中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

’15 玄達釣行 ~1回目

2015-06-27 12:30:00 | 船釣り・釣行記
■待ちに待った解禁■

 本年度も6月16日に、福井県沖のスーパー天然魚礁“玄達瀬”での釣りが解禁になったが、今年もスーパーぶりを発揮している。ここでの大本命であるヒラマサについては、早くも解禁初日から111cmの大マサ級がゲットされているが、それ以上のサイズも回遊中で、つい先日も131cmという巨マサ級がゲットされているのだ。
 今回の釣行に当たっても、お世話になったのは、越前フィッシングセンター(℡0776-22-1095)所属の、この海域ではボクが最も信頼を寄せる船長が操船する晴海丸さん。であるから、今年も“大船に乗った気分”でのチャレンジだ。

●洋上の晴海丸さん●

 ただし、「夢の130cmクラスを!」との、ボク自身の入れ込みとは反比例して、現地は昨年よりも潮流がかなり遅い日々が続いているため、ゲット率は下がっているようだった。これを説明すると…。
 速い潮の中で掛けたヒラマサは、自身のバランスを保つために、余分な力を使わなくてはならず、それに本来の引きが相殺された分だけ掛けた後のゲット率が上がると共に、食い気自体が上昇することが多くなるため、「何打数、何安打」と言われる、アタリの数とゲットの数が共に伸びる。しかし、逆の場合は食い気が落ちてチャンスが減る中、たとえアタリが出ても食い込みが浅くてハリ外れが起こったり、ウマく掛かっても持てるパワーを全て発揮し、好き放題に疾走された挙げ句の果てに、根ズレでバラすことが多くなるためだ。
 このため、充分なシミュレーションを行って臨んだつもりだったったのだが…。


■行かない潮の中で■

 福井新港から1時間ほどの航海で、玄達瀬に到着。アンカーリングを済ませた後は、マキエサを撒いて潮流を調べてみる。すると、超トロトロの遅い潮が流れていて、噂通りの展開に苦笑いが起こった。
 船長の説明では、「昨日もこんな感じで、昼前から潮が動き始めてからの勝負になった。」とのことなので、様子を探りながら時合いを待つ想定で実釣がスタートした。

 開始時点から、発泡ウキのセッティングは8+6からタナを探り始めた。普段であれば高浮力になるが、道糸10号、ハリス12号と、メジ・カツオ用バリの14号という、太く重い仕掛の影響で、これでも結構沈みは早い。
 緩い潮のためか、一投目からエサが盗られたのを受けて、更に浮力を増してゆくが、何となくしっくりこない感じが漂っていた。

●緩い潮の中でのスタート●

 そんな中、遅れてスタートした兄のリールが、たった二投目で急速逆転し、大きく竿を曲げた。 

●大きく曲がる兄の竿●

 兄は、必死のパッチでやり取りを開始するが、結構型は良さそうな感じだった。
 それもそのはずで、無事玉網に収まったのは、良型ヒラマサのダブルだった。

●85cm&70cm●


■ようやくアタるが…■

 早、時合い到来とコチラも気合いを入れる。こんな緩い潮の中でもアタリがすぐに出たことで「もう少し潮が速くなってくれれば、どんだけ釣れるの?」と、皮算用を始めたが、意に反してその緩い潮が更に緩んで、まるで池の鯉釣りをしているかのような状態になってしまった。
 それと同時に勿論、アタリが途絶えたが、まだこの時点では心に余裕があった。

 兄のダブルから2時間程経過した時点で、隣の船がヒラマサをゲットしたので、「コチラもそろそろ。」と考えていた矢先、今度は、ボクのリールが急速逆転し、すかさずアワせを入れると竿が大きく絞られていった。

●ようやくの良型ヒラマサ●

 昨年の、失敗時のように、良型程度の引きだと思って余裕でやり取りしていたのが、急にメーターオーバーの引きに変わることもあり得るので慎重にやりとりを開始したが、その心配?もむなしく、12号ハリスでは決して切られることのないサイズがすんなりとネットインした。

●コチラはシングルだが85cm!●

 二度目の時合いが到来し、再び気合いを入れ直すが、またもや空振りで潮が止まってしまった。そして今度の潮止まりは長く続いた。
 そんな中にあっては、攻めのパターンは限られてくるが、真下に沈んでゆくオキアミと同スピードで落ちるように演出するイメージで浮力の調整を繰り返していった。
 そして、この努力が実って、殆ど潮止まり状態から、「心持ち動き出したか?」と思える状態に変わると、マキエサを拾いに船下をウロつき始めたマダイが反応を開始した。

●マダイが竿を曲げる●

 掛かって来たのは、良型のマダイであったが、これまたハリス12号の敵ではなく、多少の抵抗感を味わうのみだった。

●65cm級●

 船長曰く「マダイの群れにヒラマサが突っ込んで来るのを我慢して待つべき。」とのことだったので、浮力を上げて真鯛をかわすような細工はせずに、同じタナ取りで攻め続けてゆく。そしてここから、(潮が緩いために一投ごとの時間が掛かるが、)入れ食いが始まった。
 しかしそれは、大は75cm、小は55cmの、いわゆる“玄達の数釣りサイズ”のマダイばかりだった。結局この時合い?では、ボク一人で、途中でハリ外れで逃した分を含めると8投連続でアタリを捉え続けたが、またもや完全に潮が止まると、もうアタリはおろか、気配さえもが消えてしまった。そして残念ながら、この間にヒラマサの登場はなかった。

 ここから、またもや忍耐の時間が続き、眠気を押さえながら、投入を繰り返していったが、時折間違って大バリに掛かるウマヅラハゲがクルクル回りながら上がってくるのみで、辛い時間帯が続いた。


■夕マヅメ■

 何も起こらないままに早、午後3時を回ったが、漂流物の塊がやって来るのと同時に“やや”ではあるが、潮が動き始めた。
 この潮に反応したのか、ボクはまたもや80cm弱のマダイを手にし、兄も同寸のマダイをゲットする。続いてボクは65cmほどのマダイをゲットしたが、ドラマが起こる程のことではなかった。
 そして残すところ、1時間となった。最後の勝負をかけるため、残ったマキエサを多めに入れ始めると、待望の青物らしいアタリがボクのリールを急速逆転させてくれた。マダイの引きとは違うため、途中までは「中型のヒラマサか?」と期待したが、「引きが違うかな?」と思った瞬間に正体を現し、それが75cmのメジロだと判ってガックリとなる。 
 残り3投となった次の流しで、今度は兄のリールが「ブシューッ!」と、それまでにない、水煙が上がる勢いで急速逆転を開始し、ここから兄の人生で最大魚とのバトルが始まった。キツ目に設定したドラグから一気に道糸が引き出されたが、何とかファーストランをしのぎ、「ここからが勝負!」となった。
 しかし、そこから数m巻いた時点で残念ながらここで竿がハネ上がってしまった。船長の判断では軽くメーター越えとの判断だったが、ハリ外れではどうしようもなかった。

 そして、ラスト2投は何も起こらないままに、納竿時間がやってきた。

●全釣果●


■フラフラ潮のお陰で■

 6月に入ってしばらくの間、京都府経ヶ岬沖の白石グリからここ福井県沖の玄達にかけて、連日、本潮とは逆であったり、勢いのないフラフラ、ユルユルの潮流が続き、各船長が頭を抱える場面が多くなっているように思う。
 振り返ってみると、このところボクの釣行でも食ってきたマダイのハリ外れが頻繁に起こっているし、無事に取り込んだ魚の中でも変な位置にハリが掛かっている個体を見かける機会が増えているが、これは、この頃の活性が上がらない潮の中で、魚が無理矢理口を使ったせいだと思っている。(当日の玄達でも4回もマダイのハリ外れが起こっている。)
 このあたりを日本海洋気象センター(http://www.jma-net.go.jp/jsmarine/)の海流図で調べてみると、対馬暖流の支流が若狭湾の入り口から越前岬に向けてダイレクトに差していた昨年と違って、今年は6月に入って以降、大きく蛇行して殆ど潮が差していないことが判る。そんな状態であるから心配は残るが、今後における潮流の好転を期待したいところだ。
 しかしながら驚かされるのは玄達瀬の持つポテンシャルだ。他地域であれば当日のような“風が吹く池の流れよりも遅い”潮流になってしまうと、ボーズを喰らってもおかしくなかったが、そんな状態であっても、“他地域であれば、そこそこ上出来の部類に入る釣果”が出るのだから恐れ入ってしまう。この日、ボクには大ヒラマサのアタリはなく残念だったが、そこそこ楽しむことができたという点で、玄達瀬の恵みを受け取ることができた。

 この潮が続く限り苦労は続くだろうが、まだまだ解禁されたばかりである。次回以降に期待してこれからも釣行を続けていこうと思っている。「夢の130cmクラス!」は、まだまだ追い求めてゆくつもりだ。
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完全フカセ色々 ~リールの話

2015-06-20 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
■各船での様々なスタイル■

 各釣り船には、それぞれの文化とも言える釣りスタイルがあって、乗船する釣り人が、その影響を大きく受けるのは当然のことだ。だが、


 船釣りは、殆どを一人でこなさなくてはならない磯釣りなどとは違って、たとえ初心者であっても船長の能力次第で、ある程度の釣果が見込めるし、大型魚のゲット率も高いので、「イイ思い」をさせてくれた船にずっと通い続けるような固定客が多い。加えて、各釣り船には、船長それぞれの文化とも言える釣りスタイルがあるため、「固定された情報源と固定されたメンバー」となってしまい、どうしても外部の情報が入り辛い状況になって、限られた釣りパターンしか持たない同船者を見かけることがある。
 それは、休日の空き船を探してウロウロするボクのようなタイプは、地域によって、あるいは同じ地域でも船長によって意見が違うこと知っているから気付くことだが、(失礼かも知れないが、)釣りパターンが少ない釣り人を見ると、「あ~やったらイイのに…。」であるとか「そんなことしなくてもイイのに…。」と、つい思ってしまうのものだ。
 これから先、そんな“思い”を何度かに分けて記してゆくが、まず始めに「釣りには正答に近付く方法は幾つかあるが、完璧な正答はない。」と言っておかなくてはならない。だから、今後に記す内容は、あくまでもボクが正答率を高めるためにとっているアプローチであって、「他にも方法はある」ってことを常に頭に置いて欲しい。また、ボクにだって知らない、あるいはできない釣法もあることも認めているから、キツいツッ込みは無しでお願いしたい。
 で、まずは道具から。と言っても以前に竿の話は済んでいるので、今回は完全フカセ釣りに使う、リールの話をしよう。


■石鯛用のリールが流行り始めているけれど…■

 完全フカセ釣り用リールに求められる基本中の基本性能は「フリー回転が滑らかなこと」、これが第一に挙げられる。当然のことだが、これは、「大は小を兼ねる理論?」と同じで、よく回るリールはメカニカルブレーキ(サイドにある、回転制御用のつまみ)を絞って回転力を落とすことはできても、その逆の、「回らないリールを回す」は成り立たないからだ。そのため、両軸受けリール中では最も回転性能が高い石鯛用リールの流用が舞鶴周辺では流行し始めていている。(その昔、電動リールの性能が低かった頃によく使われていたので、本当のところはリバイバルだが…)
 では、「その石鯛用リールがベストなのか?。」と問われれば、ボクには意見があって、「そうとも言えない。」と答える。
 そもそも、石鯛用リールは、遠投時にロスが出ることと、20号以上の道糸を使用して大型石鯛との“力勝負”でもトラブルが起こらないことを前提にレベルワインド(平行巻機構)が外されている。従って、巻き取られた道糸が偏らないよう、左手親指の腹を使ってラインをズラす操作が必要になる。もっとも大型魚とのバトル時には、左手親指の操作をせずに、しっかり竿を保持したままで巻き取りに専念することは可能だが、そのためには盛り上がった道糸とリールのフレームが接触しないように、予め巻き糸量はスプール一杯にせず、8~9割にセーブしておく必要がある。
 但し、この欠点は準備と慣れで克服できる程度だが、実際に魚が掛かった場合には更なる弊害が待っている。
 掛けた魚が大型である場合、手巻きのリールだと竿を立てたままではゴリ巻きはできないため、竿を前へ倒しながら巻き取り、再び竿を起こすことを繰り返す“ポンピング”という動作が必要になる。このポンピングがクセ者で、メーターを軽く越えるクラスのヒラマサなどの強烈な引きに遭遇した場合に、竿を倒した瞬間に猛ダッシュされてしまうと、次に元の角度まで起こせなくなって、竿とラインの角度がゼロ(一直線)になる。これを磯釣りでは「伸される(のされる)」と言うが、そんな状態になると竿の弾性が死んでしまうので、ラインやハリスに負担が掛かってブレイクすることに繋がるのだ。このため、ボクの信頼する船長の一人は「手巻きで超大型は獲れない。」とまで言っているほどだ。
 それらを総括すると、石鯛用リールは、回転性能が最優先に求められる、潮の動きが悪い近距離戦の際に使用するのがベストだとボクは思っている。実際にボクは、そんな潮になった際の対策として道具箱に入れて持ち込んではいるが、電動リールであってもセッティング次第で緩い潮での釣りをカバーできることも多いので、実戦では殆ど使用の機会がない。(そのセッティングについては今後の「釣り方」の記事で説明する。)

●かつて石鯛釣りで使っていた、シマノ・海魂を流用中●


■電動リールにも色々あって…■

 そんなこんなで、「いろんな意味で楽ができる」電動リールに頼っているのだが、これにもタイプが様々あって、それぞれに特色がある。また、現在多く流通している2大メーカー製の、完全フカセ釣りに使える6~7号が300mほど巻けるリールの中でも、機構上に大きな違いがあって、基本性能に大きく影響している。それは、シマノのモデルではスプ-ルの軸内にモーターが収納されていて、それを遊星ギアを介して駆動させ、ダイワのモデルはボディの前部にモーターが収納されて(マグマックス500は例外)通常のギアと遊星ギアを介して駆動している点だ。
 このモーターの取付位置は回転性能に大きな影響があって、クラッチを切った状態でもある程度の負荷が掛かって抵抗感のあるシマノ製に対して、ダイワ製はギア類からスプール軸が完全に切り離されるので、かなりスムーズだ。その結果、こと回転時の絶対性能に関してはダイワ製の方がどうしても上になる。
 また、シマノ製はモーター収納場所の都合上、スプール軸が太く、重くなるため、初速の立ち上がりが遅いうえ、一旦回り出すと慣性重量がかかって、回ったスプールが止まりにくく、それが流している最中のバックラッシュのし易さに繋がってしまうのだ。
 だが、回転性能だけではリールはを語れない。シマノのモデルに搭載されている「楽々モード」は、通常のレバー操作を介して一定速で巻き上げる方式とは違って、高負荷になると巻き上げスピードが自動的に下がってくれるため、ドラグ本来の効力が発揮されやすく、ブレーカーも落ちにくいので、大型魚に対する基本性能が高まっているのだ。
 そんなこんなで一長一短がある中、ボクが選んだのは、「シマノ・完全フカセスペシャル」だった。(もっともこれは既に旧型だが…)
 旧型のこれを使い続けているのには経緯があって、一旦はオークションで売却して現行の最新モデルの購入資金になったものの、新型よりもこちらの方が断然回転性能が高いことを思い知らされて、慌ててデッドストック物の新品を買い戻した次第だ。

●完全フカセスペシャル(ハンドルノブは別会社製品)●

 このリールの他にダイワ製では最廉価版のハイパータナコン500Fも予備として持っているが、試しにシマノ・完全フカセスペシャルとライン同士を繋いでフリーにして引っ張ると、500Fの方が先に回り始める。上述の機構の違いを実証する形だが、このことからも回転性能のみを比較するとダイワの圧勝だということが解る。



■散々悩んだけれど…■

 電動リールは各社各タイプで一長一短があるため、一旦は納得して使っているハズのリールであっても、乗り合わせた他の釣り人が、自分よりも回転性能の高い電動リールを使用していて、そちらに釣果が偏ってしまうと、「隣の芝生は青い」状態に陥って、「買い換えようかな?。」と思うことも度々だった。
 そんな時、信頼する船長の何人かにもアドバイスを求めたのだが、「釣れてる時はちゃんと釣っているんだから、換えなくてもイイよ。」との答が殆どで、一応はそれによって思い留まっていた。だが、それでも、不漁の度に、心が迷宮に入り込んでいた。
 そんなある日の出来事だった。ボクより回らない新型の電動リールを使った釣り人が、かなりの釣果を得たのに対して、それよりよく回る電動リールを使っていたボクがボーズを喰らったことがあったのだ。それが「リールは、ある程度滑らかに回ってくれさえすればイイ。」「それよりもリールに合わせたタナ取りの方が重要。」と、吹っ切れた瞬間で、以降は自信を持って所有する電動リールを使用するようになっていった。
 そう思えるようになって以降を振り返ってみると、タイプとしては一番回るはずの石鯛リールをセットした釣り人の横で、回転性能が決して最高とは言えないシマノ製電動リールを使ったボクの方が釣果を上回ることが度々あった。また、今春、東舞鶴の日本海41が116cmの大ヒラマサを仕留めたが、これはレンタルタックル、それも何台かレンタルした中では回らない方の電動リールを使用しての釣果だったそうで、これは大きな裏付けとなるだろう。そう言えば、日本海41の船長にリールについてのアドバイスを求めた際にも、「回らないリールでも、それに合わせた釣法がある。」と言っていたことを思い出すが、今となってはその通りだと思う。

 とは言うものの、明らかに回りの悪いリールは潮流の抵抗を受けてラインが沈まないため、釣りにならないことが多いので、これからリールを購入する人には、「最低でもスプール軸の両サイドにボールベアリングが入ったモデル、できれば完全フカセ対応を謳ったモデルから選ぶべきだ。」と言っておきたい。


■リールを疑う前に■

 ボクの場合、船で乗り合わせた釣り人の、リールの回り具合は、自身のタナ取りデータとして生かすために、常にチェックしているが、その中には、基本性能がボクより高いモデルでありながら、明らかに回りが遅いリール存在する。(勿論、メカニカルブレーキは絞っていない状態で)
 その原因はメンテナンス状態や、巻き糸量の減り具合であったりする場合が多い。メンテナンスの悪さは各種の抵抗を生むのは当然のこと、巻き糸量の減少も距離あたりのスプール回転数が増えて抵抗が増えるのだ。そのあたりに考えが及ばず「釣れないのはリールのせいか…?」などと考え出すと、以前のボクのように迷宮に入り込むだけだ。
 そんなリール達を見ていると、たとえそれが基本性能では上のリールであっても、「ボクのリールとそんなに差がないんでは?。」と思うってしまうことすらある。であるから、リール自体を疑う前に、「メンテナンスの有無や巻き糸量のチェックといった、自身の下準備の方をマズは疑った方がイイんじゃないの?。」と言っておきたい。
 メンテナンスについては各メーカーH.P.やGoogleで「電動リール メンテナンス」と検索ワードを入れれば何種類かの方法が出てくるので、それを参照すればイイ。要は、レベルワインドを初めとする回転部に着いたオキアミや海藻、クラゲのカスや塩分を使用後、できるだけ早い段階で確実に落とすことと、必要箇所に注油するだけのことだ。

●メンテナンス用品●
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狙っていたワケではないけれど…

2015-06-13 12:30:00 | 船釣り・釣行記
■残り物■

 舞鶴沖=白石グリのヒラマサだが、6月に入って数は減ったものの、まだポツポツと釣果が出ているようだ。情報はイヤでも入ってくるので、まだボクの未練心は刺激されていたが、加えてマダイの乗っ込みがピークになりつつあるとあって、有力船に週末の空きがあるハズは無い。
 そんな状況だったから、「玄達への釣行日も近いから、ここは諦めて、そろそろ渓流に行こうか?」と算段していた。しかし、たまたまH.P.を覗いたタイミングにキャンセルが出ていたため、ラッキーにも、東舞鶴から出ている瑞翔(ずいしょう)さんの“船上の人”になることができた。

●瑞翔さん(帰港時)●

 現地では9時半頃に出船し、4人が乗船した。勿論、ボクは残り物のヒラマサ狙いなのだが、乗合船という事情から勝手を言うワケにはいかず、「何処に行くのか」が心配だったが、行き先が白石グリだと聞いた瞬間は「チャンス有り」と、ほくそ笑んでいた。

●出港地は自衛隊の北吸桟橋の近く●


■逆潮の中■

 白石グリまでの航行中、入漁時間の早いジギング船から無線情報が入っていた。それに耳を傾けていると、現地は南東方向から流れる逆潮になっているとのことだった。白石グリでは西から東に抜ける潮が本潮となる。海底隆起の配置的に捉えても本潮では大型魚の着きやすい浅場に潮がブチ当たるため、全体的に本命魚の食い気が上昇するし、それに恐れをなしたエサ取り達が跋扈することも少なくなるため、釣り易くもなる。しかし、逆潮となると別条件になるため、貧果になる確率が高まる。せめてもの救いは、風が同方向から吹いていることで、「とりあえず、支障なく流せるだけマシか…。」と思いながら、現地までの不安な1時間を過ごしていた。

 午前11時に実釣スタート。船長の事前説明から判断すると「浅場の端に定位させた船から瀬を横切る形で完全フカセ仕掛けを流し込んでいくイメージで流せばいいのかな?。」と思い、それに合わせたタックルセッテイングを行った。
 「付近の水深は35mということだし、潮が緩いため、マキエサが効き出すと、足の遅いエサ盗り達が沸くだろう。」という予想から、沈む仕掛で粘らず、発泡ウキの番手をどんどん上げることで仕掛を浮かせる方向へシフトさせることを念頭に置いて攻めることにした。

 最初の一投で船首方向から声が上がり、同船者に良型のイサギがダブルで掛かったが、程なくして当初は緩いながらも流れに一定性のあった潮にムラが出て、止まりかかったりするような流れになると、エサが殆ど残らない状況に陥った。
 発泡ウキは8番の1個入れでは通用せず、8+7まで上がっていたが、少し潮の勢いが増したかと思った途端に良型のイサギをゲットする。

●40cmほどのデブ・イサギ●

 しかし、ウマい魚であっても全く引き味はなく、感動はない。次いでの魚は、時間が空いたが、再びもう1匹の良型のイサギをゲットする。だが、それ以降は、かわしてもかわしてもエサ盗り達の攻撃は激しく、船内を見渡しても、たまたま掛かってくるウマズラハゲが僅かに竿を曲げるのみで時間だけが過ぎていった。

●沈黙の時間が船内に流れてゆく●


■陽の落ち始め■

 途中、眠くなってボ~ッとする時間もあったが、午後3時を過ぎて日の傾きを感じたので、気合いを入れ直す。というのも、光の屈折の関係で、海中では地上よりも早い段階で暗くなり、それと同時にエサ盗りが減り始めるからだ。
 その実、40mほど先まで沈まないような、発泡ウキを8番を2個がけしたセッティングでは高浮力過ぎて、エサが残るようになっていた。そこで、流す距離をそれまでの80mから100mに伸ばしてみた。しかし、それでも残るため、発泡ウキのサイズをを8番+7番へと順次下げていった。それが8番+6番になったところで、それまで潮流に合わせてトロトロとゆっくり回っていたリールが80mあたりで、一気にではなく、言わば「スルスルッ」「スルスルッ」と途切れ途切れに強弱を繰り返すといった感じで回り始めた。
 「アタリのアラームは鳴らないが、何か変だ。」と思い、スプールを親指で押さえてみると、ラインから竿に伝わる生命感が感じられた。そしてすかさず竿を手に持ってアワせてみると、「ズドンッ!」とう、衝撃が伝わるのと同時に竿が大きく絞り込まれていった。

●待望の大型魚!●

 最初の内はドーッ!と走ったかと思えばグイグイと締め込んでくる。その強さは時折リールの巻き上げが止まってしまう程だったため、正体は判らないものの、大型魚には違いない。そこで、強引さは控えてドラグを調整しながら慎重にやりとりを行うことにした。
 締め込みをかわして何とか船下まで引き寄せても、竿を叩かず下方向への更にシツコク締め込んだために、「お願いヒラマサであってくれ!」と、心中で叫んだが、スピードがないので違うようだ。そして、中層まで引き上げてみると、今度は横走りを始めた。
 「エ~ッ、ブリ系なの~?…。」と、ここで判断を修正したのだが、やがて姿を現した相手を見てビックリ仰天。正体は想像もしなかった大マダイだったのだ。普段のマダイであれば、掛けた後の、底~中層にかけての走りはあっても、浮き袋の膨らみ易い体質?のため、中層から上に引き上げる頃には遊泳バランスを崩して、頭を振ってイヤイヤするだけになるのだが、この日のポイントは、船下の水深が35mほどしかなかったために、いつまでもヘバることなくパワーを発揮していたようだ。
 
●大マダイ●


●キッチリとスケールで計ると…●


●84.5cmあった!●

 狙っていたワケではないものの、久しぶりの80cm級を手にしたことに気を良くしつつ、ニヤけながら撮影等を済ませた。そして次の流し以降でも続くアタリをとるため、発泡ウキは同じセッティングのままで流していった。数投を経た後、今度はキッチリとアラームが鳴るアタリが出て、55cm級のマダイをゲットする。その様子から「どうやら時合い到来か?。」、「今度こそヒラマサが来るのか?」と、一人ほくそ笑んだが、それはぬか喜びであり、以後は無情にも潮が緩んでアタリが遠退いていった。


■夕マヅメ■

 アレコレ思案しつつも時は流れ、早、完全なる夕刻に入ったため、日暮れにアタリが遠退くことの多いヒラマサは諦めなくてはならなかった。残念だったが、ここでもう一度頭の中を整理し、以後の対策を練ることにした。
 エサ盗りの気配は更に減っていたため、策の第一として全ての発泡ウキをハズしてみたが、これではエサが盗られるだけだったので、一旦、大マダイを掛けたセッティングに戻し、エサの盗られ具合を確認しながら、浮力を下げてゆくことにした。
 8番+6番ではエサが残ったため、8番+5番へ、そして8番が1個へと徐々に浮力を落としていったが、7番が1個になった仕掛が60mを過ぎた瞬間に急速逆転し、55cm級をゲット。ここから入れ食いが始まった。(とは言え、流速が遅いために一流しに時間がかかって、間が開くのだが…)

●竿が快調に曲がり出す●

 次いでのマダイは70cm級だったが、これは、玉網を入れる際のトラブルで、ハリが外れてしまった。別に土産で欲しい魚ではないので、ロスト自体にはガックリとならなかったが、普段通りのマダイであれば、水面まで浮かせると腹を返して浮いたままになって掬い直すことができるほどの“ヘタレ”具合なのに、この日のような浅場の釣りでは、泳ぐ勢いが衰えず、そのまま一目散に逃げ去ったことは驚きだった。
 そして、その外れたマダイの後に、船長から「あと2投で終了。」との声が掛かった。思い描いたことがハマッていたため、気を良くしたままの状態で仕掛けの投入を再開すると、全く同じセッティング&距離で、逃がしたサイズよりもやや小さいサイズをゲットする。

●70cm弱●

 続いての流しでもアタリを捉えて、またもや55cm級をゲット。ラスト3投はパーフェクトの状態であり、次の流し以降でも食い続きそうであったが、残念ながら、ここで時間切れとなって、納竿となった。


■再評価■

 これまで、下層での抵抗こそあっても上層まで引き上げてくると、腹を返してしまう“だらしないマダイ”に魅力を感じることは少なかったが、あれやこれやで浅場で掛けた場合は“別物”だということで評価が変わった次第だ。これからもボクがマダイを専門で狙うことは殆どないだろうけれど、条件次第で違ってくる楽しさを今回は充分に味わうことができた。そんな意味で、“腐っても鯛”を痛感した一日だった。

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'15 男女群島釣行 ~その2

2015-06-06 12:30:00 | 磯釣り
■初日の夕マヅメ■

 さて、青木瀬の西に渡礁したのだが、この釣り座からは西方向に流れる上げ潮でなければ殆ど釣りが成立しないので、潮待ちの間に夕マヅメ用のタックル(=2.5号竿に、道糸&ハリスが5号の通し)と夜釣り用のタックル(=4号竿に、道糸&ハリスが8号の通し)の両方を準備し、軽く食事を済ませておいた。
 そして午後6時頃、待ちに待った満ちの本流が水道筋に差し込み始めた。初めの内は日中と同程度の口太グレがポツリポツリとアタってきた。
 だが、周囲が薄暗くなり始め、同時に潮切れが良くなってくると、本流と、それに引かれる“引かれ潮”が発生し、その潮壁を攻めていると、45cmほどの尾長グレが登場する。

●45cmほどの尾長グレ●

 「いよいよ時合いか?。」と思いつつ、集中して流していたが、前アタリの後、電光石火の如く視界からウキが消えていった。すかさずアワセを入れたが、次いで竿が絞り込まれる様子から、大型の尾長グレだと直感して体勢を整えた。そこから数度の締め込みに耐えて走りを止め、そろそろ反撃開始をしようとした瞬間にフッと感触が消えてしまった。ハリ外れである。
 「次があるさ。」と、気を取り直した頃には日没を迎えたので、そのまま夜釣りに持ち替えて次なる攻めに入った。しかし、口太グレが一度アタったきりで、それ以降、本流の流速が上がってからは全く気配が無くなった。しかも、潮のヨレた部分でウキ下を深くとっていると、ガシラ(カサゴ)が食ってくる始末で、異様な雰囲気になっていった。
 結局、潮止まりまで粘ってみたが、ガシラ以降はずっとエサが残ったまま、そして全くアタリがないままだった。


■二日目の朝■

 下げ潮の間は睡眠をとり、翌朝の潮止まり時間に合わせて起床。満ち潮の本流がやってくるのを待ったが、待てども待てどもそれが差してこない。水道筋では潮時表よりも1時間程度遅れることはあるが、やっとのことで流れ始めたのは3時間程後だった。
 満ちの潮流に合わせてマキエサを入れ始め、様子を伺ったが、見えるのは大型のサンノジ、中型のイズスミとタカベ、その下に中型の口太グレという組み合わせだった。
 手前から攻めてみると、サンノジやイズスミとタカベがウルサく、それをかわしても中型の口太グレが掛かるという、「見たまんまの展開」だったので、沖側の本流筋を攻めることにする。しかし、全く反応がないので、ふと足下に目をやると、タカベ以外の、魚が全く消えていた。
 この状況や前日の夕マヅメ以降の展開と同じで、どうやら満ちの本流に何らかの原因があるように思えた。
 隣で石鯛を狙っていた中出クンも、「通常のタナではアタリが無く、深いタナで赤貝のムキ身を食わせるのがやっと。」と話していた。しかしそんな中にあっても、中型の石鯛を3枚ゲットするあたりはさすがであった。

●翌朝の満ち潮では、口太グレが1枚のみ●

 その後もアレコレと手を尽くしたが、その後も状況は変わらず、何もドラマは起こらず、タカベ以外の釣果がないままに、満ち潮の時間帯が去っていった。


■二日目の夕マヅメ■

 昼の見回りの時点で磯替わりも考えたが、週末の土曜日とあって見えていただけでも3~4隻の他船がウロついていた。そんな状況下では中ノ島の南側にある中ノ瀬戸周辺の良い磯に替われる保証はなく、結局は留まる決意をした。
 昼過ぎからの下げ潮で仮眠をとるつもりだったが、眠れないままに冒険的に竿を出してみると、口太グレのレギュラーサイズと、小型の尾長グレがポツポツとアタってきたが、単なる暇つぶしで終わってしまう。そうこうしているうちに夕刻、前日から1時間遅れで満ち潮がやってきた。
 日没までの時間が短かかったが、夕マヅメ用タックルでは48cmの尾長グレと口太グレをゲットする。そしてすぐに剛竿での力勝負の時間帯がやってきた。
 漆黒の暗闇の中、2時間程アタリが続いて散発的に電気ウキの光が海中に吸い込まれていったが、全てが口太グレだった。「男女群島に来た上は、せめて50cmオーバーの尾長グレを。」と、負けずに根気よく続けていくうちに、ようやく前アタリの後に流星の如く消えていく本アタリを捉えることに成功した。
 良型だとは確信したが、剛竿の敵ではなく、腰を落として踏ん張っていくだけで浮かせられそうだった。そして何度かの締め込みをかわしてネットイン。無事に取り込めたのは51cmの尾長グレだった。

●なんとか51cmを…●


 その後もアタリが続いたが、再び散発的に口太グレがアタってきた。しかし、日没から3時間ほど経過し、流れが速くなると、昨夜と同様の状態になってピタリとアタリが止まり、海からは何の気配も感じられなくなっていった。
 昨夜の経験から、これ以上粘っても無駄に思え、朝~日中用のタックル(=2号竿に、道糸&ハリスが4号通し)を準備した後に寝袋の中に入り込むことにした。


■三日目の朝マヅメ■

 最終日の午前4時、迎えの船に乗り込んで瀬替わりを行ったが、有望磯に空きがないらしく、殆ど潮の動きがない磯(恐らく男島の南側)に乗る羽目になった。
 「こんなところに魚がおるんかいな?。」という感が漂っていたが、ヘラブナ釣り場の様に、風に押されて流れる程度の中、口太グレの35cm級が入れ食いとなった。しかし、和歌山あたりの磯であれば少しは嬉しさも感じるだろうが、ここは男女群島。日中仕様とは言え、離島タックルの敵ではなく、アッという間の取り込みで感動がないままに撤収の午前9時がやった来た。


■撤収時間■

 撤収の1番手はボクだったから、各磯に散らばったメンバーの撤収を手伝いつつ、各磯の状況確認を行ったが、ここで驚くべき情報が入った。何と、前週に20度を超えていた水温が18度まで下がっていたのだそうだ。これで、本命潮であっても潮止まりから本格的に流れが強まるまでの数時間しか食いが立たなかったり、潮時表から異常なまでに遅れた理由が理解できた。
  全体の釣果を振り返ると、尾長グレの大型はラッキーにも帆立岩に上がれたメンバーの一人が“日没寸前の一発”で、50cm台後半サイズを1枚のみ仕留めていたようだが、本当に“その一発”だけだったそうで、それ以外は殆ど全てが口太グレだったようだ。
 底物狙いでは、私たちのグループのメンバーが仕留めた72cmの石鯛が光っていたが、全体的に数は少なく、パッとしない状況だったようだ。

●渡礁したかった、中ノ瀬戸の磯群●

 久しぶりの磯釣りであったが、ポイント設定から攻め方、それに最終段階のネットインに至るまで全てを自分でこなさなければならない磯釣りは、タダ釣るだけの“楽チン”な船釣りとは違う、難易度の違いを痛感するばかりだった。この釣りから遠ざかって普段、楽している分だけ、現地では、ある程度の鈍りを感じる場面もあったが、体が覚えているらしく、時間と共に勘を取り戻し、「どうにかこうにか」ではあるが、最終的にはある一定の段階までこなすことはできた。とは言え、尾長グレの記録更新はならず、それどころか50cm台の前半止まりだったことは残念でならない。
 今後も、口太グレを狙って釣行することはないだろうが、この悔しさを胸に、“尾長グレ狙い”の男女群島ツアーには来年以降も参加していきたいと思っている。
 「目指せ65cmオーバー!。」だ。

●来年こそは…●




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