これで今期3回目。玄達瀬のこれまでの経過は、初期には大型が出ていたものの、ヒラマサの釣果は急減速し、良くて一船で2~3本という釣果になっている。特に今回の釣行日までの5日間はヒドく、潮がほとんど動かない、もしくは上層だけ動く強烈な二枚潮の影響によって各船長もお手上げの状態だった…。
■予想通りの二枚潮■
当日もキビシイ状況が予想される中、一時間の航海を終えて現着。そこには見せかけ上では最適な潮流が差していた。
「見せかけ」と言うには理由がある。実は、この速さは上潮だけのモノで、底潮がほとんど止まっていたからだ。恐らく速い上潮はヒラマサが嫌う性質(成分?)になっているらしく、この潮が差すがために、例年ならエサを追って浮上するハズの個体が極端に減る原因になっているようだ。
それを知らずに「いつもの釣り」をしていると、「ほとんどアタリが出ない」であったり、「知らぬ間に喰っていた」、「メジロ(ワラサ)ばかりになった」等々、貧果に繋がるので、普通に流すとエサがほとんど盗られない事を確認した後は、アノ手コノ手での攻めを開始した。
まずは重いオモリを背負わせて先に沈めて底層を探る方法を採ったが、これには反応がないので、ナイロンカゴを装着するも結果が出なかった。続いて懐かしのウキ流しを試み、止め気味に流してみるが、これもダメ。結局ここではウマズラハゲが数枚と、ロクでもない結果となった。
あまりにヒドイ状態に、船長は移動を決意。途中何か所か試し釣りを試みた末、大移動し、奇跡的に完全フカセ釣りが成立するポイントを見つけ出す事に成功した。
■千載一遇の…■
移動先では一旦舷側に対してラインが90度で出た後、船首方向45度にカーブする理想には遠い潮流だったが、まずはこの日初めてフカセ釣りが成立する事に喜びを感じていた。ここでも数等の間でこのシーズンでは普通に行う完全フカセ釣りを展開したが、どうも様子がおかしい。そこから感じ取るに、なんとなく季節が逆戻りして春の、白石グリでの釣りが合うように思い始めた。
そこでいつもの、発砲ウキの釣りから、水中帆の釣りに変更し、緩い底潮に合わせてじっくりと流すように変更した。
まずは送り出しを20mとして流し始め、足下の水深の、1.5倍=90m迄ラインが出たら1分間の一旦停止。そこからはリールのメカニカルブレーキを絞ってラインが弛まないようにして流してみた後、更に糸フケを取るため、120mで10mの巻き戻しをいれてみると、120mに再び差し掛かった付近で65cm級のマダイがアタッてきた。
「玄達瀬ではマダイのタナにヒラマサがツッ込む」というパターンもあるので、その次以降もそれを信じて流し続けていると、今度は巻き戻す前の110m辺りで徐々にリール・スプールの逆転スピードが上がっていった。
「これがヒラマサのアタリなら、春先の出方と似ている」と思いつつ、アワセを入れてみたが、次の瞬間にこれまでと違う、とは言え大きさ的にはそこそこサイズが出すパワーでロッドが絞り込まれていった。しかしながら数m巻き取ったところで生命感が伝わらなくなってしまった。
仕掛けを回収すると根ズレでハリスが飛んでいたが、バラしはしたものの、「やはり、ヒラマサは底付近のタナでウロウロしている…。」との予想が当たり、得るモノがあったので、「以降はさらに糸フケが出ない工夫をすれば、喰って来るだろう。」と、この時点では楽観視していたのだが…。
やがて風向きが変わり、完全フカセ釣りでは最悪の「アンカー潮」に変わってしまった。それでも舳先に立って魚が来る方向に回ってやり取りを続けていたが、ヒラマサの気配は全く消えていた。
悪条件が続き、モチベーションが徐々に下がる中、深く探ってマダイ、やや浮かせるとメジロがアタってくるだけになった。
■ウロつくヒラマサは無し■
だが、玄達瀬ではそれまで全く気配が無くても、突然ヒラマサのスイッチが入る事があるので、ほんの少しの期待を持ちつつマダイを釣っていったが、喰わせる距離が変わってそこに仕掛をウマく合わせても、マダイの数だけが増える空しい時間が続き、結局今年二回目のヒラマサボーズが確定した。
今年の玄達瀬では異常事態が続いていて、従来の発砲ウキでタナを浮かせるだけの釣法では対処できない。気象庁の潮流図で確認すると、例年だとこの時期、対馬暖流の本流が若狭湾をかすめて越前岬あたりに差して能登半島方面に流れてゆくのだが、今年は経ヶ岬にブチ当たった後にはじけて北に向かい、玄達瀬辺りでは本流に引かれる潮がグルグルと回っているだけの日が多くなっている。この影響で潮流が安定せず、また、日々方向が変わる事で打ち消しあって潮が止まったり、上層のみが速まったりするのだと思う。
いずれにせよ今年は、良くて4~5本、普通で1~2本という釣果が続くように思う。ここまでの傾向から、上段で記したように攻略のキーワードは「今年のヒラマサは、数が少なく浮いてこない。」だとボクは思っているので、これからもそれに沿った戦略で攻めて行こうと思っている。残るチャンスは二回だが、どうなる事やら…。
■予想通りの二枚潮■
当日もキビシイ状況が予想される中、一時間の航海を終えて現着。そこには見せかけ上では最適な潮流が差していた。
●100またり5分チョイ???●
「見せかけ」と言うには理由がある。実は、この速さは上潮だけのモノで、底潮がほとんど止まっていたからだ。恐らく速い上潮はヒラマサが嫌う性質(成分?)になっているらしく、この潮が差すがために、例年ならエサを追って浮上するハズの個体が極端に減る原因になっているようだ。
それを知らずに「いつもの釣り」をしていると、「ほとんどアタリが出ない」であったり、「知らぬ間に喰っていた」、「メジロ(ワラサ)ばかりになった」等々、貧果に繋がるので、普通に流すとエサがほとんど盗られない事を確認した後は、アノ手コノ手での攻めを開始した。
まずは重いオモリを背負わせて先に沈めて底層を探る方法を採ったが、これには反応がないので、ナイロンカゴを装着するも結果が出なかった。続いて懐かしのウキ流しを試み、止め気味に流してみるが、これもダメ。結局ここではウマズラハゲが数枚と、ロクでもない結果となった。
あまりにヒドイ状態に、船長は移動を決意。途中何か所か試し釣りを試みた末、大移動し、奇跡的に完全フカセ釣りが成立するポイントを見つけ出す事に成功した。
■千載一遇の…■
移動先では一旦舷側に対してラインが90度で出た後、船首方向45度にカーブする理想には遠い潮流だったが、まずはこの日初めてフカセ釣りが成立する事に喜びを感じていた。ここでも数等の間でこのシーズンでは普通に行う完全フカセ釣りを展開したが、どうも様子がおかしい。そこから感じ取るに、なんとなく季節が逆戻りして春の、白石グリでの釣りが合うように思い始めた。
そこでいつもの、発砲ウキの釣りから、水中帆の釣りに変更し、緩い底潮に合わせてじっくりと流すように変更した。
●グレ釣り用のクッション水中(キザクラ製)●
まずは送り出しを20mとして流し始め、足下の水深の、1.5倍=90m迄ラインが出たら1分間の一旦停止。そこからはリールのメカニカルブレーキを絞ってラインが弛まないようにして流してみた後、更に糸フケを取るため、120mで10mの巻き戻しをいれてみると、120mに再び差し掛かった付近で65cm級のマダイがアタッてきた。
「玄達瀬ではマダイのタナにヒラマサがツッ込む」というパターンもあるので、その次以降もそれを信じて流し続けていると、今度は巻き戻す前の110m辺りで徐々にリール・スプールの逆転スピードが上がっていった。
「これがヒラマサのアタリなら、春先の出方と似ている」と思いつつ、アワセを入れてみたが、次の瞬間にこれまでと違う、とは言え大きさ的にはそこそこサイズが出すパワーでロッドが絞り込まれていった。しかしながら数m巻き取ったところで生命感が伝わらなくなってしまった。
仕掛けを回収すると根ズレでハリスが飛んでいたが、バラしはしたものの、「やはり、ヒラマサは底付近のタナでウロウロしている…。」との予想が当たり、得るモノがあったので、「以降はさらに糸フケが出ない工夫をすれば、喰って来るだろう。」と、この時点では楽観視していたのだが…。
やがて風向きが変わり、完全フカセ釣りでは最悪の「アンカー潮」に変わってしまった。それでも舳先に立って魚が来る方向に回ってやり取りを続けていたが、ヒラマサの気配は全く消えていた。
●「舳先で釣る」の図●
悪条件が続き、モチベーションが徐々に下がる中、深く探ってマダイ、やや浮かせるとメジロがアタってくるだけになった。
■ウロつくヒラマサは無し■
だが、玄達瀬ではそれまで全く気配が無くても、突然ヒラマサのスイッチが入る事があるので、ほんの少しの期待を持ちつつマダイを釣っていったが、喰わせる距離が変わってそこに仕掛をウマく合わせても、マダイの数だけが増える空しい時間が続き、結局今年二回目のヒラマサボーズが確定した。
●完全ヒラマサ・ボーズ!●
今年の玄達瀬では異常事態が続いていて、従来の発砲ウキでタナを浮かせるだけの釣法では対処できない。気象庁の潮流図で確認すると、例年だとこの時期、対馬暖流の本流が若狭湾をかすめて越前岬あたりに差して能登半島方面に流れてゆくのだが、今年は経ヶ岬にブチ当たった後にはじけて北に向かい、玄達瀬辺りでは本流に引かれる潮がグルグルと回っているだけの日が多くなっている。この影響で潮流が安定せず、また、日々方向が変わる事で打ち消しあって潮が止まったり、上層のみが速まったりするのだと思う。
いずれにせよ今年は、良くて4~5本、普通で1~2本という釣果が続くように思う。ここまでの傾向から、上段で記したように攻略のキーワードは「今年のヒラマサは、数が少なく浮いてこない。」だとボクは思っているので、これからもそれに沿った戦略で攻めて行こうと思っている。残るチャンスは二回だが、どうなる事やら…。