと思う。


■大~中型ランタン■

 大光量のランタンはキャンプサイトの外周部に設置することが多いが、これは重要な設置法だ。
 外周部からサイト全体に光が散り、足元がほんのりと照らされることによって安全が確保されることも重要だが、それに加えて夏場のキャンプでは夜に付き物の、蛾を中心とした昆虫の飛来対策にもなる。
 光に集まるタイプの虫は、その習性上一番明るい部分に集まり易いので、手持ちの中で一番明るい、それもなるべく大光量のランタンをサイトの周囲から離して設置すれば、そこに昆虫たちが集中するので、タープ内に蛾が舞って女房&子供(はたまた自分も?)がパニックになったり、夕食の際に「スープに虫が混入!」というようなトラブルがある程度避けられるからだ。

 しかし、大型のランタンは、光量に比例して燃費が悪くなる。特にガス燃料を使う大光量タイプは大食いだ。そんな時に助かるのがガソリン燃料を使用するタイプだ。
 いくらガソリンが安いといっても基本的には「ホワイトガソリン」という燃料が必要なので、自動車用のようにリッターあたり150円という具合にはならない。しかし、ホワイトガソリンであってもメーカーによって価格差があるので、ホームセンター等で探してみると意外に安いモノに巡り会うことがある。今、ボクはリッターあたり500円程度のモノを使用しているが、他メーカー間での組合せは、これまた事故や故障があった際には自己責任の世界ということらしいので注意が必要だ。

 比較してみると、ガスランタンの最大=240Wクラスをフルパワーで使えば1時間あたり220円。純正のホワイトガソリンを入れたガソリンランタンの最大=230Wクラスをフルパワーで使うと1時間あたり107円ほどになるので、ガソリンランタンの方が圧倒的に燃料費が安い。
 ただし、器機の価格が対ガス器機の1.5倍ほどするので、初期投資の差をどう考えるかは使用頻度によるだろう。
 それにガソリンランタンは「ポンピング」という、手動による加圧作業が必要になってくる。これを説明書の手順通りに50回ほど「シュポシュポ」と往復作業を繰り返す必要がある。作業自体はそんなに力は要らないのだが、着火後に炎が安定するまでは様子を見ながら追加のポンピングも必要だから、これら一連の作業に手間がかかる。
 更には夕暮れに点灯すると、食事が済んで酔っぱらい始める頃にエア量が減って光力が落ち始めるので、2回目以降が特にジャマ臭くなることを覚悟?しなければならない。
 また、器機が冷えている時に着火する場合には生ガスに対して点火しなければならないので、「ボンッ!」という音と共にオレンジ色の火柱が大きく上がるが、これに慣れるまでは毎回ビックリすることだろう。

 
■コールマン パワーハウス・ツーマントルランタン 290A(現行モデル)■

 このランタンは今からちょうど20年前に買ったモノで、現在に至るまでボクにとっては唯一のガソリンランタンだ。モチロン今でも現役で使用しているが、驚くことにボクが所有する以前から、現在に至るまでカタログ(紙ではなくてホームページ内のカタログの方)に載る現行モデルであり続けている。購入当時は一番明るいガソリンランタンであったが、今では「ノーススター」にその座を譲っている。
 ランタンやバーナーを問わず、コールマンのガソリン燃焼器具は、ほとんどが長年ほぼ同じ構造で販売し続けているから、メンテナンスパーツも豊富だ。しかし、ボクの所有する290Aはポンプ部に時折注油していることと、タンクの塗装の剥がれを補修したこと以外は全くメンテ知らずで、新品で購入して以来、一度もパーツ交換をせずに使用を続行している。だから、変な使い方をしない限り、かなりタフなようだ。
 燃費も当然良く、940cc満タン状態で上述したように初めにポンピング50回程度、追加のポンピングを2~3度行いつつ使用しているが、夕暮れから就寝時間までの間で給油の必要はない。
 明るさは、気温の変動に対して作動が安定しているせいか、ポンピングさえちゃんとしてやれば同ワット数のガス燃料タイプよりも明るく感じるから不思議だ。
 


●91年製290A●



■ユニフレーム UL-X(現行モデル)■

 数年前に旧モデルUL-Gからモデルチェンジした際に即購入。発売当初は「ハーフクリアガラス」という、半分が、すりガラスになっているホヤが装着されていた。ボクの場合はその後オプションとして追加された全周がクリアガラスになったホヤを購入して換装したが、現行モデルは逆転してそのクリアガラスの方が標準装備品になっている。
 公称240W(プレミアムガス使用時)となっているが、公称値よりもやや暗く感じる。
 収納時はガス缶を外すと、ホヤ部が下側のアルミ外皮内に沈み込んで破損を防ぐとともにコンパクトになる。
 しかし、このランタンの最大のメリットはカセット缶仕様+ブースター標準装備というところにある。詳しくは以前の記載を読んで欲しいが、自己責任ながらガスを選ばなくなっているメリットは大きい。このおかげでコストダウンが計れることはモチロンのこと、もしもの「ガス欠」の際は、コンビニでも買えるカセット缶が使用できるのは嬉しい限りだ。
 ボクのサイトレイアウトの場合は、このランタンをキッチン周りで使用している。その際、気温があまり低くない状況であれば、ワザとノーマルブタン100%缶を使用して少し光量を落とし、外周部にあるコールマン290Aとのバランスをとるのがちょうど良い加減だ。
 荷物を小さくまとめて小規模で使う場合は、このランタンをメインに使うが、その際はプレミアムガスを使ってパワーアップを図るようにしている。こういった使い分けができるのも有り難い。


●ユニフレーム UL-X●



■小型ランタン■

 小型のランタンはスクリーンタープという、蚊帳のように全周を囲んだリビングスペースで使用する際は、テーブルの上に直接置いて照らすタイプや、ポールを立てて上から吊して照らすタイプを使い分けている。
 その他、男女群島などでの夜釣りにはこのサイズのモノを単体で持ち込んで使用している。


■EPI ランタン LFA(廃盤モデル)■

 これもコールマン290Aと同時期の、今から20年くらい前に購入したランタンだ。
 今では日本企業の傘下になって日本製として販売しているEPIだが、このモデルはそれ以前のイングランド製だ。そのせいか、基本的にはタフなのだが、天蓋にサビが浮いたり、オート仕様のハズなのにオートで火が着かなかったこともあったりで、細かな心遣いに欠けているところがある。しかし、反面、シンプルな道具をメンテしながら長く使い続ける国民性が反映されてるから、たとえモデルチェンジしても基本パーツが同じで、いつまで経っても補修できるという良さもある。
 ボクのランタンも最初は、すりガラスのホヤが装備されていたのだが、ある日不注意でそれが割れてしまった。それでも数年間はその割れたカケラをエポキシボンドで接着して使用したいたのだが、それから12年ほど経って、より明るいクリアのホヤが欲しくなった際も、換装するパーツがあって見事に復活した経緯がある。また、飛ばなかったオートイグナイター(着火装置)は、ラジオペンチを使い、電気火花が飛ぶ距離を調整してやるだけで復旧した。
 このランタンは公称値以上に明るいのが特徴であり、このメーカーの純正ガスはアウトドア缶の中では価格が安い方なので、ランニングコストは低い部類に入る。
 EPIの製品展開は登山用の機種がほとんどだが、昔ながらの良さが今でも引き継がれながらも、日本製になった今は更に高性能かつ高精度になっているようだ。


●91年製 EPI ランタン LFA●



■ユニフレーム UL-C(廃盤モデル)■

 リビングスペースでのテーブルトップ用として購入。ユニフレーム共通のカセット缶仕様だが、ブースターなどの気化促進装置は付いていないので、寒さには弱い。従って低温時はプレミアム缶の方が安心して使用できる。
 収納時にはホヤ部が倒れ込んでガス缶装着部内に格納できるが、それでもカセット缶の一回り大きなサイズにしかならない。したがって、小型ランタンとしてはそんなにコンパクトな方ではないが、明るさは公称以上のモノを感じるほどに明るい。
 ただし、現在は廃盤となり、ホヤ部が首振り可変タイプになって、テープルトップ&吊り下げの両方で使用できる後継のUL-Tというモデルに変わっているが、W数やホヤのサイズ、そしてマントルも共通なことから、基本性能は同じようであるから、上記の特徴はUL-Tを買う際の参考にして欲しい。


●ユニフレーム UL-C●


■SOTO(新富士バーナー) ST-260(現行モデル)■

 低温時にも安定した炎を出す「マイクロレギュレーター」搭載のモデル。
 youtube内には、-10℃に冷やした缶、それもホームセンターの特売カセット缶での実験画像があるが、そんな条件でも安定して明るく照らす様子が映し出されている。
 事実、ボクが使用した感触でもその通りの性能であるし、いつでもどこでも格安カセット缶が使用可能な事は心強く、またフトコロに優しくて有り難い。
 カタログ値では150ルクス(70W程度)しかないようであるし、搭載されているホヤはステンレスメッシュ製なので、フィルタリングされて明るさ的には不利なのだが、マイクロレギュレーターによって作動が安定するのか、データ以上に明るく感じる。
 当たり前の話だけと、ガラス製のホヤのように現地で「ケースから取り出すと割れていた。」ということもないから、ハードケースに収納する必要はなく、その分だけ軽量なのだが、残念ながら本体が247gもある。
 ボクの場合は手持ちの中でこのランタンが一番タフな仕様であることから、男女群島や冬場の夜釣りなどには専らこれを持ち込んでいるが、上記の「ガスを選ばない」、「低温に強い」という2点から、ファミーリーキャンプ派はモチロンのこと、バイクツーリング等のソロ派にもお薦めできるランタンだと思う。
 


●SOTO ST-260●



 以下、バーナー編に続く。
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ヤマメを追って

2011-06-11 12:30:00 | 渓流&管理釣り場での釣り
■久婦須川へ■

 ボク好みの対象魚は引きのスピードが速い魚だ。磯釣りだとチヌよりグレ、それも最速の尾長グレが釣りたいし、船から狙う魚だとマダイよりも青物、その中でもヒラマサが釣りたい。だから渓魚の場合はイワナよりもヤマメ&アマゴの方がボク好みになる。

 以前にも書いたように例年であれば、6月中旬までは岐阜県の最北部を流れる高原川に的を絞り、ヤマメを狙って釣行を重ねていたが、腕がないのか?巡り合わせが悪いのか?、ナゼか年を追うごとにヤマメの釣果が減り、イワナが中心の釣果が続いて少々不満気味だった。
 更に今シーズンは低水温傾向が続いて、例年になくヤマメの動きが遅かったが、それを承知で釣行を重ねる中、ここに来てようやく復調の兆しがあって安心し始めたところだった。
 「今度こそ大型のヤマメを」と、今年4度目の釣行計画をたてていた矢先、そんな高原川に追い打ちがかかった。例年になく早い台風の影響と梅雨入りが重なって、山に残っていた大量の雪が一気に溶け始め、再び低水温傾向になったのだ。そして気付けば、6月に入ったというのにイワナ中心の釣果に逆戻りしていた。
 この川のロケーションが大好きなことは変わりなく、今後も諦めるつもりはないのだが、こうなるとヤマメ欲しさに「浮気の虫」が騒ぎ出す。そしてとうとう、例年よりも2週早い段階での富山県を流れる久婦須川への釣行となったのである。


■白鳥名物■

 ボクの自宅のある兵庫県西宮市から富山県へと向かうには通常だと北陸自動車道を通って現地へ向かうのだが、今回はとある事情があって、岐阜一宮から東海北陸道を経由しての移動になった。とある事情とはエサの購入ためである。

 渓流釣りに使用する釣りエサは、ミミズ、ブドウ虫、イクラという、多くのエサ店で手に入る「市販エサ」と、川の中に棲息するモノを基本的には現地採取する「川虫」類とに別れる。
 特に川虫類は普段から魚達が日頃から食い慣れているだけあって、アタリの数が多く拾えることが多い。しかし、その川の生息場所を熟知している釣り師は例外として、ボクのような流浪の釣り人では時期や川の流れによっては現地採取が難しい日もある。そんなアテが外れた日は、一日の展開が大きく変わることすらあるのだ。だから「安定供給できる手段があれば」と思うのは、ボクだけではないハズだ。
 そんな釣り人のニーズを受けてか、渓流釣りの本場の一つである岐阜県の郡上八幡市周辺のエサ店には川虫を市販する店もあるのだが、24時間営業をする店が少なく、我々のように他方面からやって来る釣り人には利用し辛い状況下にあった。
 そんな中にあって岐阜県、白鳥インターチェンジの出口近くにある「めだか釣具店(0575-82-3281)」では自動販売機で24時間対応しているので、近頃ボクはよく利用している。

●めだか釣具店の自動販売機●

 調べれば、この自動販売機は釣り人以外のH.P.などでも紹介されているくらい有名らしく、半ば名物と化しているそうだ。
 取扱内容も充実しており、季節やその日の採れ具合によって「キンパク」、「ギンパク(オニチョロ)」、「クロカワムシ」そして「ヒラタ」など多彩だ。

 白鳥経由であれば北陸道出直接向かうルートよりも約30kmの追加となるが、エサが現地で採れるかどうかの不安を払拭するには安いコストだと思う。しかし高速道路¥1000上限が撤廃され、夜間割引のみとなる今後は、判断が微妙になるだろう。


■実釣開始■

 事前にインターネットで調べた久婦須川、小長谷地区の水位は約1m高い状態になっていたので、念のために、この川の年券購入でいつもお世話になっている地元釣具店(桐谷釣具店076-455- 2751)に問い合わせてみた。
 結果は「水位は高いが釣行可能」ということだったので釣行を決意したワケだが、ボクが経験した中では最高の水位での釣行だった。

 現地に着いてみると、情報通りの状況だった。流れはキツく、濁りは少々あるものの、釣りに支障が出ない範囲なので一安心。河畔に降り立ったのは午前5時頃だったが、曇り空に加えて朝靄が立ちこめる中でのスタートだった。

 
●どよ~んとした空気感が漂う河畔●

 ボクの入渓したところは川沿いに出るとすぐにポイントがあるのだが、ザッと見回しても地形的にそんなに変化がなく、水深も浅いこの辺りは、釣り慣れた人には見分けがつくポイントなのかも知れないが、渓流歴が浅い人にとっては、恐らく判断がつかないと思う。かく言うボクも、初めてこの川を訪れた際に、たまたまヤマメがライズ(水面に向かって捕食行動をとること)する姿を見掛けたから気付いただけのことだ。
 ただし、川底をゴソゴソやると他の地区よりもクロカワムシの数が多いように感じるから、どうやらヤマメ達にとってはエサ場になっているようだ。そのためか明るくなってしまうとほとんどアタらなくなる。(特に晴天時は顕著だ。)

 複雑な流れではないので、ハリ上30cmにやや軽めのジンタン2号を打ち、仕掛の投入を開始する。そして数投目、対岸のアシ際を流す仕掛に反応があった。ほどよい抵抗を味わうが、さほどのサイズでもない。難なく玉網に収まったのは久婦須川らしい体高のあるヤマメだった。

●ファーストヒットは22cmのヤマメ●

 薄曇りが幸いしたのか、この区間での釣果は続く。

 この日に用意したエサは「クロカワムシ」、「ギンパク(オニチョロ)」の川虫系と、「ミミズ」、「ブドウ虫」の市販エサ系だった。後述するが、それらのエサに対するヤマメの反応には明らかな傾向があった。

●クロカワムシ●

●ギンパク(オニチョロ)●


 周囲のポイントらしき部分から同寸クラスを3匹抜いた後は、ピタリと辺りが止まった。この久婦須川でのエサは、川虫であればクロカワムシが定番になるが、そればかりでは魚の目が慣れてしまうのか、釣りきることはできないと思う。そんな時はエサをローテーションさせることが必要になるが、この日も今までと同じように、クロカワムシからミミズにまず刺し替えてみた。
 そして、気になった対岸のアシ際にある石裏のポケット部に投入する。

●アシ際にある石裏のポケット●

 しかし、反応はない。そこで今度は「ギンパク(オニチョロ)」に刺し替えて、もう一度同じ場所に投入する。
 ギンパクが後回しになったのは、単にボクとの相性が悪いからであり、これまで幾度となく使用したが、イイ思いをしたことがないからだ。しかし、この日はナゼかひらめきがあって上述の「めだか釣具店」で購入しておいたのだ。そしてこのひらめきは大いに当たった。

 石裏にジンタン1号を一つ打った仕掛をウマく滑り込ませ、ポケットと本流の境にできる筋に仕掛が入った途端に、目印がこれまでにない反応を示した。
 アワセるとすぐに良型と判断できる引きが竿を絞り込む。それを慌てずイナして取り込んだのは27cmほどのヤマメだった。
 
●27cmクラスのヤマメ●

 釣りを長年やっていると、このエサ選択のように、何気ない勘であるとか、思い付きとかから何かを感じてひらめくことが時たま起きるが、それは、ボクのDNAに刻まれている、太古の昔より祖先から受け継いだ野生が呼び覚まされる瞬間なのだ。と、大袈裟に書いておく。その真偽はともかく、当たったときの喜びは、ボクが長きにわたって釣りを続けられる大きな要素の一つであることは間違いない。
 そして後に気付くが、この時点でギンパク(オニチョロ)の有効性を理解したことが、この日のボクを勝利に導いたのだ。


■灯台下暗し■

 幸先良くスタートしたことに、気をよくして徐々に釣り上がってゆく。いつもより移動に時間が掛かっていたが、この日は時間を掛けてポイントを攻めることにしていたので、それも納得の上での行動だ。
 以前にも触れたが、釣りをしない人には「ノンビリ釣り糸を垂れている。」と思われがちな釣り人の気質は、実はせっかちでいつもピリピリしていることの方が多い。それに加えて、自分が立つフィールドの中であれば先端へ先端へ、沖へ沖へと行きたがる、一種の「我先に」心理がつい働いてしまう。それが渓流の場合は対岸へ対岸へ、上流へ上流へと向いてしまうのだ。
 しかし、落ち着いて行動している場合は、それまで見えなかったモノが見えて来るものだ。この日はそんな目で見ていたから、手前側にある、そう大きくない石裏にも魚が着いていそうに思えた。

●川岸からの距離は1mほど●

 そこに仕掛を投入すると、すぐに答えが出た。そう大きくはないがイワナだ。

●20cmのイワナ●

 「灯台下暗し」とはこの事である。慌てずにこういったポイントを丁寧に攻めることの重要さを知った瞬間であった。


■当日最大魚?■

 次のポイントは、やや川幅が狭まって深瀬になっており、その流芯に強い流れの筋ができているところだ。

●泡立ち波立つ流芯●

 まず、始めに流芯の両サイドにある流れの緩い部分をジンタンオモリ1号を着けた仕掛で探って22cmクラスを追加し、それからオモリを2Bに打ち替えて流芯の際を探り始める。
 丹念に探ってもアタリが出ないので、ハリに刺していたエサをそれまでのクロカワムシからギンパク(オニチョロ)に交換して、更に仕掛を打ち返してみると、コレが功を奏したのか明確なアタリが出始めるのであった。

 まず最初は、そこそこ良型のヤマメをゲット。

●25cmのヤマメ●

 続いて流芯が流れ込み始める頭の脇にある「一等席」を攻めるが、上席に居るヤツはやはりデカかった。
 アタリと共に竿が絞り込まれる。流芯を超えた向こう側で食わせたのだが、しばらくの間はその位置でやり取りを繰り返す。しかし、ボクの足元まで寄せてくるには一番流れの速い筋を越さなければならない。そこで、ある程度相手の体力が消したら、一旦下流に下がって流れの勢いの落ちたところで流芯の筋を超えさせる作戦が頭に浮かぶ。
 頃合いを見計らって下流に移動し、それまで上流側にテンションをかけ続けていた竿操作を円を描きながら、徐々に徐々にと左へ回す。
 しかしである。この時、一瞬テンションが緩んだことを相手は見逃してくれなかった。こちらとの間合いを計っていたかのように、そのタイミングで一気に走られ、その魚は「見果てぬ夢」の一部となってしまったのだ。
 そしてバラシでポイントが荒れたのを機に更に上流へと移動する。


■定番のイワナ■

 次なるポイントは、毎年、尺前後のイワナを釣っているポイントだ。しかし、過去経験した水位よりも40cmほど高い水位の状況下では、広い瀬からの落ち込みを狙うだけに厳しいかも知れない。
 そして到着すると案の定、ポイントの数が激減していた。
 
●狙いは石裏の一箇所のみ●

 しかし「居るところには居る」もので、いつものように良型のイワナが登場するが、残念ながら尺には届かなかった。
 
●28cmイワナ●


■順調に伸びる釣果■

 その後も順調に伸びる釣果に支えられ、気分が良いまま釣り上がってゆく。

●26cmほどのヤマメ●

●28cmほどのヤマメ●

 そして気付けば、区間の最終局面へと突入する。
 いつもなら、対岸に渡ってそこから竿を振るのだが、今回は増水しており、渡るルートが絞られているから、事前に脳内で充分にシミュレーションし、ルートを描いてから慎重に渡らなくてはならなかった。


●この瀬を渡って対岸に●


■最終区間■

 最終区間が見渡せる位置に立つと、そこからは2人の釣り人の姿が見えた。様子を伺うと既に竿を振り込んでいて、そこで幾らかの時間を過ごしていたように感じたが、その2人は釣り上がってきたボクの姿を見ると、竿を畳んで引き上げの準備を始めたのだ。
 うっかり「頭はね」をしたことに気付いたための遠慮なのか、それともここから釣り下ろうとしていて、ボクの姿を見て「釣り下って攻めても無駄だ」と思ったのかは判らないが、このような局面であっても、こちらを無視して釣り続けたり、釣り下ったりする人も多い中、とにかくすぐに姿を消してくれたことはマナーを守ろうとする心の現れでもあるから、こちらも気を悪くする必要もない。釣り人同士で互いに譲り合って、この日のように気持ちが良い1日が過ごせるように努力したいものだ。

 この区間に差し掛かると、いつもボクは、それまで振っていた6mの渓流竿から、8mの本流竿へと持ち替えるようにしている。それは周りに木々が少なく開けているから、ポイントとの距離を充分にとりたいということと、堰堤下に入ると物理的に届かないポイントもあるからだが、それとは別に広い河原で長竿を振るのは感覚的に気持ちが良いという側面もあるし、気分転換にもなる。

 長竿をブン回しつつ、釣り上がってゆくと、さっきまで2人組が攻めていたポイントに差し掛かる。初めのうちは石裏を攻めていたが、やはり釣り切られていたのか、全く反応がない。そこで、石の手前の早い段階で仕掛が馴染むように、やや重め2Bを打ち、この日のパターンであるギンパク(オニチョロ)にエサを差し替えて、石の表=水が当たる上流側にある「ウケ」と呼ばれる部分を重点的に攻め直してみた。
 何度か打ち込んでゆく内に、流れに乗った仕掛がウケに到達し、落ち着いた動きを示す。それと同時にピタッと目印の動きが止まり、続いて少し沈み込んだ。ここは攻められていなかったのか、魚が残っていたようだ。
 
●石の前がポイントだった●

 すかさずアワセを入れ、グンッ!と竿に重みがかかった瞬間に型の良さを感じて、慎重にやり取りを開始するが、相手は流芯部に入って更なる加速を試みようとする。
 しかし、使っているのは長竿なので、こちらの心理に多少なりとも余裕があった。少し岸側に移動できるスペースがあることが判っていたので、その浅瀬を伝って下流へと移動して、こちらがやり取りするのに有利な場所へと移動しながら、同時に相手を誘導する。
 そこまではこちらのペースで攻めることができたのだが、相手も「勝手知ったる自分の庭」だ。今度は、下流側にある瀬に入っての加速を狙いつつあるようだ。
 これ以上ボクが下流に移動して相手の攻めをかわすのは、自分も一緒に瀬に乗って流れて行くことを意味するので、この場に立ち止まるしかない。
 そこで一か八か、上流側に竿を倒して思いっきり締め上げるように竿を絞り込んでみると、竿のパワーに負けた相手がこちらの動きにある程度順応するようになった。そしてその後は何度か水面に顔を出すが、その度に潜るを繰り返す。しかし、その度に相手が空気を吸って徐々に弱ってゆくのを感じていたので、頃合いを見計らって一気に寄せて玉網に誘導し、無事に取り込んだ。
 「ギリギリだけど、今年初の尺オーバーだ!」と心で叫ぶ。それは、興奮と安堵を同時に感じる瞬間だった。

●今年初の尺ヤマメは31cm!●

 更に釣り上がり、そこから上流の区間も既にある程度攻められ、魚が抜かれていたのか、反応が鈍い。そうこうしている内に気付けば最終地点の堰堤下に到達しようとしていた。
 この先にあるポイントでは、昨年33cmを仕留めているだけに期待は大きい。

●大場所である、堰堤下●

 しかし、ここで問題発生!。
 ここではポイントに向かって竿出しができる立ち居位置が、それまでとは逆の対岸側にあるのだが、増水による押しの強い流れが発生して、どのルートを辿っても渡河できそうにないのだ。

●足元はこの通り●

 「まぁ、ここは無理をせず、核心部の攻めについては次回以降に持ち越すことにしよう。」
 と判断し、危険のない範囲で立ち止まり、そこから長竿を駆使して届く限りのポイントを攻めてみる。
 どうやらさっきの2人組はここまでは来ていなかったのか、はたまた使用していた竿が短かったのか、魚を釣り切っておらず、ここではそこそこサイズを3匹追加することができた。
 

■下流へ■

 堰堤直下を諦めた後は一端退渓し、下流部へと向かう。
 ここまで充分な釣果を得ていたし、雨も降り出したことから、これ以上の増水は危険を伴いかねないので、この区間は間を飛ばして核心部のみで竿出しするつもりで河畔を遡行してゆくが、この区間も増水のために移動が困難になり、文字通り行き詰まってしまう。
 そこで仕方なく河原に笹や樹木が生い茂りジャングルのような藪の中を「藪こぎ」しながら更に上流へ突き進んでゆくが、コレがまた辛いのなんのって…。

 ヘトヘトになった後にようやく到達したポイントは、増水気味だが見るからに期待を裏切らなさそうな様相を呈していた。

●見るからに条件の整ったポイント●

 丹念に探りを入れながら、仕掛のオモリを調整するが、水深がある割には渦巻く部分と流芯との境目に仕掛が吸い込まれるので、打つオモリをジンタン1号として投入を開始する。
 一匹目はそこそこサイズだったが、クロカワムシからギンパク(オニチョロ)に替えた途端に、またまた大当たりのヤマメが登場した。
 コイツも結構抵抗を繰り返すが、こういったポイントでは水深があるために魚が走っても糸が石に当たることもないので強気のやり取りができる。
 主導権を与えず長竿を思いっきり締め込んでやることで相手を弱らせる。そして頃合いを見計らって一気に浮かせて玉網に誘導し、無事取り込みに成功する。これまた尺近いヤマメだ。

●「泣き尺」30cmジャストのヤマメ●

 その後もしばらく粘ってみたが、ここでは計3匹抜いた時点で渓魚の気配が無くなり、それを機にこの日の釣りが終わった。


■一日を終えて■

 この日は増水気味で、入れないポイントも多かった。しかし、考えようによってはその増水がヤマメの食いを良くしたのかも知れないので、一方的な残念感を抱いてはダメなのかも知れず、判断は難しいところだ。
 それにしても驚かされたのは、この日の当たりエサだ。何しろ上位5匹がギンパク(オニチョロ)による釣果だったのだ。
 しかし、このエサ選択が次回にも有効なのかどうかは判断できない。というのも、昨年同時期に釣った33cmを含む良型全てがクロカワムシによるモノだったし、過去には市販エサのミミズに良型が集中したことが何度もあるからだ。
 結局「何が有効か」は当日になってみないと判らない。しかし、それを探し当てるのもコレまた釣りの楽しみなのだ。釣りとは本当に奥深く罪な趣味である…。
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ガス燃焼器具の話 ~気化促進装置編

2011-06-04 12:30:00 | アウトドア・ギア
■ガス本来の性能を引き出す装置■

 前回のガス編でも触れたが、沸点が高いノーマルブタンが多く配合されている低価格帯のガスであっても、性能を引き出す方法がある。今回はその「ガス本来の性能を引き出す装置」を紹介していこう。

 「ガスの種類によって温度は異なるが、低温で火が着かなく」なり、「使い続ければ使い続けるほど気化熱が奪われ、缶内が更に冷えて悪循環が起こる」のは前回の説明で記したとおりだが、特に後者は「ドロップダウン」という言葉が使われている。
 各社から販売されている燃焼器具の一部にはその低温&ドロップダウン対策が施され、その結果、低温下であっても価格の安いノーマルブタン100%缶が使用可能になっているモデルがあるから、「知らなきゃ損」の話なのだ。


■ブースター(ヒートパネル)を装備した器機■

 低温&ドロップダウン対策で一般的なのはイワタニ製を始め、各社が販売する家庭用のカセットコンロの多くでも採用している「ヒートパネル」がある。
 その機能と効果はイワタニの説明によると、

「ガスの気化を促進し、ガスを最後まで使い切るようにヒートパネル方式等の加温装置を採用しています。 」
「ヒートパネルやバーナーからの熱や輻射熱により、ボンベの上面は熱くなります(60℃から70℃位)が、容器(ボンベ)の下面はそれほど熱くはなりません。(ボンベの下面は液体のガスがあるため)」

とあるが、つまりこの装置は、火口から出る炎の熱を金属パネルを通じてボンベに伝える装置だ。その装置の有無は、「カセットコンロ」と呼ばれる、家庭用のコンロの場合はボンベ室を覗いてみるとすぐに判る。ボンベを抱き込むように金属板が配置され、その金属板をたどれば火口まで続いていることで存在が確認できるだろう。

 同様の装置が「ブースター」などと呼ばれてアウトドア用の燃焼器具の一部にも採用されており、例えばランタンだと下の写真


●ユニフレームUL-Xのブースター●


のように、火口とボンベ室を繋ぐ銅製、もしくは真鍮製のパネルが装着されていることで確認できる。
 しかし、ランタンでは中~大型の3機種、「ユニフレームのUL-X」と「SOTO(新富士バーナー)のST-233(虫の寄りにくいランタン)」、そして新富士バーナーがアルペングループ用にOEM供給している「ランタンCB-550」にしか装着されていないようだ。
 機種は限られるが、ウレシいことに、この3機種は全てカセット缶規格だ。したがって、気温が下がっていても最初に火さえ着けば、このブースターが缶を暖めてくれるおかげで、ノーマルブタン100%の格安缶であっても、火力の低下が少ないままでの使用が可能になる。但しその場合は、イソブタンが高濃度に配合されている、例えばユニフレームのプレミアムガスを装着した時よりも少し明るさが落ちることと、器具とガス缶のメーカーが別になるので、あくまでも自己責任での使用になることを理解しておいて欲しいが…。

 残念ながら、アウトドア缶を採用したモデルのランタンにブースターを装着した機種は見あたらない。したがってアウトドア缶仕様のランタンを手にした場合は、現状ではそれがハイパワー(=明るい)であればあるほど比例的に気化熱が奪われるので、低温時には純正品の割高なハイグレード(寒冷地対応)ガスを使わざるを得ないことになる。

 目をバーナー(ストーブもしくはコンロ)に向けると、もう少しブースター採用機種が増えてくる。


●ユニフレームUS-1800のブースター(1900と共通仕様)●


 上段で触れたイワタニ社製の家庭用カセットコンロ「カセットフー」シリーズは、ほとんどの機種でヒートパネル(ブースター)を採用しているし、それをマネてか、他社でもブースター類を装備する製品は多い。更に、家庭用のカセットコンロには法律上、ボンベの圧力が4~6kg/平方cmになると自動的に火が止まる安全装置の取付が義務化されているから、そう言った意味では安全で基本性能の高いモデルが多いのだ。
 また、家庭用のスタイルをとりながら、初めからアウトドアユースを想定したモデルもあるので、それらであればそのまま内外兼用で使うこともできる。しかし、特別にアウトドアユースをうたった製品でなくても、防風対策をすればアウトドアでの使用も基本的に可能だ。(「雰囲気」は無いけど…。)
 
 目をアウトドア用品メーカー製に向けると、カセット缶対応機種では2バーナーの「ユニフレームUS-1900(USシリーズの最新モデル)」のみがブースターを標準装備している。
 別売りで対応しているのは、「SOTOのツーバーナー及び3バーナー」の3機種だ。特にSOTOでは「ガスシンクロナス・システム」(http://www.shinfuji.co.jp/contents/products/soto/burner.html#st525 を参照)も同時に採用しているので、ドロップダウン対策としては更に強力だ。(ボク自身が実際に使用したことはないので「受け売り」だけど…。)
 アウトドア缶対応のツーバーナーでは新富士バーナーがOEM供給している、「アルペングループ用2バーナーのD-X 2バーナー11000」の1機種しか販売されていないようだ。
 また、アウトドア缶対応のシングルバーナーではEPIが別売りで対応しているが、このメーカーは、シングルバーナーのみの展開であるし、プロパンを高濃度に配合した高性能ガス缶や、缶自体に気化促進機能を付けたモノも合わせて販売していることから、その狙いの中心は冬山での性能向上にあると思う。


■缶の使い分け■

 ガスの適応温度が広がるブースター機能についての理解があれば、低温時であっても様々な配合率が存在するガスの中から、「自己責任」ではあるものの、最適なモノを段階的に選ぶことによってコストダウンがはかれるようになる。
 例えばイワタニのオレンジ缶は前回に示したようにノーマルブタンが70%、イソブタンが30%の構成比だが、外気温が低くなって、それまで使っていたノーマルブタン100%の格安缶では火がほとんど付かない状況になっても、このオレンジ缶だと30%入っているイソブタンがまず先に着火し、その熱がブースターを伝って缶を暖めることによって、残り70%のノーマルブタンにも継続して火が着くようになる。現在オレンジ缶は250gあたり約182円だが、ブースター無しの器機では低温下だと、より高価なガスを使わざるを得ない。しかも配合具合によっては、沸点の高いガスが缶内に気化せず残ってしまうだけに、その価格差がかなり大きくなるのだ。
 ただし、バーナーように点火、消火を繰り返す器機よりも、継続して燃焼させることの多いランタンの方が熱循環の途切れが少ないので、よりブースターの効果が高くなるということは理解しておいて欲しい。


■ブースターを使わない低温対策■

 技術は進歩し、ブースターを装備しなくても低温時に安定して燃焼するよう、工夫している製品も一部にある。
 SOTO(新富士バーナー)では、「マイクロレギュレター」というシステムを導入した結果、かなりの低温下であってもノーマルブタンに火が着くようになっている。
 ボクが実際に使用していて、その効果を実感しているが、「youtube」でもこのシリーズのランタンに、-10℃に冷やした格安カセット缶を装着して燃焼させる実験がアップされているから、その効果を確認してみるとイイだろう。(http://www.youtube.com/watch?v=y3oWpYYjOLg)
 その他、このレギュレーターを搭載したSOTO製アウトドア缶対応モデル「SOD-300」の対比実験も面白く、効果が判りやすいので見て欲しい。(http://www.shinfuji.co.jp/ECweb.html (「下段の●『マイクロレギュレーターの効果』を動画で見る。」を参照)
 ちなみに、このSOD-300は厳しい目を持つと言われている、アメリカ、ドイツ等のアウトドア専門誌から表彰されているから、ある種のお墨付きだ。


●マイクロレギュレーター搭載のランタン「SOTO ST-260」●



●マイクロレギュレーター搭載のバーナー「SOTO ST-310」●


 「youtube」内の、-10℃に冷やしたノーマルブタン100%缶を装着&燃焼させた実験で見比べてみると、大量のガスを出して燃焼させるバーナーよりも、一定量を燃焼させ続けることの多いランタンの方が、より効果が大きいようにもとれる。(ブースターと同じ結果のようだが、意味は違う。)
 しかし、一般的なキャンプでは氷点下の気温の中で1日を過ごすことは少ないだろうから、極限に近い話はさて置いて、バーナー、ランタン共に未対策の器機との組合せだと失火し始める10℃以下の温度帯であっても、ノーマルブタン100%の格安ガス缶が普通に使えるメリットの方が計り知れないことだと思う。

 上記の他には「液出しタイプ」というシステムがある。これは缶を通常とは逆さまに(倒立)セッティングすることでガス化していない燃料を直接液体のままで取り出し、ガソリンバーナーのように火口の熱で強制気化させて燃焼させるシステムだそうだが、缶内の気化状況には影響されないので当然低温には強くなる。
 しかし、液出しとガス出しの両方に対応したタイプでは「作動が不安定になるから、通常はガス出しで」と説明している場合もあるし、同一モデルであっても海外では液出しOKでも日本国内では不可という場合もあるので、一般的ではなく、緊急的な場合のみに対応しているともとれる。
 その他、一部に液出し専用タイプもあるにはあるが、今のところ品数が少なく、器機そのものがベラボーに高価だし、その特性から、専用缶の指定をより厳しく守る必要があるので、高いランニングコストが更にのしかかってくることを覚悟しなければならない。


■番外として■

 ここまで、「ガスの能力を引き出してコストを下げる方法」について説明してきたが、ここで更に番外として「熱を効率よく拾う鍋」を紹介したいと思う。

 実は、バーナーの火口から出た熱の多くは、鍋の底に当たった後は外周から逃げて大気へと放出されてしまうそうだ。その逃げる熱を効率よく拾う鍋が数社から販売されており、ボクも3種類を所有している。
 高効率の鍋を使用すると燃料消費が押さえられるので、持ち込む燃料が少なくて済むから、少しでも荷物の重量や体積を減らしたいという、登山者のニーズがあって開発されたようだ。だから初めのうちはソロユース(個人用)のサイズが中心だったが、日本では未発売であるものの、今では容量2.9L程度までがラインナップされている。


●右端がプリムス、それ以外はジェットボイルの製品●


 コノ手の鍋の湯沸かしの早さは特筆すべきモノがある。例えばカップ麺用に湯を沸かす場合、ストーブに水を張った鍋を乗せ、箸を用意し、カップの袋をフタをはがし終わった頃には既に沸いているといった感じだ。(要するに猛スピードということ)
 こういった鍋はバーナーとのセット販売が多いのだが、ボクの場合は鍋だけ単体で買ったモノとセットで買ったモノが混在している。


●このヒダが集熱してくれる●


 所有物の中からボクは最速の湯沸かし装置になる組合せを探っているが、今のところ上述のSOTO-ST310とジェットボイル1.5Lクッキングポットの組合せが好感触だ。


●SOTO ST-310との組合せ●


 このあたりは、さほどこだわらなくても火口から出る炎の拡散具合と、鍋の面積のバランスさえ合えばかなりのスピードで湯が沸く=熱効率が格段に高くなることを頭に入れておくだけでイイと思う。

 しかし、高効率な鍋を見てつくづく思うことは、パテントの問題等はあろうかと思うが、家庭用のヤカンや鍋などに導入すれば省エネ効果間違いなしなのに、「ナゼどこもやらないのか?」ということだ。
「でも、それが元で鍋類が高くなるのなら、結局アウトドアマン以外は買わんだろうな…。」それが結論なのかも?。

 以下、ランタン編に続く。



※前回の「ガス缶編」と今回の「気化促進装置編」で、バーナーとはメーカーの違うガス缶を使用する際は「自己責任で」と書き続けているが、カセット缶対応の燃焼器具をメインに販売する新富士バーナーのH.P.内で下記のような記述を見付けた。

”災害時にはカセットボンベが役立ちます”

 ライフラインが寸断され電力やガスの供給が停止した時、カセットボンベを燃料とした器具が役立ちます。カセットボンベはホームセンターなどで手軽に準備しておくことをおすすめします。また、災害時の支援物資としても比較的手にいれやすい燃料です。同じ規格であれば1本のカセットボンベを調理バーナーやランタンなどに使いまわすことが可能ですから無駄なく燃料を使うことができます。

 前回でも「最近では語気が弱められている」と書いたが、メーカー自身でも上記のようにカセット缶の流用を容認する姿勢が示されているのはウレシイ限りだ。

 付け加えれば、1998年以降に生産され、JISに適合したガス缶は、全長の寸法差が0.8mm以下に抑えられて互換性があるそうだ。その結果、1999年3月に液化石油ガス法が改正されて、ガス缶に「同一メーカー同士でないと使用不可」という表示義務は無くなったということだ。現在でもJIS適合製品でありながら、一部の製品にその表示が残っているのは、「組み合わせでガスが出にくいことがまれにある」としたメーカー側の”自主的”な行為なのだそうだ。
 シロートのボクが言うのもナンなので、詳しくは京都府消費センターのH.P.内「http://www.pref.kyoto.jp/shohise/15400109.html」を参照のこと。
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