中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

昨日、テレビを見ていて…

2007-06-29 09:40:54 | その他
 昨日、何気なく「いきなり黄金伝説」という番組を見ていた。
 

 この番組は極たまに見ていたが、芸人に「1ヶ月1万円で生活しろ」だとか「一つの食材だけ、ある一定量を1週間で食べきる(=例えば、せんべいを1000枚)」だとかをさせて、その様子を見て笑うというものだ。
 出てくる芸人も、そこそこ売れている人を起用しているので、そんな人を「1ヶ月もしくは1週間も拘束できるの?」という観点からすると本気で出来るはずがないと思っていたし、1万円という限られた予算で、1ヶ月分のレシピなんてプロの指導がないと無理!とも思っていた。だから、いわゆるエンターテーメント性だけが売りで「本気度0」なんだろうと思っていた。
 モチロン、コレはコレで見る人が楽しめればそれでイイんだろうけど、昨日(6月28日)の放送分だけは、「コレはいかんやろ~!」とツッコミを入れざるを得ない内容だった。

 昨日の放送では「タカアンドトシアンド優の無人島0円生活」というのをやっていたんだけど、コレは無人島に行ってモリで突いた魚だけを料理して3日間を過ごすという内容だった。
 だが、このロケの3日目にトシさんが突いている魚を見てビックリしてしまった。この日にトシさんが突いた4匹の魚の中の1匹が何と!「キタマクラ」だったからだ。
 この魚、釣り人なら多分ほとんどの人が知っているが、肉と卵巣は無毒だが皮ふは強毒で肝臓と腸には弱毒がある魚だ。モチロン、ふぐの仲間なので、季節や地域によってどこに毒があるかは解らないから厄介で、名前のようになりたくなければ(死にたくなければ)絶対に食してはイケナイ魚だ。
 実際の料理のシーンでは他に突いたハリセンボン等は皮をむいたりしていたが、さすがに、キタマクラは誰か専門家(アドバイザー)が同行していて指導したのか、ハズされていた。
 だが、コレはワタシが釣り人だから映像を見て判断できることであって、もしそうでなければ見過ごしていただろう。
 
 以前、東南アジアを冒険旅行をする番組(後になって、危険箇所は回避したと解り、それがヤラセだと話題になった番組)を見た若者がマネをして現地でトラブルに巻き込まれた例もあるように、テレビの内容を何も考えずに、そのまま信用してしまう事はよくある。
 番組内では説明がなかったので、ホームページを見ると、

「海でのモリ突きは危険ですので、絶対に真似しないで下さい。」※番組では熟練者の監視の下で撮影を行っております。※荒れた海に入ることも絶対に真似しないで下さい。※また魚突きを行う場合には地元漁協からの了解が必要であり、番組ではその許可を得て行っています。

と書いてあったが、キタマクラについては全く触れていない。だからもし、この番組をまねて、どこかで捕まえて食した人が中毒を起こした場合の責任はどうなるんだろうか?と心配になってしまった。
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ワタシにはわからない ~ディーゼル車の規制

2007-06-26 09:58:18 | 釣り一般
 ワタシの車は年間走行距離が40000km近い。これは仕事と遊びとを共用しているからだ。燃費やエンジンの耐久性の面から考えると選択肢が少なく、どうしてもディーゼルのワンボックス車になってくる。

 ディーゼル車規制が始まって久しいが、ご存じのようにコレは大都市等の規制区域内のディーゼル車の所有者に対して「一定基準の排出ガス規制値以下でない車は、新車登録から9年目以降の車検を通させない」という規制だ。
 内容的にトラック&商用車向けのディーゼル車の規制はやや甘く、国内の自動車メーカーでも対応が可能だったのだが、乗用車向けのディーゼル車の規制は更にキビシイ規制になってしまったので、今のところ対応できていない。
 この規制に対して別に正面から文句を言おうというのではないが、環境問題にキビシイはずのヨーロッパではガソリン車よりもディーゼル車の方が環境にイイとして、全体の半分以上を占める国もあるという。コレはガソリン車よりもディーゼル車の方がCO2の排出量が少ないので、温暖化対策の面で優れているからだ。
 ただし、コレは石油メーカーが軽油の精製時に低硫黄化等をすすめてNOx、その他の発ガン性物質や黒煙を減らすという対策をした上での選択なので、日本国内と単純比較は出来ないらしいが…。

 そんなこんなの理由で今、日本国内で、ディーゼルのワンボックス車に乗ろうとすると、新車では4ナンバーのバンを買うしかないのだ。ただし、そのバンも排気管にDPFという一種の除去フィルターが入っているので、排気ガスの圧力を上げなくてはならない。だからほとんどがターボ付きのモデルになっている。したがって、これらの装置を背負った結果、ワゴンに近い内装を施した4WD車の価格は300万円を軽く超えているのだ。以前だと、ディーゼルターボのワゴンなら250万円くらい出せば中間グレードの中から色々と選択できていたというのに、いつの間にかバンのクセに、こんな高価格になっているのには驚きだ。
 それにバンだと税金面ではメリットもあるのだが、2年目以降の車検のサイクルが短く、わずらわしいし、その際の費用も気に掛かる。更に、ボディサイズが乗用車の3ナンバー枠相当になると、中型車扱いになり、高速道路の通行料金が1.5倍になる。コレは正直言ってかなりキツイ出費だ。

 ワンボックス車の場合は重いこともあって馬力よりもトルクの大きいエンジンの方が合っている。だから、ディーゼルエンジンがピッタリだったのだ。もし、ガソリンエンジンでトルクを充分に満たそうとすると、どうしても排気量を上げざるを得ない。そうなると、クソ燃費の悪い車になってしまう。
 実際に3.5Lのワンボックスワゴンに乗っている知人に燃費を訪ねると、リッターあたり5kmを切ることが多いうえに、その車はハイオク指定になっているという。

 ここで、今私が乗っている3Lディーゼルターボ車との比較をしてみよう。
 6月23日現在、軽油が118円、ハイオクは150円くらいだそうだ。ワタシの場合、15万kmは確実に乗るから、ソコまでが寿命だと仮定しての全走行距離とする。3Lディーゼルターボ車の燃費はリッターあたり7.8kmだ。
 計算すると3Lディーゼルターボ車は寿命までに19230Lの軽油を消費し、そのトータルの金額は2269140円になる。対する3.5Lガソリン車は寿命までに30000Lのハイオクガソリンを消費し、そのトータルの金額は4500000円になる。その差は何と約2230000円にもなるのだ。コレじゃーチョッとした車がもう一台買えてしまう金額なのだ。

 最近テレビで「たかじんのそこまで言って委員会」という番組をよく見る。
その中でこんな本↓

の著者を呼んで色々と意見を交わしていた。早速ワタシも購入して読んでみたが、ここには環境問題の裏側について様々なことが書かれていた。コレを読んだ後でディーゼル車の事を考えてみると、軽油より単価が高く、税収が高いガソリンを買わせようとする、何かの意図があるようにも思えてしまう。
 でも、経済は循環しているのだ。近頃の燃費高騰のアオリを受けると、様々なところに悪影響が出てくるはずだ。例えば、みんなが遠出を控えるようになると、観光地なんかが打撃を受けたりする事にも繋がるかも知れないし、高速道路の利用率も下がることになるだろう。

 モチロン、黒煙を撒き散らす整備不良ディーゼル車に乗る事には絶対に反対だ。しかし、ガソリン車に乗っていても、燃費が悪ければその分CO2をまき散らす量が増えているハズなので「ガソリン車=環境問題に対する免罪符」にはならないと思う。だから、環境に与える影響はガソリン、ディーゼル共に一長一短のハズだ。この際、一方的にディーゼル車を魔女狩りの魔女に仕立て上げるような事はせずに、自動車メーカー、石油メーカーそれに行政担当者が協力し合って、それぞれのエンジンに合った規制でより良い排気ガス対策を行って欲しいと思う。

 早く、対策済みの乗用車用ディーゼル・エンジンを開発してくれないと、経費がかかりすぎて
         遠・征・釣・り・に・行・け・ま・せ・ん!
 
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人間でよかった(可哀想なオス達の)話

2007-06-22 10:03:01 | 釣り一般
 最近はマジ書きっぽいモノばかりだったので、今回はドーでもイイ話を…。

 魚やイカ等にも当然性別があって、オス、メス間で「ナニ」をするから種が絶えないワケだ。その中でも、人間の尺度で考えると、チョッと可哀想なヤツらが居るのである。コレはチョッと前に触れた「故、中島らもさん」がエッセイで書いたり、生前にラジオで話していたネタと被るんだけど、魚&イカ界で一番可哀想なのはチョウチンアンコウのオスなのではないか?とワタシは思っている。

 で、そのアンコウの話。
 長い間、魚類学会ではチョウチンアンコウの仲間のオスは長い間存在しないのでは?と思われていた(らしい。)。勿論、ビールスやクローンでもないので、そんな事はなく、ちゃんと居たのだが、コレは捕獲されるメスが大体40cm以上あるのに対してオスが4cm程度と、極端に小さかったから発見しにくかったそうだ。
 で、このアンコウの中でもビワアンコウとミツクリエナガチョウチンアンコウのオスは特に生態が変わっている。
 この2種のオスは卵からかえった後、生殖関連の機能が整うまでに成長すると、メスの体に頭部から吸い付き、以後、行動を共にするようになる。それと同時にオス、メス間の癒着が始まり、やがては皮膚からメスの体に吸収されていくそうだ。その後は血管もメスと一体化して栄養を補給してもらうことになり、体の大部分が退化し、心臓やエラなんかは残るものの、ほとんど生殖器のみの存在になるそうだ。そして、オスの価値としてはメスが産卵すると、精子をかけるだけモノになってしまう…。
 また、悲しいことに?一匹のメスに複数のオスが一体化している場合もあるそうなので、メス・アンコウに引っ付いているオスとしては新しいオスが来る度に「複雑な思いをするんだろうな」と、同情してしまう。
 この姿を、かの中島らもさんはラジオの放送の中で「こんな目にあっても、メスと引っ付きたいなんて、よっぽど、えもいわれない快感がそこには在るんやろネ。」と言っていた。それを聞いた当時のワタシはミョーに感心した記憶がある。

 他にも可哀想なヤツは居る。皆さんご存じのアオリイカもそうだ。アオリイカの性交?はオスが精子の入ったカプセルを触手でメスの口の周りに置く(刺す?)だけで、果てて?しまうそうだ。コレを人間に例えると、男性が自分のキ○○マをブチッ!と外し(イタッ!)手渡しで女性に提供するという事だ。

 淡水の世界では情けない行動をとるオス達が居る。

 秋に産卵しふ化したアマゴたちは春以降、盛んに餌をとって成長する。その内で銀化したモノは川を下り始め、やがては海に出る。コレがサツキマスだ。当然、海の豊富な栄養を得る事で元のアマゴよりも大きくなり、40cmくらいになるらしい。
 このサツキマスは再び川を遡上して秋になると川の上流部で再び産卵&放精するんだけど、この際、他のサケ&マスと同じようにオス同士でケンカをしてメスの産卵床に放精する権利を奪い合う。
 方や、海に下らなかったアマゴもオス同士でケンカをするのだが、その際にどうしても小型のモノは負けてしまう傾向にある。
 ここでケンカに負けてあぶれた小さなアマゴのオスはどうするのかというと、上記のサツキマスのオス同士のケンカのスキに乗じ、その小ささを逆利用してこっそりと産卵床に忍び寄って、ピピッと一気に放精して一目散に逃げていくのだ。
 以前にNHKの放送でやっていた長良川の特集で、この小型アマゴのオスの姿を見たのだが、その姿は情けなくもユーモラスであった。

 そんなこんなで、「やっぱり人間で良かった。」と再確認したワタシであった。
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ワタシにはわからない ~マキエサとの同調

2007-06-19 09:59:31 | 釣り一般
 よく解らないモノに「マキエサとサシエサの同調」というのがある。そうする事によって、釣果が伸びるというのは定説であるし、事実でもあるように思う。でも、実際に海中で確認すると一体何人の釣人が実践出来ているのだろうか?。実際に潜って確認した人もいくらかは居ると思うが、大半は見たことすらないのが現実だろう。だから、目で見えるタナや距離を超えての状況はほとんどの場合で憶測に過ぎないという事だ。

 ワタシは磯釣り以外では船からの「完全フカセ釣り」というのが好きで、年に何度か釣行している。
 この釣りの仕掛は地方によっていろいろあるが、私が主に使う仕掛はフロロカーボンの道糸(6号が標準)を使い、それをスナップサルカンを使って全長4ヒロの2本バリのハリスを連結する「鷹巣(たかす=福井県)」スタイルだ。ここでは船の上からシャクで撒いたマキエサ(オキアミ)に合わせて、基本的には道糸の重みだけで流し込んでいくが、その日の魚のタナによって、小さなウキを着ける事で浮力を持たせて仕掛を浮かせ気味にしたり、逆にガン玉を着けてし沈ませ気味にしたりしてタナ調整を繰り返していく。
 この釣りの対象魚はヒラマサ、ブリ、マダイといったところだが、同じ仕掛に口太&尾長グレもよくアタッてくる。特に夏場だけ解禁される玄達(げんたつ)瀬では50cmオーバーの尾長グレがゲットされるのは珍しい事ではない。

 で、この釣りでは近いと、ほんの10mでもアタッてくるが、遠い場合は300m沖でアタる事もあるのだ。
 300mも離れた距離で果たしてマキエサとサシエサとが同調(一致)しているのだろうか?。そんな芸当は誰にも出来ないとワタシは思う。ただ言えるのは「マキエサが流れてくる潮筋(スロープ)にサシエサが流れてくるのではないか?」という事くらいだ。
 モチロン、沖のあまりスレていないグレを相手の話なので、少しは割り引いて考えないという部分もあるが…。

 実際に、磯の場合は連日釣り人に近距離で攻められる毎日なので、警戒心の強いグレを相手にしなければならない。だから、マキエサとサシエサの位置が完全に一致し、同調するに越した事はない。また、その方が食いが良いのは事実だと思う。また、トーナメンターを目指す場合はより精度を高める必要もあるだろう。ただ、我々のようなフツーの釣り人にとっては心掛けることは大事なことなんだろうけど、無理に合わせようとして引っ張り回した挙げ句、逆にハズレてしまう事だってあるし、そればかりを考えて窮々とするのはツライものだ。

 長年、色々と思案し続けた末、最近ではフツーの釣り人の場合は案外「マキエサが流れてくる潮筋(スロープ)にサシエサが流れてくる」程度の精度でも問題はないんだろうな?と思っている。(それすら難しい日もあるが…。)特にワタシの場合は、そんな風に考えていく事で気持ちがリラックス出来る分、良い考えも浮かんで、好循環する事も多くあるので、「サシエサとマキエサの同調(特に完全一致)」についてはあまり深く考え過ぎないようにしているのだ。
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ワタシにはわからない ~最強の糸

2007-06-15 08:37:32 | 釣り一般
 自分はこのメーカーのハリスしか使わないという頑固な人には関係ない話かも知れないが、甘い水に集まるホタルのようなタイプの人間は「最強の~」という、うたい文句につられて使用する道糸やハリスのメーカーが結構変わってしまう。かくいうワタシもホタル・タイプの人間だ。

 で、いろんなメーカーの糸を使っていると感じるのが、号数、表示上の標準直径も同じハズなのに、現物同士を比べると、メーカーごとに太さが違うという事だ。コレは兄も感じていることだし、ブラインド・テストをした結果でも違いがでた。また、以前にはメーカーのテスターが公言していた事さえあるのだ。
 もちろん、ワタシはコンマ何ミリの世界を計測する精密機器を持っていないので、細かい数値までは計測できない。だから「あるメーカーが太いから」そうなのか、あるいは逆に「あるメーカーが細いから」そうなのか、までは断定できないのは残念な事だと思っている。

 それでも昔のように1号刻みはもちろん、チョッと昔の0.5刻みくらいまでなら、他メーカーとの比較で「チョッと太い(あるいは細い)かな?」程度で済んでいた。しかし、最近のように0.25刻みになってくると、例えばA社の1.25号のハリスがB社の1.5号のハリスよりも太い、という事はまさか無いとは思うが、限りなく近づくというような現象が起きるのでは?とアホな推測をしてしまう。

 でも、仮にワタシの推測が正しいとなると、釣り人の自慢の一つである「ハリス1.25(1.2)号で、こんな大物を釣りました。」っていうヤツは、これからは自慢した相手に「で、どこのハリス?。」と聞き返され、「だったらオレがA社の1.5号釣ったヤツと変わらないネ。」と言われてしまう日が来るかも知れない。

 現在のところ、安全基準が必要な工業製品や食品のように命に関わる問題にはならない釣具の世界では、届け出の義務があったり、公的機関の抜き打ち検査があったりするワケではないのでこんな事が起こるのだろうけど、混乱を避けるためにも、例えば「標準直径により近いコンテスト」のような技術コンペを開くなどして、出来る限りメーカー間の差は縮めて欲しいと思うのだが…。 
 また、技術的に自身のあるメーカーは「ウチの製品は高度な技術をもって、より標準直径に近い高精度なハリスを生産しております。」と、堂々と宣伝して欲しいと思う。

 ここからは仮定の話…。もし今後、各メーカー間でハリスの強度合戦が激化したとしよう。その時の話だ。

 2030年。素材の強度で相手に差をつけることが出来なくなったハリスメーカーは、こっそり相手を出し抜いて少しずつ太くしていく手段に出た。そして、ジジイになったワタシは手に取ったハリスと古い道具箱から引っ張り出した同じ号数のハリスとを比べて驚愕するのであった。「2倍になっている…。」ってそんなワケないか?。
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ワタシにはわからない ~食い込みの良い穂先

2007-06-12 08:48:39 | 釣り一般
 今回は前回の感度に関連している話だが、柔らか過ぎる穂先についての話。

 柔らかい穂先の利点として「食い込みが良い」という事が一般に言われている。でも、この「食い込み」というヤツも本当はドーなのと思っている。
 例えば前回にも書いたバス釣りの場合だと、「クランクベイト」とか「ミノー」と言われる魚型をしたルアーを使っている時は、ただソレを引いているだけでかなりの抵抗が掛かっているので、この状態から更に魚に違和感なく食い込ませるために胴調子で魚がルアーをくわえると更にドンドン曲がっていく竿をよく使う。そのためにわざとグラス100%素材を使う事もあるくらいだ。
 同じように船(沖)釣りのマダイ竿や大物竿もオモリを掛けて曲がっている状態から更に曲げて食い込ませる「ムーチング・タイプ」というのが主流になっている。
 もし、上記にあるようなタイプの釣りに穂先だけが柔らかい先調子の竿を使うと、テンションやオモリの重さだけで柔らかい部分が曲がり込み、残りの硬い芯の部分が出た状態でアタリを受け止める事になるから、柔らかい穂先の意味が無くなってしまうのだ。

 テンションが直接穂先に掛からないタイプの釣りでは柔らかい穂先が重宝する場合もある。イカダのチヌ釣りとイシダイの宙釣りがそうだ。
 イカダのチヌ釣りは軽いオモリ~オモリ無しの場合は仕掛を宙に浮かせる場合もあるが、重いオモリを使用している際はほとんどの場合で底にオモリを着けてしまう。だからテンションが直接穂先に掛からない。そして、前アタリから本アタリに対してフカセ釣りのウキのように表現しなくてはならないので、極軟&極細穂先は必要なのだ。
 また、イシダイの宙釣りはオモリを海中の岩棚等や岩壁に置く釣りだ。だからオモリの荷重は岩が受け持っていので、この釣りもテンションが直接穂先に掛からない。イシダイのアタリはダイレクトで穂先にやってくるから柔らかい穂先の存在価値はある。しかし、硬目の穂先をわざと使って、小アタリを取る事を優先し、魚の走りに合わせて積極的に穂先を送り込む釣り人が居るのも事実だ。

 話を上物竿に戻そう。グレを狙っているシーンを思い出して、よ~く考えてみると、たとえウキ止めが無いスルスル釣りであっても、アタリを表現するのは、ほとんどのシチュエーションでウキが役目を果たしてくれているハズだ。例外として、穂先でアタリをとるシーンはウキを使わず軽いオモリだけで流し込む「サビキ釣り」があるが、ウキを使う釣りとしては「沈ませ釣り」くらいのモノだ。
 サビキ釣りに関しては一体何人の人がやっているのだろうか?と思うくらいの使用頻度だろうから除外するとして、ここで沈ませ釣りに関して考えてみよう。

 沈ませ釣りといっても、「ウキをゆっくりと沈めていく内に急に視界から消えた」(=それが本アタリ)という場合が多く、完全に穂先でアタリを取っているのは半分以下だと思う。
 その、穂先でアタリをとる場合でも、潮流の流速が上がったり、サラシや風の影響を受けて穂先に掛かるテンションが増すと、柔らかい部分は曲がってしまい、その次の硬い部分でその重みや抵抗を受け止めている事が多い。つまり柔らかい部分は死んでしまっているのだ。
 そもそも沈ませ釣りでは前アタリのような小アタリがあった場合、そのままじっとしているわけではない。その後は竿先を送り込むはずなので、あまりに硬くて棒のようなモノだと苦しいとは思うが、特別柔らかい穂先にこだわる必要がないように思う。また、考えようによってはイシダイ釣りで感度優先の硬い穂先を使う人と同じように、今まで気付かなかった小アタリを積極的にとり、すぐさま送り込むことで従来よりも釣果が伸びる可能性だってあるかも知れない。

 こう考えていくと、柔らかい穂先の中でも、特に食い込みをうたったような「柔らかすぎる穂先」の存在価値は本当は少ないように思う。また、一部のメーカーで穂先が硬めのモデル(本流用?)を発売しているのはうなずけるような気がする。

 また、柔らか過ぎる穂先は「折れやすい」という欠点がある。以前にワタシも極端な先調子で、一般に食い込みがイイと言われているような竿を使っていた時期があるが、その時はチョッとした不注意でよく穂先を折ったものだ。それがその後、穂先が「少し硬いかな?」という竿に変えてからは、そんなに使い方が変わったわけでもないのに、ここ2、3年は折った事すらない。また、最近ではそれをイイ事に手荒く扱ってさえいる。勿論、折れる事と竿自体のグレを釣る性能とは別次元の話だが…。

 食い込みという、一見明快なようで、実はよく解らない理由で柔らかくし過ぎた穂先を採用した結果、簡単に折れてしまう穂先に関しては、補修分まで利益の計算に入れた、メーカーの策略なのでは?。と思ってしまう事すらある。
 この問題?は、釣り人側に「柔らかい穂先でないと食い込みが悪い」という固定観念があるので、硬めの穂先だと売れないからなのかもしれないが、いずれにせよ折ってしまった時の費用負担の大きさから考えると、オプションでもイイから、もう少し折れにくい穂先を搭載したモデルの販売を全メーカーで行って欲しいと個人的には思っている。

 「オマエの釣り方は仕掛を張って流さないからだろう?。」とかツッ込まれるかも知れないし、そもそも釣りには各自のスタイルがあって、出てくる答えも違うのだろうけど、とりあえず、こんな理由からワタシは「上物竿に特別柔らかい穂先は不要でないの?」と思うようになった。でも、本当のところはドーなんだろう?。

追記
 ここまで穂先について2回にわたって書き上げた後、そういえば今月(7月号)の磯スペの「タックルHyper講座」に竿の構造やカーボンについて詳しく書いていたハズだと思い出し、ページをめくっていると143ページの中程にアリマシタ、アリマシタ。竿の感度には「手感」と「目感」とがあるという記述が…。やっぱり持論のある程度の部分は正しかったようですな…。
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ワタシにはわからない ~感度

2007-06-08 09:52:38 | 釣り一般
 今回は穂先の感度について。

 釣り竿を選ぶときのファクターの一つに「感度」というモノがある。感度がイイというのは人間の場合だとチョッと触れただけなのに全身がゾクゾクしソレがやがて快感となり…。というヤツだ。その「感度」という言葉を辞書で調べると、
(1)刺激に対して感ずる度合・程度。
(2)受信機や測定器などの電波・電流、また音などを感受する度合や能力。
とある。
 ここでワタシは引っかかってしまった。というのもよく雑誌なんかのインプレッションで「この竿のソリッド穂先は柔らかくて、感度がイイ。」なんで表現が出てくるからだ。


(上から2号ソリッド穂先、1.2号ソリッド穂先、4号チューブラー穂先、2.5号中通し穂先)

 磯竿に求められる「感度がイイ」とは魚がわずかにサシエサの端をくわえたような微弱なアタリをとらえて、釣り人が握っているグリップまで最速にして最大に伝える能力だと思う。
 アタリとはすなわち振動だ。だから、一般に同じ素材であれば固いモノほど伝達ロスが少なく、柔らかいモノほど振動が吸収されて伝達ロスが多いハズだと思う。更にワタシの勝手な仮説だが、ソリッドよりも中空構造のチューブラー穂先の方が管楽器のように「共鳴効果」があって増幅されるように思う。だから、釣り人が求めている「感度イイ」という観点からすると「柔らかいソリッド穂先」というのは最低のような気がする。

 ブラック・バス釣りで「ラバー・ジグ」というゴムのヒラヒラが付いたタコベイトを地味に小型にしたようなルアーがある。コレはバスが食うという感覚よりは反射でつい口を使ってしまうといった類のルアーだ。だからよっぽど食いがイイ時以外は小さなアタリであったり、底へ落ちてゆく途中にそっとくわえるだけの「食い上げアタリ」だったりするんだけど、この「食い上げアタリ」はそれまで感じていた重みがフッと軽くなるだけなので、柔らかい穂先の竿では非常にとらえにくい。このアタリを取る(同時に掛けアワセるという面でも)ためにバス・プロ達はギンギンに固い竿を使用している。昔、ワタシもバス釣りをやっていた時期があり、固い竿と柔らかい竿との違いはよく解っていたつもりだ。その経験からも「感度がイイ」というのは固い穂先の方だと思う。だから今後は柔らかくてよく曲がる穂先は、アタッた時の「視覚表現に優れた穂先」と言うべきではないのだろうか?と思う。

 こうなってくると、力学や物理学のことはよく解らないワタシの仮説ではあるが、最高に「感度がイイ」磯竿というのは、今まで最もと言ってもイイくらい評判が悪かった初期の「中通し竿」になってしまうのだが、本当のところはドーなんだろう?。
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ワタシにはわからない

2007-06-05 18:36:53 | 釣り一般
 実はワタクシ、故中島らもさんの「にわか」ファンなのだ。ことわっておくが、同じ姓だからといって別に親戚でもなんでもないヨ。


(今では「らもさん」のエッセイや小説を20冊以上読破?するまでに至っている。)

 特に好きなのはエッセイ集で、その中での切り口や物の見方が大笑いではなく「フッフッフ」とか「ニヤッ」とか笑えるサジ加減がワタシにとっては心地良いのだ。釣り雑誌の原稿なんかは常にそんなスタイルで書きたいと思っているのだが、悲しいかな凡人のワタシなんぞにマネが出来るはずもない。
 そのエッセイ集の中でも好きなのが大阪を題材にしたモノだ。大阪(勿論現在ではないチョッと前の大阪)の路地裏とも言うべきに地帯に潜入した時の内容なんかは、ある種の嗅覚がなければ気が付くハズもない所なので「らもさん」の独断場なのだ。
 で、そんな「らもさん」のエッセイ集の中に「僕にはわからない」というのがある。これは世の中の不可思議や理解し辛いモノに対して「らもさん」ならでは切り口を見せてくれるエッセイ集だが、ブログネタに困っていたある日、ワタシはこの本を取り出して読み返す内にチョッと思いついた。よく考えてみると、ワタシが微弱ながら関わっている釣り界にも摩訶不思議なことやモノが色々とあるのだ。勿論「らもさん」が切っているように哲学的に切り込んでゆく能力がワタシにあるわけもないし、そもそも採り上げる内容自体が難しすぎてワタシには無理だ。しかし、釣りやアウトドアに関する内容でワタシなりの「ワタシにはわからない」なら何とかなりそうだ。ただ、出てくる切り口は相当に「ショボイ」モノになる恐れがあるけど、時々ではあるが書いていきたいと思う。

 初回はウキの話でも…。

 ワタシが使うウキは価格帯が1000円~1500円くらい(仮に中価格帯と言っておく)と決めている。一時は2000円以上もする価格帯(高価格帯)の物を買い揃えた時期もあったが、ウキを消耗品として捉えるようになった今は、高価格帯モノはとてもじゃないけど使えなくなっている。逆に低価格帯である数百円クラスは浮力管理がいい加減な物が多くなってくるのでワタシ自身はほとんど使っていない。


(一部高価格帯のモノが混じってるけど、昔に買った残りモノ?なのだ。)

 以前にこのブログでも触れているが、各地を釣行している内に、釣り場の好みが絞られて、潮流の速い所に行く機会がどうしても多くなっているのでワタシの場合は割と重い負荷が掛かるモノの出番も多い。具体的な負荷は4B~5Bといったところだが、最近、家に保管している在庫が無くなったので阪神間にある何軒かの釣具屋さんを覗いてみたのだが、中価格帯の、この手のウキが釣具店の店頭から姿を消しているので困り果ててしまった。

 初心者が一段ステップアップし、フカセ釣りの繊細さが解るようになったときに手にするのもこの中価格帯になるので、メーカーとしても一番売れ筋の価格帯ととらえて、確かに種類だけは豊富に販売されている。しかし、ほとんどのメーカーで細分化してラインナップされるのは3Bまでで、それ以降の負荷は無し、あるいは一つ飛ばしというモデルばかりだ。仮にカタログ上ではあったとしても店舗の方で在庫を置かないという場合も多い。また、サイズが偏っていてSならS、LならLだけの一方しかないモデルも多い。だから、4Bあたりのウキを流出させてしまうと補充するのに困る状況なのだ。

 今、釣り業界は決して活況という状態ではないので、「軽い仕掛」が流行れば、それに追従した商品展開になるのは仕方がない事かも知れない。だが、フカセ釣りとは道具はシンプルに、発想やアイデアは豊富にというのが基本だと思う。その観点からすると形は奇をてらわず、オーソドックスなドングリ型で、サイズは遠投用のL、標準のM、食い渋り用のSの最低3種類、負荷は00~1号丸玉までキッチリとラインナップされた定番モデルを中価格帯に展開して欲しいと思う。そして、目先の売らんが為のアイデアの「企画商品」や目先だけのモデルチェンジを続けた結果、すぐに店頭から姿を消して釣り人が補充出来なくて困るモノではなく、最低5年以上は生産し続け、買う側がいつでも補充できるという「動かざる事山のごとし」的安心感がもてるウキが欲しいと思う。

 釣具の生産や店舗の経営面ではシロートであるワタシの一意見だが、そういったモデルの方が根強く売れ続け、店舗でも補充していくだけで済むので、在庫負担が軽くなると思うし、固定客が付くだろうから、少なくともすぐに廃盤になって半額以下になる「企画モノ」よりは利益が上がると思うのだけどドウだろうか?。

 ワタシが尊敬するある名人さんは以前に、釣具には「釣り人を釣るため」のモノと「魚を釣るため」のモノがあると雑誌等で書いておられた。その観点からすると「釣り人を釣るためのウキ」を生産して「魚を釣るためのウキ」を生産をしないメーカーが多いように思う。この姿勢が「ワタシにはわからない」のだ。
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ワタシ流の本流釣り その4

2007-06-01 08:41:19 | 磯釣り
中1回飛んだけど「ワタシ流の本流釣り その4」でゴザイマス。

アタリの取り方とライン取り

 アタリの取り方はストローク中に「コツン」と前アタリがきたら、魚の引きに合わせて竿先を送り込んでやると、やがて本アタリがくる。それがゆっくり「グィーッ」と竿先を絞り込んでいくか、いきなり「ドンッ!」といくかは、その日の状況や魚種によって変わるので一概「こうだ!」とは言えないが、フツーのウキフカセをしているときに、最初に「ジワッ」とウキが沈む前アタリが「コツン」で、ウキが視界から消えていく本アタリが「グィーッ」とか「ドンッ!」に相当すると思えば理解がし易いだろう。だから、尾長が多くてハリを飲み込まれて困る場合はコツンの後に神経を集中させて早アワセをする必要がある。


(男女群島、北村瀬の本流から引っこ抜いた、カンペキ・プロポーション?の尾長クン)

 流していくラインどりは本流側であればどこでも良いワケではない。やはりアタリが多いのは引かれ潮との壁際沿いが一番で、ソコに沿うように流すのが大本命コースだが、もしソコから仕掛が吹き飛ばされて想定していたコースを外れても湧き潮や鏡潮のフチ(縁)でもアタリが出る事があるので続けて送り込んでやるとイイだろう。
 また、同じ仕掛でその湧き潮や鏡潮のフチをダイレクトに攻める事も可能なので潮壁際でアタらない場合はそっちを狙うのもオモシロイ。


(今回はナゼか不発だった肥前鳥島の中岩から見た南岩)

 と、まぁこれがワタシ流の本流釣りなんだけど、解ってもらったかな?。本流釣りは(それ以外でもだけど)短ハリスで沈むウキで攻める人がいたり、極端に軽いゼロスルスルで攻める人もいたりする。でも、みんながそれぞれ釣果を得ているから雑誌で解説したりしているワケだ。だから、どれが正解というものではない。これはワタシの推測なんだけど、釣り人それぞれで道糸の太さが違ったり、道糸にかけるテンションが違ったりするからなんだろうと思う。だから今回の「ワタシ流の本流釣り編」は皆さんに自分に合った本流釣りを見つける手がかりの一つを提供するために書いたつもりだ。ともあれ「ご参考までに。」という事だ。
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