■10年振りの新車■
紆余曲折、色々あってウチにエクストレイルという車が新車でやってきたということは、以前このブログで紹介した。振り返れば、それ以前に乗っていたE50エルグランド・ディーゼルは5年落ちの中古車であり、新車となれば、それ以前のボンゴ・フレンディー以来であるから、約10年振りの新車である。
基本設計から言えばE50エルグランドは1997年になるが、僕が乗っていたのは2000年のマイナーチェンジ直後のモデルだった。現在のエクストレイルは発売3年目にあたる今年、マイナーチェンジが入ったばかりなので、これまたちょうど10年の差がある。だから、時代差は当然ながら大きく、驚くことばかりだ。
●2010年式 X-TRAIL 20X●
■燃費計■
最新?装備の中でも一番感心したモノが、燃費計だ。
●これが燃費計●
上写真に写っているのがバーグラフが瞬間燃費計だが、この使いこなしが面白い。
まず、この燃費計を常時点灯させる状態にして実際に車を走らせるのだが、バーグラフ上にある◆マークに注目して欲しい。上写真の状態であれば、この時点での平均燃費はバーグラフ右上にある8.2(km/L)で、バーグラフ上では◆マークの位置ががそれにあたる。走行時には、このバーグラフに時々目をやって、◆マークよりも右側にバーが伸びるようにアクセルワークをしていれば、自ずと燃費が伸びてゆくのだ。そして計器のモードを切り替えると、それまでの走り方であれば、航続距離=あと何km走ることが出来るかが示されるので、給油のタイミングが掴みやすくなるのだ。
■室内装備■
内装はシンプルで好感が持てるものだが、スグレモノとしては、室内装備の中ではカップホルダーとシート・ヒーターが挙げられる。
カップホルダーはフロント側に6箇所、リア側には2箇所設置されており、内フロント×2、リア×2はエアコンの風を利用した、保温&保冷機能付きだ。
●蓋の開いているところがカップホルダーの一つ●
カップホルダーの多さが意外に便利で、コーヒーを飲んだ後に、後口を良くしたいがために、ついついお茶を飲むボクのような人間には1人につき1個では足りない。だからこの複数装備は誠に好都合である。その他、保冷&保温機能はグローブボックス内にもあり、スイッチの操作で、保冷、保温そして常温?の切り替えが可能になっている。
エクストレイルには防水シートの伝統がある。
●防水仕様のシート●
文字通りこのシートは防水されているから、スキーなら志賀高原のように巨大なエリアを車で移送することもあるようなところでも気兼ねせず、雪が着いたままで運転できるし、夏場の渓流釣りでも濡れたウエーダーを着たままで移動できるのがウレシイ。帰る際、普段着に着替えた後にサッと拭いてしまえば水分を含んだシートでズボンのお尻が濡れる心配がないのだ。しかし反面蒸れるという心配が出てくるが、昔のビニールシートとは比べものにならないくらい高性能であり、クロス生地のシートよりやや蒸れるかな?という程度に収まっている。
更に、フロアまでトレイ状の防水仕様になっているし、濡れることがあるかどうかは別にして、天井までが防水仕様なので、汚れれば簡単に拭き取ることができるようになっている。
SUVもしくはクロカン4駆としては廉価な価格帯でありながらシートヒーターも装備されている。何しろ立ち上がりが早いので、冬場に暖機が済んでヒーターが効き始めるまで待たなくてもコレが素早く暖めてくれるから、この冬の活躍が期待できそうだ。
●ダイヤルの左側2列と、右端がシートヒーターのスイッチ●
■走行機能■
ドライヴィング関連で言うと、定評のあるオールモード4×4システム(上写真中央のダイヤルが「オールモード4×4」のスイッチ)が装備されているが、それとABS(アンチ・ブロッキングブレーキ・システム)とを絡めたヒルディセント・コントロールという機能が特筆だ。
この機能は雪道のような滑りやすい急坂を下りる際に、電子制御で低速にコントロールして無事に通過できるようにしてくれる機能だ。例えば、長野県の志賀高原にある、発哺のように2駆で降りたら帰りは上がれず、4駆で降りるのもLOWレンジのエンジンブレーキではスピードが出すぎ、さりとてブレーキを踏んだらABSでも滑りそうな、「恐怖の坂」(ピンポイント過ぎて伝わらないか?)を通過する時に役立つであろう。(上の写真、ダイヤルスイッチのすぐ右が「ヒルディセント・コントロール」のスイッチ)
その他、4×4とABSとを組み合わせた機能としては、他にVDO(横滑り防止装置)が装備されている。
エンジンは2000cc、137PSだが、トルクカーブは低回転寄りにチューンされているので、比較で試乗したディーゼル・ターボエンジン搭載車のパワー&トルクには全く及ばないが、必要にして充分ではある。
2000ccガソリン・エンジン搭載車のミッションはCVT(無段変速)のみだ。今までCVT搭載車には発売直後のエスティマと、旧型(最終型)のセレナに各3週間ほど代車として乗ったが、その時に感じたタコメーターが低い回転数のまま、ゆっくりと車速のみが上がる気持ち悪さや、キックダウン時のレスポンスの悪さは最新のセンサー技術等によってかなり改善されており、加速時にはほとんど違和感を感じないようになっている。しかし、エンジンブレーキ等、減速時の違和感はマシにはなっているものの、まだ少し感じざるを得ない状態だ。
足回りは専門メーカーのザックス社製ダンパーが装備されている。ボクが好きな硬く締まったサスペンションのセッティングで、揺れの収束も早く、この手の車にしては回頭性能も充分にシャープだ。だが、反面、路面の凹凸を拾ってゴツゴツと感じ易い部分もある。だが、装着しているタイヤがオールシーズンタイプなので、その影響も大きいとは思う。同時にこの手の大径タイヤ特有のロードノイズは割と大きく車内に入り込んでくる。
■その他の機能■
その他の機能では、「スクラッチ・シールド」という、特殊な塗装を挙げておきたい。
コレは、洗車機などを使用した際にどうしても着いてしまう細かなキズが、自己修復によって消えてしまう塗装だ。ボク自身は積極的に洗車はしない方であり、そのためにガンメタル系の塗装を選ぶほどなので、その面での御利益はあまり期待していない。しかし、渓流釣りでは河原に降りるスロープに藪草が出ていることが多く、これまでの通常塗装だと、どうしても細かな擦りキズが着けてしまいがちだったので、効果がうたい文句通りであれば消えてしまうことになるので非常に有り難い機能になる。
■良いところばかりではない■
ここまで、10年の進化の中で主に良い点について書いてきたが、勿論そればかりではない。10年前と比べると退化して「チョッとな…。」という点も結構ある。次回はそれらについて書いてゆく。(~その2へ続く)
紆余曲折、色々あってウチにエクストレイルという車が新車でやってきたということは、以前このブログで紹介した。振り返れば、それ以前に乗っていたE50エルグランド・ディーゼルは5年落ちの中古車であり、新車となれば、それ以前のボンゴ・フレンディー以来であるから、約10年振りの新車である。
基本設計から言えばE50エルグランドは1997年になるが、僕が乗っていたのは2000年のマイナーチェンジ直後のモデルだった。現在のエクストレイルは発売3年目にあたる今年、マイナーチェンジが入ったばかりなので、これまたちょうど10年の差がある。だから、時代差は当然ながら大きく、驚くことばかりだ。
●2010年式 X-TRAIL 20X●
■燃費計■
最新?装備の中でも一番感心したモノが、燃費計だ。
●これが燃費計●
上写真に写っているのがバーグラフが瞬間燃費計だが、この使いこなしが面白い。
まず、この燃費計を常時点灯させる状態にして実際に車を走らせるのだが、バーグラフ上にある◆マークに注目して欲しい。上写真の状態であれば、この時点での平均燃費はバーグラフ右上にある8.2(km/L)で、バーグラフ上では◆マークの位置ががそれにあたる。走行時には、このバーグラフに時々目をやって、◆マークよりも右側にバーが伸びるようにアクセルワークをしていれば、自ずと燃費が伸びてゆくのだ。そして計器のモードを切り替えると、それまでの走り方であれば、航続距離=あと何km走ることが出来るかが示されるので、給油のタイミングが掴みやすくなるのだ。
■室内装備■
内装はシンプルで好感が持てるものだが、スグレモノとしては、室内装備の中ではカップホルダーとシート・ヒーターが挙げられる。
カップホルダーはフロント側に6箇所、リア側には2箇所設置されており、内フロント×2、リア×2はエアコンの風を利用した、保温&保冷機能付きだ。
●蓋の開いているところがカップホルダーの一つ●
カップホルダーの多さが意外に便利で、コーヒーを飲んだ後に、後口を良くしたいがために、ついついお茶を飲むボクのような人間には1人につき1個では足りない。だからこの複数装備は誠に好都合である。その他、保冷&保温機能はグローブボックス内にもあり、スイッチの操作で、保冷、保温そして常温?の切り替えが可能になっている。
エクストレイルには防水シートの伝統がある。
●防水仕様のシート●
文字通りこのシートは防水されているから、スキーなら志賀高原のように巨大なエリアを車で移送することもあるようなところでも気兼ねせず、雪が着いたままで運転できるし、夏場の渓流釣りでも濡れたウエーダーを着たままで移動できるのがウレシイ。帰る際、普段着に着替えた後にサッと拭いてしまえば水分を含んだシートでズボンのお尻が濡れる心配がないのだ。しかし反面蒸れるという心配が出てくるが、昔のビニールシートとは比べものにならないくらい高性能であり、クロス生地のシートよりやや蒸れるかな?という程度に収まっている。
更に、フロアまでトレイ状の防水仕様になっているし、濡れることがあるかどうかは別にして、天井までが防水仕様なので、汚れれば簡単に拭き取ることができるようになっている。
SUVもしくはクロカン4駆としては廉価な価格帯でありながらシートヒーターも装備されている。何しろ立ち上がりが早いので、冬場に暖機が済んでヒーターが効き始めるまで待たなくてもコレが素早く暖めてくれるから、この冬の活躍が期待できそうだ。
●ダイヤルの左側2列と、右端がシートヒーターのスイッチ●
■走行機能■
ドライヴィング関連で言うと、定評のあるオールモード4×4システム(上写真中央のダイヤルが「オールモード4×4」のスイッチ)が装備されているが、それとABS(アンチ・ブロッキングブレーキ・システム)とを絡めたヒルディセント・コントロールという機能が特筆だ。
この機能は雪道のような滑りやすい急坂を下りる際に、電子制御で低速にコントロールして無事に通過できるようにしてくれる機能だ。例えば、長野県の志賀高原にある、発哺のように2駆で降りたら帰りは上がれず、4駆で降りるのもLOWレンジのエンジンブレーキではスピードが出すぎ、さりとてブレーキを踏んだらABSでも滑りそうな、「恐怖の坂」(ピンポイント過ぎて伝わらないか?)を通過する時に役立つであろう。(上の写真、ダイヤルスイッチのすぐ右が「ヒルディセント・コントロール」のスイッチ)
その他、4×4とABSとを組み合わせた機能としては、他にVDO(横滑り防止装置)が装備されている。
エンジンは2000cc、137PSだが、トルクカーブは低回転寄りにチューンされているので、比較で試乗したディーゼル・ターボエンジン搭載車のパワー&トルクには全く及ばないが、必要にして充分ではある。
2000ccガソリン・エンジン搭載車のミッションはCVT(無段変速)のみだ。今までCVT搭載車には発売直後のエスティマと、旧型(最終型)のセレナに各3週間ほど代車として乗ったが、その時に感じたタコメーターが低い回転数のまま、ゆっくりと車速のみが上がる気持ち悪さや、キックダウン時のレスポンスの悪さは最新のセンサー技術等によってかなり改善されており、加速時にはほとんど違和感を感じないようになっている。しかし、エンジンブレーキ等、減速時の違和感はマシにはなっているものの、まだ少し感じざるを得ない状態だ。
足回りは専門メーカーのザックス社製ダンパーが装備されている。ボクが好きな硬く締まったサスペンションのセッティングで、揺れの収束も早く、この手の車にしては回頭性能も充分にシャープだ。だが、反面、路面の凹凸を拾ってゴツゴツと感じ易い部分もある。だが、装着しているタイヤがオールシーズンタイプなので、その影響も大きいとは思う。同時にこの手の大径タイヤ特有のロードノイズは割と大きく車内に入り込んでくる。
■その他の機能■
その他の機能では、「スクラッチ・シールド」という、特殊な塗装を挙げておきたい。
コレは、洗車機などを使用した際にどうしても着いてしまう細かなキズが、自己修復によって消えてしまう塗装だ。ボク自身は積極的に洗車はしない方であり、そのためにガンメタル系の塗装を選ぶほどなので、その面での御利益はあまり期待していない。しかし、渓流釣りでは河原に降りるスロープに藪草が出ていることが多く、これまでの通常塗装だと、どうしても細かな擦りキズが着けてしまいがちだったので、効果がうたい文句通りであれば消えてしまうことになるので非常に有り難い機能になる。
■良いところばかりではない■
ここまで、10年の進化の中で主に良い点について書いてきたが、勿論そればかりではない。10年前と比べると退化して「チョッとな…。」という点も結構ある。次回はそれらについて書いてゆく。(~その2へ続く)