■舞鶴沖の釣り■
このブログで少し前に触れた印南の乗合船に乗船して以来、ボクの心中では何年か振りに沖釣りに対しての興味が深まっている。
以前に紹介した和歌山県印南と同様に、ボクの住む西宮市内から2時間以内で到達できる沖釣り基地の一つが舞鶴周辺の各港だ。
ここから出港して攻める海域は、主に2ヶ所。若狭湾中央に浮かぶ、「冠島(かんむりじま)」の周囲にある、数多くの天然魚礁と人工漁礁、それに丹後半島・経ヶ岬沖にある天然魚礁の「白石グリ(しらいしぐり)」周辺だ。(隣の宮津市、その隣の丹後半島周辺の各港から出る船も共通のポイントに向かっている。)
狙える魚種も豊富で、オキアミエサで狙うマダイを始め、青物のメジロ(ワラサ)~ブリクラス、季節によってはヒラマサも出るうえ、生きエサ(イワシや小アジ)で狙う船ではヒラメやアコウ(キジハタ)もコンスタントに出るから、正に何でも来いのポイント群なのだ。
若狭湾~経ヶ岬にかけての各ポイントでの釣法は、「天秤ズボ」という、天秤、オモリ、カゴ、クッションゴムといった器具を使い、船の真下付近を狙う方法や、3本~5本といったハリ数の多い胴付き仕掛を使った方法、等々様々だが、ボクのような、魚と自分との「一対一の勝負」がしたい人にとっては最高なのが、昨年秋、福井沖での釣行時に紹介した「完全フカセ(以降フカセと略)」という釣法だ。
この仕掛は基本的には糸とハリだけの仕掛なので、ダイレクト感が味わえるうえ、潮流と仕掛、そして船上から撒くマキエサの流れが同調させることができると数釣れることも多いから、一度ハマるとやめられない釣りの一つでもある。
そんな舞鶴での「フカセの釣果」を期待したボクは、11月に入って以降、二度釣行していたのだが…。
■冠島周辺■
一度目は舞鶴西から出港している「興一丸(こういちまる)」さんのお世話になった。向かった先は冠島周辺のポイントだった。
まず最初は、沓島北側のポイントで様子を伺う。
だが、一向に潮が動かず、フカセ釣りではオキアミのマキエサを船上から海面に撒くスタイルをとるのだが、通常なら船尾方向に流れて行くハズのマキエサが、真下に沈んで行くほどの潮行きの悪さと、そのマキエサをついばんでいる姿が見えるほどに沸くエサ取りの多さが災いして、全く釣果を得られないままに時間だけが過ぎていった。
それからは船長さんの計らいで「アッチへコッチへ」と、流れ流れて少しでも状況が良さそうなポイントを探し回ったのだが、答えを何も得ないままに気付けば開始から4時間の時が流れていた。
冠島周辺を諦め、東に向かった興一丸が足を止めたのが、若狭湾に何カ所かある人工漁礁の一つだった。ここでは他とは違って僅かに潮が動いていた。
状況さえ良ければ現金なもので、アンカーを入れた船の位置が落ち着き、マキエサが効き出すとすぐにボクの竿にアタリが出るのであった。
タックルは大型マダイ用のセッティングなので、強烈な引きに途中は「青物か?」と思い、ヒヤヒヤとする場面が何度もあったが、上がってきたのが75cmのメダイだったので、ややガックリ気味で肩を落とす。
その直後、同行していた兄にも同様のアタリがあったが、ライン・トラブルでもたついてアワセを入れられず、ハリハズレが起こってしまう。
それでも連続するアタリに「ここから先は釣果が伸びるだろう」と期待したが、裏腹に風向きが急変して、ポイントと船の位置が完全にズレてしまう。
慌てて船長がアンカーを打ち直したが、以降は風向きと潮流が逆になり、船首方向に流れる「アンカー潮」という状態になって、フカセ釣りでは最悪の潮になってしまった。船尾方向に最長では300mも流すことがあるフカセ釣りでは、この流れになるとアンカーロープに引っかかることが多くなり、対処のしようがなくなってしまうのだ。
仕方がないのでここからは接近戦とし、魚礁に近付いて天秤ズボ仕掛で船の直下を狙うことになった。
しかし、エサ取りの猛攻が続き、終了30分前に兄が強烈な引きをモノにして釣ったマダイの85cm以外はロクな釣果は無いままに、この日の釣りが終わった。
■自宅に持ち帰って■
さてさて、実はここからが本題。ボクが持ち帰ったメダイのことである。
メダイとは、普段は深海性で100m以深で活動するが、水圧変化に対して強く、例えば冬場、男女群島での磯からの夜釣りで4ヒロ(6m)の水深でも釣れることから、一概に「深海魚」といった感じでもないようだ。
ハリに掛かってからのファイトは相当なモノだ。発達した尾ビレ、そして扁平した体型という、パワーがある魚の条件を備えているうえ、上述した特性から水深の深いところから浅いところまで、へばることなく引きまくって釣り人を興奮させてくれる。
具体的には同サイズのヒラマサほどのパワーはないが、メジロ(ワラサ)・ブリよりもパワーは上といった感じだ。
また、マダイのように食い渋って細ハリスしか食わなくなったり、ヒラマサのように沈み根に向かって疾走する「頭の良さ」はなさそうであるから、「タナとり」や「やり取りの基本」さえ掴めば比較的釣り易いタイプの魚のようだ。
ここまでは釣法の話だが、「見た目」そのものに問題が多少ある。それはこの魚、体表のヌメリがキツく、それこそドロドロの状態であり、写真を撮ろうと持って構えていると、ドロッとしたたり落ちてくる程なのである。また、そのヌメリは鉄分臭があってやや生臭い。
その結果、食べたことのないモノにとっては、どうしても「キショク悪っ!」とのイメージが付きまとってしまう。そう言うボクもその一人であり、今までは何となく毛嫌いをしていた。
だが、今回は事前にある程度の知識を得ていたので、「モノは試し」と、釣れれば最初から味わうつもりでいた。だから、釣り上げたら船上である程度体表のヌメリを落とし、持ち帰った後には更にブラシと流水で充分に洗い流してからウロコを取る手順で下処理を施してみたのだ。
ウチの場合近頃では、大型魚に関しては下処理までがボクのパートで、以降の3枚おろし~料理は妻のパートとして役割分担しているから、以降は妻のアイデアだが、今までに「手巻き寿司」「刺身」「ちり鍋」「煮付け」「兜煮とあら煮」「ソテー」「西京漬け(味噌漬け)」「唐揚げ」「フライ」「ユッケ」と様々な調理で食してみたが、全てがパーフェクトな味わいだった。
その肉質は例えば「クエのような動物的味わい」を感じさせながらも、もう少し魚らしさがあり、脂がのって充分な甘みがありながらトロほどシツコクない。 この味を理解している人が居るのか、一部の市場では評価が高く、東京の築地市場辺りではセリ値も高いそうだ。特に鳥取~新潟にかけての日本海産の評価が高いという。
「食わず嫌い」とは正にこのことである。ソレこそ「今まで何で狙わなかったのか?」と後悔するくらいのウマさであったのだ。
■白石グリ■
そして、そして、11月に入って2回目釣行機会がやってきた。この回は妻と2人で船に乗り込んだ。お世話になったのは舞鶴東から出港する「バブ」という名の船だった。(http://www.eonet.ne.jp/~babu/)
実を言うと、この回は船頭さんに「メダイも出るポイント」をリクエストしていた。何しろ、ウチではメダイの評価はうなぎ登りの状態であり、既にマダイよりも上位なのである。
目指したポイントは経ヶ岬沖の白石グリだ。メダイだけを狙うのなら別の深いポイントに行って天秤仕掛を使った「天秤ズボ釣り」をする方が数が出るし、型も良いようだったが、釣り味も重要だからあくまでも釣法はフカセにこだわりたいし、マダイや青物といった他魚も欲しい。そのために「フカセ釣りの本場」でもある、白石グリへ向かうのであった。
到着後、潮流を確認すると、フカセにはベストの早さで流れていた。
実釣開始。しかし、「さぞや釣果は…。」との期待とは裏腹に、海中はエサ取り天国と化していた。それをかわすためにサルカン上に発泡ウキを装着し、仕掛の浮力をUPさせて流すタナを上げていっても全く効果が無く、何をやってもお手上げ状態だった。
その正体はフグやウスバハギといった刃の鋭い魚達であり、挙げ句の果てには3本バリの全てが噛み切られたり、蛍光色の発泡ウキまでもがカジられる始末で、手に負えない状態だった。
たまらず船頭さんがポイントをズラした途端に良型のイサギが釣れたが、その後の状況は変わらず仕舞いで、エサが全くハリに残らない状況は続いた。それでも「マトモな魚のアタリがあったのだから」と、海況が変わって事態が好転することを願ってそのままの位置でネバることになった。
状況が変わったのは、夕刻になって浮かせた仕掛のエサが残って帰ってくるようになってからだ。
そこで装着していた浮力UP用の発泡ウキの個数を減らして流すタナを下げてゆく。
装着したウキがゼロになった仕掛を約70m先まで送り込んだ辺りでリールが猛スピード逆転し始めた。これがまさしく待ちに待ったアタリだ。
竿受けから竿をハズして両手で保持し、応戦の姿勢をとる。すると、相手は強烈に締め込んで、その後はいつまでも引き続ける。
ハリスをいたわりながら「押さば引け・引かば押せ」を繰り返し、「柔よく剛を制す」という、柔道家のようなのやり取りで無事に取り込んだのは、本命のメダイだった。
そのすぐ後に船頭さんが1匹メダイを掛けたので、「時合か?」と思われ、力が更に入ったが、喜べたのは束の間のことだった。以後は見事に空振り状態となり、数匹のイサギを追加するだけでこの日の釣りが呆気なく終わってしまった。
■来年こそは!■
2回連続で貧果の1日を過ごしてしまったが、コレも「腕が悪い」ではなくて、不運とするしかない。帰宅後は「ああすれば良かったかも?」と後悔しつつも、「次回こそは…」と半ば意地になっているのだが、時節柄、本業が忙しく、しばらくは行けそうにない。まずは「メダイのウマさ」を知っただけでも「儲けモノ」としておこう。来年はもっと釣る(食う)ゾ!。
このブログで少し前に触れた印南の乗合船に乗船して以来、ボクの心中では何年か振りに沖釣りに対しての興味が深まっている。
以前に紹介した和歌山県印南と同様に、ボクの住む西宮市内から2時間以内で到達できる沖釣り基地の一つが舞鶴周辺の各港だ。
ここから出港して攻める海域は、主に2ヶ所。若狭湾中央に浮かぶ、「冠島(かんむりじま)」の周囲にある、数多くの天然魚礁と人工漁礁、それに丹後半島・経ヶ岬沖にある天然魚礁の「白石グリ(しらいしぐり)」周辺だ。(隣の宮津市、その隣の丹後半島周辺の各港から出る船も共通のポイントに向かっている。)
狙える魚種も豊富で、オキアミエサで狙うマダイを始め、青物のメジロ(ワラサ)~ブリクラス、季節によってはヒラマサも出るうえ、生きエサ(イワシや小アジ)で狙う船ではヒラメやアコウ(キジハタ)もコンスタントに出るから、正に何でも来いのポイント群なのだ。
若狭湾~経ヶ岬にかけての各ポイントでの釣法は、「天秤ズボ」という、天秤、オモリ、カゴ、クッションゴムといった器具を使い、船の真下付近を狙う方法や、3本~5本といったハリ数の多い胴付き仕掛を使った方法、等々様々だが、ボクのような、魚と自分との「一対一の勝負」がしたい人にとっては最高なのが、昨年秋、福井沖での釣行時に紹介した「完全フカセ(以降フカセと略)」という釣法だ。
この仕掛は基本的には糸とハリだけの仕掛なので、ダイレクト感が味わえるうえ、潮流と仕掛、そして船上から撒くマキエサの流れが同調させることができると数釣れることも多いから、一度ハマるとやめられない釣りの一つでもある。
そんな舞鶴での「フカセの釣果」を期待したボクは、11月に入って以降、二度釣行していたのだが…。
■冠島周辺■
一度目は舞鶴西から出港している「興一丸(こういちまる)」さんのお世話になった。向かった先は冠島周辺のポイントだった。
まず最初は、沓島北側のポイントで様子を伺う。
●釣り人の言う冠島とは、手前の沓島(くつじま)と奥の冠島の総称●
だが、一向に潮が動かず、フカセ釣りではオキアミのマキエサを船上から海面に撒くスタイルをとるのだが、通常なら船尾方向に流れて行くハズのマキエサが、真下に沈んで行くほどの潮行きの悪さと、そのマキエサをついばんでいる姿が見えるほどに沸くエサ取りの多さが災いして、全く釣果を得られないままに時間だけが過ぎていった。
それからは船長さんの計らいで「アッチへコッチへ」と、流れ流れて少しでも状況が良さそうなポイントを探し回ったのだが、答えを何も得ないままに気付けば開始から4時間の時が流れていた。
●一向に火を噴かないボクの「フカセ・タックル」●
冠島周辺を諦め、東に向かった興一丸が足を止めたのが、若狭湾に何カ所かある人工漁礁の一つだった。ここでは他とは違って僅かに潮が動いていた。
状況さえ良ければ現金なもので、アンカーを入れた船の位置が落ち着き、マキエサが効き出すとすぐにボクの竿にアタリが出るのであった。
タックルは大型マダイ用のセッティングなので、強烈な引きに途中は「青物か?」と思い、ヒヤヒヤとする場面が何度もあったが、上がってきたのが75cmのメダイだったので、ややガックリ気味で肩を落とす。
●75cmのメダイ●
その直後、同行していた兄にも同様のアタリがあったが、ライン・トラブルでもたついてアワセを入れられず、ハリハズレが起こってしまう。
それでも連続するアタリに「ここから先は釣果が伸びるだろう」と期待したが、裏腹に風向きが急変して、ポイントと船の位置が完全にズレてしまう。
慌てて船長がアンカーを打ち直したが、以降は風向きと潮流が逆になり、船首方向に流れる「アンカー潮」という状態になって、フカセ釣りでは最悪の潮になってしまった。船尾方向に最長では300mも流すことがあるフカセ釣りでは、この流れになるとアンカーロープに引っかかることが多くなり、対処のしようがなくなってしまうのだ。
仕方がないのでここからは接近戦とし、魚礁に近付いて天秤ズボ仕掛で船の直下を狙うことになった。
しかし、エサ取りの猛攻が続き、終了30分前に兄が強烈な引きをモノにして釣ったマダイの85cm以外はロクな釣果は無いままに、この日の釣りが終わった。
●兄の釣った85cmのマダイ●
■自宅に持ち帰って■
さてさて、実はここからが本題。ボクが持ち帰ったメダイのことである。
メダイとは、普段は深海性で100m以深で活動するが、水圧変化に対して強く、例えば冬場、男女群島での磯からの夜釣りで4ヒロ(6m)の水深でも釣れることから、一概に「深海魚」といった感じでもないようだ。
ハリに掛かってからのファイトは相当なモノだ。発達した尾ビレ、そして扁平した体型という、パワーがある魚の条件を備えているうえ、上述した特性から水深の深いところから浅いところまで、へばることなく引きまくって釣り人を興奮させてくれる。
具体的には同サイズのヒラマサほどのパワーはないが、メジロ(ワラサ)・ブリよりもパワーは上といった感じだ。
また、マダイのように食い渋って細ハリスしか食わなくなったり、ヒラマサのように沈み根に向かって疾走する「頭の良さ」はなさそうであるから、「タナとり」や「やり取りの基本」さえ掴めば比較的釣り易いタイプの魚のようだ。
ここまでは釣法の話だが、「見た目」そのものに問題が多少ある。それはこの魚、体表のヌメリがキツく、それこそドロドロの状態であり、写真を撮ろうと持って構えていると、ドロッとしたたり落ちてくる程なのである。また、そのヌメリは鉄分臭があってやや生臭い。
その結果、食べたことのないモノにとっては、どうしても「キショク悪っ!」とのイメージが付きまとってしまう。そう言うボクもその一人であり、今までは何となく毛嫌いをしていた。
だが、今回は事前にある程度の知識を得ていたので、「モノは試し」と、釣れれば最初から味わうつもりでいた。だから、釣り上げたら船上である程度体表のヌメリを落とし、持ち帰った後には更にブラシと流水で充分に洗い流してからウロコを取る手順で下処理を施してみたのだ。
ウチの場合近頃では、大型魚に関しては下処理までがボクのパートで、以降の3枚おろし~料理は妻のパートとして役割分担しているから、以降は妻のアイデアだが、今までに「手巻き寿司」「刺身」「ちり鍋」「煮付け」「兜煮とあら煮」「ソテー」「西京漬け(味噌漬け)」「唐揚げ」「フライ」「ユッケ」と様々な調理で食してみたが、全てがパーフェクトな味わいだった。
その肉質は例えば「クエのような動物的味わい」を感じさせながらも、もう少し魚らしさがあり、脂がのって充分な甘みがありながらトロほどシツコクない。 この味を理解している人が居るのか、一部の市場では評価が高く、東京の築地市場辺りではセリ値も高いそうだ。特に鳥取~新潟にかけての日本海産の評価が高いという。
「食わず嫌い」とは正にこのことである。ソレこそ「今まで何で狙わなかったのか?」と後悔するくらいのウマさであったのだ。
■白石グリ■
そして、そして、11月に入って2回目釣行機会がやってきた。この回は妻と2人で船に乗り込んだ。お世話になったのは舞鶴東から出港する「バブ」という名の船だった。(http://www.eonet.ne.jp/~babu/)
実を言うと、この回は船頭さんに「メダイも出るポイント」をリクエストしていた。何しろ、ウチではメダイの評価はうなぎ登りの状態であり、既にマダイよりも上位なのである。
目指したポイントは経ヶ岬沖の白石グリだ。メダイだけを狙うのなら別の深いポイントに行って天秤仕掛を使った「天秤ズボ釣り」をする方が数が出るし、型も良いようだったが、釣り味も重要だからあくまでも釣法はフカセにこだわりたいし、マダイや青物といった他魚も欲しい。そのために「フカセ釣りの本場」でもある、白石グリへ向かうのであった。
●右先端が経ヶ岬●
到着後、潮流を確認すると、フカセにはベストの早さで流れていた。
実釣開始。しかし、「さぞや釣果は…。」との期待とは裏腹に、海中はエサ取り天国と化していた。それをかわすためにサルカン上に発泡ウキを装着し、仕掛の浮力をUPさせて流すタナを上げていっても全く効果が無く、何をやってもお手上げ状態だった。
その正体はフグやウスバハギといった刃の鋭い魚達であり、挙げ句の果てには3本バリの全てが噛み切られたり、蛍光色の発泡ウキまでもがカジられる始末で、手に負えない状態だった。
たまらず船頭さんがポイントをズラした途端に良型のイサギが釣れたが、その後の状況は変わらず仕舞いで、エサが全くハリに残らない状況は続いた。それでも「マトモな魚のアタリがあったのだから」と、海況が変わって事態が好転することを願ってそのままの位置でネバることになった。
状況が変わったのは、夕刻になって浮かせた仕掛のエサが残って帰ってくるようになってからだ。
そこで装着していた浮力UP用の発泡ウキの個数を減らして流すタナを下げてゆく。
装着したウキがゼロになった仕掛を約70m先まで送り込んだ辺りでリールが猛スピード逆転し始めた。これがまさしく待ちに待ったアタリだ。
竿受けから竿をハズして両手で保持し、応戦の姿勢をとる。すると、相手は強烈に締め込んで、その後はいつまでも引き続ける。
ハリスをいたわりながら「押さば引け・引かば押せ」を繰り返し、「柔よく剛を制す」という、柔道家のようなのやり取りで無事に取り込んだのは、本命のメダイだった。
●68cmのメダイ●
そのすぐ後に船頭さんが1匹メダイを掛けたので、「時合か?」と思われ、力が更に入ったが、喜べたのは束の間のことだった。以後は見事に空振り状態となり、数匹のイサギを追加するだけでこの日の釣りが呆気なく終わってしまった。
■来年こそは!■
2回連続で貧果の1日を過ごしてしまったが、コレも「腕が悪い」ではなくて、不運とするしかない。帰宅後は「ああすれば良かったかも?」と後悔しつつも、「次回こそは…」と半ば意地になっているのだが、時節柄、本業が忙しく、しばらくは行けそうにない。まずは「メダイのウマさ」を知っただけでも「儲けモノ」としておこう。来年はもっと釣る(食う)ゾ!。