中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

’21年版 完全フカセ・タックル 〜クーラーボックス簡単改造法編

2021-08-28 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他

 玄達明けでどこにも釣行しておらず、今回は道具ネタ。このブログではよく閲覧上位に上がるクーラーボックスの改造についての続編だ。

 以前にも紹介した価格がリーズナブルでサイズはピッタリだが、保冷力がイマイチな、伸和製の「ホリデーランドクーラー76H」の保冷力強化法に新たな展開、と言っても恐ろしく簡単な保冷力強化法を思い付いたのでそれを記してゆく。(誰でも思い付くレベルだが…)

●ホリデーランドクーラー76H●



 保冷力を強化する方法は断熱材の性能を上げるか、厚みを増すかの二通りになるが、昨年の11月の記事
https://blog.goo.ne.jp/tsurigadaisuki/e/197e01d97d546f74bbbe55dd8ed68020
では、アルミ付き発泡ポリエチレン断熱シートを躯体内に挿入して、内部の、断熱層の厚みを増す方法を記した。これはこれで効果があって良かったのだが、更に性能を上げるために思い付いたのが、クーラー内壁にも断熱材を入れる方法だ。

 ホームセンターの建材コーナーで売られている断熱パネルにカネライトフォームというのがある。他メーカーでスタイロフォームやミラフォームという名の断熱パネルもあるが、色は違っても、どれも同じ素材のポリスチレン樹脂製で、ほぼ同じと考えて良いようだ。(以下、総称としてフォームパネルと記す。)
 ポリスチレン樹脂という素材は、実は、いわゆる発泡スチロールを作る素材と同じなのだが、製法が違い、普通の発泡スチロールがビーズ法ポリスチレンフォームに分類されるのに対し、フォームパネルは押出法ポリスチレンフォームに分類される。
 製法の違いから強度や断熱性能に違いが出て、フォームパネルの方がそれぞれの性能が高く、逆に吸水率が低いので、クーラーボックス用断熱材に向いている。
 同じ押出法製品にもグレードがあって、当然上位になるにつれて性能も上がるが、ホームセンターの在庫品は一番低いグレードになるので、今回は普通に手に入るカネライトフォーム・スーパーE-Ⅰを使ってクーラーボックスの性能をアップする事にした。

●カネライトフォーム●


 
 釣り用として販売されている各メーカー製のクーラーボックスにもグレードがあるのは誰もが知るところだが、例えば最高級モデルでは全面に真空パネルが採用されていて、最高の断熱&保冷性能を誇る。そして、その次のグレードは底面が真空パネルとなり、その他の面がウレタンやポリスチレンパネルになる。これは地熱が伝わる側を当然優先するからだ。
 再強化にあたって、「どこまでやるか?」を検討したが、ボクのホリデーランドクーラー76Hは既に保冷力強化済みなのなのと、なるべく容量を減らしたくない観点から、今回はメーカー製品と同理由で底面と、直射日光の影響を受ける上面を強化する事にした。上下面だけなら、長手方向のサイズが減らない点でも好都合になる。

 ホームセンターでフォームパネルが並ぶコーナーを覗くと、厚みが何種もある事に気付かされる。性能上昇と容量減の妥協点を探る必要があって思案したが、ボクの場合は上、底面に入れるのみだったので、20mm厚を採用した。
 まずはクーラー底部をきっちり採寸し、フォームパネルをそれに合わせてカットするが、普通のカッターナイフ(出来れば幅広の方)で簡単にカット出来る。クーラーボックスの内側面には強化のリブが入っているが、押し込めば入るのでその部分のクリアランスは取る必要は無い。
 出来るだけ隙間なく挿入した方が当然保冷力が上がる。だが、そうすると後に取り外しが困難になり、実釣で使用後、洗浄する際に外れず、生臭い汁が溜まって後にドエライ事になる。そこで、取り外しし易くなるよう真ん中の二か所に切れ込みを入れ、PPバンドを通して取手を制作した。

●センター部の取手●


 後はパネルを押し込めば底部の保冷力強化が完成する。

●パネルを押し込んだ状態●


 恒久的に底部への設置を行う方法もあるが、その場合は水抜き栓への導水クリアランスを取った上で、水分が回り込まないよう、周囲にコーキング剤を打って防水する必要がある。

●コーキング剤●


 次いで上面に取り掛かろうとしたが、カネライトフォームでフタをすると保冷力は増すが、内部へアクセスする際はその都度一気に外す必要があって、やや使い辛い事に気付いた。

●ぴったりと収まるがアクセスし辛い●


 その為、2分割してみたが、カットした後にフタ側のリブにぴったりと収まる事が判明した。
 カットしたのは後の祭りだったが、本体のフタ裏にはめ込み、開けた際に一緒に開く方法を採用した。.

●カットしてしまったが、ぴったりと収まった●


 フタとフォームパネルと連動するのは便利だが、オープン時に冷気が一気に抜けるのは良くないので、いわゆる銀マットで落しブタも制作した。

●銀マット●


 銀マットは発泡ポリエチレン+アルミ蒸着シートで構成されている。発泡ポリエチレンの断熱性は発泡スチロール並みだがアルミが輻射熱を反射するという事なので、合わせ技で「発泡スチロールより、やや上」の性能になると思われる。
 これの便利な点は折りたためるよう切れ目が入っている事で、それを短辺方向にする事で、チョイ開きが出来るようになる。但し、購入時に注意が必要だ。銀マットにはロールタイプと折り畳みタイプがあり、後者を選択しないとチョイ開きは成立しない。また、厚みも何種類かあるが、近くのホームセンターでは最厚の8mmを選んだ。
 因みに銀マットは、アルミが張り付けてある側を外側に向けるのが正解だ。

●チョイ開き可能●



 という事で、最後に銀マットをカットしてアッという間に完成させた。

 ボクの場合は既に内部の保冷力を強化させた上での再強化なので、これで充分だと思うが、同じパターンで強化するのは昨年11月の記事のように、パネルを外して断熱材を張り巡らせる必要があるので、結構面倒な作業になる。
 最上段で記した「恐ろしく簡単な保冷力強化法」で行くのなら、全く手を加えていないノーマル・クーラーの内側全面を採寸してにフォームパネルをカットし、それをピッタリとハメ込むだけで良い。もし恒久的に設置するのなら、コーキング剤を使ってキッチリとシーリングをすれば良い。フォームパネルは加工が容易で、両面テープやコーキグもしっかりと効くから、お手軽に性能アップ出来る。

 勿論、取り寄せ等でグレードの高いフォームパネルを手に入れて制作した方が「薄くて効率的」になるが、低グレードのまま、保冷力重視で厚みを増やす方法も採れる。他に上面&底面と側面の厚みを変える等、アレンジ法は沢山ある。
 フォームパネルはカネライトフォーム・スーパーE-Ⅰであれば、15mmなら¥627、20mmなら¥836で販売されている。(コーナン調べ)サイズは1820mm×910mmなので、全周を仕上げても、1枚あれば十分に足りてしまう。1本あたり¥272のコーキング剤を購入して完璧に仕上げても千円札一枚程度で済んでしまうのだ。
 たったこれだけの投資で性能アップできるのだから、後々、氷の消費量が減る事で充分元が取れてしまうだろう。その上魚も傷まないから有難味は更に増す。デメリットは容量が少し減る事だが、それさえ妥協できるのなら、皆さんにオススメ出来る方法だと思う。

追伸

 8月28日に、実用デビューさせたところ、効果は絶大で、フタを開けると、冷気で湯気?が出るほどだった。

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’21 玄達瀬釣行~総集編

2021-08-21 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
 結局最終日は荒天で流れ、今期の通算成績は玄達釣行史上最低の、本数は9本、最大が90cmという結果に終わった。
 気象庁の海流予想図https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaikyou/kaikyou/tile/jp/index_subsfct.html#element:current/zoom:8/lat:35.511661/lon:135.850341/mapheight:600/colordepth:normal
を毎日のように確認していたが、それによると対馬暖流が経ヶ岬沖で急角度で北上し、玄達瀬周辺では8月初旬までその北上する本流に引かれた潮がグルグルと回るだけの日が多かった。それ故に、二枚潮、それも底潮が動かない日が連続していたようだ。
 その為ヒラマサの捕食スイッチが入り辛く、上層まで浮上しないので、今まで効果があった発砲ウキの浮力調整のみの攻めでは、喰い棚をキープし辛かった。仮にウマく棚に入った場合でも糸フケが多く出た状態では明確にアタリが出ないため、現場ではハリ外れや根ズレが続出していた。
 また、自身の釣りを振り返ると、いつもなら周りの誰かがアタリを拾ったら、「自分の仕掛の入り具合とはどう違うのか?」を推測して、仕掛の浮力や送り出しの量、止めや張りをアジャストさせてゆくのだが、今期は短いジアイの中での単発が多く、パターンを修正しようにも時すでに遅く、リカバリーが難しかった。

 と、「何故釣れなかったか?」については自身て理解している。何分、自然相手の遊びなので、こっちのタイミングで事を運ぶのは多分に運次第のところがあるので仕方ないのだが…。
 「夢の130cmオーバー」は、また来年以降に持ち越しになったが、それを釣った暁には、「明日のジョーの最終回」の様に、髪が真っ白になる予定だ。でも、その前に、加齢で真っ白になる方が早いのかな?。

 これから先、秋半ば迄は鷹巣沖でのメーター級ヒラマサ狙いが始まる。半ば以降は落とし込み、続いて白石グリでの落ちのヒラマサ&乗っ込みメダイを狙ってゆく。それと並行して狙っているクエも何とかゲットしたいモノだ。
 玄達瀬の禁漁を迎えたとは言え、まだまだ期待が尽きない、今日この頃だ。
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’21 玄達瀬釣行 ~5回目

2021-08-14 12:30:00 | 船釣り・釣行記
 ラストスパートに入った今年の5回目。これ迄とはかなり状況が変わっていた。

■ブッ飛び潮■

 いつものように約一時間の航海で現着したが、晴海丸の船長宛に先行していた僚船から「ブッ飛び潮に変わっている。」との連絡が入った。当初は前日まで攻めていたポイント周辺で大型を狙う予定でいたのが「到底、仕掛が入らない。」との判断で、仕方なく浅場を攻める事になった。
 玄達瀬の浅場と言えば中期以降は「小型の数釣りポイント」になり、ボクらのグループの場合は、「どうしても、そこでしか釣りが成立しない日」のみに仕方なく入るが、今年はその小型の群れがほとんど入っていないので、逆に「少しはましな型が掛かるかも?」と、僅かな期待はあった。

●100mあたり2分チョイ●


■浅場ポイント■

 速い潮流に対応させるため、まずはB.B.入りサルカン2号を1つと水中帆を装着し、「見せかけのブッ飛びかどうか」を探ってみる事にした。というのも今期、たとえ速い潮であっても上潮のみの場合があって、そうなると攻め方が変わってくるからだ。
 幸い上下差が少なく、普通に流せる潮になっているようだった。
 その実、数投の間で普通に流したが、サシエサは残ったままだった。そこで思い切って送り出し量を40mにして早くなじませてみた。想定ポイントは150m先辺りだったので、120mまで出た時点で20秒の張りを入れてみると140m付近でラインが走った。
 そこそこのサイズだったが、当日1本目をゲットする。

●80cmジャスト●


 続いてを狙っていくと、今期お馴染みの失速。結局浅場では、口太グレやチビマサを虐待気味に追加するだけにとどまった。


■中弛み■ 

 イマイチな状況に移動を決意し、続いては足下の水深が45mラインでの竿出しになった。
 ここでは釣友が70cm台後半のヒラマサをゲットしたが、単発で後が続かなかった。
 次いで潮が緩む気配があったので、深場も覗いてみたが、やはりそこを攻めるにはまだ速すぎで、どうにもならなかった。


■大型の登場も…■

 残り時間はドンドン消費され、2時間強となっていた。
 最終に入ったポイントは、昼過ぎに入った45mラインの近くだったが、やや潮が緩んでいて、魚探に映る様子も変化していたし、流れにも落ち着きが見え始めていた。

●100mあたり4分強●

 船長の想定した距離は150mだった事と流速から、「発泡ウキは8番を1個、送り出しは25m、120m出た時点で30秒止め、そこから先は、リールのメカニカルブレーキを絞って流す」というパターンを組んで流し始めた。
 だが、第一投目は180mで回収したものの、サシエサはしっかりと残っていた。ここで考えられる次の手段は「もう少し深く沈めて同距離まで流す」か、「同じセッティングで流す距離を延ばす」だが、迷う間もなく、隣で釣友が70cm級のヒラマサを掛け、そのアタリが出た距離が210mと聞いたので、続くニ投目は距離を延ばす方を選択した。
 それに合わせて、張る位置等も変化させ、「送り出しは25m、150mまでラインが出たら30秒の止めを入れ、そこから先はメカニカルブレーキを絞る」パターンを組んだ。(発泡ウキは8番を1個のまま)
 仕掛は潮に乗ってグングンと流れて行き「そしてボクのリールも210mでアタリが…」と言いたいところだったが、何事も無く素通りしてしまった。仕方がないので220mまで達した時点で210mまで巻き戻し、「泣きのもう一回」を試みた。しかし、これでもアタリが出ない。「ならば250mまで流したら回収しよう。」と、とりあえず続けて流し続けてみた。
 すると、238mで急速逆転が始まった。
 アワセを入れた後の衝撃と、竿の曲がり具合、それにリールの唸り具合から推定メーター前後級と判断し、引き寄せを開始した。今年の玄達瀬では味わった事の無い数度の結構な締め込みをかわし、無事足下の水深分まで誘導に成功。「あとはここで相手の体力を消費させねば。」と、「押さば引け、引かば押せ」で、慎重に距離を詰めて行った。
 しかし、好事魔多し。「もう獲れるだろう。」と判断しつつあったその時、フッと重みが消えてしまった。
 悲しみに打ちひしがれながらハリスをチェックすると、何と無傷。単純なハリ外れだった。アワセはキッチリと入れていたので、恐らく運悪く唇の薄皮部分にハリ掛かりし、やり取りの際中に穴が広がって外れたモノと推測される。
 「このサイズを釣りに来ているのに…。」と己の運の悪さを呪ったが、この日はこれで終わらなかった。玄達瀬は別の意味で実力を垣間見せてくれたのだ。


■怒涛の2時間■

 ハリ外れの次の流しでも同じパターンで流してみる事にした。すると、全く同じ238mでラインが走った。

●曲がる!、マッドバイパースティング●

 先ほどとは違って、楽なやり取りでゲットしたのは、80cmのヒラマサ。続いて90mで40cm級の口太グレが当たってきた。長年この魚を狙ってきた経験から、「グレ類が口を使うのは潮が良い証拠」と理解しているが、次の流しでは50cm程の尾長グレが掛かり、ますます潮の良さを痛感した。
 そして次の流しでは120mでの止めを開放したとたんにアタリが出て、80cm弱のヒラマサをゲットする。
 ここから先は、どこで何が喰うかは別として、同じパターンで流していると、書けばクドくなる程アタリが続いた。

●曲がる!、曲がる!、マッドバイパースティング●

 途中メジロが掛かってジャマをされたり、オマツリしてのハリ外れはあったものの、何と15投連続でアタリが続き、最終の流しでも当日最長寸のヒラマサが登場してシメを飾ってくれた。

●81cm●


●私の釣果の殆どはラスト2時間でゲット●



■最終局面の展開■

 長らくこの地に釣行を重ねてきたが、空クジ無しでこれほどアタリが続いたのは初めての経験だった。当日感じた潮流の様子、釣れ具合等様々な要素から、恐らくこれは遅れていた夏の潮=直接対馬暖流の影響を受ける潮がストレートに入ってきている影響だと思う。
 「ますます期待が持てる…。」と続けたいところだが、8月15日で解禁期間は容赦なく終わってしまう。残すところ釣行チャンスは一回となったが、最後に一矢報いる事は出来るのだろうか…。
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’21 玄達瀬釣行 ~4回目

2021-08-07 12:30:00 | 船釣り・釣行記
 何だかんだで4回目。前回に晴海丸の船長が発見したポイントでは、渋いながらも一船で5本前後の釣果が出ており、ボチボチながら調子はやや回復の兆しがあった。

■春のイメージ■

 前回までの経験から、今年の玄達瀬は、「個体数が少なく、争う必要がない。」、「潮流が二枚潮以上の日が多く、上層がヒラマサの求める条件に合わない。」等々の理由だと思うが、「積極的に浮上してエサを採る個体が極端に少ない」、「例年の着き場に殆ど着いていない」という傾向があって、それを理解していないと、貧果に終わるとボクは理解している。
 「沈み根そのものよりも、その手前のスペースの底付近に出て来て、低層を横方向にウロつきながらエサを拾っている。」が、ボクの、今年のヒラマサに対するイメージで、これは晴海丸の船長の意見も同じだ。
 「という事は、春先の白石グリの傾向とよく似ていて、そこでの攻めが通用するのでは?。」と思い、アプローチをしていたのだが、連続ヒラマサボーズで結果が出ていなかった。

■行かない潮■

 当日、現地では「ここは玄達瀬なの?。」という、遅い潮が差していた。

●50mあたり5分チョイ●

 しかも、相変わらずの二枚潮で、底付近の流速は遅く、ギリギリ動いている状況だった。

 例年ならこの時期、発泡ウキの8番を2~3個着ける展開が多いのだが、上述したようにそれに付き合ってくれるヒラマサはほとんど居ないので、今年は無し~8番が一個までの展開で収まる事が多い。
 但し、二枚潮にそのまま何もせずに流してしまうと、上下の流速差から上層側に糸フケが作られ、ひらがなの「つの字」状になってしまうから注意が必要だ。こうなると魚の走りが吸収されて、せっかくヒラマサが喰っていてもアタリが出ず、気付いたころには根ズレをしていたり、食い逃げだってあり得るからだ。
 また、二枚潮時に「エサが盗られる→浮力を上げる」という方向ばかりで調整を続けていると、結局ヒラマサに出会えない事がある。これは仕掛が上潮に乗る時間が長過ぎる為、マキエサの落ちる位置の外側にズレて行って、関係のない”あさっての位置”に居るエサ盗りにサシエサを盗られ続けたり、外道に喰われてしまうからだ。
 経験が少ないとそれに気付くのは、なかなか難しいが、とにかく「手前の深い位置にいるかも知れない?」と想像力を働かせる事と、「同じ方法は2回まで、3回目には攻めを変える」を実践して早めに動いていると気付く機会が多くなる。


■出足好調■

 話を実釣に戻すが、船長判断では「8~7番を1個でスタート」だったので、とりあえず8番を1個でスタートした。
 潮流が遅いので、一投目では想定ポイントの手前=90mで1分20秒の停止を入れ、そこから先はリールのメカニカルブレーキを絞って回転を抑制して流していった。
 これを150m出た時点で回収すると、サシエサが残っていた。そこで発砲ウキのサイズを7番に落として同じパターンの流しをすると、110mで鮮明なアタリを捉える事に成功した。
 引きからして中型の青物、しかも久しぶりのそれっぽい引きに喜びを感じつつ引き寄せる。足下に来ても下に突っ込む様はヒラマサならでは。


●ウレシイ本命の引き●

 そして無事にネット・イン。サイズはそこそこながら、本命ゲットに安堵する。


●88cmのヒラマサ●

 幸先良いスタートに「今日はイケルかも?」と思ったが、後はいつものように失速してマダイ&メジロパターンになっていった。


■カウントダウン■

 ウマヅラハゲ等、エサ取りが沸くと船長はアンカー位置を調整していったが、今期お決まりのマダイ&メジロの釣果続きで折り返し時間も過ぎ、やがて夕刻を迎え、船長から、とうとう「残何ながら後三投。」との声が掛かってしまった。
 この時点では潮流の角度も変わり、発泡ウキ7~8番ではサシエサが残りつつあったので、水中帆のみの浮力0状態に換装した。送り出しは30mとし、90m出た時点で1分の停止、ここからはリールのメカニカルブレーキを絞って流して行き、120mまで出たら10mの巻き戻しを行って極力糸フケが出ないように心掛けた。
 やがてカウンターは140mを指したが、ここで「急速逆転!」とは言えない、ヒラマサのウロウロ・パターン特有の、スプールが徐々に勢いを増しながら逆転していくアタリを捉える事に成功した。
 サイズとしてはこれもそこそこで、アタリの出方と喰った距離、足下での締め込みから「ヒラマサだろう。」と予測はしていたが、これまで散々ブリ族に騙されてきたので、祈るような思いで距離を詰めて行った。
 サルカンが見える頃、横向きに泳ぐ銀影を見てヒラマサと確信して一安心。そして若干の抵抗はあったものの、無事にネット・インしてくれた。

●90cmジャスト●

 当日の僅か2本目だったが、この日、一日を通して厳しかった状況の中で、ラスト近くに1本出た喜びは大きかった。

●当日の釣友と二人分の釣果(メジロは相当数リリースしている。)●



■今期ラストの展望は…■

 「中盤以降はオカシな展開だ。」と言い続けてきたが、8月に入ってすぐの2日近辺に133cmの巨マサを始めとして、110cm台が3本も出ている。この時期にこんな話は記憶にない。例外続きの今年の玄達瀬だから、まだまだチャンスは残っていそうだ。
 残る釣行機会は二回となったが、有終の美は飾れるのだろうか…。


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