〜中型電動リール漂流記・その3「ダイワをイジる編」は、まだ現場での実験を終えていないので、掲載出来ない。従って今回は番外編の「クーラーボックス改造編」。
ボクは今迄にクーラーボックスは保冷力が高くてコストパフォーマンスが優秀なIgloo(イグルー、昔の呼び名ははイグロー)社製を多く愛用?してきたが、「アオモノがスッポリ入る」が謳い文句の国内メーカー製品とは縦横高さ比が違い、長手方向を確保すると、かなり背が高くなってしまうという欠点があったので、車載時に苦労する場面があった。
とは言え国内メーカー製品で保冷力の高いモデルは高価なので、なかなか買う気にはなれずにいたのだが、保冷力が下がる事に目をつむるのなら、安価で手に入る製品もあって、その代表格が伸和のホリデーランドクーラー76Hだ。
かく言うボクも一つ所有していて、一時期は使用していた事もあるのだが、夏場の、例えば玄達瀬への釣行時だと「水氷(みずごおり)」と呼ばれる、海水を注ぎ入れる方法で釣魚を冷やすので、保冷力の低いこのクーラーボックスでは氷の消費が激しい。それこそ「いくら氷があっても足りない。」事になるので、釣行では僅かしか使わず、殆どBBQ時のビール冷やし専用になっていた。
だが最近、何気にクーラーボックスについてのネット情報を調べていた際に、このホリデーランドクーラーの改造方法が紹介れている事に気付かされた。それも結構な数の人がそれにチャレンジしているようだ。
このクーラーはプラスチック製の外壁と内壁の間に普通の発泡スチロール(発泡ポリスチレン素材)が挿入された構造になっているが、ぎっしりと入っているワケではなく、やや隙間があって、断熱素材自体の性能と、その隙間が保冷力が引き出せない原因のようだ。
数あるサイトを調べると、改造方法には何種類かあるのだが、代表的なのは純正のポリスチレンを取り去ってウレタンフォームを注入する方法と断熱シートを貼る方法だった。
一般的な断熱素材の中では熱伝導率が最も低いウレタンフォーム(発砲ウレタン)が最優秀だが、これを素人が隅々までムラなく注入するのは難しく、入れすぎると膨らむ際の圧力でクーラーボックスの内外壁が変形してしまうようだ。そのため、今回は失敗の少ない断熱シートを貼る方法を採用した。
但し、ただ入れるだけなら他の人の紹介しているのと代り映えしないので、取り立てて紹介する迄もない話になってしまう。だからボク流として、他の人が試していないような、分厚く、高性能を謳っている断熱シートの挿入にこだわって制作する事にした。
まずは用意する物から。
用意の第一は断熱シートになるが、これは様々なルートで販売されている。だが基本構造は、断熱層となる発砲ポリエチレン等の、シートの上に、反射材となるアルミのシートを貼り付けたモノなので、ほぼ同じになる。
但し、厚みにはかなりの開きがある。普通に購入出来る中で最厚なのば、キャンプコーナーで売られている、いわゆる「銀マット」で、8mm以上あるが、これらはクーラーボックス内の、既存の断熱材との隙間に入る厚みではないため、使用不可となる。
最薄は100均物で、1~2mm程度、厚みがはっきりしないのは発砲ポリエチレン層の密度が低く、簡単に押しつぶされてしまうからだ。そして中間がホームセンターで販売されている物で、これは暖房用品コーナーや風呂用品コーナーに並んでいる。
散々迷ったが、ホームセンターの風呂用品コーナーで見つけた物が厚み=4mm、しかも断熱層がしっかりしていて潰れ難く、謳い文句も高性能なため、これを採用した。
その他は、断熱シートを貼るためのアルミテープくらいだが、画像に写るウレタンフォームは、「どこかに、シートか貼り付け難い箇所があれば使うつもりだったが、結局は使わずじまいだったので、除外してイイ。
■手順■
改造の手順だが、まずは、各所に打たれている、タッピングスクリューを外す事から始まる。
パッキンの裏にもタッピングスクリューは隠れているから、パッキンを引き抜いてから外す。
使用上の注意事項が書かれたステッカー裏にもタッピングスクリューが隠れているから、それを剥がして外す。
バックルを留めているタッピングスクリューを外す。
水抜き栓は開栓して脱落防止索を外し、栓本体は内側方向に押し出して外す。
フタの内壁を外す。
本体から断熱材を抜き取る。
断熱材には、6か所脚部に入る突起が出ているので、カッターで削って、あらかじめ本体側に入れてアルミテープで止めておく。〈そうしないと、元に戻す際に入り切らず、苦労する。〉
断熱シートはアルミ側を外側に向けて敷き詰めて、タッピングスクリューで留め直す。
本体の断熱材にアルミシートを外側にした断熱シートをアルミテープで貼ってゆく。
すべて貼り終わったら、元に戻してタッピングスクリューで留め直す。
貼り付け作業までは、簡単だったが、本体に戻す作業は4mm厚の断熱シートではスペースに余裕がなく、かなり苦労した。何とかギリギリで押し込む事に成功したものの、楽に詰め戻したいのなら、普通に各サイトで紹介されている2mm厚程度に抑えた方が良かったのかも知れない。だが、厚みは氷の持ちと正比例するので、頑張って詰め戻した甲斐はあると思う。
各サイトで確認すると、100均で揃えた断熱シートでも3割ほど氷の持ちがよくなるようだから、4mm厚バージョンの期待は大きい。但し、ボクの場合、このクーラーボックスは真夏の玄達瀬釣行では使用しないので、極限時の能力は判らずじまいになる。しかし、性能が上がった分だけ持ち込む氷の量が減らせるのは有難いし、サイズ的には白石グリや鷹巣沖釣行時にはジャストだから、2軍行きだったこのクーラーもこれから1軍へと復帰する事になる。