中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

永遠の0がDVD化

2014-07-26 12:30:00 | その他
■初めて見る人のために■

 映画「永遠の0」がDVD化された。

●永遠の0(DVD版)●


 既にこのブログでも書いたように、ボクは映画館で鑑賞済みだが、この映画を観に行けなかった親父にプレゼントするべく購入に至った次第だ。

 映画の公開以降の観客数は記録的なモノだったから、当然ながら鑑賞者には概ね好評のようで、ボクにとっても大満足の内容だった。しかし、一部の観客の声やブログ等の書き込みでは「原作本の方が良かった。」という意見もあったのも事実だ。

 原作本と映画の表現の違いは各所にある。時間の制約がある映画では、生き残った各搭乗員に語らせる時間が少なくなっている点もその一つだが、対する原作本では、詳し過ぎてやや不自然だと思えるくらいに戦いの実際や、戦況の流れに関する説明が元搭乗員の口から出てくる。恐らくこれは作者の百田尚樹さんが、意図的に、大きくは大東亜戦争(太平洋戦争)全般の流れ、小さくは戦闘時の様子やエピソードについて、全く知識のない読者にも解るよう、登場人物達に、いちいち細かく説明させていたのだと思う。
 しかし、小説内で細かく語られる真珠湾攻撃から特攻に至る経緯は基本的なモノであり、坂井三郎さんのエピソード等は「大空のサムライ」で、それ以外のエピソードも各小説やノンフィクション作にも記されていることなので、それらを既に読んでいたり、近代史や戦史をある程度知っている者にとっては小説内で語られるほどに説明されなくても構わないのだ。恐らくそのあたりが、「知らなかった人達」にとっては、映画に対して物足りなく思え、「知っている人達」にとっては充分と思える差になったのだと思う。

 発売と同時期にレンタルも始まっているので、この映画を目にする人が今後も増えてゆくと思うが、予備知識がない場合は、できれば観る前に原作を読んだ方がイイと思うし、原作の内容を忘れてしまった人はもう一度原作を読み返してからにした方がすんなり感情移入ができるような気がする。つまりは「小説の内容をイメージとして映画で追う」といった感じで見るのがイイと思う。しかし、もっと理想を言うのなら、「戦争に突入した背景と終戦~サンフランシスコ講和条約までの経緯」を少しでも知ってから観ると、この映画の意図するところがより深く理解できるので、これらの時代を背景としたノンフィクション物や小説、各種文献を読むことをお薦めしておく。

 終戦記念日を来月に控え、タイムリーな発売、レンタル開始だ。この映画を観ることが、この国の礎となった人々に思いを馳せる切っ掛けとなって欲しいと思う。
 (最後に一言。この映画は極一部が言うところの「戦争賛美」「美化」といった要素は全く無いので、安心して観られる映画だということをお知らせしておきたい。)

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2度目の玄達アタック

2014-07-19 12:30:00 | 船釣り・釣行記
■途中撤退■

 先週末は2度目の玄達アタックだった。
 
 釣行前日の昼までの段階で「晴れ時々曇り、波の高さは50cm」との天気予報が続いていたが、前日夕刻に予報が突然「曇りのち雨(夕方から強く降る)、波の高さは50cm」というモノに変わったあたりから、「更なる悪条件になるのでは?」という、イヤな予感がボクの心中にずっと漂っていた。

●現地に到着直後の様子●


 当初はそれでも「夕刻からの本降りが少し早まるかも知れないな。」程度に思っていたのだが、当日現地に到着直後から雨は既にポツポツと降り始め、その後間もなく本降りに変わった時点で予感は的中した。そしてそれを契機に強風が吹き始め、みるみるうちに波高は見た限りで2.5m近くになってしまった。
 これはまさしく前線が忍び寄る際の兆候であり、出漁していた各船が連絡をとりあって、早々に玄達瀬からの撤収が決意された。

●一転し、帰りはシケの中を航行する●


 結局のところ、現地には11時頃まで滞在し、そのギリギリまで竿出ししていたのだが、ヒラマサの釣果は乗合船の同船者の一人が80cmほどを1本、もう一人が60cm台後半が1本のみで、ボクの釣果はゼロだった。ただし、一番不利と言われる舳先側の席に陣取っての奮戦の中で、アタリ自体は5回と、最多をとっていたのは小さく自慢できる点なのかも知れない。ただし、その全てはマダイからのモノであった。

●船中最初のアタリで獲ったマダイ●


●玄達瀬のマダイ釣果(これで全て)●



最大クラスは70cm前半で、それが2枚含まれていたが、この程度ではヒラマサ仕掛の敵ではなく、アッという間の実に呆気ないやり取りだったために感動は薄い。

●最大が70cmチョイ●


 その後はより沿岸部に近い鷹巣沖に転戦し、日没近くまで攻めたが、ここでもまたマダイのみの釣果で、最大が45cm止まりという喜べない結果に終わった。

●鷹巣沖のマダイ●


 なんともトホホな釣行に終わってしまったが、今年の玄達アタックの機会は残っている。大型ゲットのチャンスはまだあるようなので、次回に期待するしかない…。
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「玄達釣行」 ~明日のために、その2

2014-07-12 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
 ~その1から

■ハリ選び■

 ボクが玄達瀬で使っていたハリは、これまで、ヒラマサバリ系の13~14号がメインだったが、ここに出船している各船頭から「カン付きバリがイイ。」との声を時折聞いていた。理由は「ミミからスッポ抜けない。」からだとか、「ハリスの本線がミミの後ろに回らない」ということだった。しかし、釣りを始めて以来、ずっと外掛け本結びの信奉者であったボクは、初心者時代であればまだしも、結びに馴れて以降はスッポ抜けや回転を殆ど経験していないから、「カン付きバリなんてマトモにハリ結びができない人用のハリだ。」との偏見を持っていた。
 しかし、自慢?の外掛け本結びが通用するのはハリスが10号までだった。スッポ抜けや回転防止のため、ミミ周りに工夫を凝らしたハリが各社から販売されているが、12号以上のハリスを結ぶ場合は、どうしてもズリ上がってミミに当たる側が膨らんでしまう。現状では揺すっても抜けそうにはないのだが、どうにも気持ちが悪いため、今シーズンから、カン付きバリを導入することにした。

●オーナー社のカン付きバリ「メジ・カツオ」●

 いざ、ハリ選びの段になると、予想はしていたが、種類が少ないことに改めて気付かされた。形状としては使えるハズの「伊勢尼型のカン付き」もあるが、軸が細いので使用目的には合わない。やはり専用の「ヒラマサバリ」があれば最適だと思うのだが、この形状のカン付きとして販売しているのは、かなり在庫の豊富な店で探してもキンリュウ社の「超青物カン付」のみだった。しかしサイズが偶数号のみの、一つ飛ばしの展開であるし、後述するカンの部分の処理が気になるために、二の足を踏んでしまった。
 なんだかんだで選び出したのが、上写真のオーナー社製「メジ・カツオ」というハリだった。これはシルバー、ゴールド、ケイムラの三色展開で販売されている。カラーについては好みで選べばイイと思うが、118cmのゲットは、「日照の少ない日にはケイムラかな?。」って感じで、曇り&雨がちだった天候時に使用した結果だったことだけはお知らせしておく。
 このハリの形状は伊勢尼の短軸タイプになる。短軸バリの特徴は「かかりが良く、バレやすい」なのだが、対する長軸バリの特徴は「吸い込み易く、ばれにくい」となっていて、特徴だけ聞くと、やはり「ヒラマサバリの形状にこだわった方がイイのかな?」と思うが、この「メジ・カツオ」というハリは、カンの部分が、「ロウ付け」という手法で継ぎ目を埋める処理をしている点を評価したい。というのも他のハリでは曲げて輪にした先端がブッツリと切れていているからだ。勿論、輪に対してサルカン結びのように連結するのなら問題ないが、そういった簡単な結び方ではなく、より大物対応の結び方をした場合に、このカットした先端部に結んだハリスが擦れるように思うのだ。


■ハリ結び■

 せっかくのカン付きバリの採用だから、結び方も「より強力に」、「より回らずに」を目指したモノを採用したい。一番簡単なのはハリのフトコロ側からカンの中にハリスを通して、外掛け、もしくは内掛け本結びで止めてしまう方法だが、この場合だとハリスとハリの軸に角度が付いて、真っ直ぐにならない点が気に入らなかった。
 色々と探した挙げ句に採用したのが、クレハ合繊(シーガー)のH.P.「強いノットはこれだ!」内にある「中村式カン付き南方延縄結び」という結び方だった。
 詳しくは
http://www.seaguar.ne.jp/knot/harris/harris_7.html
を参照して欲しい。
 ただし、ボクの場合はカンへの通しが終わった後の、STEP5で示されているハリ軸に巻き付けた内部に通す作業をせず、普通の南方延縄結び
http://www.seaguar.ne.jp/knot/harris/harris_5.html
の、STEP3と同じ方法で通している。これは、巻き付けた内部を端糸を通す際にウマく通らず、巻きがバラけてしまうことがあるからだ。

●結び目の様子●

 勿論、中村式を完遂させ、端糸が巻き付けの内部を通る方がベストなのかも知れないが、強度的な優劣はないと考えている。

●ハリ結び全体の様子●



■編み付けエダス■

 玄達瀬や鷹巣沖だけに限らず、ボクが完全フカセで使用する仕掛は全長6mの2本バリが殆どだが、その全てを自作している。この場合、自分好みのハリとハリスを組み合わせることができるうえ、低コストに仕上がることが嬉しい。
 仕掛け作りの際は、ボクの場合、全号数において「編み込み(編み付け)」を使って枝バリを出している。編み込みの利点は何と言っても、枝ハリスは本線に乗っているだけなので、一番大物が食う確率の高い先バリまでのハリス本線に結び目がないことだが、その他、絡みにくい点も有り難い。
 「面倒だから」という理由で回転ビーズを使ってエダスを出す人もいるらしいが、「大きなヒラマサが掛かるとハリスが抜けたり、ビーズ自体が破壊されることがある。」と舞鶴の船頭から聞いたことがあるし、これを使う場合はビーズを固定するために、ハリスの本線に結びコブを作る必要があるから必ず強度が落ちるので、特にヒラマサ釣りでは使用を控えた方が良いと思う。また、三つ叉サルカンによる連結も考えられるが、仕掛が重くなり過ぎるので、完全フカセ釣りでは使い辛い。更には8の字結びの応用等の結び方もあるが、編み付け以外の方法では全てがハリス本線に結び目ができるため、これまた避けた方がイイと思う。
 編み付けでエダスを出す方法は数種類あるが、ボクの場合はその昔、故大塚貴汪(おおつか・たかひろ)氏が推奨していた方法で編み付けている。詳しくは下記H.P.↓
http://www.yawatahamacci.jp/fishing/shikake.htm
内の「添え糸を使った大物用枝ハリスの結び方」を参照して欲しい。なお、各編み込みの回数については、20回(10往復)ずつで、エダス側のみが26回(13往復)としている。

●添え糸を使ったエダスの編み付け●

 とにかく「自分が甘えを見せたところから大物は仕掛けを切ってゆく」と考えれば、手抜きはできないだろう。面倒臭がらず、弱点の少ない仕掛を作ることだ。


■サルカンとその結び■

 玄達瀬に通い始めた頃はステンレス製のインターロック・スナップ付きローリングスイベルの5号以上を使用していた。そのスナップ部に道糸の端を8の字結びで作ったチチワを連結し、浮力を付けるための発泡ウキを装着する際には、チチワのダブルラインになったところをウキの小さな穴に通していた。
 しかし、この方法だと道糸が太くなるにつれて発泡ウキへ通し辛くなるデメリットがあった。そこで一考し、グレ釣りで使うような浮き止めを道糸に通して発泡ウキを止めるようにしたのだが、この方法だと通すラインは1本になるため、浮力調整時の入れ替えが非常にスムーズになった。ただし浮き止め糸だけで止めるとウキの穴に食い込むことがあるし、ゴム製の浮き止めは口径が大きく食い込みにくいが滑り易いので、それぞれのメリットを生かすために、両方を装着している。

●浮き止め糸と浮き止めゴムの同時装着●


 この方式は、調整の度に結び直しが必要なため、結びっぱなしによる強度の低下が自動的に防止できる。また、スイベルにスナップが付いている必要が無くなり、選ぶ範囲が広がる。ボクは元々普通のスイベルがヨレを取る能力はテンションが掛かると“気休め”程度だと思っていたため、この方式を採るようになってからは、少しでもヨレが取れることを願ってボールベアリング入りのスイベルを使用している。道糸の太さに合わせて0号から2号までのサイズを使用しているが、2号の耐荷重は45kgなので強度も充分だ。ボールベアリング入りスイベルのデメリットはやや重い自重だが、スナップを省略した分だけ軽くなるので相殺できると考えている。

 スイベルへの結び方についてはYGKよつあみのH.P.内にある、「新石鯛結び(最強結び/完全結び)」
http://www.yoz-ami.jp/line_knot/003.html
を参照して欲しいが、更なる工夫として、余った端糸7~8回編み込んで強度アップを図っている。

●B.B.入りスイベルと最強結び(端糸編み込み)●



■ヒラマサの習性■

 先日、SHIMANO提供の釣り番組「釣り百景」で、磯から狙うニュージーランドのヒラマサ釣りを前後編に渡って放送していた。現在ではシマノのH.P.内のSHIMANO TV
http://tv.shimano.co.jp/movie/tv/tsurihyakei_035/
で見ることができるので、今後のために、鑑賞することをお薦めしておく。

 ニュージーランドのヒラマサは厳格なキープ数制限を釣り人に求めており、資源量が豊富だ。そのため、スレてはいないようなので、磯の上から捕食の様子が見えるのだが、その放送中に現地在住の日本人ガイドはこう解説する。

 「ヒラマサの習性として、大型は単独、またはごく少数の群れで磯の周りを小さく回遊する。その回遊コース上にイワシ&鮭のミンチ製のマキエサを入れると、まず最初にエサ盗り達が騒ぎ出し、その捕食音や漏れ出る臭いから大型のヒラマサが『おやっ?』といった感じで近付いてくる。そしてその鼻っ面に固形物(この場合イワシのブツ切り)が投入され、それを数切れ口にした瞬間にスイッチが入ったように貪り食いを始める。」

 この様子を玄達瀬の釣りに当てはめてみると、ピッタリ合うことに気付かされる。前回の釣行ではレギュラーサイズを3本釣った後の4本目(結果はハリス切れ)、エサ盗りの連発後、レギュラーサイズが単発で数本食った後の118cmもそんなパターンで食ってきた。このことからも「『忘れた頃に大型がやってくる』ということを想定せず、『今日は小さい』と決めてかかり、より数を釣ろうとして細いハリスを使う」ということの危険性が理解できると思う。
 釣り人心理からすると、「○号のハリスで獲った。」と自慢したくなるところもあるだろう。だが、その昔グレ釣りに真剣に取り組んでいた頃、取材で同行していただいたグレ釣り界の大御所から、「細ハリスでやり取りし、結果、大物をゲットするのに腕が必要なら、太ハリスで食わせるのにも腕が必要」との話をお伺いしたことがある。当時のボクは、口太グレ釣りとしてはやや太いハリスを使用していたのだが、この話をうけ、自身のプライドを傷つけることなく”自信を持って口太グレを獲ることのできるハリス(2号)”を使用し続けたことが、その後の自己記録更新時の大きな勝因だと思っている。一度釣ってしまえば、「一回り太いくらいの差なんて大したことはない。」と思うようになるのだが、太ハリスに関しては、このような発想の転換をすれば、すんなり移行できるのかも知れない。

 巨魚が豊富に生息する海域への遠征へ何度も釣行できる釣り人を除けば、釣り人生の中で真の大型魚に巡り会うチャンスには限りがある。せっかくの大物を逃さないためにも、釣果欄などを参考にして単に他人の使用したハリスに合わせるのではなく、自分の技量に合った、「万全を期したうえで、相手を獲る自信が保てる仕掛」を使って対峙して欲しい。




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「玄達釣行」 ~明日のために、その1

2014-07-05 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
■1年前からの下準備■

 実のところ、今期の玄達釣行にあたっては、1年前から準備をコツコツと進めていた。その努力については前回で報告した念願の大マサゲットによって、一応の効果が認められたようだ。あくまでも「ボク流」だが、これから玄達を攻めようかという人々の参考になるかと思うので、今回はボクなりのメーターオーバーを獲るための準備について記していこう。

■基本タックル選び■

 基本タックルである、竿&リールは、これまでの磯釣りの経験からの好みで殆どがシマノ社製を愛用してきたが、この春からそのこだわりを捨てて他社製を利用することが多くなっている。と言うのも、大好きな完全フカセ釣りでは、ボクがタックルに求めるスペックがあって、それに見合う竿&リールは数が少なく、釣具メーカー全社から選択するしか方法がないからだ。

 まずは竿を選ぶとなると、この春にも書いたが、「一旦曲がりこんでショックを受け止めた後に、引きが弱まれば胴部が起きてくる、磯竿のような調子で、全長は4m前後」というのが、ボクの感覚ではベストだ。
 しかし、船竿としては全長が長めの竿が殆ど姿を消してゆく中、僅かに残っているモデルはムーチング・アクションばかりで、「獲る為の調子」ではない。ズボ釣りと完全フカセの兼用竿と謳うメーカーもあるが、仕掛を斜めに流し、海底の障害物をかわして取り込む調子とズボ釣りで足下を狙う調子とは違うはずなのだが、専用竿はニーズがないとメーカーは判断しているのだろう。
 となると、旧モデルの中から探し出す、もしくは他用途の竿からの流用しかない。
 旧モデルでは、磯竿と同じ表記の「かかり釣り竿」が幾分か中古市場に存在し、その5号クラスなら適応ハリスが範囲内だが、ガイドセッティングがスピニング用(メーカーは兼用と言っていたが)の振り出し仕様のため、両軸(電動)リールでは使いにくそうだ。そして、同じ理由から現行でもラインナップが豊富な「海上釣り堀用の竿」からの流用もパスとなる。
 そうやってアレコレ思考を巡らせていると、「柔らかめの手持ち石鯛竿=全長4m台前半」があれば理想に近いと思うようになった。しかし、現行モデルでは1社が1種生産するのみで、硬さと価格が条件に合わない。従って現在、「短く柔らかい」旧モデルの石鯛竿を物色中だが、解禁直後での導入には至らなかった。
 無い物ねだりをしても間に合わないので、結局は船竿の大物対応では種類が豊富な全長2.7m以下の中から選ぶことになった。だが、この中でも「竿受けに乗せたままの、ウインチ巻き対応」と謳っているモデルは、チョっと調子が違うように思えるからパス。マグロなどを狙うスタンドアップ(スタンダップ)スタイルのモデルも短すぎで、これまたパス。残る「食いの立った青物をガンガン引き寄せる」と謳うタイプの中からでしか選択の余地はなかった。
 ボクの信頼する、晴海丸の船長はこのタイプ中の、ダイワの旧モデル「リーディングX ゴウイン 265H」を推奨するが、この竿は既に中古市場にしか存在しない。それを何とか手に入れようとして、中古市場を探ってみたものの、程度と売価にバランスがとれたモノは玄達瀬解禁までに出てこなかった。そこで目が行ったのが、同時期の、ダイワ製品の中では一段硬く、更なる大物用の「リーディングX ゴウマン 240H」というモデルだった。このクラスに手を出す人は少ないのか、玉数に余裕があって結局は某中古釣具取扱店で状態の良い竿を見つけてようやく購入に至った次第だ。

 リールについては、「必要な道糸の号数を必要な距離だけ巻ける」サイズで、「スプールのフリー回転性能が優れている」リールは完全フカセ釣りでは必須条件になる。
 今期の玄達釣行では、昨期の経験上から「道糸は10号!」と決めていたので、その号数を上記の必須条件に当てはめ、「なるべく廉価なモノ」を探してみると、ダイワ製の「ハイパータナコン 600Fe」しか選択の余地が無い。これは昨年からオークションをチェックし続けて適価での落札に成功し、今回の導入に至った次第だ。


●中古タックル「計40000円強ナリ」●



■道糸選び■

 次に、リールに巻く道糸についてだが、完全フカセでは比重の大きいフロロカーボン・ラインをリールのスプール一杯まで巻き込んで使用するのが大前提。潮が速い時や高切れ時のことを考えると、巻き糸量は300m前後が必要になる。
 時たま乗合船で見かけるのだが、道糸の量がかなり減っているリールを構わず平気で持ち込む釣り人が居る。巻き糸量が減ると、単位距離あたりのスプール回転が増えてその分抵抗が増して、せっかくのスプールフリー性能が台無しになることがあるし、第一必要な距離まで流せないこともある。だから、釣行後は必ずチェックして、根ズレ等で減った場合は一旦巻き戻して軸部からカサ上げして巻き直す、もしくは継ぎ足すことが必要だ。
 減った道糸を下巻きでカサ上げする、もしくは継ぎ足しで上巻きする際は、普通に結ぶとレベルワインドやガイドに引っ掛かってしまうことが多いので、ボクはYGKよつあみ社の「ダイニーマノット10号」を使って連結している。これは萩沖でマグロ釣りを案内する船頭に教えてもらった方法なので、普通に結ぶよりも強いし、何よりも引っかかりが殆ど無く出し入れができることが有り難い。ただし、ダイワのハイパータナコン500Fのレベルワインド部は口径が小さいため、結びこぶが小さくなるよう努力しないと、全く通らないので注意が必要だ。(シマノ製は最新のフォースマスターシリーズの2000番以上のサイズはすべてスムーズに通るし 、ダイワ製の600FEはOK、それ以外のダイワ製品は不明)
 使い方は簡単で、高切れで減った道糸の綺麗な部分を次回以降のために捨てずに残しておくのが第一段階。それを次回以降の高切れ下際の下巻き、もしくは上巻き用に使用するが、結び方は中空になったところに糸の端を差し込んで、8の字結びをするだけだ。ただし、1箇所目の片方がフリーの側は簡単に8の字で結べるが、2箇所目を結ぶ際には巻いてあるボビンが通る程大きな輪を作って通す必要があるので、少しだけコツが必要になる。

●ダイニーマノットを使った連結●


 完全フカセ釣りで使用するフロロカーボン・ラインは高価なモノも多く、完全フカセ釣りでよく使われる6~8号だと、¥4500前後の出費が必要になることがある。しかし、「お助け価格」で提供されている製品が一部にある。その一つが「YGKよつあみ社製 FCディスク 300」だ。
 このラインに出会ったのは完全フカセ釣りを始めて間もない頃だ。以降ずっと使用し続けているが、道糸6号、ハリスを8号にセッティングしても、根掛かり等で切れるのは大概がハリスの方になるので、強度的には全く問題ない。しかし、このラインの売りはその価格にある。何と、安売り店でもない釣具店の通常価格であっても300m巻きが¥2500以下であり、今回の玄達釣行で使用した10号でも、¥2800程度と、格安なのだ。
 高強度を謳うが高価な道糸を巻き替えずに長々と使うことと、必要にして充分な強度を持ちながらも廉価な道糸をマメに巻き替えることと、どちらが実釣に有利であるかは考えるまでもないだろう。

●YGKよつあみ社製 FCディスク 300(写真は7号)●



■ハリス選び■

 今回、玄達瀬に持ち込んだ仕掛は、8~14号までのハリスを使用した全長6mの2本バリ仕様で、現地の条件に合わせて号数を変えるつもりだったが、実際に使用したのは12号のみだった。

●自作の、ハリス12号×6m(2本バリ)仕掛●

 船長の推奨は10号だったので、最初は迷ったが、こういった場合にいつも言い聞かせることがあり、今回もそれに則って12号を選択した。
 その「言い聞かせ」とは、ハリスの実寸に関することだ。以前にも触れたことがあるが、同じ号数でもハリスの実寸値はメーカーによって、かなりのバラツキがある。そのため、ボクは折に触れ、ノギスを使って実測することにしているが、その結果、標準直径に対して一番正確なメーカーは東レ、次いでクレハ(シーガー・シリーズ)だと把握している。そのため、ことハリスに関しては、メーカーごとの差を意識して使用するようにしている。
 だから、この日も、「(実際にはメーカーの違いで10号と12号の実寸が逆転することはないが、)ボクの12号は、他社を使用している釣り人の10号と太さはそう変わらない。」と自分に言い聞かせつつ、一段太いハリスを使用していたのだ。

●太さが正確な東レのハリス●

 誰しもが「細ハリスの方がよく食う」と思うだろう。そしてボクの「言い聞かせ」は”屁理屈”に聞こえるかも知れない。しかし、いずれにせよ、ある程度の太さになればハリスは魚から丸見えになっているハズだから、「1ランクアップ程度であれば食い渋りでもない限り、釣果差は出ない」と考えを改め、「せっかくの大型魚を取り逃がしては元も子もない」ということを最優先に考えるのが、記録魚ゲットへの近道だと思う。
 危機を感じたヒラマサがどのような走りをするかは、youtube内にアップされているので確認して欲しい。
「ヒラマサのアタックシーン!」(下記アドレス↓)
http://www.youtube.com/watch?v=YICGDeYdzmo
 この動画の1分20秒あたりから先を注目して欲しいが、この動きを見れば、根ズレの恐怖が目の当たりとなるだろう。

 当日の実釣でも、隣で釣っていた兄は10号を使用していたが、ハリスが1ランク太いボクの方が圧倒的に釣果が多かった。これは、「要はタナのとり方次第!」と、頻繁に浮力調整をした結果だと思う。
 これから先、皆さんの中にも”太ハリス信者”が増えることを願いつつ、以下、”「玄達釣行」 ~明日のために、その2”へ続く。

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