あまり時間がないので…
完全フカセの合間にチャレンジし続けている、経ヶ岬沖のクエ釣り。昨年の1月に5kgという、最小クラスを釣って以降"音沙汰なし”のまま、苦しい釣行が続いていた。
乗船したのは、舞鶴ではこの釣りのパイオニアである、第八十八大海丸さん。この日も熱心な釣り人達が集っていた。
ここでの釣りでエサとなるのは、いつでも手に入る(とは言え、最近は品薄で高価だが…)冷凍スルメイカが基本だが、出来れば現地調達出来るイカ類であるところの、白イカやアオリイカの活きエサがあればアピール度が増すのは言うまでもない。
だが、秋の終盤は白イカがほとんど釣れないので、生きエサはアオリイカがメインになる。
とりあえずサシエサに冷凍スルメイカを刺してドボンと入れた後は、その隣でせっせとエギでアオリイカを狙った。
アオリイカはアクションも重要だが、カラー選択も重要。当日は小魚を狙っているのが見えたので、アジカラー(ブラウン&ゴールド系)、3号サイズのエギを使用した。
これがこの日のお気に入りらしく、この色を使っていたボクだけがアオリイカを掛け続けられた。(トータル8ハイ)
1パイ目のアオリイカは小さめだったが、それまでのスルメイカから刺し直して仕掛を投入。
だが、次の2ハイ目は大きく「エサの大きさ=魚の大きさ」の目論見で、それに交換。外した小さい方は隣におすそ分けしたのだが、しばらく後、そのおすそ分けにクエが喰らいついた。サイズは5kgクラスだが、「うらやましい」の一言だった。
対してボクのアオリイカは全く食われる気配がなかった。そして時間だけがどんどん過ぎてゆくが、「どうせ本命が釣れないなら、このアオリイカは持ち帰って食ってしまった方が…。」なんて弱気になっていた。
やがて60号のオモリでも安定する程度だった潮が流速を増して、100号でも竿と道糸との角度が鈍角になるように変化していった。
そんな中にあっても、相変わらずボクのアオリイカは喰われる気配もなく、何度かのチェックを経ても元気なままの様子から、「あまりに勢いがあるので、喰い辛いのか?。」と思い始めていた。そして泳ぐ範囲を狭めるためにハリスを短くする事を考え始めていた。
隣に確認すると、先ほどのクエもハリスの途中に編み込みで捨て糸を入れて見かけ上の長さを詰めた仕掛で仕留めていたそうなので、「やはりそうか。」と、ここで仕掛の変更を決意した。
だが、ただ短くするのではなく、一つ工夫を加えた、ハリスにイシダイ釣り用の小型パイプ天秤を通した「半遊動」タイプの仕掛に交換した。
このタイプだとハリスがパイプを通り、上部のサルカンが天秤に当たるまでの間がフリーになるので、前アタリが出た際に伝わる感度が向上し、本アタリが出るまで相手に違和感なく竿先を送り込むめる。これが最近多いと言われている、喰い逃げや喰い渋り対策に繋がるとの読みだった。尚、捨て糸の長さは1mとし、ゴム管とカラマン棒で留めたハリスの長さは30cmとした。
変更した仕掛を投入後は、クエと同じ底物の、昔にやっていた磯のイシダイ釣りでの経験を生かし、速まった潮に乗せ、オモリの落ち具合で底の地形を探ってみる事にしたが、その結果、どうやら釣り座の前に大岩があるように思えた。そこで、その大岩の反対側に落とし込んでみようと、オモリをそれまでの100号から80号に交換してみる事にした。
軽くした仕掛けを着底後に持ち上げて少しラインを送り出して潮に乗せてみると、目論見通りに反対側の岩肌を転がり落ちるコトコトという感触がロッドを持つ手に伝わった。
「ウマく大岩の反対側に仕掛が入った。」と思った次の瞬間、コトコトが「ゴツンッ!」と、生命感のある手応えに変わる。そこですかさず、昔覚えたイシダイの南方宙釣りの要領で更に竿先を送り込んでやると、魚の走る感触が伝わった。
走りが竿の胴に乗ったのを確認してからアワセを入れたが、これがバッチリと決まった。
「そこからは更なる衝撃と共に、超弩級の締め込みが…」と書きたいところだが、現実は、そこそこの抵抗感を味わいながらも、57歳のオッサンのポンピングは止められる事無く、順調に距離が詰まっていった。
そして難なくリーダーが手繰られて船長の持つギャフにてフィニッシュ。相手は食べ頃と言われる、九州では“コアラ(小アラ)ちゃん”とも呼ばれるサイズのクエだった。
本命ゲットに喜んだが、前回は船長の掛けた28kgにギャフ入れし、その重みを知っているだけに、満足できたワケではない。
その後も更なる大型を狙うべく努力は惜しまなかったが、気付けば掛かり続けていたアオリイカも消えて海から活性感の伝わらない状況になり、そのまま納竿時間を迎えた。
半遊動仕掛に効果があったのかは「クエのみぞ知る」だから、定かではないが、少なくとも仕掛選択やアタリから取り込みまでの一連の動作といった、ボクが昔やっていた底物釣りの知識が大事な場面で生かされたのは確かであり、その面では「ダテに年を取っていないな。」と、自己満足の世界に浸れた事がキモチ良かった。
誰もが知るところだが、秋の深まりと共に日本海側は荒れる日が増え、釣行機会が減るが、まだまだ釣り人の攻めに応えてくれる海である事は確だ。ボクも年内はまだ何度か攻めるつもりだ。
「目指せ30kg!」と、目標は大きくしておこう。
完全フカセの合間にチャレンジし続けている、経ヶ岬沖のクエ釣り。昨年の1月に5kgという、最小クラスを釣って以降"音沙汰なし”のまま、苦しい釣行が続いていた。
乗船したのは、舞鶴ではこの釣りのパイオニアである、第八十八大海丸さん。この日も熱心な釣り人達が集っていた。
●並ぶ剛竿●
ここでの釣りでエサとなるのは、いつでも手に入る(とは言え、最近は品薄で高価だが…)冷凍スルメイカが基本だが、出来れば現地調達出来るイカ類であるところの、白イカやアオリイカの活きエサがあればアピール度が増すのは言うまでもない。
だが、秋の終盤は白イカがほとんど釣れないので、生きエサはアオリイカがメインになる。
とりあえずサシエサに冷凍スルメイカを刺してドボンと入れた後は、その隣でせっせとエギでアオリイカを狙った。
アオリイカはアクションも重要だが、カラー選択も重要。当日は小魚を狙っているのが見えたので、アジカラー(ブラウン&ゴールド系)、3号サイズのエギを使用した。
●定番のアジカラー●
これがこの日のお気に入りらしく、この色を使っていたボクだけがアオリイカを掛け続けられた。(トータル8ハイ)
●エサのアオリイカ●
1パイ目のアオリイカは小さめだったが、それまでのスルメイカから刺し直して仕掛を投入。
だが、次の2ハイ目は大きく「エサの大きさ=魚の大きさ」の目論見で、それに交換。外した小さい方は隣におすそ分けしたのだが、しばらく後、そのおすそ分けにクエが喰らいついた。サイズは5kgクラスだが、「うらやましい」の一言だった。
対してボクのアオリイカは全く食われる気配がなかった。そして時間だけがどんどん過ぎてゆくが、「どうせ本命が釣れないなら、このアオリイカは持ち帰って食ってしまった方が…。」なんて弱気になっていた。
やがて60号のオモリでも安定する程度だった潮が流速を増して、100号でも竿と道糸との角度が鈍角になるように変化していった。
そんな中にあっても、相変わらずボクのアオリイカは喰われる気配もなく、何度かのチェックを経ても元気なままの様子から、「あまりに勢いがあるので、喰い辛いのか?。」と思い始めていた。そして泳ぐ範囲を狭めるためにハリスを短くする事を考え始めていた。
隣に確認すると、先ほどのクエもハリスの途中に編み込みで捨て糸を入れて見かけ上の長さを詰めた仕掛で仕留めていたそうなので、「やはりそうか。」と、ここで仕掛の変更を決意した。
だが、ただ短くするのではなく、一つ工夫を加えた、ハリスにイシダイ釣り用の小型パイプ天秤を通した「半遊動」タイプの仕掛に交換した。
このタイプだとハリスがパイプを通り、上部のサルカンが天秤に当たるまでの間がフリーになるので、前アタリが出た際に伝わる感度が向上し、本アタリが出るまで相手に違和感なく竿先を送り込むめる。これが最近多いと言われている、喰い逃げや喰い渋り対策に繋がるとの読みだった。尚、捨て糸の長さは1mとし、ゴム管とカラマン棒で留めたハリスの長さは30cmとした。
●ハリスに小型テンビンを通した半遊動仕掛●
変更した仕掛を投入後は、クエと同じ底物の、昔にやっていた磯のイシダイ釣りでの経験を生かし、速まった潮に乗せ、オモリの落ち具合で底の地形を探ってみる事にしたが、その結果、どうやら釣り座の前に大岩があるように思えた。そこで、その大岩の反対側に落とし込んでみようと、オモリをそれまでの100号から80号に交換してみる事にした。
軽くした仕掛けを着底後に持ち上げて少しラインを送り出して潮に乗せてみると、目論見通りに反対側の岩肌を転がり落ちるコトコトという感触がロッドを持つ手に伝わった。
「ウマく大岩の反対側に仕掛が入った。」と思った次の瞬間、コトコトが「ゴツンッ!」と、生命感のある手応えに変わる。そこですかさず、昔覚えたイシダイの南方宙釣りの要領で更に竿先を送り込んでやると、魚の走る感触が伝わった。
走りが竿の胴に乗ったのを確認してからアワセを入れたが、これがバッチリと決まった。
「そこからは更なる衝撃と共に、超弩級の締め込みが…」と書きたいところだが、現実は、そこそこの抵抗感を味わいながらも、57歳のオッサンのポンピングは止められる事無く、順調に距離が詰まっていった。
そして難なくリーダーが手繰られて船長の持つギャフにてフィニッシュ。相手は食べ頃と言われる、九州では“コアラ(小アラ)ちゃん”とも呼ばれるサイズのクエだった。
●6.54kg●
本命ゲットに喜んだが、前回は船長の掛けた28kgにギャフ入れし、その重みを知っているだけに、満足できたワケではない。
その後も更なる大型を狙うべく努力は惜しまなかったが、気付けば掛かり続けていたアオリイカも消えて海から活性感の伝わらない状況になり、そのまま納竿時間を迎えた。
半遊動仕掛に効果があったのかは「クエのみぞ知る」だから、定かではないが、少なくとも仕掛選択やアタリから取り込みまでの一連の動作といった、ボクが昔やっていた底物釣りの知識が大事な場面で生かされたのは確かであり、その面では「ダテに年を取っていないな。」と、自己満足の世界に浸れた事がキモチ良かった。
誰もが知るところだが、秋の深まりと共に日本海側は荒れる日が増え、釣行機会が減るが、まだまだ釣り人の攻めに応えてくれる海である事は確だ。ボクも年内はまだ何度か攻めるつもりだ。
「目指せ30kg!」と、目標は大きくしておこう。