中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

二度目の”タテ釣り”

2012-10-27 12:30:00 | 船釣り・釣行記
■ようやくの出船■

 初めてのチャレンジで、すっかりその魅力に惹き込まれ、初秋から中秋の、メインの釣りに据えようと息巻いていた”タテ釣り”だが、再チャレンジしようにも予約を入れる度に荒天となって、合計3回も釣行が流れていた…。

 そして、前回の釣行から、一月半も経ってようやく出航可能の日が巡ってきた。乗船したのは、全開お世話になったのと同じ海祐丸さんだ。

 このまでの間、時間はたっぷりと言うか、腐るほどあったので、このブログでも紹介した仕掛作りにいそしみ、枝ハリスが6~10号までをタップリと溜め込んでいたから、今回の釣行では、そのテストが必要であるし、前回の反省点として、「活きエサとなる小魚(ベイト)を掛けた後は、『慌てず、弱らせず、』ゆっくりと底まで降ろす。」ということがあったので、それを現地で実践しなくてはならない。
 だが、こういった手間をかけ、あれこれと頭で考えることは、ボクにとっては全く苦にはならない。逆にこういったことを楽しみとするから、これまで飽きずに釣りを続けられたのだと思う。更には、これが、新たな釣りへのチャレンジになる場合には「あ~でもない、こ~でもない。」と思う機会が更に増えるし、その戦略や仕掛がハマッた際にはアドレナリンが出まくることになるからタマラナイ。

 当日の天候は、晴れの予報であったのだが、お世辞にもそうとは言えない中、今回もお世話になった海祐丸さんは、満船の8名を乗せて出港した。因みに出港前のクジ引きはいつものように、ビリッケツで、余った席=キャビン横ということであった。釣り座に関しては、アンカーを掛けるエサ釣りとは勝手が違うので全く見当が付かないから、何処でも良かったのだが、いつもの結果に苦笑いした瞬間だった。

●8名の釣り座●

 上述した仕掛けの他にもう一点テストするモノがあった。前回は結果的に貸し竿になってしまったので、今回は竿を新調していたのだ。
 持ち込んだのは、シマノのニューモデルである「ライトゲーム CI4 モデラート TYPE73 H255」という、竿だった。高感度かつ、しなやかな穂先と、ブリクラスの青物にも耐えるというバット部とを組み合わせた竿ということなので、この釣りには最適な設計になると思うが、果たして結果はどうなるのだろうか?(こういった新アイテムを試すのも釣りの楽しさの一つだ。)

●ニュー・ロッドは期待に応えるのか?●


■蚊帳の外■

 実釣り開始にあたっては、中型以上の青物が回遊していることから、ほとんどの釣り人が8号の枝ハリスで組まれた仕掛を選択したようなので、ボクもそれに倣って自作の同号数の仕掛を装着した。
 投入後、一番初めに小魚が掛かったのは、何とボクの仕掛のようだった。竿の感度も謳い文句通りで、前回に持ち込んだムーチングタイプでは判らなかった小アタリがすぐに判った。
 小魚が着いたので、早速”ゆっくり”を心がけて底まで仕掛けを降ろす。後は本命のアタリを待つのみだ。

 しかし、一流し目に本命のアタリがボクの竿を絞ることはなかった。そして二流し目以降、前後の釣り座では本命魚のアタリを捉え始めたが、ボクには、小魚は順調に掛かるものの、状況の変化はなかった。
 周りでは開始1時間後くらいまではそれぞれに釣果を得ていたようだが、ボクには本命がゼロ。そしてその後は潮の動きが悪くなって、魚全体に活性が落ちていった。
 と言うのにも根拠がある。当然ながら、小魚に活性があればプランクトンを追って活発に動くであろうし、本命魚に活性があれば、小魚は追い回されるので、密度が高まったり、上層に追い詰められることになるだろう。しかし、小魚が中~上層には浮上せずに、底から2m付近を薄く回遊していたからだ。

 それにしても、こんな状況下であっても、周りではポツポツと本命魚を掛けていたので、釣果ゼロの状況が長く続くとは思ってもみなかった。ここまで「対小魚」に関して、自作の仕掛、新調の竿とも余裕で合格点が与えられたが、本命が来ない以上、それ以上のことが判らないのは、何とも辛い。

 そんな中、海祐丸の船長さんは、少しでも活性の高い魚が居る場所を求めて移動を繰り返していた。

●最新機器を駆使して魚群を探す●

 
■ようやく…■

 ここまで3時間強が経過し、ボクの心に焦りが出てきた。
 「何処が悪いのだろうか?」と、思考は巡るが答えが出てこない。相変わらず小魚のみが順調に掛かる中、ようやくボクの竿が本命のアタリを竿が捉えた。
 だが、様子は変だった。たて釣りに限らず、小魚を活きエサとした釣りでは一連の流れがあって、それを説明すると、
①「エサの小魚に本命魚が迫ると、魚食魚に食われまいとして逃げようとする。=穂先がその振動を拾ってブルブルと大きめに震える。」→②「本命魚が小魚を咥える。=前アタリで穂先部が絞り込まれる。」→③「完全に小魚を飲み込んだ本命魚が走る=本アタリで竿が胴から絞り込まれる。」
 大体においてこんな感じだが、場合によっては②が無くていきなり③となることもある。
 しかし、この日最初のアタリは、変なアタリだった。②まで行った後に、食い込まずに穂先が元に戻ってしまうのだ。
 そんな前アタリ状態が2,3度繰り返されるだけで、一向に走らないことに業を煮やして、穂先が押さえ込まれるピークで半ば無理矢理にアワせてみると、これにようやく本命魚が掛かった。どうやら低活性の影響で、食った後に移動しない=居食いをしていたようだ。
 強烈と言える引きではないが、青物のソレと判断できた。しかし楽しむ時間は少なかった。途中で隣の人の仕掛けに絡んでしまい、哀れにも、マトモな抵抗ができずに上がってきたのだ。そして難なく取り込んだのはハマチの55cmクラスだった。
 

●3時間目の魚●

 何とも釣った気がしない展開にガッカリしながらも、ようやく得た本命魚の一つに胸をなで下ろす。

■大本命■

 ハマチの後は、またもや”個人的な”沈黙が続いたので、焦る一方だった。
 そんなボクの釣り座の前方に、好調に、しかも、大本命であるヒラメを数匹手にしていた釣り人が居たので、ポイント移動の際に思い切って訪ねてみることにした。すると、小魚を掛けた後にゆっくりと仕掛けを降ろして着底させるというところまでは同じだったが、そこから先が違うことに気付かされた。
 これまでのボクのイメージでは、昔やった船からのメバル釣りで覚えた方法、すなわちオモリが着底したら、少し底を切り、再びオモリが底に触れると少し切り、逆に「切りすぎたかな?」と思えば少し糸を出すことで、海底の隆起に合わせて「底をなめるような」意識で、流していた。しかし、聞くところによると、オモリが着底したままで、ほとんど底べったりの”ズル引き状態”だそうなのだ。
 そこで、次の流しからそのスタイルで攻めてみることにした。
 何度目かの流しの後に、ようやく前アタリが出るが、ハマチの際と同じで本アタリが全く出ない。そこで同様に無理矢理合わせてみると、これに本命魚が乗っていた。
 これまた何だか釈然としない展開になったが、早速やりとりに入る。だが、期待に反して、さしたる抵抗はないままに、相手はすんなりと浮上してしまった。確認すると小型のヒラメだったが、ようやくの大本命に胸のつかえが少しは下りる思いがした。

●40cm弱のヒラメ●

 そして、要領を得た後の、次のヒラメは早かった。だが、これまたアタリが渋く、前回同様の展開になった。

●今度は45cmほど●


■自作仕掛のメリット■

 昼、2時頃以降は明らかに食いは落ち、本命はおろか、小魚を掛けることにも苦労する場面も増えたが、それでも周囲に比較して同等もしくはそれ以上に、ボクの仕掛には小魚は掛かり続けていた。
 これで自作の仕掛が、上述したように”対小魚”面では市販仕掛と変わらぬ威力を発揮することが判ったが、本命、それも大型が掛からない以上は、強度面での評価ができない。だがその一方で、もう一つのメリットも確認できた。
 夕方になってこの日最後のポイントへ移動した時のことだ。さすがに夕マヅメだけあって、小魚の活性がやや上がり始めたが、それと共にやって来たのが、サゴシ(中~小型のサワラ)の群れだった。
 ご存じこの魚は歯が鋭く、ウマく口の周囲に針が掛かってくれないと、結構な太さのハリであっても切られることが多いのだが、この群れが回った時間帯は、ボクを含めた周囲では枝ハリスが無くなる場面を多く見かけた。そうなると、周囲では我慢してハリ数の減った仕掛をそのまま使用するか、全交換していたようであったが、ボクの場合は、あらかじめ後端をチチワにしてハリを結んでおいた、交換用の枝ハリスを持ち込んでいたので、現場で簡単に交換して、すぐに復旧させることができたのだ。

●50cm台のサゴシ(コイツが枝ハリスを切りまくる)●


■夕マヅメ■

 馴れぬこととは言え、この日一日にわたってモタつく間に、早、夕暮れが迫り、残すところ、数回の流しになった。
 やや焦りながらも、無事に小魚を掛け、ゆっくりと底まで仕掛を降ろした後は、オモリをズル引きする。そういった、この日の鉄則パターンに待望の前アタリが出た。
 この前アタリに合わせて穂先を送り込んでみたが、これまた一向に走らない。こんなことが2度続いたので、3度目は相手の動きに合わせて穂先を送り込んだ後に思い切ってアワセを入れてみた。
 このアワセに、本命魚がウマく乗ってくれた。引きからしてヒラメと予想できたが、竿が引き込まれてからのアワセではなかったので、スッポ抜けを心配して、やり取りは慎重になる。 

●ヒラメの引きを味わう●


 やがてぽっかりと浮上してきたのは、そこそこサイズのヒラメだった。

●55cmのヒラメ●

 ようやく食べ応えのあるサイズがゲットできて、胸をなで下ろしたが、非情にも次の流しがラストとなる。だが、その流しでは隣とオマツリする結果となり、それを解いている内に、終了時間を迎えた。


■次回に期待■

 恐らくこの日、一日を通じて潮の動きが悪かったのだと思うが、本命魚たちのアタリは渋いままであったし、仕掛の操作が間違っていた時間帯もあったので、ボク的にはポツリポツリの釣果で終わってしまった。しかし、他の釣り座では、ブリサイズに近いメジロやヒラマサ等も少数出ていたので、次回は是非それらを掛けて、仕掛の強度面でのメリットを確認してみたいものだ。因みに、この日の仕掛消費は7本だった。
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タテ釣りの仕掛 ~その2

2012-10-20 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
■「カラバリ仕掛」作りの手順■

 ここからは実際の手順を紹介しよう。

 まずはハリ結びから。ボクの場合は、渓流の極細はリスを結ぶ時を例外として、仕掛け作りを覚えた時から一貫して外掛け結びで結んでいる。(結び方は「http://www.seaguar.ne.jp/knot/page.jsp?mode=cover/harris/page/1」を参照)
 この結び方でいわゆるスッポ抜けを起こした記憶は皆無だが、それには少々コツがあって、それは「三段に分けて締める」ということになる。
 その流れは、「あまり耳の際ではない位置でハリに結び付けて一回目の締めは、端糸を歯でくわえたあと、右手で掴んだ本線を引きながら軽く締める。」→「締めた形に変な箇所がなければ、つば等でしめらせた後に耳の部分までズラして持って行く。」→「本線が耳の表側の定位置にあることが確認できたら、端糸を口で咥えたら右手で本線、左手でハリのフトコロを持ち、ハリを軸に対して90度方向に、摘んだフトコロを前後にねじりながら本締めをする。」→「最後に耳の裏側にある、結び目の際に爪を立ててハリを固定し、本線だけを強く引っ張って更に締める。(この時、端糸がクニュッと動くのを確認する。)=下写真を参照」これで結びが終わるのだが、この方法だと、ハリスが強く引かれても、巻き付けた部分が耳の部分にほとんどズリ上がってこないようになる。
 尚、馴れない人ほどハリの軸に巻く回数を増やしてしまうようだが、あまり巻き付け過ぎると締まり具合が悪くなって強度のバランスが崩れたりする他、耳上の本線に縮れが起きることがある。だから、ボクの場合は0.8号の細仕掛から、20号のマグロ仕掛まで全て4回しか巻かないようにしている。

●耳の裏側で爪を立てて、本線を引っ張っている様子●


●端糸を切れば完成●


 市販の仕掛けを調べてみると、枝ハリスの長さは7~15cm、枝ハリス同士の間隔(枝間)は25~35cm程度の範囲に収まっているようだ。制作するに当たっては好みのサイズを選べば良いが、今回は中庸な、枝ハリスが10cm、枝ハリス同士の間隔を30cmとして制作した。

 ハリの軸長が2cm、結びで縮む部分を考慮すると、先端が0になっている定規の場合であれば、先端にハリを掛けて15cmのところがベストの長さになるから、その位置でハリスに折り目をつける。

●定規に掛けて、折り目をつけた様子●

 そして、その折り目を頂点として8の字結びをするのだが、ここは一番負担の掛かるところなので、2回ひねりとした。

●2回ひねりの8の字結び●

 これが8本で1セット分。後は必要セット数分だけ作業を繰り返す。

●左=銀4本、右=金4本●


 次に幹糸部分の制作に入る。
 今回はハリスが8号だから、幹糸は1サイズ太い10号を使う。
 上端のサルカンから下端のサルカンまでの長さは30cmなので、サルカンを結節使用と思う部分に折り目を入れて、そこから30cm付近に大まかな目安をつけておく。折り目から先はサルカンに結ぶ際の結びしろになるので、少し余裕をとっておく必要がある。

●上端に折り目をつけて、大まかな間隔を見ておく●

 目安をつけた折り目から30cm付近に、添え糸として幹糸と平行にハリスで使っていた8号を添える。そしてその2本を一緒に8の字結び1回ひねりで結ぶ。

●添え糸と共に、8の字に軽く結んだ様子●

 最初は軽く締めるだけにしておいてから定規にあて、上から一つ目の結び目が29~28cmに来るように調節してから本締めをし、この段階では添え糸は切らないままでおく。

●本締めの前の計測●

 一つ目の結びから2~4cmの位置に同じ要領で、もう一カ所結び目を作る。そして、2つの結び目の中心が、最初に着けたサルカンを結ぶ目印の折り目から30cmの位置になるように調節してから添え糸と共に本締めをする。この段階で、二つの結び目の間が、10号の幹糸と8号の添え糸が平行になっていれば正解で、それが確認できれば両方の結び目から外側にある添え糸をカットする。

●結び目同士の間隔は2~4cmでOK●

 この段階で上から、サルカンの結びしろ(7~8cm)→折り目→幹糸のみの28~29cmの間→一つ目の結び目→添え糸との平行部(2~4cm)→二つ目の結び目→幹糸のみになっていれば良い。

 そして次の添え糸を添えた結び目の制作に取りかかる。ここも上部の2個の結び目と同じ要領で、8の字結びで挟まれた添え糸との平行部が2~4cmとし、その中心が、上部の結び目間の中心から30cmのところになるように調節しながら締め込んでゆく。

●結び目間の、中心同士の距離が30cm●

 同じ要領で、二つの8の字結びで挟まれた”二重線”の区間が8カ所できたら、オモリを装着するためのサルカンを結ぶ位置=最後の8の字結びから30cmの位置に折り目をつけ、結びしろを7~8cmとって、カットする。
 そして最後に上下のサルカンを結び終えると、幹糸の区間が完成する。

 因みにボクは、PEライン以外の糸をサルカンに結ぶ際には、その昔、釣りサンデーでよく紹介されていた”中井戸式最強結び”で結んでいる。この結びで、あらゆる太さの糸を30年以上に渡ってサルカンに結び続けてきたが、スッポ抜けた記憶はない。従って、非常に信頼性の高い結びとしてお勧めしておく。
 なお、結び方については下記ホームページを参照のこと。
http://blog.livedoor.jp/gonta48b/archives/2010-06.html?p=2

●最強結びで結んだ上下のサルカン●



 続いて枝ハリスを取り付ける。
 二つの8の字結びで挟まれた”二重線”の区間に、あらかじめ制作しておいた枝ハリスのチチワの部分にハリをくぐらせて通す。

●チチワにハリをくぐらせた様子●

 そしてゆっくりと枝ハリスを引っ張って、締めこんでゆく。

●締め込む寸前の様子●

 チチワの根本が十分に締まれば取り付けが完了。後はこれを計8カ所取り付けると仕掛け全体が完成する。

●枝ハリスを締め込んだ様子●

●ハリを金銀に分けている場合は交互に取り付ける●


 そして、輪にして巻き取り、防水パックに入れ、号数を書き込んで現地へ持ち込む。

●パック詰め後●

 「ハリスが短いので、絡みはすぐとれる」との判断で、ボクの場合はそのまま巻き取っているが、気になる場合は、仕掛け巻等で巻きとってからパックに入れても良いだろう。


■この仕掛けのメリット■

 この仕掛けのメリットの第一はコスト面であろう。概算ではあるが、1本あたり¥250程度に収まっているハズだ。
 また、強度面でもメリットは大きく、その点をあげてみると、
 1.チチワ結びは比較的強度が高いが、それが枝ハリスの付け根に使われている。
 2.結び目があれば、糸はそこから切れることが多いが、幹糸は添え糸を使って結ぶことで補強されている。
 3.ハリスを取り付ける部分が二重ラインで補強されている。
 4.グレードの高いハリスが使用できる。
といったところだろう。
 その他のメリットとしては、
 1.枝ハリスの付け根周りが二重ラインになっているので仕掛けが絡みにくい。
 2.後端をチチワにした枝ハリスを別に制作しておけば、トラブル時の交換が速攻でできる。
 3.小魚の大きさや活性に合わせたハリの選択も容易になる。
 4.枝ハリスの付け根がある程度フリーなので、ヨレが少しは緩和される。
という点もあげられる。
 と、理屈の上では”イイことずくめ”だが、肝心の魚が釣れなくてはどうにもならない。次回は久しぶりのたて釣りレポート共に、この仕掛の実釣での使用感をレポートする予定だ。「乞うご期待!」と言っておこう。
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タテ釣りの仕掛 ~その1

2012-10-13 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
■シケ続き■

 今秋始めたばかりの「タテ釣り」。一度の経験でその魅力にとりつかれ、二回目以降の釣行を楽しみにしていたのだが、いかんせんボクが予約を入れた週末を狙うかのように台風が到来し、それが収まったと思ったら今度は北からの強風が吹くという、荒天のサークルにはまり込んで、出船は中止続きだ。
 しかし、釣りに行けないからと言っても、悶々と過ごすのはもったいないから、ボクは、”来たる日”のために、自作の仕掛けを補充しておくことが多い。そこで今回はその仕掛け作りの話をするとしよう。


■市販仕掛けの現実■

 タテ釣りでは購入したエサをハリに刺すことはなく、エサ代はかからないが、エサとなる小魚をハリに乗せるために使う、サビキ仕掛けの消耗が結構激しい。
 その原因は「根掛かり・大型魚を掛けた際の過負荷・臨席する釣り人との”オマツリ”・魚が暴れて仕掛け自体が絡む」等、多岐にわたるから、損失数が「気付けば二桁」なんてこともあるようだ。サビキ仕掛けは1セットあたり¥500~¥700だから、一日の総額は¥5000~¥7000にものぼる。これでは、オキアミを丸一日撒いて釣る”完全フカセ釣り”よりも、結果的にコストが同等か、それ以上になってしまうのだ。
 仕掛けのコストを下げるには自作が一番。ボクの場合は小学校高学年から釣りを始めて以来、基本的に仕掛けは自作し続けてきたから、そうすれば良いのだが、ことサビキ仕掛けに関してはハリ数が多く、ハゲ皮等を装着する等、手間もかかるので、これまで二の足を踏んでいたのが現実だ。もっともこれまでであればサビキ=小物釣りであり、苦労の末に得るものが、アジ・サバ・イワシではヤル気自体が沸いてこなかったことも大きな理由だ。
 だが、初めて体験した、タテ釣りでは、ハゲ皮付き等は言わば小魚が食い渋った際のバリエーションであり、”カラバリ”という、キラキラと光るハリだけが着いた小魚を誘う仕掛けが基本だということを知った。当然、パーツの点数が減れば自作時の作業が楽になるし、当たり前のことだが、本命魚は大物が多く、こうなると俄然創作意欲が沸いてくる。
 また、実釣では大型魚に仕掛けを切られることが数回あったのだが、その際に仕掛けをチェックすると、ほとんどの場合で幹糸と枝ハリスの結び目から切られていた。どんな仕掛けであっても枝ハリスの結び目は弱点となるので、昔からその部分には様々な対策が施されているのだが、市販仕掛けの場合はコストの関係から使える結びが限られているようだ。また、コスト削減という面から言うと、グレードの低いハリスしか使えないのもボクには気に入らない点だった。
 そんなこんながあって、思い切って自作へと踏み切ることにしたワケである。


■タテ釣り仕掛けのパーツ■

 市販仕掛けを観察すると、タテ釣りで使用するハリは、軸がやや長めで、軸の部分が一~二段で平打ちされているモノが採用されているようだ。

●軸の平打ち部分が小魚を誘う●

 各社から販売されている、その手のハリを探していると、見つけたのがハヤブサ社の「喰わせW胴打」と、まるふじ社の「青物・ヒラメ」というハリだった。

●前段がまるふじ社製(左=銀、右=金)、後段がハヤブサ社製●

 市販の仕掛の7割程度は金銀を交互に結んでいるので、それに倣いたいところだが、まるふじ社製は両色が販売されているのに対して、ハヤブサ社製は銀(白とも言う)の一色展開になっているようだ。だが、銀一色の市販仕掛けも3割程度は存在するのだから、実用面では、これにこだわる必要はないのかも知れない。
 サイズは今のところ、ハヤブサは12号と14号、まるふじはS/M/Lの展開になっているようで、両社とも太いハリスを結んででもスッポ抜けないように、大きめの耳になっているが、溝を切ってハリスが廻らないよう工夫しているのはハヤブサのみだ。
 現在のところ現地で使用するハリスは8号がメインになっているようなので、8号ハリスで制作する場合、その号数を採用する市販仕掛けと観察した結果では、ハヤブサなら14号、まるふじならMサイズが適当と言えると思う。このあたりを標準として、結ぶハリスの太さや小魚の大きさに合わせるのがベストの選択になると思う。
 因みに、1本あたりの価格は¥17~¥25程度で、金バリの方が価格が高い。また、1本あたりの単価が下がる徳用パックも販売されているが、使用本数から考えれば、そちらを選ぶべきだと思う。

 枝ハリスはシーズン初期は5号前後、中期以降が8号前後で、大型の青物が回遊していれば10号以上を使用するということだから、今回は現況でメインになるであろう、8号の枝ハリスで制作してみた。
 枝ハリスが8号の場合、幹糸は一回り太い10号を使用する。よく考えてみるとこの辺りの号数は、リールに3号前後のPEラインを巻いた場合にクッション役として結ぶ、ショック・リーダーに使うので、それと共用すればよいだけのことだから、買い足す必要が無くて助かる。

●左が幹糸用の10号、右がハリス用の8号●


 仕掛け全体の上下端には接続のためにスナップ付きのサルカンを結ぶが、小魚が掛かった際には、ヨレることが多いし、本命が掛かかれば高負荷が予想されるから、上端にはよく回るタイプで、スナップが強力なモノを使用する。ボクの場合は仕掛けの上端にWタイプのインターロック・サルカンを使用するが、更によく回るように、道糸(リーダー)の先にボールベアリングを封入したサルカンを結んで、それに接続させている。そして下端は逆に、根掛かりの際に外れてくれるよう、普通のスナップ・サルカンを使用している。これらは通常の胴付仕掛から得たノウハウだが、恐らくたて釣りにも有効なハズだ。

●左が下端用、右が上端用●


 また、ダイワから販売されている「速攻8の字結び」
http://all.daiwa21.com/fishing/item/terminal_tackle/keiryu_te/sokkou8/index.html
というのがあれば、結び目の大きさが簡単に調整できるので、あると便利な小物として紹介しておく。使用法はホームページを参照して欲しいが、他社製の「八の字結び機」も販売されているから、この商品に限った話ではく、勿論、手指でも結べるから、必須というワケでもない。

●ダイワ社製「速攻8の字結び」●



以下、~その2に続く
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渓流 今期最終釣行

2012-10-06 12:30:00 | 渓流&管理釣り場での釣り
■渇水続きの渓流■

 9月に入り、禁漁までに1ヶ月を切った状態の中、何とか今期の最終釣行の機会が来るのを待ち続けていた。釣行先は富山県の久婦須川と決めてはいたのだが、インターネットで水位計をずっと追っていても、今までに見たことの無いような低い水位が続いていたので、ほとんど諦めの境地に入っていた。
 9月最終週の日曜日である30日。実は、この日も渓流釣りを諦めて、最近チャレンジを開始した「たて釣り」をしようと、予約まで入れていたのだが、台風17号の影響でそれが中止になった。しかし富山県の、この日の天気予報を確認すると、前日夜遅くから降りだした雨が、適度な小康状態を挟んで時間あたり1~2mm程度の量のままで当日の昼前まで続き、一旦上がった後に夕方以降に本格的な降雨になるというモノだった。
 それを受け、「本格降雨の前であれば、イイ状況になっているのでは?」との勝手な予測をたてて、一路、久婦須川を目指すことにした。

■大ハズレ■

 午前2時頃、現地に到着するが、意外にも雨が降った形跡はあるものの、現地の道路は既に乾き始めていた。しかし、台風17号が迫る中、「降らないワケはないだろう。」と楽観気味に仮眠をとる。そして午前5時に起床したのだが、様子は変わらず、イヤな予感が漂う中での準備になった。
 入る区間は勝手知ったる、いつもの位置だった。真夏のピーク時のままに生い茂る草木の中を藪こぎし、苦労の末に河原に降りてみると、昨夜来の微量な雨では回復することのなかった”渇水の渓”の様子が目に飛び込んできた。
 そして、苦戦するのが目に見えるような状態で実釣がスタートした。

 普段の渓相であれば、早朝のエサ場になる区間には、浅すぎる水深のために警戒したヤマメたちの姿は当然のようになかった。続いて比較的にだが、水深のある瀬脇の泡の下からようやくアタリをキャッチする。しかし、それはチビサイズからのモノであった。 

●この日の初ヤマメは16cmほど●

 同ポイントでは、パラパラとアタリがあったが、全てがチビ。諦めて上流へと向かう。

 次の区間は幅の広い瀬からの落ち込みが収束する部分で、昨年の同時期に大型の渓魚をバラした区間だ。しかし、水が少なく、昨年の渇水時よりも更にポイントの数が減って、狙うべき箇所は1~2しか残されていなかった。

●実質、この部分にしかポイントはない●

 しかも、ここまでは曇天の中での釣りであったのだが、雲から晴れ間が覗きだした。更に、台風からの風が蒸し暑く、9月末だというのにミンミンゼミまでもが鳴く始末。この状態は、渓流釣りにとって最悪だ。

●憎き晴れ間が…●


 とりあえず、ミミズでチビを数匹釣った後にエサをブドウ虫にチェンジ。それにようやくマトモなアタリがあって、少しだけだがマシな20cmのヤマメをゲットする。


●苦労の末の20cm●

 あまりの反応の鈍さに、「エサのせいかも?」と思い、川虫採取を始める。辺りで獲れる川虫はクロカワムシであったのだが、実際に使うと渓魚の反応は鈍かった。結果的にだが、最終区間での例外を除き、この日一日において、獲る努力に報われる釣果を得ることはなかったのは意外だった。

●期待ハズレのクロカワムシ●


■何にも無し■

 次なる区間は、用水路からの排水が淵に滝になって流れ込むところだ。ただし、この滝は人工なだけあって、人間の都合で時折止まることがあるので、その都度条件が変わる。
 度重なる不運の中、幸運にも滝は流れ込んでおり、周囲と比較すれば、この淵だけは水量があって条件は良いように思えた。

●滝が流れ込んでいる!●

 丁寧に淵尻のカケ上がりから攻め始める。しかし答えはチビヤマメ。淵の中間にある大石周りを攻める。ここでも答えはチビヤマメ。滝と流れがぶつかる周囲を攻める。またしてもチビヤマメ。最後に淵頭の流れ込みを攻めるが、結局全てがチビヤマメだった。

●チビヤマメしか居ない●


 最高サイズが20cmという貧果のままで、脱渓地点の堰堤付近のポイント群に到達する。この区間は普段の水量であれば、攻めるポイント数が多く、丁寧に攻めれば攻めるほどに釣果が伴ってくるのだが、やはり渇水の影響は大きくポイントたり得るところは5分の1以下になっていた。

●堰堤の周囲にも水は少ない●

 それでも、堰堤が魚止めになっているから、秋の産卵を控えた大型が少しは遡って来ているだろうし、当日の条件では水量もある方だ。故に少しは期待が膨らんだが、元より上空が開ける場所だけに、時折陽射しが射す中での、この水深では魚をストックする場所にはなり得ず、とうとう堰堤直下までマトモな魚を得ないままに終わった。


●またもやのチビヤマメばかり●


■台風の迫る中■

 一旦車に戻って、念のために各地の天気予報をチェックする。結果、滋賀県辺りまでは大雨の警報が出ていたので、「タイムリミットは1時間ほどだろうか?。」との予測をたてた。
 とにかく納得サイズを得るため、ピンポイント的に一カ所だけに入ることを決意し、下流のポイントを目指した。
 上空の黒雲に注意しながら、途中のポイントは捨てて淵へと直行する。ブドウ虫は既に尽きていたので、ここではミミズと、ここまで結果の出ていなかったクロカワムシを交互に刺し替えて攻めてみた。

●最後の淵●


 数頭目、意外にも不調だったクロカワムシに、目印の変化と共にゴツンッ!としたアタリが出た。同時に、久しぶりの良型らしいアタリに期待に胸が膨らむ。しかしアタリに反して抵抗感は少なく、さしたる感動はなかった。
 そして難なく取り込んだのは、この日最長寸のヤマメだった。
●23cmのヤマメ●


 続いてミミズで20cmをゲットするが、以降はチビばかりになる。そしてそのアタリすら途絶え始めたと共に、やや大粒の雨が降り始めた。
 そして「長居は無用」とばかりに、逃げ帰るように久婦須川を後にした。

 しかし、地獄はここから始まった。帰路は紀伊半島から北西に進む台風17号に向かっての進路だったのだ。当然予測はしていたが、猛烈な風雨の中、三カ所も「起こしたて」の事故を目撃し、そのうち一カ所は追突しそうになるのをすんでの所でかわして何とか北陸、名神の高速道を走り抜けた。まさに、「這々の体(ほうほうのてい)」で帰宅することになったのだ。


■シーズンを振り返って■

 この日を振り返るため帰宅後に、インターネットで久婦須川の水位計をチェックした。すると、ものの見事にボクが居た間には渇水のままで変化がなく、夕刻以降に一気に水位が倍以上になった模様だ。
 「この増水が治まれば、一気に食いが上向く」とは判ってはいるが、もう時間切れ。来年に期待するしかない。
 今シーズンは初期段階で沖釣りに目が奪われたことと、夏以降は超渇水のために釣行機会が激減して、ついに尺オーバーを得ることができなかった。この件に関しては当然納得はしていないので、来シーズンはもっと釣行機会を増やすつもりだ。そのために、もう少し近畿圏に近い新たなフィールドにも向かうことを考えている。そして今から他人様のブログ等を眺めてデータ取りし、計画を練っている最中だ。


コメント (2)
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