中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

春の経ヶ岬 ~6回目

2021-05-29 12:30:00 | 船釣り・釣行記
 貧果だったので、短めに…。

 前回のデカマサに気分を良くし、その後に「オキアミへの反応が回復した」との情報を得て、期待に胸を膨らませての釣行だった。
 が、しかしである。経ヶ岬前に出る直前で「120号オモリでも底がとれない超ブッ飛び潮が差している。」との情報が入り、船長との協議で緊急回避を判断し、冠島方面へと舵を切った。

●冠島(小島)●

 冠島ではマダイがメインになる。普段からマダイには全く興味が無いので「ガックリ」ときたが、釣行近辺ではほとんど釣れていなかったが、小マササイズなら出る可能性があるし、極稀にだが90cmクラスも出る事もあるので、「出れば儲け物」程度の期待を持ってこの日の釣りが始まった。

 そして一投目。現着後、確認すると自分のフカセ釣り感覚では最適な速さの潮流が差していた。

 殆ど竿出しをしないポイントなので、「とりあえずの探り」のつもりで、浮力調整パーツは何も付けず、B.B.入りサルカンのみの状態で流し始めたが、160mでアタリが出た。
 正体は中型マダイらしかったが、糸フケが出ていたらしくアワセが甘かったのかハリ外れに終わったので、次の流しでは110mで20秒停止させ、150mで5mの引き戻しを組み入れてみた。
 これにも160mでクリーンなアタリが出たが、相手はイサギだった。続いてイサギのみがポツポツとアタるという、どうもパッとしない展開だった。

 イサギは食ってウマい魚だが、事ファイトに関しては全くしない魚なので、船内全体が食傷気味になった。そこで船長は移動を決意。移動先では55~65cm程度のマダイが掛かってきたので、多少はファイトしてくれて、ささやかな喜びを感じていた。
 そして最終段階になり、隣で「200mまで流してもエサが残った。」という声が上がったので、サルカンのみ仕掛けを25m手繰り出し、150mまで出た時点で10m巻き戻して流してやると210mでラインが走った。
 そしてようやく65cm程の小マサをほぼ同寸のマダイとダブルでゲットする事に成功した。

●マダイと小マサ●


 白石グリで、単発でもイイからヒラマサらしいアタリとパワーを感じたかったが、自然の力には逆らえない。普段は狙わない魚たちに「気をなだめてもらった」一日だった。

●釣果の一部●

 
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春の経ヶ岬 ~5回目

2021-05-22 12:30:00 | 船釣り・釣行記
 白石グリではヒラマサがオキアミに反応するようになったのは4月22日頃と、例年に比べてかなり遅かった。「これで安心。」と思い、シーズンインしてからの展開に期待を待ったが、またもや荒天のサイクルにハマって一度しか釣行チャンスがなく、悶々とした日々を送っていた。しかし、その間に急転直下し、5月15日以降はゴロッと状況が変わってしまった。原因は大量に集まったベイトフィッシュの影響だと思うが、釣行当日近辺は「オキアミに見向きもしない」状況でのスタートだった。


■イヤな予感■

 いつものように白石グリへと向かったが、今回利用したのは第八大海丸さん。いつもお世話になっている第八十八大海丸さんの言わば「兄弟船(実際は友人関係で、兄弟ではないし、鳥羽一郎の歌も関係ない。)的な位置づけ」ということになる。元々が大物狙い指向の釣り人が船長になった経緯から、周波数がボクと同じなのは嬉しい限りだ。

●伊佐津川沿いから出港する、第八大海丸さん●


 協定時間である11時に実釣スタート。前日はブッ飛び潮だったそうだが、当日は、「速いが何とかなるレベル」で一安心。まずは水中帆一個のみを装着して探りを入れてみる事にした。

●100mあたり3分15秒●

 船長の想定ポイントは160m以降という事だったので、まずは150mで10mの巻き戻しを入れた後、220m出た時点で回収する。するとサシエサが盗られていたので、120mで10mの巻き戻しを入れて220mまで流してみたが、これでも盗られたので、120m、160mの2回の巻き戻しを入れてみると、今度はサシエサが残っていた。
 何度か調整したが、これらの巻き戻しパターンが効きそうにないので、120mで20秒止めた後にリールのメカニカルブレーキを絞って流してみたがこれもダメ。気付けば船の周囲ではベイトフィッシュが追われて盛んにボイルが始まっていた。

●あちこちで起こるボイル●

 「やはりオキアミに興味が無いのか…。」と、噂が実感となった瞬間だった。


■飲ませ釣り■

 そうこうしている内に周囲ではポツポツと竿が曲がり始めていた。様子を見ていると、どうやら小アジをエサに飲ませ釣りをしているようだった。そんな時の為に、この日は早起きをしてその小アジを購入していたので、仕掛けをまるごと交換してチャレンジ。
 だが、ボクは「M体質」なのが、魚に反撃される一種の弱みや隙がこちらある方がオモシロく感じるし、本来は事細かくイジクる釣りが好きなので、豪快であるものの、やや大味になり、太いハリスが使えるこの釣りがどうしても好きになれない。そのため、僅かな投入回数で諦めてしまった。
 さりとてオキアミの釣りに戻しても状況は好転しないままだった。諦めムードの漂う中、気付けば周囲の船も減っていたので、船長はアンカー位置の修正を決意した。そして元のポイントからほど近い位置で再スタートを切る事になった。


■念願のアタリ!■

 再スタートにあたって、頭の中を整理してパターンの再構築を行った。ここまで潮流は速いものの、上下の速度差は多少あっても極端な二枚潮ではなかった。と、なれば、「速めの上潮に乗せた仕掛=サシエサを、どの距離で本命魚の層に落とすのか?」をシンプルに考えてみようと、そんなパターンに強い「越前方式」で攻めてみる事にした。
 まずは探りを入れる為に最初の送り出しは20m、B.B.入サルカン0号のみが着いた状態で200mまで流してみた。すると、サシエサは盗られていた。次いで発砲ウキの8番を入れて送り出し量や流す距離は同じのままに流すと今度はサシエサが残っていた。

●越前方式の浮力調整用発砲ウキ●

「それならば…。」と、発砲ウキ7番に交換して同様の流しを試みると160m付近で、一気に「ブーンッ!」といった感じではなく、1秒ごとに2割増しにスピードアップする感じでスプールの逆転スピードが上がっていた。
 「どこかで見たアタリ・パターンだ!」とばかりに、反射的にアワセを入れると、「ドスンッ!」といった感の衝撃がロッドを持つ手に伝わった。そして、それと共に長い長い攻防が始まった。

■柔よく剛を制す■

 ファーストラン付近のやり取りでは、速い潮に起因する水流抵抗にパワーの何割かを奪われているのか、道糸の引き抜きさえ行えば、相手は素直について来る様子だった。自身でカメラのシャッターを切る余裕もあったので「もしかするとブリかも?」という気さえ起こっていた。

●イイ曲がり!●

 ところが水深の1.5倍=100mを切る頃から人(?)が変わったように反転を開始し、一気に20m以上の単位で走るようになった事から、デカマサ・クラスと判断して「押さば引け・引かば押せ」の要領で慎重に距離を詰めて行った。

●ヒン曲がったように見えないのは、竿を左に回しているから●

 これまで、何度かデカマサ・クラスの引きに遭遇しているが、ファーストランをウマくかわした後には、最低でも三か所の関所的なキョーレツ・ポイントがあるように思っている。
 まず最初は自分の遊泳層から大きく引き上げられ始める水深の1.5倍辺りが第一関門。続いて船下の水深分の距離を切る辺りで、この日は75m付近が第二関門だった。そして最後の第三関門が、デカマサが船影を確実に目視する辺りがそれに該当する。
 その実、パターン通りの展開になったが、当日のデカマサは、特に最後の20~30mからの距離がなかなか縮まらなかった。
 勿論、これには理由がある。ここ迄の間のどこかでハリスが傷ついている可能性がある事と、出ている道糸の量も少なくなってショック吸収力が落ちていて、ハリスが飛んでしまう可能性が高くなるからだが、白石グリ仕様の8号ハリスでは更に無理が効かなくなる。
 いつものようにこの距離では極力ハリスをいたわるために、リールのドラグはズルズル滑るようにして微調整は親指の押さえで行う=サミングを駆使し、相手が走ろうとする方向=頭側に差を先を振って先回りし、もち上げてゆくが、相手が大きい分だけ時間がかかるので、こっちの体力も奪われてしまう。
 どうにかこうにかリールのカウンターが0mを指す迄に詰め寄ったが、道糸の伸びでカウンターは狂っており、実際はまだ20m以上も残っている。にも関わらず、ここから先は手巻き区間になるから堪らない。
 時間をかけて何とかサルカンが見えそうな距離迄詰めても、そこから猛ダッシュされ、20m以上の距離からやり直し。何度も何度もこれを繰り返した末ににようやく船長にサルカンを掴んでもらう事に成功する。次いでここから慎重な手繰り寄せが始まった。
 そして「ネット・イン!」と言いたいところだが、重さとデカさから玉枠がヒン曲がって危うくこぼれ落ちそうになった。それでも何とか体勢を立て直して船内に引きずり込む事に成功した。ここまでかかった時間は20分以上。まさに「ヒヤヒヤモノ」のフィニッシュだった。


■ぬか喜び■

 自己記録クラスなので、船長と二人で慎重に計測する。すると、実寸で124cmを指しているではないか!。自己記録更新に小躍りして喜んだが、直ぐ後にゲージの読み違いが発覚した。

●一時は読み違えて124cmだと思ったが…●


●本当は実寸で119cm!●

 残念ながら、更新とはならず、後に魚拓をとった際の拓寸では122cmとなり、2019年に玄達瀬で釣った123cm(実寸)に次ぐデカマサという事になった。これで通算9本目のメーターオーバーになったが、白石グリでの最自己記録である104cmを大きく超える事には成功した。いずれにせよ、完全フカセ釣りを誰もが諦めそうになる程に全く気配のない中、懸命に調整を繰り返し、ビッグ・ワンを無理やり引きずり出せた喜びは大きかった。


■夕マヅメ■

 デカマサの後も引き続いて攻めていたが、続く魚も無く、エサが盗られなくなってきた事から、再スタートの意味で発砲ウキを外すとブリが喰って来た。だが、連発はしない。

●これでも95cm級●

 そして最終段階に入ってマキエサの"ドカ撒き“を開始する。その中に2Bのガン玉を打った仕掛を入れてやるとマダイが2枚(62~50cm)連続で来て、それでオシマイ。この日の釣りが終わった。


 春期の経ヶ岬釣行は残すところあと2回の予定だ。恐らく119cmを超える確率はかなり低いだろうが、「まだまだチャンスはある」と言い聞かせ、チャレンジは続けてゆく。
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春の経ヶ岬 ~4回目

2021-05-15 12:30:00 | 船釣り・釣行記
 荒天続きで予約日を相当飛ばしたが、春の経ヶ岬もようやく4回目に漕ぎ着けた。

■理想の速さ■

 春期の大マサ狙いという事で、当然のごとく白石グリを目指した。お世話になったのは第八十八大海丸さん。ここの大型魚狙いではお馴染みの船だから「あとは釣るだけ!」と喜び勇んで現地を目指した。
 11時過ぎににアンカーが入り、第一投。流速を計るとヒラマサ狙いではベストに近い潮流が西から差していた。

●100mあたり4分30秒ほど●

 喰いの良い年周りであれば「イタダキっ!」と思うところだが、今春はイワシ類をはじめとするベイトフィッシュが多いせいか、はたまた魚そのものの数が少ないのか、思わしくない釣果が続いているから安心できなかった。


■意地の張り過ぎ■

 初めの2時間ほどの間、エサがほとんど残る状況が続き、不安は的中していた。だが、アンカー位置を変更後、ほどなくして隣で中マサが上がったのを契機に、ポツンポツンと周囲でアタリが出始めた。そんな中、ボク一人が蚊帳の外だった。
 その原因については理解が出来ていた。私以外は全員がイシダイ用リールを使用していたが、私一人が、自分で高回転チューン(と言うか、グリス抜き)を施した、旧型のビーストマスター3000を使用していたからだ。
 当初より流速も速まる中、周りのイシダイリール群はフリー回転能力が生きてリールから元ガイド迄の間に糸フケを出しつつラインが出ていたが、これは当日の流速に対して順応している証拠になる。それに対して、ボクのビーストマスターはチューンしたとは言えレベルワインド他の「引きずるモノ」が多く、フリー回転力はどうしても落ちる。その上、自分が持つ電動リールの中では「一番回る機種」ではなかった。故に元ガイド迄の間に糸フケが無く、張りっ放しの状態だった。勿論、この張りが生きる場面も多くあるのだが、当日のやや速い潮流の中ではボクの仕掛には抵抗が掛かって周囲よりも浮いている状態になり、実際エサも盗られずに残る事が多くなっていた。
 だが、それでも「何とか出来る。」と、オモリの量や水中ウキの数を増やしたり、更には自動糸送り機能まで駆使して「これで釣ってヤル!」と意地を張ってセッティングの変更を繰り返していた。長らく釣りを続けていると、頭の中の引き出しに色々と詰まっているのとボクの性格が災いして、ついそれを引っ張り出して実行してみたくなる。結果、それが裏目に出る事がタマにあるのだ。


■あっさりと■

 午後3時を回ってもボク一人だけアタリすら無く過ごしていた。その状況にシビレを切らして、持ち込んでいた中ではイシダイリールの次に良く回るシーボーグZ500MMに換装した。
 そして、周囲では3本バリ仕掛を使用していたのに対して、ボクは2本バリ仕掛を使用していたため、サルカンのすぐ上に2Bのオモリを打って、ウエイトを合わせてみると、リール前の糸フケもちゃんと出るようになった。そうなるとボクにもポツンポツンとアタリが出始めた。

●当日の初曲がり●

 しかし、一発目は95cm程のブリ。いつもとは違って最後の5mほどになるまで横走りをせず、てっきり大マサと間違えてしまうというオマケ付きだから、姿を見てからのガックリ度は大きい。続いて「今度は1m!」とは言え、またもやのブリで疲れが溜まる展開だった。

●メーター級とは言え…●



■ビッグ・ワン!■

 そうこうしている内に夕マヅメの時間帯に入った。このあたりから南の風が強まって船位がズレ始めた。トモの釣り座では隣の船が下すアンカーロープに当たる状況になったので、船長が船位の微調整を行い、その次の流しで、ボクと右隣りが揃ってアタリを捉え、ダブルヒットとなった。
 「が、しかし」である。ボクの方はただ重いだけの引きであったのに、隣の竿はヒン曲がっているではないか!。
 途中で完全にヘバったボクの魚は60cm級のマダイで、あっけなく取り込みに至ったが、隣はそう簡単にはいかないようだった。繰り返し執拗に下方向に締め込む様子はデカマサ・クラスに違いなく、うらやましい限りだった。そして無事にゲット。正体はまさしくその通りのサイズだった。

●115cm!●



■どこかで見た展開■

 聞けば、大マサをゲットしたのは今回が船釣り初チャレンジの大学生で、その前に釣ったブリを含めて生まれて初めてのフカセ青物体験だったそうだ。
 振り返れば一昨年の秋もウチの兄が隣で116cmを釣り、昨年の春もビギナーが隣で102cmを釣っていた。今回を含めて3年連続で、魚拓で言うところの「現認者」になってしまうという、ラッキー・ボーイならぬラッキー・オジサンぶりだが、本人としては、思いは複雑だ。
 そして最後の一投でラインが強烈に走るも、またもや手前まで正体を現さないブリの仕業であり、ガックリと肩を落としながらこの日の釣りが終わった。


 当日は、「どうしてもビーストマスターで釣りたい。」という思いが邪魔をして前半を棒に振ってしまったが、逆に「もっとこのリールを使いこなしてやろう」という思いが沸いているのも確かだ。懲りないオジサンの春季釣行はまだまだ続く。

●4人分の釣果(これ以外に、マダイ&ブリが各1あり)●

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’21年版 完全フカセ・タックル 〜中型電動リール漂流記・その3「ダイワをイジる編 Part 2」

2021-05-08 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
~Part 1から続く

■ABU純正カーボンワッシャー(ドライカーボン仕様)■

 国産リールのドラグが「全くダメ。」と言われていた時代に「効き味が最高」とされていたのが、ABU社(スウェーデン)のリールで、「ambassadorシリーズ」として名を馳せていた。モデルチェンジ回数の少ないヨーロッパ製品とあって補修パーツは豊富にある。その中に正式な品番が「#1116906」の、本来は同社の手巻き中型リールである4600~6500番で装着可能なカーボン・ドラグワッシャーがある。丁度ダイワの500番台の電動リールとラインのレンジが同等なので、「試す価値あり」と思い、ネット通販での入手に至った。

 手元に届いたドラグワッシャーを調べてみると、純正に比べて、外周が0.2mm大きく、内径が2.3mm小さいが、そのまま無加工で入る事が判明した。手触りは、DAIWA純正よりもきめが細かく、サラサラとした肌触りだ。

●左がDAIWA純正、右がABUj純正●

 前回に紹介したCCMチューンのドライカーボンドラグ用のワッシャーと触り心地が似ていたので、まずはグリスは塗らず、ドライカーボン仕様として組み込んでみた。但し、厚みが0.5mmしかなく、DAIWA純正の半分になるため、二枚重ねを3組として装着する事にした。従って計6枚が必要になるが、税込み単価が¥220なので、¥660が3枚必要な純正よりも安価になる。

:インプレッション:
 ノーマルに比べて滑り出しの引っ掛かりは減ったが、やや締め込んだ状態からフルロックまでの曲線が急峻で余裕が少なかった。

■ABU純正カーボン・ドラグワッシャー(グリス塗布仕様)■

 ドライカーボン仕様での、締まり始めてからのフィーリングが良くなかったので、シマノの電動リール用ドラググリスを少なめに塗布し、改善を試みた。

●シマノ純正ドラググリスDG01●

 「何故ダイワではなくシマノのドラググリスなのか?」
 単にドラグ用のグリスと言っても、粘性や成分でフィーリングがかなり変わる。元々シマノのドラグフィールがお気に入りなので、これを試してみる事にしたのだ。

:インプレッション:
 フルドラグにした際の絶対値はやや下がったように思えるが、ドライカーボン仕様の際に気になったピーキーさが減って中間の調整幅が広がったように感じた。


■理想の電動リールを求めて■

 このブログをアップした時点ではダイワ・シーボーグZ500MM(500AT)に搭載するドラグは「ABU用カーボン・ドラグワッシャー+シマノ製ドラググリス塗布仕様」が最善のように思っている。だが、まだまだ試してみたい事はたくさんあるので、何か策を見つけたらこのブログで報告したいと思う。
 因みに、これまでに思いついた策として、「シマノのフィーリングが良いのならそのまま移植すれば…。」と考え、ビーストマスター3000XPのドラグワッシャーを移植し、ドラグプレートも増やして4枚ディスク仕様にした事もあった。しかしこれは「ストップ&ゴー」フィーリングがより酷くなって使い物にならなかった事をお伝えしておく。

 以前に紹介したフリー回転の悪いシマノさんにしても、今回のドラグフィールの悪いダイワさんにしても「素人がこんな苦労をしなくても、すんなり使えるリールの開発&発売」をお願いしたい。
 例えばシマノさんだと、昔の洗ってメンテ時代にあったオイル注入ポートを復活させれば、フリー回転性能に逆効果となる強粘度のグリスをスプールベアリングに封入する必要が無くなるように思える上、日頃のメンテが楽になるし、回転が落ちた際の、オイルの緊急注入も確実かつ簡単になる。また、ダイワさんだと、フィーリングが少しマシな500J(使ったことは無いが500MJも?)から「5枚構成&0.5mm厚カーボン・ドラグワッシャー」を移植すれば何とかなるように思える。と、口で言うのは簡単だが、これらは技術的にクリアするのが難しい事なのだろうか?。
 とは言え、完全フカセ釣りが盛んで、フロロカーボンラインを巻くユーザーが多いのは、福井~兵庫県北部までをホームグラウンドにしている釣り人がほとんどなので、少数派の願いはかなえてくれそうにもない。もし完全フカセに関するリールのテストが必要なら、いつでもボクが請け負ってあげるのに…。
 今のところベストに近い性能を得るには、「無いのなら、イジってみよう 電動リール」が現状だが、グリスを落としてフリー回転性能を上げたシマノ製品と、ドラグワッシャーを換装したダイワ製品とを性能比較すると、「確実に、前者に軍配が上がる」と、お伝えしておく。

❛追伸❜
 シーボーグZ500MM ABUカーボンドラグワッシャー仕様で、メーター前後のブリを3本掛けたところ、3本目には、走りを止めたい場面にも関わらず明らかな「滑り過ぎ」が生じていた。恐らくワッシャーの表面が削れて摩擦抵抗が減ったのが原因だろうと思うが、「耐久性に難あり」との結論を得た。ついては、更に改良を続け、このブログで追記してゆく事にした。


 シマノ製電動リールに関しては2020年11月14日に掲載した「’20年版 完全フカセ・タックル 〜中型電動リール漂流記・その2『シマノをイジる編』」を参照する事。

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’21年版 完全フカセ・タックル 〜中型電動リール漂流記・その3「ダイワをイジる編 Part 1」

2021-05-01 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
 釣行回数不足でテストが出来ず、前回の2020年11月14日に掲載した「シマノをイジる編」から、かなり間が空いたが、そこからの続き。

■シマノと製品は逆のパターン■

 以前に記したシマノとは逆に、「フリー回転性能はバツグンだが、ドラグ性能がイマイチ」な、ダイワのシーボーグZ500MMと、ほぼ同じフィーリングの、500ATのドラグをチューンする方法を紹介する。

 これまでボク的にはフィーリングの良くない感のある、ダイワ製のドラグを嫌い、CCMと言うチューンショップがオススメする「ドライカーボンドラグ」をシーボーグ750MTと500Jに組み込み、好感触を得ていた。電動リールは、モーターが回った状態で高負荷がかかると滑らせる事を強いられるので、「巻きながら滑らせる」事の出来るこのドラグはピッタリなフィーリングだったのだが、ショップが長期営業休止中なので、上記以外のダイワ製リールは仕方なく全て純正ドラグのままで使用していた。
 シマノ製なら、かなり以前から、ダイワ製であっても設計の新しい中級以上のモデルでは厚の薄いカーボンクロス製ドラグワッシャーを5~7枚装着する機種が殆どで、好みはあるがフィーリングの良い、あるいは改善された機種が増えているのだが、残念な事にボクが完全フカセ釣りで使っている(いた)シーボーグZ500MMと500ATは、ほぼ同一構造で設計が古く、1mmの厚いカーボンクロス製ドラグワッシャーが3枚構成のままだ。
 その構成故か中間位置で引っ掛かりがあり、「そこを超えて緩めると一気に出るが、締めると急に止まる」という、調整幅が狭い傾向がある。また、絶対値が低い上にヘタリも早く、メーター級のヒラマサが掛かると、いくら締めても止まらない事象が自身とその周囲に起こっている。

 「ストップ&ゴー」フィーリングの、調整幅の狭いドラグは上述した「ドラグを滑らせながら巻き取る」電動リールの特性と合わないので、「何か良いドラグ改善法は無いものか?」と探求していた。
 勿論、基本構造は変えられないので、イジれる部分は限られている。具体的には、
 ①=3枚入っているドラグワッシャーを純正以外に変える事、②=ドラグワッシャーにグリスを塗る・塗らないで、ドライカーボン仕様にするかしないかを選ぶ事、③=塗る場合は、どのメーカーのグリスにするかを選ぶ事。
 だが、それらの組み合わせ全部をフィールドで試すのは時間が足りないので、組み込んだ後にテーブルテストを行い、違いが顕著なモノだけをピックアップして実釣テストを行った。


■簡単構造のダイワ■

 シーボーグ500ATとZ500MMは、これまた設計が古いせいか、ハンドル周りとスタードラグを外して3本のネジを外せば簡単に右サイドが開く。
 その際、ドラグを押さえているバネワッシャー他の向きに注意する点はシマノ製品と同じだが、ドラグが入るハンドル軸に装着されている細いゴム製Oリングを外さなければドラグユニット全体が抜けないので、何かの拍子にそれを切ってしまわなようにする事くらいが注意点になる。
 後は純正と同位置のドラグワッシャーを社外品に入れるだけで換装が終わるが、ドライカーボン仕様や無注油指定のドラグワッシャーを装着する場合は、ドラグケース内とドラグプレートのグリスをパーツクリーナーをしみこませたウエスやティッシュで拭き取っておく必要がある。
 純正ドラグワッシャーは外径が20.8mm、内径が10.3mm程、厚みが1.0mmだが、ぴったりのサイズでなくとも、内径は8mm以上、外径は21mm以下まで装着できる。もし入らないサイズであっても外周をハサミ、内周をポンチでカットするなどして装着すれば良いだけの事だ。


■ハイパーDドラグワッシャー■

 ルアー系では定番の交換ドラグワッシャーにハイパーDドラグワッシャーと言うのがあるが、ラインナップ内にドンピシャのサイズは存在しないので、近いサイズを装着するしかない。
 使えそうなのは「DWL004=外径23.1mm、内径8.2mm、厚み1.0mm」、「DWL001=外径20.0mm、内径8.0mm、厚み0.8mm」の2種になる。内径は8.0mmあればハンドル軸を通るので、どちらもクリア可能。後は「厚み(1.0mm)を優先して外径の大きいDWL004の外周部をハサミでカットする」か、「無加工を優先してDWL001を装着し、厚み不足を補うためにシムリングを入れる」か、だが、今回はDWL004をカットする方法を選択した。

●Z500MM with ハイパーDドラグワッシャー(DWL004)●


 尚、必要枚数は3枚で計¥1980(税込)になるが、1枚¥660の純正ドラグと同じだ。

:インプレッション:
 メーカーの指定通りドライ仕様で装着し、テーブルテストを行ったが、手で引いた感じではネットリと粘りながら出て行く感があって好感触を得ていたので、実釣テストを行った。ラインがフロロカーボン7号の天秤仕掛で、それに掛ったのは95cmメダイだったが、効き始めからロックする手前までの”効き曲線“が急峻なので電動リールには合わないように思えた。ただし、名前の通り、ハイパーにロック=ドラグの最大値が上がるので、例えば玄達瀬のヒラマサ狙いなんかで更に太いラインを使用する場合に効果がありそうな感があった。ただし、ボディ強度が堪えてくれればの話だが…。

 Part 2に続く

 冒頭でも記したが、シマノ製電動リールに関しては2020年11月14日に掲載した「’20年版 完全フカセ・タックル 〜中型電動リール漂流記・その2『シマノをイジる編』」を参照する事。
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