■丹波紅葉三山へ■
秋に入って以降、釣果が好調な日本海側の釣り船に何度も予約を入れていたのだが、初秋は週末を狙ったかのように台風が近付き、中秋以降、それが収まったかと思えば今度は冬型気圧配置となって、シケが続いて出船中止が相次いでいた。だから、ここ3ヶ月で2回しか竿を出していない。
しかし、冬型であれば近畿中部以南では大概晴れになることが多いので、ただ家でジッとしているのももったいなく、週末ごとに日帰り小旅行を繰り返しているが、今回は前回の丹波地方への小旅行記事で触れていた、丹波三山へ向かった。この三山は別名「丹波紅葉三山」とも呼ばれるだけあって、紅葉の名所であるらしい。まさに晩秋の、「紅葉真っ盛り」を期待しての訪問になった。
■高源寺■
今回訪問した三山の中で最北に位置する高源寺へと、まずは車を走らせた。しかし、いくら冬型とはいえ、北に行けば行くほどこの時期は天気が悪くなるわけで、舞鶴若狭道を走っていると、その様子は刻一刻と手に取るように判る。そして、春日インターチェンジから春日和田山道に入った頃からは明確に雨模様となった。
そして、高源寺に到着するが、文字通り「足下の悪い中」での参拝になった。
京都、滋賀その他にある、大寺院以外へ行くことは、これまでほとんど無かったのだが、この高源寺は規模が大きく、伽藍として一通りの施設が整っていることは意外だった。
まずは惣門をくぐって奥へと向かう。
前日来の雨に打たれ、散っているモミジの量が多くて心配されたが、奥へ向かうごとに色彩が増えてゆく。そして、多宝塔を見上げる位置まで来ると、素晴らしい景観が広がっていた。
ガスがかかり気味、「散り初めし」という状態とが重なって、極彩色と言うほどではなかったのが残念だったが、それでも満足できる状態だった。
■園通寺■
次なるは園通寺。高源寺からだと10分ほど車を走らせた位置にあるのだが、いかんせん駐車場が狭いため、近くに到達してから駐車場に入るまで、約30分の待ち時間があった。
しかし、待った甲斐はあった。北向きに開ける高源寺に対してこちらは南向きのせいか、幾分遅く紅葉が始まっているようで、状態はこちらの方が良かったのだ。
参道から色づいた木々が左右から迫り、高源寺で見た物よりも間近で見られるせいか、迫力すら感じる。中でも池の畔の景観は素晴らしかった。
規模は小さく、こぢんまりとした寺院だが、それが何となくキュートな雰囲気を醸し出していてなかなか好印象だった。
■石龕寺■
園通寺を後にして向かったのは、石龕寺(せきがんじ)だった。ここへは、駐車場待ちによる渋滞防止のため、下部にあるJA関連の駐車場その他から出る、シャトルバスによるアプローチに限られている。
他の二山とは少し離れた一番南に位置するだけに、ここも参道から紅葉はベストに近い状態であった。
中でも、惣門をくぐったあたりの紅葉は見事だった。
奥へ進むと更に密度が高まって紅葉感(?)はピークへと向かうのだが、少しばかり問題があった。
実はこの石龕寺、室町将軍足利家、それも二代将軍義詮(よしあきら)に縁があるということなので、その解説が仁王門横にある大スピーカーから発せられるのだが、それのみならまだしも、そのBGMが”ド演歌調”のテーマソングであり、これが解説の終了と共に音量が増すのだ。その耳について離れないような曲調に乗って流れる珍妙な歌詞「よ~し~あ~き~ら~」は、大音響となって谷にこだまし、紅葉見物の雰囲気には全くそぐわない。
残念な雰囲気の中、境内を巡り、その後山を下ったが、少し時間が余ったので、篠山方面にある、気になっていたもう一寺を訪ねることにした。
■+1の、洞光寺■
篠山市内を抜け、しばらく東へ走ったところにあるのが、洞光寺(とうこうじ)という寺だ。
時間は夕暮れに近くなっていたが、なんとか滑り込みで境内に入ることができた。
惣門をくぐった後、目に飛び込んできたのが、これまでの人生で見た中では一番の紅葉風景だった。
その、あまりの美しさに立ち尽くし、驚きと共に、ただただ見入るばかりであった。
しばし呆然とした後、境内奥へと進む。この寺では訪ねたタイミングが良かったのか、落ち葉までもが美しい。
残り福とはよく言った物で、時間が余ったついでに立ち寄った寺が、こんなに美しいとは思ってもみなかった。こぢんまりとした境内を隈無く散策し、あれこれ迷った挙げ句、最適の構図を探し出して、そこで納得の写真を撮影する。
そして、その後は、見飽きるまで眺めを堪能して、この寺を後にした。
■三山+1を巡って■
今まで、紅葉見物と言えば、誰もが知る「京都・滋賀・奈良」に向かうことが多かった。当然、そういったメジャー処は紅葉がピークになると、全国から押し寄せる観光客で大混雑は避けられない。そのため、「まだ早い」とは判っていても、ボクら夫婦は、言わば先取りして見ていたのだが、丹波路の古刹はそういった混雑感もなく、快適に鑑賞することができた。勿論、訪問当日は朝から時折パラつく雨模様の天気の影響があったかも知れないが、それでも京都市内などの有名どころと比較すれば雲泥の差だと思う。いずれにせよ「穴場か?」と人に聞かれれば、「その部類に入ると思う。」と応えるほどの人出でしかなかった。
大伽藍ではない分、一寺あたりで見る箇所は少ないが、参拝時間が掛からないことを逆利用して数を稼げば、それぞれの作りに違いを感じて楽しめる、そんな丹波路の寺院群であった。
尚、今回訪問した四寺では、まだ青い葉が一部に残っていたから、12月初旬までなら鑑賞可能のように思えた。勿論これは素人判断なので、出発前の確認が必要になるが、もし散っていないとすれば、どなたにもお薦めしたい紅葉スポットだ。
秋に入って以降、釣果が好調な日本海側の釣り船に何度も予約を入れていたのだが、初秋は週末を狙ったかのように台風が近付き、中秋以降、それが収まったかと思えば今度は冬型気圧配置となって、シケが続いて出船中止が相次いでいた。だから、ここ3ヶ月で2回しか竿を出していない。
しかし、冬型であれば近畿中部以南では大概晴れになることが多いので、ただ家でジッとしているのももったいなく、週末ごとに日帰り小旅行を繰り返しているが、今回は前回の丹波地方への小旅行記事で触れていた、丹波三山へ向かった。この三山は別名「丹波紅葉三山」とも呼ばれるだけあって、紅葉の名所であるらしい。まさに晩秋の、「紅葉真っ盛り」を期待しての訪問になった。
■高源寺■
今回訪問した三山の中で最北に位置する高源寺へと、まずは車を走らせた。しかし、いくら冬型とはいえ、北に行けば行くほどこの時期は天気が悪くなるわけで、舞鶴若狭道を走っていると、その様子は刻一刻と手に取るように判る。そして、春日インターチェンジから春日和田山道に入った頃からは明確に雨模様となった。
そして、高源寺に到着するが、文字通り「足下の悪い中」での参拝になった。
京都、滋賀その他にある、大寺院以外へ行くことは、これまでほとんど無かったのだが、この高源寺は規模が大きく、伽藍として一通りの施設が整っていることは意外だった。
●境内の略図●
まずは惣門をくぐって奥へと向かう。
●惣門●
前日来の雨に打たれ、散っているモミジの量が多くて心配されたが、奥へ向かうごとに色彩が増えてゆく。そして、多宝塔を見上げる位置まで来ると、素晴らしい景観が広がっていた。
●高源寺、多宝塔前に広がる紅葉風景●
ガスがかかり気味、「散り初めし」という状態とが重なって、極彩色と言うほどではなかったのが残念だったが、それでも満足できる状態だった。
■園通寺■
次なるは園通寺。高源寺からだと10分ほど車を走らせた位置にあるのだが、いかんせん駐車場が狭いため、近くに到達してから駐車場に入るまで、約30分の待ち時間があった。
しかし、待った甲斐はあった。北向きに開ける高源寺に対してこちらは南向きのせいか、幾分遅く紅葉が始まっているようで、状態はこちらの方が良かったのだ。
●パンフレット●
参道から色づいた木々が左右から迫り、高源寺で見た物よりも間近で見られるせいか、迫力すら感じる。中でも池の畔の景観は素晴らしかった。
●池の畔●
規模は小さく、こぢんまりとした寺院だが、それが何となくキュートな雰囲気を醸し出していてなかなか好印象だった。
●落ち葉もまた美しい●
●境内の紅葉●
■石龕寺■
園通寺を後にして向かったのは、石龕寺(せきがんじ)だった。ここへは、駐車場待ちによる渋滞防止のため、下部にあるJA関連の駐車場その他から出る、シャトルバスによるアプローチに限られている。
他の二山とは少し離れた一番南に位置するだけに、ここも参道から紅葉はベストに近い状態であった。
●参道の様子●
●見上げても真っ赤●
中でも、惣門をくぐったあたりの紅葉は見事だった。
●仁王門を抜けてすぐの紅葉●
奥へ進むと更に密度が高まって紅葉感(?)はピークへと向かうのだが、少しばかり問題があった。
実はこの石龕寺、室町将軍足利家、それも二代将軍義詮(よしあきら)に縁があるということなので、その解説が仁王門横にある大スピーカーから発せられるのだが、それのみならまだしも、そのBGMが”ド演歌調”のテーマソングであり、これが解説の終了と共に音量が増すのだ。その耳について離れないような曲調に乗って流れる珍妙な歌詞「よ~し~あ~き~ら~」は、大音響となって谷にこだまし、紅葉見物の雰囲気には全くそぐわない。
●本殿界隈の一角●
残念な雰囲気の中、境内を巡り、その後山を下ったが、少し時間が余ったので、篠山方面にある、気になっていたもう一寺を訪ねることにした。
■+1の、洞光寺■
篠山市内を抜け、しばらく東へ走ったところにあるのが、洞光寺(とうこうじ)という寺だ。
時間は夕暮れに近くなっていたが、なんとか滑り込みで境内に入ることができた。
●中華風の惣門●
惣門をくぐった後、目に飛び込んできたのが、これまでの人生で見た中では一番の紅葉風景だった。
●池畔の見事な紅葉●
その、あまりの美しさに立ち尽くし、驚きと共に、ただただ見入るばかりであった。
しばし呆然とした後、境内奥へと進む。この寺では訪ねたタイミングが良かったのか、落ち葉までもが美しい。
●切り株に落ち葉●
残り福とはよく言った物で、時間が余ったついでに立ち寄った寺が、こんなに美しいとは思ってもみなかった。こぢんまりとした境内を隈無く散策し、あれこれ迷った挙げ句、最適の構図を探し出して、そこで納得の写真を撮影する。
●当日のベストショット●
そして、その後は、見飽きるまで眺めを堪能して、この寺を後にした。
■三山+1を巡って■
今まで、紅葉見物と言えば、誰もが知る「京都・滋賀・奈良」に向かうことが多かった。当然、そういったメジャー処は紅葉がピークになると、全国から押し寄せる観光客で大混雑は避けられない。そのため、「まだ早い」とは判っていても、ボクら夫婦は、言わば先取りして見ていたのだが、丹波路の古刹はそういった混雑感もなく、快適に鑑賞することができた。勿論、訪問当日は朝から時折パラつく雨模様の天気の影響があったかも知れないが、それでも京都市内などの有名どころと比較すれば雲泥の差だと思う。いずれにせよ「穴場か?」と人に聞かれれば、「その部類に入ると思う。」と応えるほどの人出でしかなかった。
大伽藍ではない分、一寺あたりで見る箇所は少ないが、参拝時間が掛からないことを逆利用して数を稼げば、それぞれの作りに違いを感じて楽しめる、そんな丹波路の寺院群であった。
尚、今回訪問した四寺では、まだ青い葉が一部に残っていたから、12月初旬までなら鑑賞可能のように思えた。勿論これは素人判断なので、出発前の確認が必要になるが、もし散っていないとすれば、どなたにもお薦めしたい紅葉スポットだ。