中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

’21 玄達瀬釣行 ~1回目

2021-06-26 12:30:00 | 船釣り・釣行記
 6月16日に解禁した玄達瀬の釣り。各船の釣果欄を確認するとメーターオーバーは当たり前として、135、130mなど巨マサクラスも出ていたので、心ウキウキで現地へと向かったのだが…。

■動かない潮■

 いつものように晴海丸さんに乗船し、約一時間の航海で現着したのだが、後ろをつけてきた他船が潮下にアンカーを入れるという非常識な行為があって仕切り直し。他所を船長が慎重に探ってアンカーを入れた場所は感度的には申し分ない状態だった。
 釣行前に「緩い、緩い」と聞いていて潮流だったが、この日は前日よりも更に遅く、ほとんど動いていない状態だった。それにも増して厄介なのは方向が悪く、アンカーロープをギリギリかわせる程度の角度だった。

●50mあたり9分10秒●


 アンカーを落とした辺りを攻めるワケだから、喰いが渋くなるのは当然の事。実際、時折エサが盗られる程度の展開で小一時間が経過した。
 堪らず、対策を施したが、それは任意の距離まで道糸を出した後にそこで止めて待つという、内湾でチヌ等を狙う方法だった。足下の水深が65m、それまでのエサの盗られ具合から50mで止めて待つ事にした。手順は簡単で45m迄道糸を手繰り出し、そこからリールのスプールが5m回転したらクラッチをオン。後は3分待ってアタリが無ければ回収してエサの盗られ具合をチェックする。ここで盗られていれば次の投入で5m短く出し、残っていれば5m長く出してやる。
 「こんな釣りは大嫌いやねんけどなぁ~。」と船長に話していると、一投目でいきなり竿先が舞い込んだ。正体は55cm級のマダイだったが、「何もないよりまマシ」程度の喜びは得られた。

●狙ってはいないけど…●


 続いてタナを調整している内に、数等後に再び同寸のマダイをゲットしたが、やがて風向がズレて遂に仕掛がアンカーロープに絡むようになってしまった。そしてそれを受けて船長は移動を決意した。


■ようやく…■

 船長は、小~大移動を繰り返し、ようやくアンカーロープのラインから外れるポイントを発見した。都合の良い事に、そこでは潮流の速さもほんの少し回復し、そうなると死にかけていた玄達瀬の活力も回復し始めた。
 記念すべき(と言うべきか?)今年の一本目は、中マサだった。

●75cmほど●


 発泡ウキが8+8のセッティングで喰って来たのは、60mライン。「このクラスなら続いて来るだろう。」と、高を括るが、後が続かない。そこから送り出しの量と発泡ウキの浮力をエサの盗られ具合で調整してゆくが、55cm前後のマダイばかりでパッとしなかった。
 それでも諦めずに攻めていると、手前の40mラインでそれらしきアタリを捉えて中マサを追加したが、それ止まり。後はマダイがポツポツと出るのみだった。
 途中、88mで大アタリも出たが、20m程の走りを止めて引き寄せにかかったところでハリ外れに終わり、ヒラマサのアタリはそれでオシマイだった。

●ポツポツでも気付けば数が揃っているが…●


 ブッ飛び潮には過去に何度も遭遇した玄達瀬だが、潮があまり動かない日が続く経験は2015年くらいしか記憶にない。しかし今年はそれ以上に動かない潮やアンカー潮の日が続いているように思う。従って日ムラ、場所ムラが大きくなっているようだ。但し、まだまだ序盤であり、これから回復するものと信じて釣行を続けてゆく。願わくは130cmクラスとの遭遇だ。
 
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’21版 バラシを科学する ~竿の角度の話 Part2

2021-06-19 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
 今回は「距離別対処法」について記してゆく。


■ファーストラン対策■

 ヒラマサが一番パワーを発揮するファーストランに対抗するには「タックル全体で走りを止める事」が必要になる。
 「竿は道糸に対して90度付近の角度で保持すると最大パワーを発揮する。」と前回に書いた。それを実践する為に、よくグレ釣りでは、「魚に竿尻を向けるつもりで立てなさい。」と、言われているが、両手で操作出来るグレ竿ではその意識で立てる事は可能だが、竿尻を腰回りに付ける船竿では非常にやり辛い。(完全フカセ釣りでは脇に挟むスタイルは論外)
 そこでボクの場合は、上体をのけ反らせ、リールの液晶パネルが胸に付く程にに引き寄せて角度を作るようにしているが、道糸との角度が保持さえ出来ればイイので、竿を横に振っても意味は同じになる。だから、釣り座の位置や道糸の方向等、オマツリや船に擦れる可能性があるのなら、体をひねる、もしくは立ち位置を横にして角度を作るようにすればイイ。

●距離が遠い場合は竿を立てる●

 相手が大型であれば、電動リールはウンウンと唸るだけで巻き上げが出来ていない事が多いので、ボクの場合は右手で道糸を掴んで強制的に送り込む=引き抜きで対応している。
 基本的には、強度バランスの取れたタックルを信じて、アクセルレバーをフルスロットルにしてやや強引に巻取るが、限界まで来たと判断した時のみ、道糸から右手を放してドラグの力を借りる。この時、空いた右手を元々は左手一本で掴んでいたフォアグリップに添えて両手保持とし、竿の角度をキープし続ける。但し、道糸を出してしまった以上、その先で止まってくれるかどうかは、運次第になる。
 そして運良く走りが止まれば、強引な巻取りを再開して距離を詰めてゆく。


■中間距離対策■

 ファーストランを凌ぎ切ると、特に潮流が速い場合には大型であっても比較的簡単に寄ってくる事が多いが、これも条件次第で、近くに逃げ込める根がある場合はそこに突っ込もうとする。反対に潮流が遅い場合は「許してくれない」事も多いので、注意が必要だ。もしそうなったらファーストラン時と同じ方法で対処する。
 巻き上げに対して素直について来た場合でも足下の水深の1.5倍辺りになると、ヒラマサはそれまで泳いでいた層から引き離される事を嫌うのか、暴れ出す事が多くなる。
 距離が詰まった分だけ海中に出ている道糸の量が減ってショック吸収力が落ちるので、巻き上げスピードを70~80%程度に落とし、ドラグも少し緩める(リールにもよるが、2~3ノッチ程度)事が必要になる。
 このくらいの距離になっても、相手がメーター前後では10m以上、さらに大型になると20m以上走ろうとするが、竿の角度に気を付けながら最少の距離で走りを止める。この辺りから、相手の位置に合わせて竿は徐々に寝かせてゆくのが正解になる。

●中間距離での角度の例●

 

■船の真下~■

 そして船下の水深分迄の引き寄せに成功した頃には、竿の角度は水平よりやや上程度に保持するのが正解となる。

●船の真下辺りの攻防●

 これは真下に居る相手に対して無暗に立てても竿の弾力が生かせないからだが、船べりと道糸の距離を取る意味もある。
 ここからは垂直方向に引き上げてゆく事になるが、型が大きくなればなるほど執拗に下方向へと締め込む。その際、相手のパワーを竿全体で受け止めながら、しなった竿が起きるタイミングで道糸を引き抜いてリールに送り込むとウマくゆく。
 そして道糸が水深-(マイナス)10m程になると、ドラグをもう一段緩め、巻き上げスピードも50%ほどに落としてやる。これは道糸が短くなっているので、そうするが、ここまで距離を詰めると根ズレする確率が下がるので、ドラグを効かせつつ走らせて相手の体力を消耗させることを優先する。
 ボクの場合は全長6mの仕掛しか使わないから-10mとしたが、全長が長い仕掛を使っている場合は、その分だけ巻き上げなくてはならない。10m以上の長いハリスはフィニッシュ前の手繰り寄せでも不利かつ危険になるので、ヒラマサ狙いでは使用すべきではないと思う。
 ここからは距離を詰める毎にドラグを一段階ずつ緩めるが、そうすると手放しでは走りが止まらなくなってくるので止めるべき段階では親指でスプールを押さえる”サミング″で道糸の出具合を調整する。その上、空回りして電動巻き上げもし辛くなるので、この辺りからはポンピングを使用するが、竿を立てる必要が無い区間だから都合良く使える。
 動作的にはリールのスロットルを入れたまま、親指で滑るスプールを押さえながら竿を45度付近まで持ち上げ、親指を開放して竿先を0度まで下げながら巻き取るが、その際、船が波に持ち上げられる動きや揺れを利用すると、竿の角度を無暗に変えなくて済むし、ストロークも稼げる。
 また、大型相手だとカウンターはかなり狂うので、手巻きをしなくてはならない距離も伸びるが、ここでも同様にチヌ釣りで使用されるストッパーレスのリールのように、親指でスプールを押さえて持ち上げ、上記の要領で操作すればウマく距離が詰められる。

 気を付けなくてはならないのは、相手が船際に来ている段階で竿を立て過ぎないという事だ。グレ釣りの場合でも磯際に来た段階で竿を立て過ぎていると、足下付近のえぐれやオーバーハング部に高確率で突っ込むが、ヒラマサの場合も同じで、竿の立て過ぎは船際で突っ込まれ易くなる。
 また、位置関係からしても、道糸と船べりの距離が取れていないので、真下に走られた際に船体を擦って船ズレして切れる事があるし、最悪船の反対方向に走られると、舵やスクリューに絡んで切れる事もある。

 何しろ大型になればなるほど余力を残しているので、この区間のやり取りでは時間をかければかける程、後にすんなりと玉網に入る率が上がる。
 例えばボクの場合、ヒラマサが反転して下に突っ込んだら、サミングでプレッシャーを掛けながら道糸を送り出し、スピードが落ちたのを見計らって強めにブレーキを掛ける。そして相手が止まったら、すかさずスプールを押さえたまま持ち上げて引き寄せ、ポンピングで詰め寄って行くといった流れを繰り返す事で確実に弱らせている。その為には相手の動きを読み取る事が必要にながるが、周囲ではヒラマサが「止まっているのに何もしていない人」や「走っているのに止めようとしている人」を見かける。前者は再び走られて最終的に根ズレを起こす確率が、後者は傷ついているかもしれないハリスや道糸が飛ぶ確率が上昇する。

 因みに、姿が見えた時にヒラマサが横腹を見せて泳いでいれば、体力を消耗している目安になるが、縦に背中を見せている間はまだ余力を残しているから、これから先を考え、もっと時間を使って弱らせなくてはならない。


■手繰り寄せ■

 充分に弱らせ、サルカンが海上に出たら手繰り寄せ区間に入る。これを船長が行う船が多いが、一部に客自身が行う船もあるので、初めて乗る船の場合は事前に確認しておいた方が良いだろう。ただし、客自身が行うと言っても、大型ヒラマサが相手だと「竿受けにセット→道糸を掴む→手繰り寄せる→玉網で掬う」の、一連の動作を自己完結するのは難しい。よって、やり取りの最中に、船長や周囲に声を掛けて、役割分担を決めておくべきだ。
 船長が手繰る場合は、ボーっと見ていてはダメで、ボクの場合は竿を前方に突き出し気味にしつつ、リールのクラッチをオフにして右手の親指でスプールを押さえた状態で構えておいる。これは再びダッシュされて手を放す事もあるからで、この時に竿を立てた状態にしていると上述の通り、船ズレで仕掛が飛んでしまう危険が増える。
 勿論、船の反対側に走る事もあるので、「反対に走った」と判断したら、突き出して構えていた竿をとっさに海中へ突っ込んでスクリューや舵をかわしている。
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’21版 バラシを科学する ~竿の角度の話 Part1

2021-06-12 12:30:30 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
 バラシの主な原因は前回に記した「ハリ外れ」の他に色々挙げられる。今回は「竿の操作」ついて記してゆく。

 ボクにとっての、釣り人界での最強者は今でも磯のグレ釣り名人だと思っているが、そのグレ釣り界では、バラシを防ぐには「道糸と竿の角度を保つ事が大事」と言われている事は、このブログでも何度か紹介している。かく言うボクもその凝っていた当時の腕前は大したモノではなかったものの、竿さばきの基本を覚えて以降のバラシは激減した経験がある。
 ここまで読んで、「何でグレ釣の話?」と思う人も居るだろう。だが両方の釣りを真剣にした人なら解ると思うが、ヒラマサとグレはハリに掛かった後の習性がよく似ているからだ。付け加えるが、不思議な事に同じ青物と言われるブリは習性が全く違うので、この魚との単純な引っ張り合いでの経験は殆ど生かせない。


■角度の間違い■

 グレ釣りの観点で言えば、「道糸に対して竿の元部を90度近辺に立てた際に、竿の弾力が最高になる」というのが、やり取りでの根幹になる。
 これをヒラマサの完全フカセ釣りに当てはめると、相手との距離によって船上で保持すべき竿の角度は大きく変わってくる事に気付くだろう。具体的に示す必要は無いのかも知れないが、ヒラマサの位置が遠距離なら水平に対して90度近辺。そこから徐々に倒れていって、足下に来た時には0度近辺になるが、足下まで来たヒラマサは真下方向に突っ込むからこれで丁度イイのだ。

 本来の基本操作はそうなるハズなのだが、周りで魚が掛かっている様子を見ていると、相手がかなり沖に位置するにも関わらず、海面に対して30度以下の人を多く見かける。
 これは特に電動リールを使う人に多い現象?だと思う。竿の角度は釣り人の目線と関係しているモノと思われ、この角度になる人は「電動リールの液晶パネルを見た後、そのままになっている」もしくは「早く魚が見たいから道糸の延長戦を見ている」のどちらかが多いと思う。試しに前者は本を見る姿勢を思い出して欲しい。更に言うと老眼が入れば余計にそうなる事も理解してもらえると思う。そして後者は遠くを覗き込んでいる際の姿勢をとれば理解できるだろう。
 そんな竿の角度であっても、電動リールの巻き上げ力で獲れてしまう事があり、それが技術が向上しない原因にもなる。だがこれは最初から道糸とハリスの組み合わせ強度に負けているサイズだからであって、相手が大型になるとそうは行かない。
 逆にヒラマサが足下まで来ているのに、竿が水面に対して90度近くになっている人が居る。これは必死になってポンピングするからそうなるのか、手巻きの人に多いように思う。
 また、別の意味になるが、船長にハリスを掴んで手繰ってもらうために、竿先を持ち上げた後、今度は魚に目が行ってそのまま突っ立てた状態になっている人も多い。
 グレ釣りの観点で言えば、上記の全てがバラシの原因になる。それは「道糸と竿の元部の角度」が鈍角になると竿の反発力が効かないので、負担が道糸&ハリスに集中するし、鋭角になると竿の硬い芯の部分でのやり取りになり、タフな船竿では確率は低いが破損の原因にもなるからだ。

●竿の元部と道糸の角度は90度近辺に●


■ゲット率が下る単純なドラグ操作■

 話は飛ぶが、書き進むうちに、YouTubeの人気釣りコンテンツの一つである「釣りよかでしょう」の中で、ヒラマサを防波堤から狙う回を思い出していた。その中で地元の漁師にアドバイスされるシーンがあって、記憶が確かならそれは「最初の走りを止めてこっちに頭を向かせる事が出来ないヒラマサは、ドラグ操作でかわそうとしても獲れない。」という内容だった。つまりは初期段階のフルパワーを出している状態のヒラマサに、タックルとそれを使う釣り人が負けると「後の取り返しが効かない」という事だと思う。

 以前にも掲載したYoutube動画「https://www.youtube.com/watch?v=YICGDeYdzmo」を観ても解るが、ハリに掛かって危機を感じたヒラマサは、近くの岩陰や海溝に逃げ込もうと突進する。対する釣り人は道糸とハリスの強度を信じて竿を曲げ込みながら耐えてそれを阻む。
 魚は引かれる方向と反対に逃げる習性があるから、ヒラマサは基本的に道糸の延長方向に向かうが、ここで釣り人が道糸を出さずに踏ん張っていると、仕掛けがブチ切れない限り、ヒラマサも泳ぐ方向を変えられずに踏ん張って泳いでいるだけとなる。何故なら向きを変えようとすれば、泳力とタックル・パワーの均衡が崩れて頭が釣人の方へ向いてしまうからだが、逆を言うと踏ん張っているとヒラマサのパワーが落ちた時点で頭はこっちに向くのだから、これを利用しない手はない。
 だから、普通の釣り人感覚の「ドラグを効かせて走らせ、弱らせて、止まったら…。」という対処では道糸が出過ぎて頭がこっちに向かない事が多く、ズルズルと引き出されて根ズレでアウトになる確率が上がるのが理解出来ると思う。
 とは言え、ギチギチのフルドラグでは、道糸やハリス強度の限界を超えるとブチ切れるのは当たり前なので、限界の手前ギリギリで必要最低限の範囲で滑らせるしかないのだが、竿の角度の保持と相手のパワーに見合った道糸とハリスの選択を行えば当然その限界点が上昇する。

 ヒラマサの引きは季節と地形でかなり違ってくる。例えば春の白石グリでは本来の70%程度の力しか発揮していないように思う。これに関しては適水温ではない事と、ヒットポイントから船下までの間にヒラマサが逃げ込みたくなる障害物が少ない事がその要因だ。従ってここでは8号ハリスと6~7号の道糸で何とかメーターちょい迄なら互角に渡り合える。
 だが、初夏からの玄達瀬では水温も上がる上、地形の条件が厳しくなるし、さらなる大型が掛かる確率も上昇するので12号ハリスと10号道糸でも安心できないのだ。
 そして秋の鷹巣沖だが、ここでは白石グリと同等のサイズが狙えるが、産卵から回復した秋ヒラマサのパワーは最大になるので、8~10号ハリスと7号の道糸を組み合わせている。
 道糸の寿命だが、デカい魚を狙う限りにおいては、伸び縮みを繰り返すうちに伸びたままで戻らなくなる=ショック吸収性が落ちて切れ易くなるので、ボクの場合3回程度が限度としているが、勿論、その前の段階で傷があればその部分を切り落とすし、残存距離によっては新品への巻替えを行っている。
 また、ハリスに関しては大型をゲットした後は必ず全交換している。


■ポンピングは…?■

 魚を引き寄せる方法の一つとして、ポンピングという手段がある。
 これは竿を立てて魚を引き寄せ、次に竿を寝かせながら余った道糸を巻き取り、それを繰り返して距離を詰める事を指すが、グレ釣り界では、「ポンピングで獲れるのは小~中型に限られる」と、されている。
 もし大型のグレを相手にポンピングをしていたら、竿を前に倒している最中は角度がキープ出来ず、道糸が緩む。そのタイミングで走られると、根ズレしてバラすハメになるからだ。従って大型は、「竿の角度を保持したままで相手に竿と喧嘩させ、ひるんだ隙にゴリ巻きする方法」の方がゲット率が上がる。
 ヒラマサとのやり取りでも同じだが、相手のパワーが強大なだけにスキを与えた際の痛手は更に大きくなる。だからボクの場合、竿の角度をキープし続け易い電動リールしか基本的に使用しない。
 だが、こだわりがあって手巻きリールを使用する釣り人も居るだろう。その場合は、大マサ相手に左手一本で竿を保持しながら右手でハンドルを巻き続けられるスーパーマッチョな人以外は、初期段階からポンピングせざるを得ないのだが、よく見かける「縦方向に90度から0度までバッタンバッタンと腕を使って倒す方法」ではなく、45度を切らないように気を付け、スクワットの動きや腰の回転を使ってストロークを稼いで行うべきだ。
 とは言え、電動リールであっても、相手との距離によってはポンピングも有効になるので、それについては次回の「距離別対処法」で記す。

 と、ここまで偉そうな事を言ってはいるが、実は昨年、推定メーターオーバークラスを2発バラしている。その原因はやってはイケないハズのファーストラン時のポンピングだった。
 この2回では魔が差したのか、「最初から両手保持が出来るので楽だし、大丈夫だろう。」とばかりに、フルスロットルにしたままでポンピングを開始。なるべく竿の角度が保持できるよう、のけ反りつつ胸の前への引き付けで行っていたが、別々のリールの使用下でありながら、ブチ切れは同じスプール際で起こってしまった。
 恐らくだが魚の走りがマックスの状態にも関わらず、強引なポンピングによってリールのスプールに道糸が喰い込み、その部分が摩擦で耐えきれなかった事が切れた原因だと思っている。
 これに懲りて、ファーストラン時の対応は、元の引き抜きスタイルしか使わないようにしているが、以後に同様のブチ切れは起こっていない。

 尚、「引き抜き」についてはYouTube内の
https://www.youtube.com/watch?v=cYUJaIoXf9w&lc=UgzFJz1bZR1cKBcrIHJ4AaABAg
を参照すれば理解できると思う。

 ここ迄長々と書いたが、ファーストランを止める事が出来れば、そこでの根ズレも激減し、以後にバラす確率がグンと下がる事は間違いのない事実だ。
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春の経ヶ岬 ~7回目

2021-06-12 12:30:00 | 船釣り・釣行記
 3月からチャレンジを繰り返していた春の経ヶ岬釣行も今回が一応のラスト。だが、暗雲が垂れ込めていた。

■大惨敗■

 経ヶ岬では遅れていた夏の潮が差し始めたのは良いが、緩む日がほとんどなく続いていた。

●ここからさらに速まって、100mあたり2分30秒になった●

 それでもラッキーな人は緩んだ日に当たってヒラマサのアタリを数回捉えていたようだ。だが、ただ緩むだけではダメで、ベイトフィッシュが沸く日はオキアミには目もくれず、そちらを追う為、完全フカセでは勝負にならない。そして当日の状況もそうだった。
 それでも懸命に努力したが、イサギも掛からずタナ決めが出来ない。結局「マダイに遊んでもらおうか」と思い、1~2号の丸玉オモリを入れて無理やりそれをほじくり出したが、4回アタリを取って3回ハリ外れ。結局45cmクラスを1枚という、大貧果に終わった。しかも掛かったマダイは口から4cm程の小サバを吐き出していた。

●遊んでくれたのはこの子だけ…●


■春期の成績■

 結局、春期の成績は小マサ×1、中マサ×8,デカマサ×1という結果だった。119cmのデカマサゲットはウレシイ結果だったが、それ以外にチャンスが一日だけあったにも関わらず、その日は「どうせ…」と諦めムードに浸って見過ごしてしまった。「イタかった」と思っても後の祭り。次に生かすしかない。

 今後は玄達瀬に転戦する。経ヶ岬の状況と現地の状況は連動する事が多いので、やや心配だが、とにもかくにも夢の130cmオーバーを狙ってゆく。
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’21版 バラシを科学する ~目前でサヨナラの話

2021-06-05 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
 白石グリへの釣行でお世話になっている、日本海41さんの、先ごろの釣果欄に「バラシ連発」の記載があった。せっかく大マサを掛けても目の前でサヨナラされる悔しさはボクも以前には何度も経験したが、対策を施した結果、ここ近年では極端に減っている。
 今回から、その対策法を号してゆくが、タイトルは、ボクが以前お世話になっていた釣り雑誌の磯釣りスペシャルの初期の企画からいただいた。同様の内容で以前にも書いたが、そのリニューアル版として読んでいただきたい。


■ハリ外れ■

 大型のヒラマサに直接聞いたわけではないので、想像するに船際のサヨナラの原因として、どうしても避けられないのがハリ外れだ。これが起こる原因として挙げられるのは「アワセ不足」と、それによる「掛かりどころの悪さ」の2点が主な原因だ。
 「アワセ不足」はアタリがあった瞬間に竿を竿受けのトリガーに指を掛けて外しながら「クラッチ・オン」→「電動リールをフルスロットルにする」→「ラインが張って魚の重みが乗った瞬間に一~二発、大アワセを入れる」→「竿を立てて巻き取る」の、一連の動作を覚えれば、かなり防げる。
 だが、船上では、アタリがあった後に「クラッチ・オン」→「竿を竿受けから外す」→「アワセを入れる(中には入れていない人も…)」→「竿があまり立っていない状態で電動リールを8割程度のスロットルにして巻き取る」という動作の人が多い事に気付かされるが、これではアワセた際の力が糸フケや道糸の伸びに吸収されて魚に伝わらない。
 しかし、ちゃんとアワセていても「掛かりどころの悪さ」に関しては、運次第のところもあって、口内の薄い部分に掛かってしまい、やり取りの末にその穴が広がった場合はどうしようもないが、軸の細いハリを使うと口切れによるハリ外れの率が高まる事を覚えておいて欲しい。

■チモト切れ■

 もう一つのサヨナラの原因に、「ハリのチモト周りの不備」が挙げられるが、これは切られた部分を確認すると解る。そこがザラザラとささくれていたなら根ズレとなり、原因は明確だが、「豚のしっぽ」のようになっていればハリの結び目がミミの部分までズリ上がって抜けた事が原因になり、スパッと切れていれば、やり取りの最中に結び目のチモト部分がハリの裏側に回ってミミの反った側に触れて切れた事が原因となる。
 これまで、「結び目が回らない」、「ズレない」と謳われたハリは何種類も発売され、ボク自身がそれを何度も試したが、「効果は多少あるものの、100%回らず、ズレないミミ付きバリは存在しない」との結論に至っている。従って今では「物理的に、絶対ハリ裏に回らない」カン付きバリを愛用している。
 お気に入りはオーナー社のメジ・カツオで、ハリス10号以下は13号、ハリス12号では14号を使用している。

●愛用のメジ・カツオ●

 このハリのカラーは「ケイムラ」、「ゴールド」、「シルバー」の3種類が販売されているが、「喰いはどれも同じ」、「錆に強い」、「一番安い(入数が1本多い)」という3つの理由から、最近では専らシルバーを使用している。
 このハリの最大のメリットは、カンの部分がロウ付けされているので、軸の継ぎ目にハリスが当たって切れるリスクが無い点だ。軸は太過ぎず細過ぎず、強度はボクの使用範囲内では十分であり、ハリ外れを起こし易いと感じた事もない。

 カン付きバリをオススメすると「サルカンと同じ結び方をするのか?」と思うかも知れないが、それでは頼りないので、クレハのH.P.内にある、中村式カン付き南方延縄結び
https://www.seaguar.ne.jp/knot/harris/harris_7.html
で結ぶ事にしている。
 但し、注意点があって、H.P.内では動画と図の両方で説明されているが、図の方は「Step4」のところが明らかに間違っているので、参照すべきは動画の方になる。
 ここから更に、ボクの場合は8号なら0.5mm、10~12号は0.6mmのウレタンチューブを入れてカンの前でチモト部分をまたぐ部分を強化している。

●0.5mmのウレタンチューブ●

●ウレタンチューブでの強化●


■市販仕掛は…?■

 ボクは、今から45年ほど前の小学校高学年時代から自作するのを基本としているし、釣場での使用や展開を想像しながらの仕掛作りは、全く苦ではない。しかも、低コストかつ高強度になるので、自作のメリットは一石二鳥どころではない。
 対して一般的に広く使用されている市販仕掛は、各メーカーさんで基準を設けて品質を高めてはいるだろうが、採用されているハリスは中級ランク以下、ハリは伊勢尼の12~13号クラスが殆どで自由に選べない。そして何より残念なのが、釣りに対して熱意のある人間が作っているとは限らない点だ。今は随分と機械化しているだろうが、その昔はパートのオバチャンが作っている事も多かったように記憶しているし、一部には海外製もあるのかも知れない。
 そうして作られた仕掛であっても、確実なハリ結び等が出来ない事情のある方、特に初心者には充分にオススメ出来る。だが、ある程度経験を積んで結びの知識がある釣り人なら、ハリの種類が殆ど選べなくて上段で記した「チモト切れ」と「口切れ」の発生リスクがあるため、自作する事をオススメする。
 但し、「ハリは結べても、枝バリ部分が…。」と言う方がいるのかも知れない。そんな方には手前味噌だが、ボクのブログ内の2016年7月16日号
https://blog.goo.ne.jp/tsurigadaisuki/e/db6b133a70a8342a9cbc45b655a4bcaa
で「三方編み込み」を解説しているから参考にして欲しい。
 ヒラマサが掛かる確率が、一番高いのが先バリになるが、編み込みにするとサルカンからその先バリまでに結び目が無いので、枝バリを出す方法では最強になる。「面倒臭い」等の理由で間違ってもビーズや8の字結び他の方法を使って“結んで”はならない。ビーズは壊れるし、結んでしまえばそこから先が枝バリ程度の強度しか無くなるからだ。
 それでも、「どうしても面倒だ。」と言う人には、市販仕掛をセット後、ハリだけでもカン付きに交換するのが得策と思うが、中村式結びが面倒なら、なるべく強度のある方法で、外掛け結びしか出来ないなら、せめて「ズレにくい・回りにくい」を謳った「ヒラマサ用のミミ付きバリ」に交換する事をオススメする。


 以上、ヒラマサ釣りの現場では、勿体ないバラシが連発しているようなので、緊急的に書いてみた。「仕掛は魚との大事な接点」だ。「それを他人任せにしていると、その勿体ないグループ入りするよ。」という事をお伝えしておきたい。
 また、今回はアワセとハリ選びを中心に話を展開させたが、現場では船際の竿さばきのミスによるバラシもよく見かける。それについては次回以降で記す事にしている。
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