中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

白石グリ・春季最終釣行

2018-05-26 12:30:00 | 船釣り・釣行記
アップするまで2時間しかないので、簡素に書いてます。


 今年は2週間遅れでヒラマサの釣果が出始めた京都府・経ヶ岬沖の白石グリ。いよいよシーズンも終盤に近づき、日増しに釣果ムラが激しくなっているが、「何とかもう一本」と、西舞鶴から出船する、大海丸さんに乗り込んできた。
 今回挑戦したのはいつもの完全フカセ釣りではなく、活きアジを使った泳がせ(飲ませ)釣りだった。この釣りは、オキアミへの反応が悪くなったヒラマサに口を使わせるため、シーズン終盤に有効なスタイルだが、ボク自身、この釣法を充分に把握しておらず、手探りの状態だった。


 そんな中、船中では一番にアタリを取ったのだが、1発目、2発目とスッポ抜けの後、ようやく口にハリ掛かりをさせる事に成功した。

●途中までは…●

 途中までは引き具合に「それらしき雰囲気」があったのだが、正体はブリだった。

●80cmオーバーだが…●


 しかし、その後は沈黙が続いた。慣れないスタイルであり、大型フィッシュイーターにやる気がなければ、何にも無しの釣りだけに退屈な時間がいつもより長く感じられた。

 そして夕刻が近づいた頃、各所でナブラが沸き始めた。風向きが変わった事を受けて船長は船位を修正したのだが、そこからの一流し目でミヨシから歓声が沸き起こった。
 下方向へと執拗に突っ込む強烈な引きに耐える姿から、「恐らく…」と思ったが、案の定、上がってきたのは1mジャストのヒラマサだった。

 それを受け、こちらのやる気にスイッチが入った。聞けばアジが逃げ惑う前アタリがあってドカンときたそうなので、竿の操作を変えてみることにした。言うなれば、「昔やった、ブラックバスのラバージグ」や、「尾長グレの本流釣り」の竿操作に近いモノだったが、コレでほぼ入れ食いに近い形に持ち込む事に成功した。(コレについてはスタイルが確立すれば、いずれ紹介する予定)

●竿は何度も曲がったが…●

 しかし、応えてくれたのはゴールデンウィークの頃よりも一回り大きくなった、最大で90cmチョイのブリ族ばかりだった。


 こうして白石グリへの春季釣行は幕を閉じたが、シーズンイン後4回の釣行で4本、最大が104cmだったので、結果は良しとしよう。次回は玄達前の最後の釣行として、但馬海岸に向かう予定だ。
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柴山のヒラマサ釣り

2018-05-19 12:30:00 | 船釣り・釣行記
■2年ぶりの訪問■

 日本海側の完全フカセでヒラマサを狙える区域は各地にあって、このブログでも度々登場する福井県鷹巣沖&玄達瀬と京都府経ヶ岬沖の白石グリ&冠島はその2大拠点だが、他にも、経ヶ岬西側の中浜沖や間人沖等、規模は小さいながらに存在する。そこから更に西に向かい、兵庫県に入った但馬海岸にもヒラマサの好場があって、そのひとつが今回の柴山沖だ。
 このブログを読み続けている方はご存知だと思うが、以前=2016年にここを訪問し、記事を書いた。その日は、途中でアンカー潮になるなど、実質ジアイが2時間ほどしかなった中、本命の釣果は90cmが1本きりだったが、いろいろな意味で潮状況か良くないと釣れない尾長グレが2枚出た事と、船中で他者が釣ったりバラしたりといった事から総合的に判断すると、かなりのポテンシャルを持った地区だと、当時に判断した。
 釣船の釣果欄で確認する限り、普通に釣れる最大クラスはメーター弱だが、最小サイズの違いからアベレージサイズとしては中浜沖より少し上といった感がある。しかし、何よりもここの良さは、ライバル船がほとんどいないことだ。したがって、実釣中に状況が変わっても、アンカーを打ち直す余裕があるので、ハズレの日が少ないように思える。
 そんな、柴山沖に案内してくれるのが前回に引き続き、今回もお世話になった、第三豊洋丸さんだ。

●●停泊中の豊洋丸さん


■短いジアイ■

 当日は朝から雨模様。しかも昼以降に大雨になる予報だったため、早めの出港となった。
 ポイントには10分ほどで到着するので、乗船直後は準備があわただしくなるが、その分だけ長く釣りが出来るのは有り難い事だ。
 ポイントに到着後、期待を込めて第一投を行ったが、一旦左舷後方に出た後に向きを変えて45度前方に出る潮だったため、船長はすぐにアンカーの打ち変えを決意。その後再開したが、やはり二枚潮傾向という判断に間違いはなかった。

●100あたり10分ほどだったが…●


 時期的な事と水深(足下で45m)から、当初から発泡ウキの7番を装着した仕掛を流していたが、潮況を説明すると、後方に向かう潮は道糸が28mほど出ると中層に入り、それよりも速い西からの潮に乗ってにきを変えていた。
 その対策のため、送り出しを25mとして、中層に乗り出した30mでスプールの回転を30秒間停止させて仕掛が張るのを待ち、そこからフリーで流した後の45mで再び道糸のフケを感じたため、そこでも10秒間の待ちを入れてみた。
 次いでまたフリーにして流していると、この策が見事に当たって、55mで道糸が一気に引き出されていった。
 アワセを入れた後の感覚から中マサクラスと判断。余裕のやり取りを開始した。

●中マサの引き●

 船下の引きも難なくしのいで、無事にゲット。予想よりはやや大きめだったが、序盤での1本は安心材料となるため、貴重だ。

●水滴でボケているけど、79cm●


■続いてのハズが…■

 安心も束の間、取り込み後に流しを再開すると、潮流の角度が変わってアンカー潮気味になり、だんだんと流し辛くなってきた。そんな中、ポツンとマダイが出てくれたが、それも途絶えてしまい、単にタナを変えてエサが残る線を探るだけでは何も得られない状況になり、それがしばらくの間続いた。
 粘っても状況は改善しそうにないので、船長が魚探の掛け直しを決意、その際に衝撃の事実が判明した。ナ・ナ・何と!水温が15度になっていたのだ。低水温と魚が障害物に寄り添うように着いている様子から、船長は接近戦を決意。ボクも「低層から離れず、目の前に落ちてくるエサのみをヒラマサが拾う状況」と判断し、それに合わせて仕掛の組み換えを行った。
 潮流は更に衰えていたので、前々回で紹介した水中ウキ(と言うよりは水中帆)を装着し、送り出し20mをした後はスプールの回転を止めてみた。次いで道糸を凝視し、中層に乗って道糸の角度が船首方向に変わったところで一旦フリーにして流し込み、30m出たところで再停止をして15秒間の待ちを入れてみた。
 そして45mでまた15秒、60mでも15秒待った後、そこから先はメカニカル・ブレーキを絞ってスプールの回転を抑制しながらじっくりと流してみることにした。イメージとしては底付近をウロつくヒラマサの目の前にゆっくりとサシエサを届ける感じだ。

●ストップウォッチで正確に計測中●

 そして、この策が当たって65mで急速逆転が始まった。

●久々のアタリを捉える●

 低水温の影響で低活性なのか、当初の引きは大したことなく、「違う魚か?」とも思えたが、船下に来てからの締め込みで本物と確信。「喰いが渋いのでハリハズレが起こらないか?。」と心配しつつ、やり取りを行った。
 そして無事にゲット。サイズ的には及第点程度だが、案の定、船上に上げると、玉網の中でハリが外れており、ヒヤヒヤ感に溢れた中での1本だった。

●苦労の末の81cm●


■船長共々に努力の甲斐なく■

 2本目のあとは、更に状況が悪化していった。そんな中、船長は第2ポイントに移動するなど努力を繰り返してくれたが、それもむなしく、元のポイントに戻り、最後のチャレンジとなった。
 2次ラウンドでは、更に動かなくなった潮の中でボクはアタリをとり続けたが、それらしきモノは一発目にあったが、アワセる間もなくハリハズレ。以後はアタリを連発させる事に成功したが、小型のマダイのみ、それも半数以上がアワセても乗らずのままに納竿時間がやってきた。

●気付けば魚は揃ったが…●


■ポテンシャルは高い■

 当日は低水温、それも最終的には前日より1.2度も下がり、14.6度という、とんでもない条件下での釣りだった。短時間でこれだけ下がると、冬場が盛期の寒グレでも喰い渋って苦労させられる状況に陥る。ましてや適水温がもっと高いヒラマサであれば尚更だが、そんな中にあって何とか2本獲った事は、我ながら「よくやった」と思っている。特に2本目はヒラマサの状態をリサーチし、イメージを膨らませて無理やり口を使わせて獲った1本なので、ネットインした瞬間は何事にも変えがたい悦びに浸っていた。
 そんなこんなで釣り人としては、「あの条件で2本ならば…。」と、つい皮算用してしまうが、次回の釣行も楽しみな柴山沖だった。

 余談だが…。
 柴山からの帰路は一旦香住に出てから矢田川沿いに県道4号を南下した。このルートは豊岡に出るルートよりも、やや距離が嵩むが、信号がほとんど無いので時間的には変わらない。それはともかくルート途中の、但馬の地酒として有名な香住鶴の福寿蔵への寄り道がお楽しみの一つになっている。
 「釣ったヒラマサと、但馬の銘酒で…。」これが、最高なのだ。

●香住鶴●




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今春のピーク!

2018-05-12 12:30:00 | 船釣り・釣行記
■最盛期!■

 京都府経ヶ岬沖では、前回お知らせした「春のブッ飛び潮」も次第に落ち着く日の割合が増え、速い日の割合が減る傾向になっているようだ。それに従って釣果も安定傾向にあるが、特筆すべきはヒラマサのサイズだ。例年であれば大型から先に食い始め、本格化した頃には80cm級が中心になるのだが、厳冬の影響で釣れ出しが2週間遅れた今年は大~中サイズが入り混じっているようで、ゴールデンウィークの後半には120cmも仕留められている。

 前回、生涯6本目のメーターオーバーのヒラマサをゲットし、気を良くしてシーズンイン後3度目の白石グリ釣行となった。今回乗船したのは、このブログではお馴染みの日本海41さんで、前回の大海丸さんと同様に熱きヒラマサ野郎の集まる船だ。

●洋上の日本海41●

 いつものように午前11時に境界線より一斉にスタートした各船が、思い思いのポイントに投錨してこの日の釣りがスタートした。しかしながら、潮がやや南西か気味の方向から来る潮だったため、船長判断ですぐに移動。幸い本命場所へと流れる位置にポジション取り出来たので、一安心。
 「さ~来い!ヒラマサ」と、気合を入れての仕切り直しだった。


■ブリ族が増える■

 潮流は理想に近い速さだった。

●100mあたり5分強●


 このところ、周囲にはライバル船が多いので、「ヒラマサよこっちへ来い。」とばかりに、今回はやや多めにマキエサを入れてから準備開始。
 当初のセッティングはBB入りサルカン1個のみ。まずはこの状態で送り出しを25mとして、以後は何も触らない“フリー”で流し始めたが、前回同様の40m付近でスプール回転に変化が出たため、ここで30秒の一旦停止を加えてみた。
 このセッティングでの2投目、マキエサが効き始めた頃にボクのを含めた竿が一斉に曲がりだした。こんな時は「例のアイツら」という事が多いのだが、案の定、ボクともう一人共に、もうブリと呼んで良いのか、迷うサイズのメジロだった。

●コイツらが…●


●ブリ族の連発●



 しかし、数投目、舳で竿を出す釣り人が良型のヒラマサをゲット。これを見たボクは「ブリ族の群れの中にヒラマサが混じっている。」と判断し、群れから上に飛び出てくるであろうヒラマサを狙い、サルカン上に発泡ウキ8番を装着して仕掛を浮かしてみた。
 しかし、これでもアタるのはブリ族だったため、「舳でアタリの出た130mラインを想定し、その手前の100mでもう一度30秒の止めを行って仕掛の張りでもう少し仕掛を浮かせてみよう」とばかりに、それを実践していると、115mで「ブーンッ!」と、道糸が急速逆転を開始した。


■何とか1本だが…■

 いつもの要領で、リールのアクセルレバーをフルスロットルにしてアワセを一発入れてやる。すると確かな手応えがあったため、良型と判断してやり取りを開始する。

●いつもの要領で●

 「85cmクラスかな?。」と思いつつ、距離を詰めていく。船下のやり取りも余裕がある状態で、苦労させられる場面はなかった。そして無事にネットイン。

●93cm●

 船上に上げてみると、思ったよりもサイズがあったので、ビックリだった。
 嬉しいには違いないが、いくら春とは言え、パワーの無さは今年の各個体の特長のような気がして残念だ。例えば前回の釣行で掛けた104cmもそうだった。盛期なら「エサを刺すのをやめようかな?。」とまで思ってしまうほど、強度が落ちる枝バリ(しかも8号)に掛かっていたにもかかわらず、それを切る事が出来ずに御用となった。その事からも伺えるよう、やり取りの感覚では5~10cm下がりの感触なのだ。因みに、この意見には船長たちも賛同しているし、釣果欄を見る限り、例年だとブチ切られる率が高い110cmオーバーのゲット率が上がっている事でもそれは裏付けられると思う。
 ただし、この傾向自体は「記録更新のチャンスと言えばチャンス」なのだが…。

 1本が出て安心したが、次なる攻めでは釣果がブリ族に戻った。そして周りも同様だった。
 一船置いて投錨していた前回乗船の大海丸さんでもほとんど同様の釣果が続いていたようだ。

●こちらもブリ族が連発のご様子●


■時間切れ■

 例年だとヒラマサはブリ族の層を破ってうわずる傾向があるので、それを狙ってどんどんタナを上げてゆく作戦をとった。そして、それは同じ青物の、ブリ族の活性の高さから判断しても間違いのない作戦のように思えた。
 まずは、発泡ウキが8+6になったが、これでブリ族をゲット。続いて8+7、8+8でも連続ゲット。しばらく一呼吸あって、エサが盗られ続けた流れが続いたので、80mの止め以降はメカニカルブレーキを絞って更に上を狙ってみた。すると、これにもブリ族が…。
 時間が刻々と過ぎる中、「早く結果が出てくれ」と祈るように攻め続けたが、悪い事にブリ族と言っても一本一本が良型なため、やり取りにどうしても時間が掛かってしまう。はっきりと覚えてはいないが、それを計8本ほども掛けてしまっただけに時間の浪費が痛かった。

●まるでエサ盗り…●


 そして残すところ2時間を切った頃、潮の角度がそれまでの左舷45度方から真後ろ方向へと向きを変え始めてアタリが遠退きだした。すると、右手横に投錨していた他船から歓声が上がり始めた。後から調べてみるとその一つに113cmのヒラマサがあったようで、焦るボクを尻目にその船では追い込みが掛かっているようだった。
 遠目に見る限り、その船では上層を狙っているようには見えなかった。その事から「上狙いではダメかも」と、遅ればせながらに思いつき、リセットして手前の深めのタナを狙い始めたのだが、イサギがダブルで掛かった時点でタイムアウトになった。


■振り返れば■

 恐らくだが、潮の角度が変わる前には大型ヒラマサが我が船側の潮下でもウロついていたと、今更ながらに判断している。そこへサシエサを届けられなかったのは、「ブリ族の上層」にこだわり過ぎた結果だと思う。実際の展開では、魚が食い続けている時間帯=ジアイ中は「ブリ族ばかり」だったにもかかわらず、早めに見切りをつけられなかった事が悔やまれる。前回の「イサギの上」で味をしめ、「上げ上げ路線」に走った自分の脇の甘さを痛感している次第だ。
 白石グリへの釣行は、残すところあと一回となっている。今年のピークは恐らくこのゴールデンウィーク中だったので、今後は超大型に巡り会うチャンスが減ってくると思うが、最善を尽くすばかりだ。
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奇跡の白石

2018-05-05 12:30:00 | 船釣り・釣行記
■激流続き■

 遅れての開幕以来、各船の釣果欄を見る限り、そこそこのペースでヒラマサは上がっているようだが、実際は日ムラ、ポイント・ムラが多く、その主原因は白石グリを直撃している急潮流だと思われる。
 4月中旬以降から現地では、いわゆるブッ飛び潮が続いており、例年だと2~3日続いたら収まる傾向にあるはずが、今年は違うようだ。ブッ飛びがメインで、やや緩む日がポツンとあっても、それでも速いなと思わせる潮で、普通に釣れそうな潮の日が少ないのだ。そのため、マキエサの効きがボケたり、ポイントそのものに幅がなくタイトになって、ムラが生まれているのだと思う。

 今回お世話になったのは、西舞鶴(和田)から出船している、大海丸さん。熱きヒラマサ野郎(一部には、野郎以外の人も)が集まる船だ。

●停泊中の大海丸さん●


 従って「乗る船としては間違いは無く、大船(実際大き目)に乗ったつもり」なのだが、とある潮流観測サイトでは、前日に「1年で9日程度しか起こらないほどの急潮流」と示された、超ブッ飛び潮が流れていたため、現地までの航海中は不安を抱えていた…。


■奇跡の潮■

 いつもの通り、定刻の午前11時にスタートし、まずは一流し。驚く事に、日ごろ運の無いボクとしては奇跡的な釣りごろの潮が流れていたのだ。

●100mあたり、4分強!●

 「まずはノーマルで流そう。」と、BB入りの0号サルカンのみの状態で150m流していた仕掛けに変化はなかった。次いで2投目はサシエサが盗られたので発泡ウキ7番を入れてやや浮かせてみることにした。しかし、それでも盗られたので次いで8番に交換と、普通の攻め(越前スタイル)をエサが残るタナを割り出そうとしていた矢先、隣で玄達仲間の清水さんが大きく竿を曲げた。

●清水さん、白石での初ヒラマサ●

そして80cmのヒラマサをゲット。

 アタった距離を聞くと「140m、それもしばらく止めていて。」との事だったので、上潮と底潮に潮流差が出ていると判断。以後それを意識した攻めに転ずる事にした。


■初ヒラマサ■

 だんだんと潮が緩んでいったので、まずは発泡ウキを8番のままで送り出しをそれまでの30mから20mに減らした。そして、それが馴染んで40mまで出た時点でスプール回転に変化が出たため、30秒間止めて仕掛けに張りを持たせてみた。そこからフリーで流し始めたのだが、サシエサが盗られてしまった。
 そこで、次の流しでは清水さんがアタった140mの手前=120mで再び仕掛けを張る為に一旦停止=30秒というパターンを組んでみた。
 このパターンでの2流し目(ボクの場合はヒラマサが掛からなければ、同じパターンで流すのは2回までと決めている)に130mでラインが走ってクラッチ・オン。アワセを入れた瞬間にそこそこサイズと判断し、いつもの要領で距離を詰めていった。

●今年初の、ヒラマサとの攻防●

 今年の初物だけに慎重になりすぎた面もあったが、無事にゲット。

●89cmのヒラマサ●

 続いての流しにも期待したが、同じ仕掛けに掛かるヒラマサは無かった。


■緩む潮■

 気付けば潮は更に緩んでトロトロ状態になっていた。そうなると、エサ盗りが増えてくるので、それなりの対策が必要になる。
 そこで、いつものエサ盗り対策として、発泡ウキのサイズ&個数を増やして、かろうじてサシエサの残る層を狙ってみる事にした。初めは8番+6番でスタートし8+7まではサシエサが盗られた。次いで8+8と増やしてやると、45mという近距離で道糸が走った。
 あまりに近いので、ブリ族かと思ったが、途中から下へ下へと締めこむ様子に本物と確信。とは言え、春のそこそこサイズなので、余裕のやり取りを展開する。そして難なくゲット。

●80cmのヒラマサ●

 狙いが当たって大満足の魚だが、サイズ的にはダウン。まだまだ次が来るかもしれないのでテンションを上げつつ、攻めていった。



■イサギの上■

 残念と言うか、今年の傾向からすれば当然と言うか、続くヒラマサはなく、逆にエサ盗りたちが行動範囲を広げ、ついには発泡ウキのサイズが8+8+7になっても盗られてしまうという展開になった。
 そこで逆の発想として、「もっと手前の深めに入れて探り直してみようかな?。」という策が思い浮かんだ。そして仕掛は道糸のサルカン際にガン玉Bを打ち、仕掛を張ってからタナズレがおき難いよう、水中ウキをその上にヨージ止めしたモノに交換してみる事にした。この仕掛では相手がマダイになる事が多いのだが…。

●装着した水中ウキ(グレ釣り用LLサイズ=キザクラ社製)●

 送り出しを20mとして、その後はフリーで流し、40mの時点で30秒のストップを入れた後は、再びフリーで流し、80m流したら更に30秒のストップを入れるパターンを組んでみると、道糸が90mほど出たあたりでイサギがWで掛かってきた。
 このアタリでピンと来るモノがあった。
 実を言うと、この釣行の近辺で「急潮流対策を早急に練らねば。」と考えていた際に、「日本海41さん」のホームページ内にあった、船長の「速い潮流の中、胴付き仕掛けでヒラマサをゲット」という記事に目が行った。そして当日が乗船予定日でもないのに、厚かましくも質問をしてヒントを得ようと連絡したボクに船長は優しく?答えてくれたが、それによると、「胴付き10本バリの上から3本めにヒラマサが、それから4本下にイサギが掛かっていた。」という事だった。
 それを脳内にインプットしていた事から「イサギの上を狙えばもしかすると…。」というイメージが沸き、要らないイサギを無視してタナを少しずつ上げてゆくことにしたのだ。
 この頃から徐々に潮流のスピードが上がり、条件が変わり始めていた事が気がかりだったが、次の流しではガン玉を外してみる事にした。そしてこれでも90mラインで道糸が走ったが、またまたイサギが掛かってきた。
 次いでの流しでは水中ウキを外して変わりに発泡ウキの7番を入れたが、またイサギ。そのまた次は8番を入れてみたが、これまたイサギが続いた。


■ようやくの一発■

 8番を入れた時点では、上述の40&80mの二箇所止めのみのパターンだったが、さらに変更を加える。次の流しでは2度目の止めの後はメカニカルブレーキのつまみを絞って、フリーから比べると2/3程度の回転に抑制してみる事にした。
 潮流は流速を上げ、釣り開始時と同じスピードになっていたが、かまわず流していく。恐らく抵抗を受けてかなり仕掛けは浮いているだろう。
 このパターンで90m、100mと過ぎてゆき110mに指しかかる頃、ついに急速逆転が始まった。
 あわせた瞬間のドスンッ!とした衝撃は大型の証。その後の締め込みでリールの巻上げが停止しているのは更なる裏付けだ。

●久し振りの強引を味わう●

 ファーストランをしのいだ時点では、それでも「95cmクラスかな?。」と思っていた。足下の水深は70mほどと聞いていたので、「そこまでくれば一安心。」と思って距離を詰めていくが、車で言うところの「高回転型のスピード感」と言うよりは「トルク型の重量感」という感じの締め込みが続いた。
 特に、水深分の距離を切る頃にはグイグイと下に締め込んで道糸を引きずり出すため、一定の層から、なかなか上がって来る様子が無かった。
 それでも何とか船下の攻防をしのぎ、残り40m程になった時点でモーターが加熱し過ぎの感があった事と相手の大きさから、手巻きとした。(突然止まって慌てるのなら、自分で判断した方が良い)
 残り数mで姿が見え隠れしたが、メーターを越えている事がはっきりしたため、更に慎重にやり取りを繰り返す。だが、春のためか、船際の攻防は大したことはなく、この区間も無事に通過して無事にネットイン。思ったよりも大きかったので、船に上がってからの方が興奮するという、不思議なヒラマサだったが、とにもかくにもボクにとっては今期最長寸、歴代3番目のヒラマサだった。

●104cm!の大マサ●


■終戦はアイツ■

 撮影等を済ませてすぐに再開したが、しばらく経つと、小魚を追ったボイルが始まった。そしてそれを境に状況が変わり、潮流も更に流速を上げた。それに合わせてメカニカルブレーキのつまみの絞りを止めた。
 すると、120mラインでまたもや急速逆転が始まった。アワセてみると、そんなに抵抗感がないが、青物には間違いなく、「中マサ・クラスか?。」と思わせる場面もあったが、船下に来ると横走りが始まった。それもかなりのスピードを伴って…。
 案の定、正体は80cm級のブリだった。そしてこれが合図となって全く気配がなくなり、それでも流す事数回、結局以後は何も起こらず納竿時間がやってきた。




 夕刻から上がった流速は翌日も衰えるどころか更に増し、釣行前日までと同様の状態になったので、当日は奇跡的に潮が緩んだ1日となった。この奇跡があって当日は3本のヒラマサをゲットできたが、不思議なのは全てが普段はほとんど掛かってくる事の無い枝バリに掛かっていた事だ。裏を返せばこの事実は「釣れ出しが2週間遅れ」、「激流続き」という、今年の海の様子を表しているように思える。
 「エサ盗りや外道を手がかりに上層を狙う等の判断では、いつまでもサシエサ盗られ続けたりで基準がボヤケて判断が難しい。」とはボク自身も感じている事だし、大海丸の船長も同様のことを言っていた。
 で、あるから、これからこの方面へ釣行を考えている方は、「いつものパターン以外に何か工夫が必要だ。」と、思っていた方がイイだろう。

 残すところ、白石グリ方面は2回、それ以外に但馬海岸も2回予定しているが、ブッ飛び潮の多いこの春の潮流が少しでも落ち着いてくれる事を祈るばかりだ。
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