中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

氷ノ山へ

2014-11-01 12:30:00 | アウトドア・スポーツ
■急遽、氷ノ山へ■

 我が家では恒例化している秋の紅葉鑑賞登山。今年は大台ヶ原へアプローチするつもりであったが、生憎にも予定の天候が、南に行く程悪いようであったため、急遽兵庫県の最高峰である“氷ノ山”へと向かうことになった。
 今回は「本気の登山」をするつもりではなかったので、一番アプローチが楽だと言われている、大段ヶ平(おおだんがなる)駐車場に車を止めて緩やかに登るコースを上ることにした。

■登山口へ■

 駐車場へは横行渓谷を登坂するコースで向かったが、途中の車窓からの見事な紅葉風景に心を奪われながら進んでいった。
 

●車窓からの風景●

 かなりグネった林道をほぼ登り切ったところにあるのが、大段ヶ平駐車場で、ここにはトイレも併設されているので、便利だ。

●大段ヶ平駐車場●

 そして登山口はすぐ目の前にある。

●大段ヶ平登山口●


■コースイン■

 コースには急なところが一切無くて楽に進めるが、既に初っ端から標高が高いため思った以上に落葉が進んでいて、紅&黄葉の中を歩くといった感じではなかった。

●殆どが落葉していた●

 快適に歩きながら、大屋町避難小屋~

●大屋町避難小屋●

神大ヒュッテ

●神大ヒュッテ●

を経由してゆく。

 コース上のぬかるむ部分には木道が取り付けられているので、快適すぎる程に快適だった。

●木道●

 案内表示も豊富で、千本杉を始めとする稀少な木々の前にも建っている。

●千本杉●


●ほぼ0.5kmごとに現れる道標●

 山頂に近付くにつれて視界が開け、紅葉する山々が顔を出してくる。

●紅葉する付近の山●

 そして程なく山頂へ

■山頂付近■

 呆気ない程簡単に到着した山頂には、避難用のヒュッテの他、トイレ兼、展望所までが完備されており、“至れり尽くせり”の状態だった。

●山頂ヒュッテ●

 各方面の登山口からの登山者でかなり賑わう中、昼食をとりながら、360°に開けた形式を楽しむ。山頂は1510mなので、どうやら1200m付近まで紅葉のラインが下がっているようだった。

●鉢伏方面の紅葉●

 来たコースを戻るのも面白くないし、どうせなら紅葉の中を歩きたかった。ヒュッテに掲げてあった地図によると、北東方向にある福定親水公園に向かえば「今まで見下ろしていた紅葉の中を歩けるだろう。」と思え、「公園からはタクシーを呼んで駐車場に戻ればいいさ。」と、割とお気楽な気持ちでそちらへと向かうことになった。

●尾根伝いに降りてゆく●


■氷ノ越から福定親水公園へ■

 下り始めた頃はまだマシだったが、視界が広がる尾根を過ぎたあたりから、岩がゴロゴロしていたり、木の根が這い回っていたりで足場の悪いところが多く、特に逆方向から登ってくる人達はかなり苦労しているようだった。
 そして、氷ノ越の避難小屋に到着する。
 

●氷ノ越の避難小屋●

 ここで右に折れると福定親水公園への一本道だったが、ここから先も“膝にくる”急坂を下りる部分が多くて苦労する。期待していた紅葉も谷を挟んだ頂上方向から眺めていた程の感動はなく、時たま「ここは!」と思わせる部分がある程度で、第一、景色を楽しむ余裕も次第になくなってくる。

●“時たま”見かけた紅葉風景●

 途中、崩落していて、スリルが満点な箇所もある。

●崩落箇所にかかる梯子●

 後半に入ると水音が近付き、それと共に何カ所か滝が見えてくるが、ちゃんと見通せるモノは布滝のみで、後は木々の隙間からチラリと見えるだけだった。

●布滝●


 そして、苦労を重ねた結果ようやくゴール想定地点の福定親水公園に到着した。

●福定親水公園の立て看板●


■思惑違い■

 森林公園付近から見上げる紅葉風景は素晴らしく、この日は頂上から見るか、下から見上げるかの両極端が結局のところ綺麗だった。

●下から見上げる紅葉風景●

 本来なら、ここでタクシーを呼ぶつもりだったが、営業所に問い合わせてみれば、到着までに30分以上かかると言う。そこで、付近で作業をするオジサンに「ここから、大段ヶ平の駐車場まで歩くと、どのくらい時間がかかりますか?」と聞いてみると、「かなり遠いよ。」「30分以上はかかる。」とのことだった。
 メンバーとの協議の結果、「同じ30分だったら、歩いた方がイイか。」と、歩くことに決定した。しかし、これが大誤算だった。後日調べてみると、ここから大段ヶ平の駐車場までは10km超で、恐らくオジサンは「軽トラで登ると30分」と勘違いしてそう答えたのかも知れない。
 途中で日没を迎えて以降は暗闇の中、フラットな林道とは言え、登りの区間を延々2時間以上も歩く羽目になってしまった。何よりも恐ろしかったのは、道の脇では何やらゴソゴソと大きく動く音が聞こえ、その付近で動物臭が漂っていたことだった。結果的にはそれらは鹿のようであったが、「もし熊だったら…。」と思えば恐ろしいことこの上なく、「人の往来が多い山とは言えども、計画は念入りにたてねばならない。」と痛感した次第であった。










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荒天の高千穂峰

2014-08-30 12:30:00 | アウトドア・スポーツ
■あこがれの高千穂峰へ■

 記紀(古事記と日本書紀)に記される天孫降臨。「天照大神(あまてらすおおみかみ)の孫=天孫の邇邇藝命(ににぎのみこと)が高天原(たかまがはら)から地上へ向かう」簡単に言えば、それが天孫降臨で、降り立った場所が筑紫の日向(ひむか)の高千穂というところだ。この高千穂の位置は諸説あって限定されていないそうだが、その内の一つが現在の鹿児島県、宮崎県県境近くにある霧島連峰の高千穂峰(たかちほみね)だ。

 この山頂には、大国主神から邇邇藝命に譲り渡されたという、伝説の天逆鉾(あめのさかほこ)が今も残る。(レプリカらしいが…)
 この鉾は、国家平定に用いられた後、国家の安定を願いつつも、「二度と振るうことのないように」との願いをこめて、この高千穂峰山頂に突き立てられたのだそうだ。

 ご存じの方も多いとは思うが、実はこの鉾を大胆にも引き抜いた歴史上の有名人が居る。それは薩長同盟に奔走し、幕末期を駆け抜けた、かの坂本龍馬である。その坂本龍馬が妻のお龍さんと共に刀傷の湯治と、日本初と言われる新婚旅行を兼ねてこの霧島地区を訪れた際に、この高千穂峰に登り、こともあろうに、その鉾を引き抜いたのだ。そして、その様子を絵入りの手紙で姉の”乙女ねーやん”に伝えている。この手紙は現存しているから伝説等ではなく、事実であるから驚きだ。
 そんな「記紀の世界と幕末の世界」が交錯する、高千穂峰に今夏の家族旅行中に登ることになった。

●登山コース=御鉢~高千穂峰間の俯瞰写真●


■古宮址へ■

 まずはベース地である、高千穂河原ビジターセンターへと向かう。心配された雨はギリギリ降ってはいないものの、霧が所々で発生する中、無事にセンターの駐車場へ到着する。
 ここで車を降り、まずはコース序盤にある霧島神宮の古宮(ふるみや)址に参拝する。

●古宮址の鳥居●


 ここは更に高千穂峰近くにあった、本来の霧島神宮を度重なる噴火から守るために遷された地なのだが、ここでも噴火の影響があるために更に現在の地へ遷したために、ここが古宮址になったのだそうだ。
 戦前の昭和15年に、この地へ斎場が設けられ、現在でも毎年11月10日に天孫降臨の故事にちなんだ天孫降臨御神火祭が開催されているそうだ。

●天孫降臨神籬(ひもろぎ)斎場●



■コースイン■

 家族3人で参拝を済ませ、境内横の登山道入り口からコースイン。最初の内は石畳と石段で構成された道なので、予定通りの足取りで進んで行ける。

●コース序盤の様子●


 コースマップでは「登り1時間半、下り1時間」というから、そんなに距離のあるコースでもなく、ややナメてかかっていたが、石段が途切れ、植生が無くなり始めた頃からピッチが落ちてくる。

●植生の限界あたり●


 これは、地質が火山性の砂礫と溶岩で構成されているコース上に近日来から降り続いた雨が含まれて、重く、滑り易くなっているためで、用意したダブルストックがなければ、かなりキビシイ状況だった。

●赤い部分が溶岩の塊●


 苦労して登るうち、ポツポツと雨が降り出す始末で、更にコンディションが悪化し始める。このあたりから、先に登っていた他のグループも次々に降りてくるが、ここから先では雨脚が強まっているようで、全員がズブ濡れの様子だ。何人かにコース・コンディションを訪ねたが、上部では強風が吹いており、それが原因で山頂まで至らずに、途中で引き返してくるグループもかなりあるようだった。
 ここまでボクと一緒に頑張って登っていた妻と子供だったが、ハードな状況では無理はできないとして、斜面の途中でアプローチを断念することになった。

 当然ここから先は単独での行動になったが、降りてくる人も極端に減ったために、ボクの心中にも「大丈夫なのか?」という不安がよぎり、心細くなってくる。しかし、それでも道標を頼りに…とは言っても一本道で迷いようはないのだが…先へ先へと進んでゆく。

●心の支えの、途中の道標●


■御鉢あたり■

 しばらくゆくと斜面を登り切ったらしく、勾配が殆ど付かない区間に到達する。「そろそろ御鉢の横あたりだろうか?」とは思うものの、ただただ強烈な風に乗ってやって来る硫黄の臭いと、7~8mしかない道幅(…その外側は急勾配で踏み外すと滑り落ちる)が、想像力をかき立てるのみで、全く見通しはきかなかった。

●御鉢の縁●


 見通しは兎も角、閉口したのはこの区間の風の強さだった。「飛ばされそうな」くらい吹いているのだが、「実際には飛ばない」程度の風が吹く中、横殴りの雨に打たれて更に進んでゆく。

 御鉢の縁をしばらく進んだ後は、左斜め方向への緩い下りに差し掛かる。不思議とこのあたりは霧が吹き抜けるのみで雨脚は強くない。どうやら、御鉢の縁は地形の影響で風雨が通り抜ける道筋だったようで、そこを過ぎるとそんなにひどくはない状況だった。それが解っただけでも心の負担が減って、足取りがやや軽くなってゆく。
 そして、降りきったところに鳥居が建っていた。恐らくここが霧島神宮本来の位置のようだ。

●本来の境内跡?に建つ鳥居など●


■ついに到達■

 鳥居脇を抜けた後、この日の往路では最後の1人とすれ違う。ついには誰もいないコースとなってしまったが、ここから先は道標が30m間隔で現れてくるので、それに励まされるような感覚で最後の斜面を登り切る。
 そして霧の中から浮かび上がるかのように現れたのは…。
 見ることを心待ちにしていた天逆鉾だった。

●天逆鉾と御神域●


 早速、荷物を降ろし、参拝をする。ここに来られなかった家族の分までお祈りした後は、じっくりと天逆鉾を見ることにする。
 レプリカとは解っているが、誰も居ない御神域の中、それも濃霧に埋もれる中で見るその姿は幻想的であり、青銅製のため、青緑に怪しく光り、そこに雨がしたたる様子は、今にも天から雷が落ちてきそうにも思える。

●天逆鉾●


 坂本龍馬が「天狗の顔のような形だった。」と手紙に記したため、この鉾の柄の部分もそのように創ってあるそうだ。


●天逆鉾(拡大)●


 ただし、光量が足らず、さりとてストロボが届ききらない距離にあるため、写真にその様子を完全な状態で納めることができなかったのは、残念なことだった。

 天逆鉾との感動的な”ご対面”が済んだ後は、往路を逆に辿るばかりだったが、滑り、崩れる斜面はダブルストックを使って、まるでスキーの小回りターンを繰り返すかのように降りてゆくのがやっとだった。
 そして、予定よりも1時間以上余分に費やした後に、出発点だった駐車場付近に。レインウエアを着込んではいたが、全身がズブ濡れとなっての到着だった。


■霧島神宮へ■

 下山後は、霧島温泉に浸かり、霧島神宮へと向かう。この神宮には邇邇藝命(ににぎのみこと)が祀られている。

●賑わう、霧島神宮の境内●


 一通りの参拝を済ませ、付近を散策する。
 そして、3の鳥居横にある、「さざれ石」に見入る。そう、我が国の国家「君が代」に出てくる、あのさざれ石だ。
 さざれ石とは、学名を石灰質角礫岩というそうだ。「石灰石が水に溶け出し、その水が粘着力の強い状態になって、『つなぎ』の役割をすることで地下で小石を集結して次第に大きくなった状態」を指すそうだ。

●さざれ石●



 
 今回は、順序は同じではないが、坂本龍馬が巡ったコースと同じコースを周遊した。まさか、こんな荒天ではなかっただろうが、このコースを着物と草履で行き来した、坂本龍馬とお龍さん夫妻の健脚ぶり(とは言っても、当時はそれが当たり前で、現代人が貧脚過ぎるのかも知れないが)には驚かされるばかりだった。
 「二度と来ることはないかも知れない。」と思い、今回は半ば無理矢理に高千穂峰に登ったが、できうることならば、晴れた日に御鉢を眺めながら登り、晴天の空にそびえる天逆鉾も見てみたいものだ。

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シニア割引でスキー

2014-01-18 12:30:00 | アウトドア・スポーツ
■齢50を過ぎて…■

 昨秋に50歳という大台に乗ったのだが、それまでと何かが変わることなく過ごしていた。しかしそれを実感する日が年を越えた途端に続いている。
前回紹介した映画の入場割引もそうだが、調べてみると、スキー場でも同様の割引が設定されているところが結構あるようだ。ただし、その適応範囲は一律ではなく、早いところでは50歳からだが、55歳から始まるところも多い。
  
 信州中野市近郊で正月を過ごすことの多い我が家では、滞在期間内に周囲にあるスキー場を訪問する日を数日あてている。これまでは、ほとんど志賀高原でその数日を過ごすことが多かったのだが、今回は1人で滑らなくてはならない日があったので、より市街地に近いスキー場を訪問することにした。向かった先は「よませ温泉スキー場」だったが、ここでは上述のシニア割引が50歳からなのが有り難い。

●シニア割引券●

 そして、その料金は一日券が何と¥2900というものだった。

■Mt. KOSHA■

 昔は単体で運営されていた、よませ温泉スキー場だが、近年のスノースポーツ衰退の影響を受け、他の、幾つかの地区と同じようにマックアースリゾート株会社による経営・運営に移行している。気付けばこのマックアースリゾートに吸収されたスキー場は、現在では28を数え、中小スキー場ばかりではなく、斑尾のように比較的大きなスキー場までもが傘下に入っている。
 経営基盤や運営基盤が共通になったことで、「隣同士であるにも関わらず、共通リフト券の発行がなく、行き来できなかったスキー場」が一体化されて、滑り応えのあるスキー場に変わるという嬉しい変化が生まれている。奥美濃の、「ダイナランド&高鷲スノーパーク」がその例だが、今回訪問した、よませ温泉スキー場も「Mt. KOSHA(マウント・コウシャ)」の名の下、付近の中小スキー場とを合わせた3+1の4スキー場が一帯運営されて魅力あるモノに変化している。+1とわざわざと書いたのは、木島平スキー場のみが実質村営のためだが、共通リフト券を購入すれば、ここもその適応範囲内になる。

●4スキー場のマップ●


■人気ムラのあるゲレンデ■

 よませ温泉スキー場を始め、やまびこの丘、X-JAM高井富士、木島平スキー場の各ゲレンデはトップまで行けるところもあれば、リフトを止めているところもあって運行状態はまちまちだった。

●北志賀竜王と、その後ろに志賀高原方面も見通せる●

 リフトにはクワッド・タイプもあるのだが、各スキー場に0~2本の合計4本であり、ほとんどが普通タイプのペアリフトだったので、そんなに輸送力の高いスキー場ではない。
 ゲレンデは空いていてガラガラの所も多いのだが、X-JAM高井富士の一部ゲレンデにスノーボーダーが集中していた。そこにパークなどがあって、それを滑りたい人が集中したのなら理解できるのだが、何もないところで集中があったり、逆にハーフパイプやジャンプ台があるにも関わらず、それを避けて滑る人が集中していたりで、とても不思議な光景だった。

●ガラガラのゲレンデ●

 各ゲレンデのリンクに不都合はなく、歩かなくてはならない箇所もなくて移動はスムーズだ。

●各スキー場間のリンク部分には表示がある●


■嬉しい計らいだが…■

 4つのスキー場を合わせると、結構ワイドにはなるのだが、この日の最長滑走コースは、よませ温泉の2000mだった。それよりも長い木島平は2800mほどあるのだが、最上部のリフトが止まっているので滑りようがなかった。従って全体に横に広く縦に短い印象があるスキー場群だった。
 シニア割引に加え、短めのコースとスピードの遅いリフトという組み合わせによって、嫌が上でも休憩時間が長くなるため、我々世代にはぴったりのコースだった。しかし、「他にも多種ある割引料金と入場者数」を考えると心配になる部分が多いことは確かだ。事実、このエリアに繋がっていた、もう一つの、牧の入スキー場は既に休止している。これではいくらマックアースリゾートグループが格安で経営権を手に入れたのだとしても、苦しくなるのが間近に迫っているようにも思えてくる。
 「スキー場便り」に関しては、寂しい話ばかりが目立つが、このエリアからその便りが届かぬことを祈るばかりだ。

 そして、翌日は結局、志賀高原に向かった。何と言っても日本有数の規模を誇るスキー場群だけに、Mt. KOSHAとは別格の滑り応えだったが、根が貧乏性なボクは、¥2000近くも高いリフト券の「元を取る」ために、ついつい膝が笑うまで滑り込んでしまった。(イイ年こいて何をやってんだか…。)

●結局、二日目は志賀高原で最終の5時まで過ごす●
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京都一周トレイル(高雄~嵐山)

2013-12-07 12:30:00 | アウトドア・スポーツ
■京都一周トレイル■

 比叡山を始めとし、三方を山々に囲まれた京都市内。「この山々を歩こう。」と、今ではその山々を環状に巡るコースが整備されている。その名を”京都一周トレイル”と呼び、地元はもとより全国各地の多くのハイカーがこの道を歩いている。勿論、京都のことだから、観光地もコースに含まれており、そこに立ち寄りつつ歩くことが出来るので、普通のハイキングコースとは違った趣がある。
 今回は、その中でも秋本番に見応えのある紅葉景色が広がる、高雄~嵐山間を歩くコースを選び、歩いてきた。

●コースの看板●

●この区間の多くは東海自然歩道とコースを共有する●

 コースの殆どが、清流・清滝川沿いをあることになるので、山水を取り混ぜた風景を眺めながら進んでゆくことになる。

●景観は素晴らしい●


■清滝まで■

 このコースでは、清滝という地区が中間点になるが、ここに近付くにつれて、河原が岩盤質になり、そこを削った道取りなってくる。

●沈下橋(増水時は越せそうにない)●

 コース上では当然、歩きながら紅葉する木々を意識するのだが、どうしても川沿いの木々に掛かるゴミの様子に目を奪われてしまう。
 皆さんの記憶にもあるであろう、今夏の、嵐山の水害。あのとき嵐山を襲ったのは桂川の氾濫だったが、その桂川は上流で保津川と清滝川が合流したところからの呼び名だ。従って、その際の、清滝川の増水は凄まじかったらしく、はるか4~5mもの高さに掛かる数々のゴミによってその様子が想像できるのだ。

●渓谷に差し込む陽●

 途中、染み出す湧水によって濡れている石も多く、滑り易いから足下には要注意。実際に対向してきた中高年(ボクもそうだけど…)グループの1人が目の前で転倒し、大騒ぎになっていた程だ。
 そして、さしたる疲労感を感じる登りもないままに清滝に到着する。

●清滝の紅葉風景●

 清滝は車に乗ってダイレクトで到達できることもあって、結構な数の家族連れの車やツーリング中のバイクが来ていた。
 ここにはトイレもあるので、休憩にはもってこいの場所だ。


■落合周辺■

 清滝から再び川沿いを歩き、次の分岐点が落合という地区になる。

●落合の分岐標識●

 ここから一旦右に折れ、橋とトンネルを進んだ先にあるのが川下りで有名な保津峡になる。そして展望ポイントに出るにはトンネルを出てすぐに左に回り込んでゆく必要がある。
 絶景ポイントの一つでもあり、分岐点からもそう遠い距離ではないので、是非立ち寄りたいポイントだ。

●展望ポイントから見下ろす、保津川下り●


■鳥居本~嵐山■

 落合の分岐に戻ると、そこから先は六丁峠が控えている。この峠は今回のコース中一番きつい傾斜なのだが、そんなに大したモノではない。登山路等ではなく、舗装された車道を歩くしかルートがないのだが、そこそこの数の車やバイクが通過するので注意が必要だ。
 そこを越え、たどり着くのが鳥居本になる。
 鳥居本は清滝近くにある、愛宕山頂の愛宕神社参りの際に立ち寄る休息地として栄えてきたそうだ。愛宕神社と言えば、安土桃山時代に主君織田信長に謀反する直前に、明智光秀がこの神社を参拝し「ときは今 あめが下しる 五月哉(さつきかな)」と発句したことで有名だ。
 鳥居本の町並みは古くからの物が残っており、保全地区となっているそうだ。街道には茶店や食事何処、土産物屋がポツポツと並んでいるのだが、六丁峠方向からであれば一番手前の鳥居脇にある平野屋が殊に有名で観光ガイドなどにもよく登場する。

●平野屋●

 今回のコースでは丁度休息時間と重なることもあって、その平野屋に立ち寄ることにした。
 日も傾き始め、冷え込みを感じるようになっていたので、店内に設置されている囲炉裏の暖かさはこの上なく有り難い。ここの名物は「志んこ餅」と聞いていたので、抹茶とのセットで注文した。

●愛宕山名物「志んこ餅」●

 ニッキ、黒糖がほどよくブレンドされたきな粉を着けて食べる味わいは、素朴でありながら味わい深いモノであった。

 平野屋を後にすると、化野に入る。そして嵯峨野方面へ。

●化野(あだしの)念仏寺近くの道標●

 嵯峨野に入ると、落柿舎(らくししゃ)の脇をかすめて進んでゆく。この落柿舎の主は元禄の俳人で、松尾芭蕉の高弟である向井去来。芭蕉自身も三度訪問したことがある、由緒ある庵だ。

●落柿舎の、“まさに落ちんばかり”の柿●


 嵯峨野を過ぎ、嵐山の天龍寺門前あたりでは思うように歩けなくなるような人並みになり、秋の観光シーズンでごった返す渡月橋を渡って、スタート地点の阪急嵐山駅に到着し、予定していたコースを歩き終えた。


 今回は、晩秋には最適のコースを辿ることができた。観光客で混雑する区間もあったが、それはごく一部に限られ、歩かなければ見られない風景もあって満足のゆく内容だった。
 京都一周トレイルには魅力的なスポットが盛り込まれており、”続いて歩きたい”コースとなった。季節ごとに適した風景があるだろうから、それに合わせて全てを踏破したいものだ。

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マキノの山

2013-10-19 12:30:00 | アウトドア・スポーツ
■マキノの山へ■

 現在では滋賀県高島市に含まれるマキノ町。「琵琶湖の湖北地方にあるこの町には面白い山がある。」と、聞き及んでいたが、今回故あって是非とも登りたくなったために、妻と二人でアプローチすることになった。

●高島市マキノ町の標識●


 マキノ町内には、とある観光名所があるので、登山口に向かう前に少し南に回り込んでからそこを通過した。

●メタセコイヤの並木道●


 市街地から登山口があるマキノ高原に向かう一直線の道路沿いには、2.4kmにわたって500本ものメタセコイヤが植樹されており、この地を訪れる観光客がよく記念撮影をしている。そして、その姿は圧巻だ。
 その並木道の終点から少し西に入ればマキノ高原に入る。

●マキノ高原●


 マキノ高原は、冬場はスキー場、夏場はキャンプ場として利用されている。登山客用の駐車場も完備されており、そこで準備を整え、登山口に向かう。訪問当日は連休中だったので、キャンプ場は活況の様子だった。

●キャンプ場(林間サイト)の様子●


撤収準備を進める多数の家族を横目に場内を進み、斜面右奥にあるトイレ横にある登山口からコースインした。

●登山口●


 今回のコースは、キャンプ場から粟柄峠(あわがらとうげ)を経由し、赤坂山方面へと向かうコースだ。


■コース中盤まで■

 コースインして間もなく、木製の階段になるのだが、階段の間にあるはずの土が流れ出ているため、歩きにくいことこの上ない。そこで足下を確認しながら、階段をなるだけ外すルートを歩くことになる。

●序盤の木製階段●


 かなりの段数がある階段部を抜けると、歩き易いコースへと変化する。ブナの木々の間を抜け、更に奥へと向かう。

●コースの中盤以降は歩き易くなる●


 このコースは、その昔、若狭湾方面から湖北への物流ルートになっていたそうで、粗末な背負子に重い荷物を乗せて運んでいた古人たちの姿を想像すると、その健脚振りには驚くばかりだが、その往来の安全を願ってか、仏像が納められている祠が各所にある。

●祠(その1)●


 植生が笹やススキに変わると稜線は近い。そしてもう少し歩くと分岐点の粟柄峠(あわがらとうげ)に出る。

●粟柄峠(あわがらとうげ)●


 粟柄峠で右折すると、赤坂山山頂へのアプローチになる。

●祠(その2)●


 とは言っても稜線上は緩やかで、穂を開いたススキの原っぱを”鼻歌を歌いながら歩く”ような感覚で進んで行ける。

●ススキに覆われる稜線●


 そして、ほどなく山頂に到着する。

●赤坂山山頂付近●

 そして山頂で昼食となった。

●山頂にて(標高823.8m)●



■明王の禿■

 赤坂山を後にして、更に北へと向かう。この先には奇岩帯と言うか、奇景と言うべきか、とにかく変わった地形の明王の禿(みょうおうのはげ)と呼ばれる一帯がある。

●明王の禿(全景)●


 遠景で望むと、ただ植生がはげ落ちた部分に見えるが、近寄ってみるとこれがスゴイ。急な角度で切り立った谷底には既に崩れ落ちた岩々が粉々に砕け落ちているうえ、砂礫にかろうじて乗っているように見える岩は、今にも崩れ落ちそうだ。オマケに谷底から吹き上げてくる風がかなり強いため、際に立てば否応なく恐怖感が迫ってくる。

●この先は断崖状に落ちている●


 明王の禿で”お尻がムズムズする”体験をした後は、来た道を引き返して粟柄峠を越え、その先にある寒風山(峠)から、マキノ高原を目指すコースに入る予定だった。しかし、阿弥陀頭を回ったところで時間切れとなり、来た道を引き返し、下山することになった。

●この先で断念●


■歩き終えて■

 コースの序盤にある荒れた木製階段の区間は当然、下山時の最終区間となる。この区間は結構急なので登りは兎も角、下りでは階段部そのものをハズして歩くわけにはいかない。そのため、一日歩き続けた重量オーバーの我が身にとっては膝の負担が大きく、辛い区間だった。
 それ以外はレイアウトも楽しく、特に稜線に上がってからの歩き心地は格別だった。この一帯の稜線は”高島トレイル”という名で知られているそうだ。
 「いつかはこの稜線伝いに歩き進んでみたいものだ。」そんな気にさせてくれるコースだった。
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大河内高原

2013-10-12 12:30:00 | アウトドア・スポーツ
■大河内高原■

 ボクの暮らす兵庫県のほぼ中央部辺りにあるのが、神河町(かみかわちょう)で、今回歩いた大河内高原(おおかわちこうげん)はここにある。
 「大河内高原」と言ってもピンと来ない兵庫県人のために補足すると、大河内高原とは総称であり、学校関連の合宿地として利用されることがある「峰山高原(みねやまこうげん)」と、秋のススキで有名な「砥峰高原(とみねこうげん)」とが総称のエリア内に含まれている。内部の二つの高原は隣り合わせで、映画や大河ドラマのロケ地として利用されたため、近年では全国的にも知名度は上がりつつあるようだ。

 
■リラクシアの森■

 二つの高原はどちらからでもアプローチできるのだが、「往路は登って、復路は下り」方が自然な感じなので、妻と二人で車で向かったのは、峰山高原の方だった。
 車でこの地を訪れる場合は、「峰山高原ホテル リラクシア」を目指す。ホテルの正面は宿泊者用だが、その手前にはビジター用の駐車場があるので、我々はそこに駐車し、アプローチを開始した。

 
●峰山高原ホテル リラクシア●

 ホテルを右手に見て、そのまま進めば砥峰高原に向かうが、その前に「リラクシアの森」と呼ばれている、ホテル裏の散策路に入る。
 ここが村上春樹氏の小説「ノルウェイの森」が映画化された際の、ロケ地の一つとなったところだ。

●「リラクシアの森」入り口●

 森の内部は緩やかに下り、最後にホテルに向かって登るレイアウトになっているが、自然感を損なわない範囲で整備が行き届き、好感が持てる。たが、ホテルの滞在者向けのため、歩き応えがあるわけではない。

●小川には橋が架かる●

 映画の撮影で使われたところには、説明書板があって、その経緯が書かれている。

●ロケポイントの一つ●


■峰山高原■

 リラクシアの森をサクッと一周した後は、峰山高原一帯を経て砥峰高原方面へと向かう。

●神河町公式観光サイト内でプリントアウトできる地図●


 ホテル付随の施設を抜け、ハイキングコースの入り口へと向かう。

●グランドの脇からコースイン●

 ここから先は、緩やかな登りと平坦な道が組み合わさって、極ゆっくりと高度が上がってゆく感じだ。

●浅い森を抜ける歩きやすい小道の連続●

 リラクシアの森もそうであったが、このコース全般にわたって無数の栗が落ちている。神河町は丹波の隣にあるからクオリティは丹波グリと同等のハズなのに殆ど拾われた形跡はなく、人に踏まれたり、自然にはぜたりで無益に落ちている姿は何とも不思議だった。しかし、後から調べてみると、農園で消毒されたものと違って、自然に落ちている栗は虫食いのことが多いそうだ。「納得、納得…。」

●栗は無数に落ちているのに…●

 途中からは湿原になっているところもあって、そこではカエルからマムシまでいろいろなモノを見ることができる。
 この日は10月としては記録的な暑さだってので、まだまだそのような生物がうろついていたのだろうけど、葉の色は少々だが色づき始めるモノもあって、本格的な秋の到来がここに近付く気配もうかがえた。

●真っ赤に色づく木の実●

 途中で、舗装された林道に出るのだが、この区間までが峰山高原で、そこから先が砥峰高原になる。

●舗装された林道●


■砥峰高原■

 舗装路の先は、再びハイキングコースに入るのだが、この辺りは工事中の箇所もあって、コースが少々解りづらい。

●この部分が解りづらい●

 というのも正面にハイキングコースらしき階段があるのだが、これが途中で途切れているからだ。周囲で手がかりになるのは手前の道標が指す方向のみなので、それに従えば、左手に伸びる土道の林道に入ることになる。しかしこの道がぬかるんでグチョグチョだったうえ、人の踏み跡は殆ど無く、無限軌道車が走った後があるのみで、歩く者を不安にさせる。

●グチョグチョの林道●

 グチョグチョに足を取られつつ、しばらく下った先にようやく案内板があって、そのすぐ先に砥峰高原があった。
 この砥峰高原では上述の映画「ノルウェイの森」の他、大河ドラマ「平清盛」でもロケが行われている。清盛の父である「忠盛(中井貴一さん)」が、祖父「正盛(中村敦夫さん)」と馬上で言葉を交わすシーンが、この地でのロケのようだ。

●砥峰高原(展望台から)●

 高原のススキの穂は既に開いているものの、まだハシリの段階のようだった。しかし、色づきは順調に始まっており、充分に楽しめる景色が広がっていた。
 ススキは順光で見るよりも、穂を透き通らせ、輝かせる逆光の方がより美しさを引き立たせる。

●定番の逆光での撮影●

 展望台から一帯を眺めた後は、ススキの合間を縫う散策路を歩く。

●散策路から~その1●


●散策路から~その2●

 周囲の散策を堪能した後は往路を引き返し、帰路についた。


■歩き終えて■

 大河内高原の往復は13kmあまりあるが、殆どが緩い勾配で歩き易く、子供連れや健脚でない方々にも楽しめるコースだ。当日は紅葉が進んでいなかったが、例年ススキは10月いっぱいまで楽しめるそうなので、「紅葉+ススキ」で楽しめる今月後半に訪れるのがベストのタイミングのように思える。
 「次回はその時期に訪れるとしよう…。」
 ハードさはないが、そう思わせるには魅力が充分なコースだった。

●帰りには、鹿の群れがお出迎え●


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ハイキング 黒菱ライン(八方アルペンライン)~八方池

2013-07-20 12:30:00 | アウトドア・スポーツ
■白馬八方池へ■

 昨年の同時期は、長野県北部にあるスキー場で有名な栂池高原(つがいけこうげん)のさらに上部にある、回廊式の庭園=栂池自然園を巡ったのだが、その際に出会った、とあるご夫婦から「八方池の周辺も絶景だ」という話を聞いていた。そのため、「次回は八方へ」と思っていたのだが、天候に恵まれず、日程が延び延びになっていた。
 そして今回、ようやくアプローチする機会が巡ってきたのだが、自宅のある西宮を出る頃になって天気予報が大きく変わり、またもや暗雲立ち込める中でのスタートとなった。

●ルートガイド・パンフレット●

 上図で判るよう、上部の散策路が八方尾根自然研究路と呼ばれ、ベース地が八方池山荘になる。そして、そこにアプローチするルートが、八方アルペンラインと黒菱ラインと呼ばれている。
 2ルートは、冬場にスキー場のリフトとして利用される物がそのまま利用されており、リフトとしては最上部のグラートクワッドが共通となる以外は異なる地点からのスタートになる。
 メジャーなのは麓からゴンドラリフトに乗り込んで向かう八方アルペンラインなのだが、もう一方、車で黒菱(くろびし)林道を登り、ゴンドラ一本分をパスして黒菱リフトに乗り込む方法が、黒菱ラインだ。
 料金は八方アルペンラインが往復で¥2600(大人料金)で、黒菱ラインは往復¥1000(大人料金)なので、黒菱ラインの方が断然お得となるが、ゴンドラから見下ろす景観を考えると意見は人それぞれであり、甲乙はつけられないのかも知れない。
 ゴンドラからの風景は見飽きているし、コストパフォーマンス追求派の我が家は当然ながら黒菱ラインを選択してのアプローチになった。


●グラートクワッドの終点(左)と、八方池山荘(右)●



■コース・イン■

 朝方に降った雨は黒菱林道に入る前に止み、ガスによる視界の悪さも最小限に抑えられていた。
 駐車場からリフト2本を乗り継いで八方池山荘前に到着。山荘脇を抜け、左手に遠見山周辺の山々を、右手に乗鞍岳?方面の山々を見ながら八方池へのアプローチが始まった。

●左手の遠見山方面●


●右手の乗鞍岳?方面●


■易しいコース■

 コースに入ると、ゴロ石が転がる緩やかな登りになる。つい2時間ほど前に雨が上がったばかりなので、所々に浅い泥溜まりがあって、その泥が靴底に付くとゴロ石の上で滑りやすくなる。実際に転倒する人を何人も見かけたので注意が必要だ。
 ここはハイカーと観光ついでに登る人が混在するが、ハイカーが履くトレッキング・シューズでも滑るのに、観光客の一部の人は普通の平底の革靴で登っていたので、這うように登らざるを得ない状態だった。全般を通してハードなコースではなかったが、危険防止のために、最低限スニーカー程度に履き替えて登って欲しいモノだ。

●ゴロ石の転がる登り●


●下りの滑り易い部分は木道になっている●

 ある程度標高が上がると、雪渓も姿を現し、雰囲気を盛り上げてくれる。

●途中にある雪渓●


 面白かったのは、豊富に揃うケルンで、一定の距離ごとにあるため、自然と足が止まる休憩スポットになっている。

●ケルン群●

 滑り易いこと以外は難易度は低く、ケルン群や景観ポイントが豊富なため、全く疲れの出ないコースだ。

●途中の台地状の箇所からの景観●


 そして程なく八方池に到着した。

●八方池を見下ろす●

 残念ながら、雲がかかって北アルプスの稜線は見えなかったが、それでも景観は素晴らしく、それを眺めながら池の畔で昼食をとることになった。

●晴れた日の八方池(パンフレットより)●

 高地のハイキングコースでは高山性植物を見ることも楽しみの一つであるが、季節が悪かったのか、その種類や量も少なめで、「和ませてくれる」ほどではなかった。

●途中で出会った”貴重な”高山性植物●


■家族連れに最適■

 隣にある栂池自然園と並び称される八方尾根自然研究路。ボクの個人的意見としては、湿原に咲くミズバショウと豊富な高山性植物、正面に見える白馬大雪渓、冷気の吹き出す風穴等々、見るべきスポットの数が多く、コースレイアウトも巧みな栂池自然園の方にどうしても軍配を上げてしまう。しかし、どちらを選んでもハードさはないので、チョっとした登山気分を味わうにはもってこいのコースには違いなく、健脚なお年寄りから幼児まで、年齢を問わず自分で歩いて北アルプスの景観が楽しめるところが有り難く、貴重な存在であることは確かだ。

 とにもかくにも、白馬方面にある二つのハイキングコースを歩いた。しかし、本当のところは八方池から更に登った先にある唐松岳や、栂池自然園から更に登った先にある白馬乗鞍や白馬岳に足を伸ばしてみたいのだが、経験はもちろんのこと、衰えた脚力とオーバーウェイトのために二の足を踏んでいるのが現実だ。
 「思い切ってダイエットに挑戦してみるか?」と、出来もしないことを考えている今日この頃だ。
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ハイキング トウェンティ・クロス~摩耶山

2013-06-01 12:30:00 | アウトドア・スポーツ
■新神戸発■

 「年老いても今の趣味が続けられるように」と開始したハイキング。昨秋以降ブログでの更新はなかったが、今春からも再開している。以前にレポートした同じ箇所を登ることが多く、ネタが被っていたために更新ができなかったのだ。

 六甲登山では定番中の定番である、山陽新幹線の新神戸駅高架下から”神戸ウォーター”で有名な布引の滝を横に見て登り始めるコースだ。
 振り返ってみると、このコースは高校時代の鍛錬遠足という名の、集団でのハイキング?で登った経験があったのだが、もちろん、「何でも怠い」ダラダラ生活であったボクの高校時代での感覚だと、その日はシゴキDAY以外の何でもなかった。時代が変わり見る目も変わると、感じるモノが違うのは当然であり、その差を確かめる意味でも楽しみなコースだった。

●スタートは新神戸駅●

 ここから始まるコースはメジャーなだけに整備が行き届いている。その上、案内板や道しるべは要所に必ずあるので、迷うこともなく各コースへの分岐点となる市ヶ原へ向かってスイスイと進んでゆける。

●コース案内図●

●道標も随所にある●


■布引の滝■

 出発してすぐに見える滝が、雌滝(めんたき)だ。文明の象徴である新幹線の駅とあまりに近く、拍子抜けしそうな距離に驚かされる。

●雌滝(めんたき)●

 雌滝を後にしてすぐに差し掛かるのが、雄滝(おんたき)とそれに続く夫婦滝(めおとたき)だ。
 初めは夫婦滝の意味づけがよく解らず、奥にある、雄滝と下の滝と対になって夫婦となっているものと思い、だったら、下の雌滝は「愛人なのか?」なんてことを想像していたのだが、その実は、手前側の低い位置ある滝の左側の太い流れが夫で、右側の細い流れが妻ということであり、この滝単体で夫婦とするということだった。
 以前、特にバブル期以前の神戸市を表現する言葉に”株式会社神戸市”というのがあったが、それに倣ったのか、訪問した観光客がガッカリすることがないように、この滝群は渇水時には水道局がはまるで水道の蛇口のように調節するそうだ。

●奥が雄滝(おんたき)、手前が夫婦滝(めおとたき)●

 そういった下世話な想像力は無駄になりつつ、更に奥へと進んでゆく。
 特に息が切れるような区間はなく、同行している妻と、友人の奥さんとの“婦人会の皆様方”の会話も途切れることはない。

●神戸ウォーターを溜め込んだ布引貯水池に沿って歩く●


■トウェンティクロス■

 市ヶ原で道標に従ってトウェンティクロスという区間に入る。ここから神戸市立森林植物園までのコースをそう呼ぶのだが、これは川を20回徒渉するということでそうなづけられたそうだ。しかし、以前は徒渉する回数が多かったものの、河川改修や堰堤のために迂回する区間が増えて、(正確には数えていないが、)現在では5~6回程度になっているようだ。

●徒渉地●

 しばらく進むと昼食時間を迎えた。河原でいつものカップ麺を取り出して、食事を摂る。

●バーナーセットは欠かせない●

 昼食後は、更に進んでゆくが、増水のために徒渉地点が変更されているところもあった。

●水没していた木製の簡易橋●

●徒渉地●

 川沿いを歩くため、つい下を見がちになるが、見上げれば山には新緑が広がり、ウグイスを始めとする、鳥達の鳴き声があたりに聞こえてすがすがしい気分になる。

●山の新緑●


■シェール道■

 森林植物園の東門を過ぎると、今度は徳川道を少し経由してシェール道に入る。

●シェール道への道標●

 この道は前半の川沿いを縫うコースが終わり、杉林を抜けた辺りから様子が変わって林道になる。ここからは新緑を眺めながら緩やかな坂を登ってゆく。

●青モミジを透け出る光●

 そして、そこを登り切ったところが穂高湖になる。

●穂高湖●

 穂高湖ではコーヒーを入れての大休止をとる。


■アゴニー坂■

 続いてはアゴニー坂。ここはアゴがニー(膝)に付くほど急だからそう名付けられたと聞いたが、疲れが溜まるピークに差し掛かっていた時間帯だから、そう考えられなくもなかったが、実際は、「心してかかる」というほどの急勾配でもなかった。

●アゴニー坂入り口●


●アゴニー坂●


■天上寺■

 アゴニー坂を抜けて下りに入ったところにあるのが、天上寺(正式にはとうりてんじょうじ=”とうり”が文字変換できない)という名の密教寺院がある。ハイキングコースから逸れるが、面白そうだったので、境内に寄り道をした。

●忉利天上寺の本殿●

 この寺の創建は646年(大化2年)というから歴史は古い…。しかし、本堂を始めとする建物全てが新しい。これにはワケがあって、実は今ある位置よりも南に本来の伽藍があったそうなのだが、1976年に、賽銭泥棒の放火によって仁王門と極一部を除いてほとんどが焼失してしまったのだ。
 何ともやりきれない旧寺の悲惨な結末に唖然とするが、それはさておき、ここからの眺望は明石海峡大橋が見渡せ、素晴らしい。

●本堂前からの眺望●

 境内にはかえるの石像が何体かあって気を和ませてくれるが、その一つである、若ガエル様を盛んに撫でるのは同行した婦人会の皆様方である。

●若ガエル様●


■掬星台より下山■

 摩耶山頂をかすめて下ると、そこにあるのが摩耶ロープウェイの終点の地、掬星台(きくせいだい)だ。
 ここに来るのは初めてだったが、これまた眺望が素晴らしく、昼間でこのクオリティであるのなら、夕方~夜は「さぞや」と思わせるモノであった。

●掬星台の眺望●

 小休止の後は、下山を急ぐ。何しろここまで時間を掛け過ぎてしまったために、急がなくては夕暮れになる。裏のバス停で地図を確認していると、ガードマンの方が声を掛けてくれ、すんなりとコースにないることが出来た。「感謝、感謝」である。

●教えてもらった方向に判り易い道標があった●


 ここからは天狗道を下山してゆく。

●天狗道脇のミツバツツジ●

 天狗道は別名ゴロゴロ坂と呼ばれるだけあって、岩塊が所々に顔を出している、やや険しい道だった。我々は下りで利用したから、まだマシではあったが、これを登って来るとなると、平坦部が少なくその分だけ休む間もなく登ることになるので、ペース配分には気をつけたいコースであった。

●天狗道の様子●

 次の分岐で学校林道へと入り、続いて旧摩耶道とをつないで更に下山してゆく。

●ハイキングコースとしては最終の分岐●

 そして、コースの最終地点が雷聲寺(雷声寺)の境内になる。

●お百度参りができるレイアウトの、お不動様●


 割とゆっくりなペースで歩いたため、今回は休憩を含めて8時間をかけての長時間行程であった。序盤はハイキングと言うより、ピクニック・コースといった感じで、それがハイキング・コース、登山コースと変化して「ゆく者を飽きさせない」楽しいコースだった。コースの各所にはモミジがかなり植えられており、それ以外の広葉樹が加わって晩秋には景観も素晴らしいモノとなるだろう。その時期に是非訪れたいコースだった。
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ハイパーボウル東鉢へ

2013-03-02 12:30:00 | アウトドア・スポーツ
■ハイパーボウル東鉢■

 今冬最大規模を遙かに超え、観測史上最大の積雪を記録した日曜に、甥を引き連れて兵庫県北のスキー場へと向かった。目指したのは関西では超メジャーなスキー場である、ハチ&ハチ北の隣の、ハイパーボウル東鉢というスキー場だった。
 往路はチェーン&冬タイヤ規制のため、舞鶴若狭道の丹南篠山口で停滞が起こる中、一般道と高速道路を”乗ったり降りたり”をしながら、それでも西宮市内から2時間半ほどで現地に到着した。恐らく停滞がなければピッタリ2時間くらいで到着するだろう。
 駐車場は、大型がドカッとあるのではなく、中小のモノが点在していて、それぞれがリフト乗り場の周囲にあるのでどこに駐めてもそんなに不都合はないようだ。

●乗り場の看板●


 今回はコンビニの発券機で事前にリフト券(正確には引換券)を購入していた。これだと、リフト券にプラスして1000円分の食事券がついて、総額から500円引きになる。

 ここは隣のスカイバレイスキー場と相互乗り入れになっていて、山頂でリンクされている。

●案内図●

 最長滑走距離は東鉢側が2000m、スカイバレイ側が3200mということだが、スカイバレイ側はおそらく駐車場まで下山するためのスロープ部のまで含めた距離だと思われるので実際には大差がないと思う。

 このスキー場の評価を上げているのが、山頂部のレイアウトにあるという。通常のスキー場であれば木々を伐採してコースを造るところを、ここでは山頂の頭頂部、見る限りでは約120度方向の例外箇所を除くほとんどを滑走可能としているのだ。
 そんな自由さがあってか、ここはスノーボーダーに対する偏見はなく、古くから全面解放している。そのせいかコース上ではスキーヤーの姿はボクを含めてごく僅かであり、見回した限り、スノーボーダーが9割を占めているように思えた。

●滑走エリアが広がる頭頂部●

 嬉しいことに、当日は三田市以北が降雪していてスキー場までのアプローチに難があったせいで、訪問者数が少なかったのか、一番混雑していたスカイバレイ側のトリプルリフトでも5分以上の待ちはなかった。

●ピークでもこの程度の待ち●

 実は、このトリプルリフトに関して、「あれっ?」と思うところがあった。昨年までのコースマップではクワッドとあったからだ。調べてみると、昨シーズンに故障で何日か休場になったために今シーズン前に新しく入れ替えたそうだ。しかし、このトリプルリフトは乗降時に減速し、本線で速くなる「デダッチャブル・タイプ」ではないので、席数が4分の3になったことに加えて時間あたりの輸送力は下がっている。

●定速のトリプルリフト●

 実は、この状態を見て少し心配になっていた。壊れがちなリフトを架け替える企業努力?は買いたいのだが、一つ、また一つと経営難のために閉鎖し続けている状況の中で、この投資が更なる負担となり、「経営に悪影響を与えないだろうか?」と、つい考えてしまうのだ。

 まぁ、そんな心配をしながらも滑り自体は堪能したワケだが、規模からいうと今の自分にとって日帰りには丁度良いサイズであり、訪問先リストに残り続けるスキー場の一つになった。そして、願わくば今後も次世代のスキーヤー&スノーボーダーのために何とか存続し続けて欲しいと思うばかりだ。
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今年も志賀高原から

2013-01-12 12:30:00 | アウトドア・スポーツ
■今年もスキーでスタート■

 正月休暇は今年も長野県中野市内で過ごし、その内二日間は志賀高原のスキー場へと向かった。

 今回の訪問でも我ら家族は日帰りを二回繰り返したが、宿のある麓の中野市から30~40分で志賀高原へ到着するので、そんなに苦にはならない。しかし、標高の高さでは上位に入るスキー場だけに、アプローチ道の後半15kmは、よほどの暖冬でもない限り、ウインタースポーツ適期を通して全面凍結区間になるから注意が必要だ。そのため、ボクを含めてやって来るほとんどの車がスタッドレスタイヤを装着している。もし、ノーマルタイヤ+チェーンの組み合わせでここへと向かう場合は、かなり神経を使うことを覚悟しなければならない。

●全面凍結する志賀高原へのアプローチ道●

 そんなこんなで、スキー場の周囲に到達したが、一ノ瀬や高天ヶ原といったスキー場の駐車場は宿泊客専用のところが多く、日帰りの場合はどうしても駐車場の規模が大きい焼額山(やけびたいやま)スキー場が頼りになる存在になる。例年、我が家でも奇跡?が起きない限りここに駐めている。今年も例外ではなく、第一ゴンドラ付近の駐車場に入ったが、準備を進めてゴンドラ乗り場に向かうと、意外にも混雑していた。
 「スキー場人気回復か?」と思ったのも束の間、緊急点検のため第二ゴンドラが休止していたために集中していただけであった。

●20分待ちだった第一ゴンドラ●

 ゲレンデに出てみれば、いつもの志賀高原であり、ほとんどのリフト待ち時間は無し~数分以内の、昔の正月期では考えられないような状況だった。
 ストレスなく滑ることができるゲレンデは自ずと滑走数も増えてくるから、「昔に比べて初心者のレベルアップも早いんだろうな~。」と、昔を知るオジサンとしては、羨ましくも思えてくる。

●焼額山・パノラマコース●

 そんなこんなで二日間をスキー場で過ごし、もう伸びはしない自分のテクニックの、衰え具合をチェックするのみだったが、今年50歳を迎える身として「スキーヤーとしての寿命は、あと10年くらいだろうか?」「息子に子=孫ができて、その子と一緒に滑ることができるのだろうか?」なんて思考が自然と駆け巡るようになっていることに少々ヘコんでいた。

■ゲレ食■

 ゲレンデサイドで採る食事を「ゲレ食」ということを雑誌で知ったが、志賀高原内での「おすすめゲレ食」を紹介しておく。
 場所は一ノ瀬地区で、ファミリーゲレンデを上に望んで右手にあるゲレンデサイドのレストラン(と言うか、「食堂」と言うか…)群を右手に進んでいったところの「ジャパン志賀」というホテル内にあるのが「エスニック・カレー・バイキング」だ。
 ここのカレーは、ネパール系で、その実ネパールの方々が直々に調理している。価格は¥1500で、周りのゲレ食よりはやや高めになるが、都市部で食っても相場はその程度なので、エスニック・カレーとして特別なモノでもない。

●ホテル前に架かるカレー店の看板●

 メニューは“カレー・バイキング”なので、1種類しかなく、オプション設定でドリンクバーがプラスされるのみだ。
 カレーは「マトン(羊肉)」、「キーマ(挽肉)」、「チキン」、「野菜」の4種類で、これを「ご飯」もしくは「ナン」に着けて食べる。他に「ネパールの焼きそば」、「サラダ」、「漬け物その他」もあって、全てが食べ放題だ。

●カレーと特大の焼きたてのナン●

 肝心の味を「書き言葉」で表現するのは難しいが、都市部にあるネパール・カレーの店と同等かそれ以上であり、ここに通い始めて2年目になる我が家では、今ではスキーとセットで楽しみにしているくらいだから、その程を想像して欲しい。


■安値安定?■

 以前にも書いたが、スキーばかりかスノーボード人口もジリジリと減り続けている。よくよく考えてみると、スノー・スポーツは金がかかる。板&ブーツ、ウエアの他、交通費と燃料費、車とそれに装着するスタッドレス・タイヤもしくはタイヤ・チェーン等々、それらをトータルするとかなりの出費になる。だから、太平洋側にある都市部などからのスキーヤー&ボーダーが特に減っているようで、現状はスキー場に近い地元の人達がかろうじて支えているように思える。
 そんな状況だから、これまでに閉鎖されたスキー場が多数在り、たとえ存続していても懸かるリフトの数を減らしたり、コース自体の数を減らしてコストダウンをしているスキー場がかなりの数に上っている。そして、ここ志賀高原も例外ではなく、近年まであったコースやリフトが少しずつだが減っている。
 現況では何らかの理由で不人気になっているスキー場は淘汰され、残ったモノだけが「安値安定」といった感じで存続している。しかし正月でも混雑しない状況の中、それすらいつまで続くのかは予想できない。まさか、「ボクがスキーができなくなる前にスキー場が更に激減する」といった極端な話にはもうならないだろうが、確信はない。後輩達のためにもそんなことのないよう、祈るのみだ。
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