中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

太糸の話

2023-07-29 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他

 以前に同様の記事を記したが、今年の玄達瀬で起こっているバラシ連発について思うことがあるので、再度掘り起こしてみた。

 

■ラインの太さ■

 玄達瀬釣行の釣果欄で「バラシ多数」という記事や、中には「15~16発バラシ!」という記事を見かけるが、殆どが7号ラインを使用しての話だと思われる。何度も根ズレが連発するのはハリスが細いからドラグでラインを送り出す必要に迫られるからであり、高切れを起こすのは、傷が入っているのは論外として、通常はラインとハリス強度バランスが合っていないからだ。

 他の釣りスタイルであれば、メーターオーバーのヒラマサ狙いでは、例えばルアーでトップを狙う場合や活きエサを使う泳がせだと、リーダーやハリスは20号以上が当たり前であるのにも関わらず、完全フカセ釣りでは7号ラインに太くて10号ハリス、中には近場と同様の8号ハリスの人も居る。この現実を別スタイルの釣り人が知れば「無謀なことを…。」と言われても仕方が無いだろう。

 しかしこれには事情があって、船上からオキアミを撒いて長距離を釣ることの多い完全フカセ釣りでは、あまりに太いラインは水流抵抗が大きくて使用出来ず、それに合わせるハリスもバランス上細くならざるを得ないのだ。だが、それでも現状の一般的なセッティングにボクとしては疑問を感じている。

 実際に強度テストを行えば解るが、7号ラインに10号ハリスではバランス的に厳しくなって高切れのリスクが高まる。それが8号ラインだと10号ハリスが余裕で使えて展開が違うし、ましてや10号ラインでは12号ハリスが使えるので、次元が違うやり取りが可能なのに、ボクがこの釣りを知った20数年前から多くの釣り人が7号以外を使いたがらないのが現実だ。

 実はこの夏、玄達瀬でボクは両極端な経験をしている。7/7のことだが、この日は最速で100mあたり2分前後というブッ飛び潮だった。それでも「あくまでも大型狙い」とばかりに当初は釣友と並んで10号ラインの仕掛を流し込んでいた。しかし、一向に埒が明かないので、堪らず、もしものために用意していた8号ラインを巻いていたリールに換装したのだが、そこから好転し、以後はボク一人がアタリを捉え続けていった。これはラインが細い分だけ水流抵抗が少ないので、ヒラマサを始めとする魚たちの浮上する位置に仕掛がウマく入り込んだためだが、これは誰にでも理解できる話だろう。

 しかし、その逆があって7/16の釣行では最速で100mあたり3分前後という、速めの潮だったので、前回の教訓もあってボクは当初は8号ラインをセレクトしていた。しかし喰いが渋くてやや交通事故的にアタる状況だったものの、アタリを捉えるのは10号ラインの釣友の方で、こっちはほとんどアタリを捉えることが出来なかった。その後は慌てて10号ラインに換装したのだが、そこから先はポツポツと何がしかのアタリが拾えるようになっていった。

 この2例から解るように、「如何にタナに入れるか」という方が重要であり、単にラインを細くしたからといって、入り易くなったり、太くしたから入り難くなるワケではないのだ。だから超ブッ飛び潮のように物理的に無理な場合を除いてラインをむやみに細くする必要がないことを理解しておいて欲しい。

 

■同調の話■

 太いラインを使用するとなると、心配なのは「マキエサと同調しなくなるのでは?」という点になるだろう。よく言う同調とは、例えば発泡ウキを装着し、その沈み具合を目視して「マキエサと同じスピードで落ちてゆくから同調している。」と思っている人が多いと思う。しかし、現実を言うと他の釣り=例えばグレ釣りを経験していると解るのだが、1.5号という細さのラインと、そこに結んだ1.5号以下のハリスと伊勢尼5号という小バリを使用しても、上から撒いたマキエサと同調させるのは難しく、釣座からたった20m程度離れた5~6mのタナを探る場合でも、同調にはウキの浮力をシビアに調整したり、風を計算したり、ラインメンディングを駆使したりと、相当な技術が必要になる。この件についても、何度も過去のブログで触れているが、7号以上のラインを使って100m以上も流す完全フカセ釣りでは、同調するはずがなく、釣る側の甘い期待でしかないのだ。

 結局は、マキエサが海中の様々な流れに翻弄され、紆余曲折しながら複雑なスロープを滑るように流れて行き、その先にある、溜まり易い位置と本命魚が浮上して来る位置がシンクロして、そこがポイントとなる。そしてそこにサシエサが落ちてくるから食ってくるのだとボクは解釈している。7/7の最後の一投はマキエサが切れて、サシエサのみで流していたが、これに中マサがアタってくれた。これは「同調はしていないが、マキエサが溜まる位置に届けば喰う」の証拠になると思う。

 マキエサの溜まる位置にサシエサを届けるためには、沈み過ぎであればプラス方向の発泡ウキでの浮力調整、浮き過ぎであればマイナス方向のオモリ調整は必須となる。だが、極端な話をすると、その位置に至るまではエサ盗りに見つからない限り、前後左右どこから到達しても良いとボクは考えている。

 

■「隣と合わせる」の難しさ■

 「仕掛や浮力設定を釣れた人に合わせる」という考えがあるのだが、これも甘い考えのようにボクは思っている。

 フロロカーボン製品では最大手の、クレハのホームページに標準直径に関する記述があるが、その中には、同じ号数表示でも実際はメーカーによってかなりのバラツキがあって、そのほとんどが強度を稼ぐために太い側にブレが出ている点について記されている。中には一つ上の号数を超えた製品もあるようだが、それほどの違いがあるのなら、隣の釣り人と号数を合わせても、ラインの製造メーカーが違えば沈み具合は違ってくる。

 他の要素としては、リールのフリー回転性能の違いも大きく、これは同じ製品であっても、メンテナンス状況の違いやグリスの落ち具合、それに新品時からの個体差も有る。

 他にもロッドの長短や調子、装着ガイド数の違い、ハリスのメーカー違いやハリの号数や本数、長さの違いでも条件は変わってしまうのだ。

 上記の理由から、隣と同じにするのは困難な話であり、それを追ったが為に、逆に失敗する可能性もあることを知って欲しい。ボクの場合は、隣でヒラマサのアタリが出たら、「あくまでも目安としての」距離を確認することと、浮力調整が「プラス方向なのか、マイナス方向なのか」という判断をするための、発泡ウキやオモリサイズの確認だけに留めている。後はそれを自分の流し方に応用するだけで、袋小路に入った時以外は同じにすることはない。

 結果、周りの細いライン&ハリスに対してワンランク以上太いセッティングのボクが釣り負けていない場面は相当な回数になる。

 

■再び?太糸のススメ■

 要は多少仕掛が太かろうが、魚の出る位置にハリの付いたサシエサを落とし込めれば基本的に正解なワケだ。(例外的にワザとズラす場合もあるが…)そのためには、周りに左右されずに自分の釣りに徹することが重要だ。ボクの場合は外してしまうこともあるが、「それも釣りであり、簡単に釣れ続けても飽きるだけだ。」と、自分を言い聞かせて日々チャレンジしている。

 一部の船では「太いタックル・セッティングでは喰わない。」という声が上がったり、中には怒り出す船長も居るそうだが、偉そうなことは言いたくはないが、玄達瀬に案内する側ももう少し研究の余地があると思う。ボクの知る限り、太糸を推奨している船はいつもの晴海丸さんを始め、SAKAE丸さんくらいと少数派だ。

 誰だってバラす事はあるし、ボク自身も例外ではない。だが、このままハリスのヒゲを生やしたヒラマサを増やし続けて、無駄に殺すのは問題アリだとは誰でも理解できると思う。15本掛けて1本しか獲れなかったという記事を見る度に、「7号ラインで15打数1安打であれば10号ラインだと8打数5安打だったかも知れない。」と、ボクは残念に思っている。要は歩留まりの問題なのだが、掛けた後のゲット数を確実に増やす方が釣り人にとってもヒラマサにとっても得策だということを皆さんにも理解して頂きたい。

 

 

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'23 玄達瀬釣行 ~4回目

2023-07-22 12:30:00 | 船釣り・釣行記

 結論から言うと大ハズシで、まさかのヒラマサ・ボーズを喰らってしまった。

 

 当日は、流速的には充分に釣りこなせる速さの潮が差していた。

●100mあたり3分●

 よって、「さほどの苦労もなく、なんとかなるだろう。」と考えていた。とりあえずはもう少し流速が収まるまでは、前回成功した8号ラインをロッドに通し、発泡ウキ7番を1個装着してスタートさせた。しかし…。

 恐らく上潮と底潮に流速差があったのだろう。上層に浮上するヒラマサはなく、全くアタリを捉えることは出来なかった。「ならば、マイナス方向に」と、2B程度まで打ってはみたが状況は改善しなかった。

 船長との協議で、潮流が収まるまでは深場を一旦諦めて、攻略し易いであろう、やや浅いポイントに入ったが、1度何かのアタリを捉えた後に続くアタリは無く、小移動を行っても傾向は変わらなかった。また、普段は邪魔になって仕方がないブリ族は1本のみ、潮が良ければ時折顔を見せるはずの尾長&口太グレ等も皆無で、明らかに活性感は伝わってこなかった。結局、釣友にコマサが1本出たのみで深場に戻る事になった。

 再び入った深場ポイントだったが、100mあたり4分~4分30秒に収まっていたものの、僚船が釣果を上げていた、緩み始めたジアイのタイミングで入れなかったためか、すでに活性感は落ちていた。そんな中、何とかアタリを出そうと大胆にオモリ使いを開始し、前回同様の4B✕2個あたりまで装着して深く入れていったが…。

●ようやく曲がったが…●

●玄達のレギュラー・サイズ大の70cm級●

 最終段階では、1ポイント1アタリを拾うと移動するという、「ラン&ガン」状態で頻繁に移動を繰り返したが、その全てのポイントでアタリを出したものの、マダイ以外にボクの相手をしてくれる魚は無く、釣友が91cmのヒラマサを追加したのみで、この日の釣りが終わった。

 振り返ると、前回よりも条件が良くみえたので、簡単に攻められるであろうと高を括ったのが間違いだった。実釣開始後、活性感を感じなかった時点ですぐに、もっと大胆にオモリを使ったマイナス方向へ攻めを徹底していれば「展開が変わったのかも?」と、後悔している。

 残るチャンスは後2回。今年は釣れ出しが遅れていたため、チャンスはあると思うので、最善を尽くすのみだ。

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'23 玄達瀬釣行 ~3回目

2023-07-15 12:30:00 | 船釣り・釣行記

 玄達瀬の解禁期間も気づけば中盤に差し掛かっている。

 ここまでを振り返ると、例年なら直接ブチ当たる事の多い、対馬暖流から別れた強い支流が鷹巣沖と玄達瀬の間を抜けていて、玄達瀬の周囲はそれに引かれる不安定な潮がグルグルと回ったり、酷くなると完全に潮裏になって止まってしまったりで、ヒラマサの活性が上がらず、その移動範囲も狭くなっていた。そんな中でも、ピンスポットに入れた船だけがそこそこの釣果を上げている状況だったが、釣行前日辺りから強い支流が差し始めた結果、新しい群も入って好転の兆しを感じられるようになっていた。

 

■深場のポイント■

 この海域での釣りではいつもお世話になる晴海丸さんに乗船し、1時間強の航海で現着した。まずは、玄達瀬としては深場に入り、そこからカケ上がるポイントを攻める事になった。潮流は3回目にしてようやく玄達瀬らしさを感じられる程度に流れていた。

●100mあたり5分30秒強●

 狙いは巨マサなので、まずは10号のフロロカーボンラインにハリス12号の仕掛をセットして攻め始める。そしてマキエサが効き始めた頃にラインが走った。

●初っ端のアタリ●

 当日第一号は、玄達瀬のレギュラーサイズのマダイだったが、「マダイが入り込むエリアに後から大マサが…。」との期待を持ちつつ攻め続けていった。

●65cm程のマダイ●

 

 そしていつものブリ族もアタり始めたが、75cmほどの中マサも混じった事から徐々に登り詰めている感はあった。しかし、底潮がやや緩く二枚潮っぽいのが気になってはいた。

 気配はあるものの、大マサは姿を見せないままに時間が経過していったが、やがて上潮が走り始め、気づけば当初の倍速以上の100mあたり2分30秒になっていた。

 この状況から「続行不可」と判断して、やや浅くなったポイントへと移動する事になった。

 

■玄達瀬らしい展開■

 移動先は足元の水深が37m程、そこから先に10m程立ち上がる沈み根が点在するポイントだった。

 まずは開始以来使用していたタックル・セッティングで様子を伺ったが、潮流が更に流速を増していたので10号ラインでは水流抵抗が大きくて上潮に弾き飛ばされてしまうように感じた。そこで巨マサが掛かった際のリスクはあるが、8号ラインを巻いたリールへの換装を決意した。少しでも水流抵抗を下げなければアタリすら取れない状況だったので、これは仕方のない選択だった。

 気づけば100mあたり2分10秒程になり、船長がアンカー位置を修正。確認すると「最短距離にある根が120mほどで、そこから先にも何箇所か根があって、その何処かで喰って来る。」との事だったので、まずは120~160mの間でサシエサの入り方を調整していった。

 まずは発泡ウキ7番を入れてみたが、サシエサが丸残りになった。そこでクッション水中Lを1個入れてみたが。これも同様。次いでクッション水中を外してガン玉2Bを入れてみる。するとサシエサが盗られるようになった。「という事は魚の喰う層にサシエサが入った証拠。」と、次の流しでは正体を暴いてやろうと、同じ2Bセッティングのままで110mで20秒の停止を入れてみた。すると120mで尾長グレが掛かってきた。

 「潮に敏感な尾長グレがかかるという事は、好潮になった合図」とばかりに、120m前後での操作に意識を集中させていった。

 その次の流しではサシエサが盗られたので、110mでの停止時間を30秒に伸ばしてみた。すると116m付近で、ただでさえブンブンと回っていたスプールが唸り音を立てて急速逆転を開始した。

 アワセた瞬間の「ドスンッ!」という衝撃感から大型と判断し、8号ラインというハンディをわきまえつつ、リールのスプールをサミングで制御し、極力ロッドを絞り込んでファーストランをしのいでいった。

 

●サミングで制御中●

 そして中間の走りに対しては 引き抜きで対処した。

●引き抜き中●

 そして船下の攻防に入ったが、底層から離れたがらず、何度も執拗に締め込んできた。ここからはドラグを緩め気味にしてゆき、走り過ぎに対してはサミングで制御して次第に距離を詰めていき、相手がヘバって横たわって泳ぐのを確認してフィニッシュ。

 玄達瀬では久しぶりのメーターオーバーの登場に胸をなでおろした瞬間だった。

●1m5cm!●

■集中するアタリ■

 以後はサシエサの残り具合で、停止させる距離を120mにしたり、打つオモリを2B~4B✕2まで変化させてゆくと、ポツポツとアタリが拾えた。(当然、エサが残れば停止位置を奥にするか、重いガン玉を打ち、盗られればその逆)

●当日2位の83cm●

 一時、100mあたり2分を切る激流になって、どうにもならない時間帯もあったが、それ以外は口太グレやイサギ等、魚種が増えつつ、結局アタリは最終段階まで続いた。

●ずっとアタる●

■ラストの一投■

 そして船長から「ラスト2投!」との声が掛かった。そして1/2投目でアタリが出たが途中でハリハズレ。ラスト2/2投目は釣友と絡んでしまったのだが、すぐに外れたため、「泣きの一回」をお願いした。しかし、この時点でエサ箱にオキアミは残っておらず、仕方無しに足下で踏まれて頭が潰れていた物や、ちぎれて船べりにこびり付いていた物を寄せ集め、何とか装餌してマキエサ無しで投入。ラッキーな事に、この状態でラインが走って5本目の中マサをゲットできた。

 気づけばそこそこの釣果が出ていたが、8号ラインに換装して以降にゲットしたものがほとんどだった。

●メジロ~ブリは10数本リリース●

 この日の105cmは、メーター・オーバーとしては12本目、1mジャストを含めたメーター・クラスとしては13本目になった。この釣りに本格的に取り組んで15年以上になるが、昨年まで苦労してコツコツと積み上げてきた数が、今春の白石グリから続いている大型ラッシュの波に乗った結果、3本目のゲットになったのだが、生涯目標の130cmオーバーには程遠く、メーターを少し超えたくらいでは感動が薄らいでいるのが現実だ。

 残りの釣行チャンスは3回となったが、引き続き130cmオーバーを目指してチャレンジしてゆくつもりだ。

 

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回るリール、回らないリール

2023-07-08 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他

 2回目の玄達瀬釣行では「回らないリールを駆使してヒラマサをゲット」というテーマを持って釣行していた。

 ボクが玄達瀬でメインに使用しているラインが10号なので、それが300m近く巻けるキャパのリールがベストなのだが、その観点で選んだ、現在メインで使っている元祖シーボーグ750MTは機関がヘタリ気味なのに加えて他機種からのパーツ流用でツギハギだらけになっている。

●代替パーツだらけの750MT●

 

 そんな中、次世代機として頼りにしていたダイワ・シーボーグ600MJが、何と、巻いたフロロカーボンライン6号の縮む力でスプール軸周りが破損するという、信じ難い欠陥が発覚したため、釣り人側で対策をしないと完全フカセ釣りでは怖くて使えないことが判明した。

 この件に関しては、メーカーから対策法と説明があったが、ほとんどが納得出来ない、非現実的なモノばかりだった。その中で唯一、現実的な対策だった、「下巻きにPEラインを使用する」を試すことになったのだが、そうなると、メインのフロロカーボンラインの巻糸量が減ってしまい、「10号が300m近く巻ける」が選択肢だったボクには痛手になる。逆を言えば、こんな使用方法なら、下巻き不要でスプール軸が太くて丈夫そうな500MJなり500MJ-ATを買った方が賢明な選択になってしまうのだが…。

 結局600MJは、軸から直接巻き込まなくてはならない10号ラインは使用出来ず、玄達瀬の急潮対策で8号ラインを使用する際にのみ、「下巻きにPEラインを巻くこと前提」で使用するしかないとボクは判断した。

 長々と600MJについて記したが、10号ライン用に次なる候補を探す羽目になった。そこで候補に挙がったのは中古を含めて以下の4機種だった。

 1.ダイワ・'14シーボーグ750MT(中古)、2.ダイワ・レオブリッツ750MT(中古)、3.ダイワ・ハイパータナコン600FE(中古)、4.シマノ・プレイズ4000(現行品)

 4.以外は過去に所有した経験があって長所短所も理解しているし、今となっては中古市場でしか入手できないので、「回らない分は、工夫次第で何とかなるだろう。」と、唯一新品で購入できる、4.の購入を決意した。

 完全フカセ釣りに取り組む釣り人なら皆が知っているが、シマノ製品はモーターパワーが強いモデルが多いので耐久性を重視しているのか、スプール周りのベアリングに封入しているグリスが固く、フリー回転性能がかなり落ちる傾向にある。以前に記したが、試しにグリスを抜いてオイル封入した’13ビーストマスター3000はビュンビュンと回ってくれたので、それが根拠になる。そんな傾向に加えて元々このプレイズ4000にはスプールの左右に各1個ずつしかベアリングが存在せず、やはりオモリを背負っての釣り向きではあるようだが、それを承知の上で玄達瀬へ持ち込んでテストを行った。

 買ったばかりのリールのグリス抜きはやりたくなかったので、ノーマルで持ち込み、仕掛けを重くしたり、電動でリバース方向に送り込んだりといった工夫で攻略できないかを探ってみた。比較するにあたって、釣友や船長の許可を得て、いつものメイン機=シーボーグ750MTをセッティングした同じロッドと2本並べて交互に投入を行った。

●2本並列出し●

 開始早々に釣友が中マサを掛けたが、こっちは両方共にしばらくは無反応。しばらく経っても回らないリールはアタらず、回る方のリールでようやくアタリを捉えたが、それはブリ族からのモノだった。回る方のリールは発泡ウキの7番+6番という設定だったが、思い切って回らない方のリールをクッション水中だけにして流すとアタリが出たのだが、これもブリ族。その後は回らない方のリールはエサが残ることが多く、オモリを打ってみても、モーターで強制的に送り出しを行っても改善しなかった。

 ジアイ中であるにも関わらず、その差は歴然で、回る方にはブリ族メインに中マサも掛かってくれたが、回らない方はエサが残ってしまうことも多かった。結局、3時間に渡って実験を続けたが、やはり無理があったようだ。当日のヒラマサの活性は朝が一番高く、以後は厳しい状況が続いたため、貴重な時間を使い切ってしまった。しかし、釣れている間に実験をしないと意味がないので、「今後のため」には仕方がなかったのだが…。

 ただし、プレイズという廉価版シリーズでありながらドラグのフィーリングはかなり良く、その点ではシマノ製品らしくて好印象だったので、「あとは回転性能さえ何とかすれば…。」と、自宅に戻った後、改良できる点はないものかと分解図を隅々まで睨んでみたが、たとえグリス抜きを行っても構造的に期待できるフリー回転性能は得られないと悟った次第だ。

 結論から言うと、ボクの力量では回らないリールはどうやってもだめで、魚が先を争って上層のエサを奪い合う状況以外は使えないということが判った。となると、玄達瀬のメイン機である元祖シーボーグ750MTがメーカー修理不能になる前に次代機を中古市場で探すしか道は残っていないようだ。シーボーグ600MJの登場で落ち着いたかに見えた玄達釣行用の電動リール選びだったが、以前のように放浪の旅が始まった。はたして行き着く先は…。

 

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'23 玄達瀬釣行 ~2回目

2023-07-01 12:30:00 | 船釣り・釣行記

 相変わらず好調な白石グリを尻目に、パッとしない状況が続いている玄達瀬。「そろそろ撒きエサも効いて、イイ思いをするだろう。」との思いで、現地へと向かった。

 しかし、前回とほぼ同じ流速で「らしくない」潮流が差していた。

 

●100mあたり10分少々●

 しかも解禁して以降、好調だったエリアには不利に働く北方向からの上り潮になっていた。それを受け、潮流に合ったポイントへと早々に進路変更し、そこでスタートとなった。

 開始早々釣友が中マサを掛けたが、こっちは無反応。とある理由(来週以降で記すネタ)から、しばらく経ってもアタらず、手を変え品を変えでようやくアタリを捉えたが、それはブリ族からのモノだった。発泡ウキの7番を1個や7番+6番という設定だったが、隣の釣友と似たようなセッティングであるにも関わらず本命は掛かってこない。

 こういった事態はよくあることで、それぞれのリールのフリー回転の違いやライン製造メーカーの違いで入ってゆく層が違ってしまうからだ。事態から脱却するには、隣と合わさずに自分の設定を細かに変更して調整を繰り返すことだが、それに専念していると8番が1個になった時点でようやく中マサをゲット。

●70と数cm●

 だが、他はブリ族ばかりで朝のジアイが終了した。この間、釣友は1mジャストを含むヒラマサを3本ほどゲットしていたが、まだまだ時間は有り余っていた。そしてボクは「ここから挽回を。」と目論んでいたのだが…。

 

 しかしボクの考えは甘く、昼過ぎまでブリ族に翻弄されていた。

●ブリ族ではアドレナリンが出ない…●

 13時頃、船長が「地形は複雑だけど、状況的にはここをオススメする。」と言うポイントに移動した矢先だった。第一投目で「ブィーンッ!」と急速逆転が始まって、アタリをキャッチ。アワセを入れた後に、こちらが掛けるプレッシャーに全く動じないのは大型の証拠だが、竿を限界近くまで絞り込んで相手の頭をこっちに向け、二度目の突っ込みもかわすことに成功した。「後はしばらくの間、巻き上げに付いてきてくれれば勝てる。」と思ったのだが、すぐに三度目の突っ込みが始まって、ここで抵抗感が無くなった。つまりは根ズレで12号ハリスが飛んでアウトという結末だった。

 以後、釣友がポツポツとヒラマサのアタリを拾う中、ボクは全くヒラマサのアタリを捉えることは出来ず、青物まみれになってこの日の釣りが終わった。振り返ってみると、朝のうちにアホな実験をして流れに乗らなかったのが敗因のようだ。この実験を急いだのには深~い事情があるのだが、今回はまだ触れないことにしておこう。

●殆どが釣友の釣果●

 今年の玄達瀬の、初期段階での傾向は、その日その日でヒラマサの着き場がコロコロと変わり、それを当日の限られた時間の中で見つけられるかどうかで釣果に大きく差がついているようだ。つまりは「居るには居るが、広範囲ではなく、小さな塊で移動している。」ように思える。その原因は潮流図を見ると解るが、例年のように玄達瀬に向かって本流がブチ当たる日が少なく、玄達瀬と鷹巣沖の間に強い潮流が差すことが多くなって、それに引かれる潮がフラフラと流れているため、活性が上がらないこと。そしてその影響によって玄達瀬に到達するヒラマサの量が減っていることだと思う。それに加えて、玄達瀬では珍しいアンカー潮が頻発して釣り辛くなっているのも、釣果が伸びない原因だと思われる。

 また、不安視しているのは、「春先から水温が高かったせいで白石グリで停滞しているヒラマサ達が産卵のために、そのまま黄海方面に向かってしまわないか?」という点だ。これについては前々回の記事を読んで欲しいが、もしそうであれば先行きの不安がさらに大きくなる。

 いずれにせよ、今後に潮況が回復することを祈り、それに伴う釣果の伸びを期待するしかないのだが、果たして…。まだまだボクのチャレンジは続く。

 

 

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