釣行予定は6/5まで入っていないため、最近、思い巡らせていることを…。
■タナ論議■
このブログをつぶさに見ている人は気付いていると思うが、コメント内で少しばかり「タナ論議」があったので、今回はそのあたりの話を書いて行こうと思う。
ボクの場合、ヒラマサ狙いの第一投目のタナ設定は2パターンある。積極的に発泡ウキを使う福井県・鷹巣沖~玄達瀬釣行時の場合は、まず、直近の釣行でアタリの多かった発泡ウキの号数を船長に確認する。そして当日の潮況を加味し、最初の送り出し量を潮が遅ければ短く、早ければ長くといった具合に、20~40mの間で変化させてスタートすることが多い。これは乗合船であっても仕掛の特徴が揃い易い地区であることと、船長とボクの考えに大差がないために出来ることだ。しかし、全長は6~20m超、ハリスの号数は5~8号、ハリ数が2~4本と各自がバラバラな京都府・冠島~白石グリへの釣行時では、他人のデータは当てにはならない。したがって、小型BB入りサルカンだけでハリス&道糸を連結した状態で最初の送り出し量を潮の遅速に合わせて、とりあえずはスタートさせている。
その後、エサの盗られ具合や、アタリの出具合で発泡ウキやガン玉で沈ませ具合=タナを調整してゆくのだが、前々回の、白石グリ釣行時はこんな感じで展開していった。当日は南からの潮流だったため、この時期の本命である浅場ではなく、この潮に強いと言われている南側のポイントに入っていた。そしてその結果は同船者に計2本のヒラマサが出ていたにも関わらず、ご存じの通りボクの釣果にヒラマサは無しで、イサギとマダイが数匹という結果に終わった。
この日の釣行記を見た、とある有名船長からコメント内で「狙うのはイサギやマダイより、もっと上」というアドバイスをもらい、そこから論議が少し展開した次第だ。
「ヒラマサは上層まで浮く」ということを前提にしているのは、完全フカセ以外の、他の釣りスタイルでもうかがい知れる。
例えば、山陰~九州の五島列島にかけての一帯では、磯からカゴ釣りでヒラマサを狙っているが、その基本仕掛は、ウキとカゴが一緒になった、タルカゴや上カゴと言われる器具を使って、水面直下でマキエサを振り出すスタイルだ。一般的な道糸とサルカンの連結部にマキエカゴを取り付け、オモリで沈めてからマキエサを降り出すタイプの仕掛は、ヒラマサがどうしても浮いてこなかった場合にのみ使用し、通常はマダイを狙う際に使用することが多いようだ。
興味を惹くのは、このスタイルで釣る場合、一般に生のオキアミに比べて比重が軽く、上層を漂い易いと言われているボイル・オキアミをマキエ、サシエ共に使用することが多い点だ。
更に進んで、グレ釣り界の鬼才と言われている、松田稔氏がヒラマサを磯から狙っているシーン「http://www.fishing-v.jp/denshin/?pcd=8414740」も興味深い。この中で氏は、足踏み式の遠心力脱水機を現場に持ち込んで、ボイル・オキアミの水分を更に飛ばし、殆ど浮いてしまうような状態にしてからカゴに詰めてポイントに投入している。そしてそのうえに同じマキエサをマキエ杓で上撒きをしているのだ。磯の近くをヒラマサが回遊して来るのは、高活性でエサを求めているからであり、その場合は浮いたエサをついばむために、かなりの上層まで浮いてくるということの証明になる。
話変わって、ルアー船でも近年はジギングでの釣果に目立ったヒラマサは少なく、殆どが誘い出しというテクニックを使った表層狙いの釣りでヒラマサの釣果を得ているようだ。
知っている人には「何を今更…。」の話で恐縮だが、上述点からエサを求めている=高活性のヒラマサは、“はかなり浮いている、”もしくは“かなり上層のエサを狙っている”ということがこれで確認できるだろう。
■振り返れば…■
自身の、「ヒラマサを数釣った日」の状況を振り返ってみると、「今日は浮いている。」と感じながら、浅場の周辺を攻めている日の釣果には外道にマダイやブリ族は少なく、イサギやグレが混じる割合が増える。」といった傾向があることに今更ながら気付かされた次第で、その典型例が下写真になる。
イサギ、特にグレ類は潮が良ければマキエサにつられて浮き上がることの多いため、それが外道のメインになるのは、その日に釣ったヒラマサはエサを求めて上層まで食い上がってきていたという事になる。
逆に、活性が低く「ようやくの1本を獲った日」には同じ産卵前でもマダイやブリ族が殆どになる傾向があるので、浮いてこないヒラマサのタナをアレコレと探った結果という事になり、その典型例が下写真になる。
この日は、潮流が止まったり、トロトロと動いたりの一日で、単発のアタリが殆どだった。
面白いのは下写真で、この日は、前半の潮況は良かったものの、後の変化で活性が急降下して、後半は深く探らざるを得なかったのだ。
釣果は正直で、前半はヒラマサばかりだったが、後半はマダイばかりで二分されている点が面白い。
また、写真はないが、白石グリの釣行で何度かやらかしている、「自分だけヒラマサ・ボーズの日」である、5月8日のような日は、ボクだけがマダイやブリ族の釣果のみに終わっていることが多い。これは仕掛をヒラマサのタナよりも深く入れすぎていた結果ということになるのだと思う。
秋の場合も白石グリでは下写真
で解るように同様の傾向がある。
しかし、鷹巣沖ではイサギが殆ど棲息しておらず、グレには深すぎるところを攻めることが多いため、むしろマダイと同じようなタナで釣れてくるようだ。従って、この地区ではパターンが当てはまらないように思う。
■実釣に反映させてみると…■
自分なりに得たヒラマサの習性に対する知識や、いただいたコメントを実釣時に反映させてみると…。
前々回の白石グリ釣行では、まず初期の自分の仕掛にイサギが釣れていた時点では、アタリの出方が明確ではなかったので、オモリを打って沈めた後に張る方法を採ったが、「そのまま、もしくは、それよりもやや上を狙う。」が正解。中盤のブリ族やマダイが釣れていた時点でのボクは、そのタナでアタリを待ち続けていたが、「無視して更にもっと上を狙う。」が正解だったように思える。
それらを実践していれば、もう少しヒラマサのアタリがとれて結果が変わっていたのかも知れない。但し、後半に活性が下がった時点では、「ボクがやっていた方法でも良かったのかな?」といった感じだ。
また、前回の柴山沖釣行では、「グレ類が潮具合にかなり敏感であるうえ、よりマキエサに上ずってくるタイプ。」ということを考慮して、同じようなタナで狙うのが正解で、その実、その近辺のタナでヒラマサが釣れた。それ以降の流しではマダイが続いたが、釣った時点で即座にもっと上を狙うことを心掛けていれば、短い時合いの間にもう一度くらいヒラマサのアタリをとっていたのかも知れない。
その他、研究ついでに考えていることがある。それは、「どうせ浮いてくるのなら、磯の上物釣りスタイルのようなフカセ釣りの方が効率的では?。」という点だ。フロロカーボン製の沈む道糸を基本にして浮かせる方向に攻める以外に、ナイロン製のサスペンド系道糸を使い、浮いた物を沈めて行く方向に(=上から下に)攻めを展開する方法があるような気もするのだ。だが、誰も試さないようだし、ボクにもそんな勇気はない…。従って、以下は妄想の域だが…。
まずは磯釣り用円錐ウキの中で離島用と言われる、大型の0号負荷をナイロン道糸(風が強い日はフロロカーボン)に装着するのが基本形。激流でタナがとりにくい場合は3~5号負荷の円錐ウキを使い、それに合わせた丸玉オモリを入れる。どっちのウキを使った場合でも基本的にハリスには何も打たないでおく。その際、使用するエサはボイルのオキアミを使った方がより効果的かも知れない。
これでサシエサが残ったらハリスと道糸の継ぎ目にオモリを足して、マイナス負荷の方向へ持って行く。そしてオモリを更に増やすことでタナを下げて行き、サシエサが盗られた時点で少しオモリを減らし、外道が掛かればその種類に合わせた=ヒラマサが浮く層との差に応じたタナ調整を行う。仕掛を張れば潮の抵抗を受けて浮上し、緩めれば沈むという性質を利用して誘いを加えながら流してゆけば、そのうちにアタリが「ドカンッ!」と…。
これって、足場とタックルは違えどボクが大好きな離島で大型尾長グレを狙う本流釣りの世界なのだ!。
そんなこんなを反省したり、思い巡らせていたのだが、とにもかくにもせっかくの研究が、「獲らぬヒラマサのカマ(ここの塩焼きが一番オイシイ!)算用。」に終わらないことを祈りたい。
■タナ論議■
このブログをつぶさに見ている人は気付いていると思うが、コメント内で少しばかり「タナ論議」があったので、今回はそのあたりの話を書いて行こうと思う。
ボクの場合、ヒラマサ狙いの第一投目のタナ設定は2パターンある。積極的に発泡ウキを使う福井県・鷹巣沖~玄達瀬釣行時の場合は、まず、直近の釣行でアタリの多かった発泡ウキの号数を船長に確認する。そして当日の潮況を加味し、最初の送り出し量を潮が遅ければ短く、早ければ長くといった具合に、20~40mの間で変化させてスタートすることが多い。これは乗合船であっても仕掛の特徴が揃い易い地区であることと、船長とボクの考えに大差がないために出来ることだ。しかし、全長は6~20m超、ハリスの号数は5~8号、ハリ数が2~4本と各自がバラバラな京都府・冠島~白石グリへの釣行時では、他人のデータは当てにはならない。したがって、小型BB入りサルカンだけでハリス&道糸を連結した状態で最初の送り出し量を潮の遅速に合わせて、とりあえずはスタートさせている。
その後、エサの盗られ具合や、アタリの出具合で発泡ウキやガン玉で沈ませ具合=タナを調整してゆくのだが、前々回の、白石グリ釣行時はこんな感じで展開していった。当日は南からの潮流だったため、この時期の本命である浅場ではなく、この潮に強いと言われている南側のポイントに入っていた。そしてその結果は同船者に計2本のヒラマサが出ていたにも関わらず、ご存じの通りボクの釣果にヒラマサは無しで、イサギとマダイが数匹という結果に終わった。
この日の釣行記を見た、とある有名船長からコメント内で「狙うのはイサギやマダイより、もっと上」というアドバイスをもらい、そこから論議が少し展開した次第だ。
「ヒラマサは上層まで浮く」ということを前提にしているのは、完全フカセ以外の、他の釣りスタイルでもうかがい知れる。
例えば、山陰~九州の五島列島にかけての一帯では、磯からカゴ釣りでヒラマサを狙っているが、その基本仕掛は、ウキとカゴが一緒になった、タルカゴや上カゴと言われる器具を使って、水面直下でマキエサを振り出すスタイルだ。一般的な道糸とサルカンの連結部にマキエカゴを取り付け、オモリで沈めてからマキエサを降り出すタイプの仕掛は、ヒラマサがどうしても浮いてこなかった場合にのみ使用し、通常はマダイを狙う際に使用することが多いようだ。
興味を惹くのは、このスタイルで釣る場合、一般に生のオキアミに比べて比重が軽く、上層を漂い易いと言われているボイル・オキアミをマキエ、サシエ共に使用することが多い点だ。
更に進んで、グレ釣り界の鬼才と言われている、松田稔氏がヒラマサを磯から狙っているシーン「http://www.fishing-v.jp/denshin/?pcd=8414740」も興味深い。この中で氏は、足踏み式の遠心力脱水機を現場に持ち込んで、ボイル・オキアミの水分を更に飛ばし、殆ど浮いてしまうような状態にしてからカゴに詰めてポイントに投入している。そしてそのうえに同じマキエサをマキエ杓で上撒きをしているのだ。磯の近くをヒラマサが回遊して来るのは、高活性でエサを求めているからであり、その場合は浮いたエサをついばむために、かなりの上層まで浮いてくるということの証明になる。
話変わって、ルアー船でも近年はジギングでの釣果に目立ったヒラマサは少なく、殆どが誘い出しというテクニックを使った表層狙いの釣りでヒラマサの釣果を得ているようだ。
知っている人には「何を今更…。」の話で恐縮だが、上述点からエサを求めている=高活性のヒラマサは、“はかなり浮いている、”もしくは“かなり上層のエサを狙っている”ということがこれで確認できるだろう。
■振り返れば…■
自身の、「ヒラマサを数釣った日」の状況を振り返ってみると、「今日は浮いている。」と感じながら、浅場の周辺を攻めている日の釣果には外道にマダイやブリ族は少なく、イサギやグレが混じる割合が増える。」といった傾向があることに今更ながら気付かされた次第で、その典型例が下写真になる。
●2014年6月・玄達瀬での釣果(二人分)●
イサギ、特にグレ類は潮が良ければマキエサにつられて浮き上がることの多いため、それが外道のメインになるのは、その日に釣ったヒラマサはエサを求めて上層まで食い上がってきていたという事になる。
逆に、活性が低く「ようやくの1本を獲った日」には同じ産卵前でもマダイやブリ族が殆どになる傾向があるので、浮いてこないヒラマサのタナをアレコレと探った結果という事になり、その典型例が下写真になる。
●2015年6月・玄達瀬での釣果(二人分)●
この日は、潮流が止まったり、トロトロと動いたりの一日で、単発のアタリが殆どだった。
面白いのは下写真で、この日は、前半の潮況は良かったものの、後の変化で活性が急降下して、後半は深く探らざるを得なかったのだ。
●2013年6月・玄達瀬での釣果(二人分)●
釣果は正直で、前半はヒラマサばかりだったが、後半はマダイばかりで二分されている点が面白い。
また、写真はないが、白石グリの釣行で何度かやらかしている、「自分だけヒラマサ・ボーズの日」である、5月8日のような日は、ボクだけがマダイやブリ族の釣果のみに終わっていることが多い。これは仕掛をヒラマサのタナよりも深く入れすぎていた結果ということになるのだと思う。
秋の場合も白石グリでは下写真
●2013年11月・白石グリでの釣果(二人分)●
で解るように同様の傾向がある。
しかし、鷹巣沖ではイサギが殆ど棲息しておらず、グレには深すぎるところを攻めることが多いため、むしろマダイと同じようなタナで釣れてくるようだ。従って、この地区ではパターンが当てはまらないように思う。
●2012年11月・鷹巣沖での釣果(二人分)●
■実釣に反映させてみると…■
自分なりに得たヒラマサの習性に対する知識や、いただいたコメントを実釣時に反映させてみると…。
前々回の白石グリ釣行では、まず初期の自分の仕掛にイサギが釣れていた時点では、アタリの出方が明確ではなかったので、オモリを打って沈めた後に張る方法を採ったが、「そのまま、もしくは、それよりもやや上を狙う。」が正解。中盤のブリ族やマダイが釣れていた時点でのボクは、そのタナでアタリを待ち続けていたが、「無視して更にもっと上を狙う。」が正解だったように思える。
それらを実践していれば、もう少しヒラマサのアタリがとれて結果が変わっていたのかも知れない。但し、後半に活性が下がった時点では、「ボクがやっていた方法でも良かったのかな?」といった感じだ。
また、前回の柴山沖釣行では、「グレ類が潮具合にかなり敏感であるうえ、よりマキエサに上ずってくるタイプ。」ということを考慮して、同じようなタナで狙うのが正解で、その実、その近辺のタナでヒラマサが釣れた。それ以降の流しではマダイが続いたが、釣った時点で即座にもっと上を狙うことを心掛けていれば、短い時合いの間にもう一度くらいヒラマサのアタリをとっていたのかも知れない。
その他、研究ついでに考えていることがある。それは、「どうせ浮いてくるのなら、磯の上物釣りスタイルのようなフカセ釣りの方が効率的では?。」という点だ。フロロカーボン製の沈む道糸を基本にして浮かせる方向に攻める以外に、ナイロン製のサスペンド系道糸を使い、浮いた物を沈めて行く方向に(=上から下に)攻めを展開する方法があるような気もするのだ。だが、誰も試さないようだし、ボクにもそんな勇気はない…。従って、以下は妄想の域だが…。
まずは磯釣り用円錐ウキの中で離島用と言われる、大型の0号負荷をナイロン道糸(風が強い日はフロロカーボン)に装着するのが基本形。激流でタナがとりにくい場合は3~5号負荷の円錐ウキを使い、それに合わせた丸玉オモリを入れる。どっちのウキを使った場合でも基本的にハリスには何も打たないでおく。その際、使用するエサはボイルのオキアミを使った方がより効果的かも知れない。
これでサシエサが残ったらハリスと道糸の継ぎ目にオモリを足して、マイナス負荷の方向へ持って行く。そしてオモリを更に増やすことでタナを下げて行き、サシエサが盗られた時点で少しオモリを減らし、外道が掛かればその種類に合わせた=ヒラマサが浮く層との差に応じたタナ調整を行う。仕掛を張れば潮の抵抗を受けて浮上し、緩めれば沈むという性質を利用して誘いを加えながら流してゆけば、そのうちにアタリが「ドカンッ!」と…。
これって、足場とタックルは違えどボクが大好きな離島で大型尾長グレを狙う本流釣りの世界なのだ!。
そんなこんなを反省したり、思い巡らせていたのだが、とにもかくにもせっかくの研究が、「獲らぬヒラマサのカマ(ここの塩焼きが一番オイシイ!)算用。」に終わらないことを祈りたい。