■とうとう開幕■
年に約二ヶ月間だけの、ボクの玄達瀬でのチャレンジが始まった。
今年は解禁二日目に145cmがゲットされるなど、いきなりスタートダッシュが始まったと思われたが、すぐに失速。中には全く潮が動かないなど、いつもの玄達瀬では考えられないような日もあったようだ。例年なら、この瀬に向かう船の中で数隻大ヤマを当てる船があって、次いでボチボチ釣果の船、悪くとも1本程度の船があって、釣果がピラミッド状に展開するのだが、日ムラ、場所ムラ、船ムラが多く、当てる船が極少なく存在する以外は、ヒラマサボーズやそれに近い状況が続いている。
今回乗船したのは玄達瀬への案内では、ボクが一番の信頼を置く、晴海丸さん。いつもの福井新港から約一時間の航海で現地入りした。
■出だしは上々■
前年の教訓を踏まえ、年毎に仕様を変えているボクのタックル類だが、少し前の記述どおり、今年はハリスは14号(6m×2本バリ)を、道糸10号に組み合わせての攻めだ。
船長の合図と共に実釣がスタート。潮流は玄達基準で標準的な流速であり、それは期待が持てるモノだった。
発泡ウキの8番+7番で投入を開始したが、数投目に道糸が走るもハリハズレが起こった。どうやら、底潮はあまり動いていないようで、中層が速い三枚潮の徴候があった。そのためその次の流しではアタリのあった120mの手前=110mで仕掛けの送りを20秒間止めてみた。するとその流しでもハリハズレが起こったため、作戦を変更する事にした。
取り出したのは、前回に記した「試してみたい事」の中にあった、沈め探り釣りで用いられる、大型のグレ釣り用のウキだった。コレを使う理由はこうだ。底層まで沈めた後に、その流れに乗せるため糸の送りをセーブして流したいのだが、10号という太い道糸が速い中層の潮流に引っ張られてしまわないよう、大型水中帆としての役割を担わせたかったからだ。
110mで一旦20秒の停止を行うのは同様だが、そこから先は竿先から出た糸が“張らず緩まず”の状態になるよう、リールのメカニカルブレーキを絞ってみると、120mを過ぎた頃にラインが走ってすぐに答えが出た。
やり取りの途中で、中型のマダイとすぐに判断できたが、考えが的中した事による安堵感は大きかった。
しばらく間があったものの、次いでのアタリはモヤモヤッとリールのラインを引き出す状態であったが、アワセを入れると「ドスンツ!」とした感覚があったため、少しぬか喜びをしたが、途中でただ重いだけの抵抗感に変わった。それもそのはず、60cm級のマダイがダブルで掛かっていたのだ。
結果はともかく玄達瀬では「マダイが騒ぐ中に、じれたヒラマサが突っ込んでくる」というパターンがあるため、まさにドンピシャだと思われたのだが…。
■潮流の変化■
「リーチもかかった事だし、あと数投でドカンッ!と…。」と皮算用をしていたのだが、その間もなく、中層の流速が更に上がって仕掛が入らなくなったうえ、角度も変わってサシエサが残るようになった。そして、それを機にポイント修正を行う事になった。
新たに攻め直してみると、とある事に気付いた。横で竿を出す兄の仕掛が流れてゆくラインは船尾方向から左に10度ほどの角度が付いているのに対して、ボクの流すラインは更に左の40度ほどの角度が付いて流れてたのだ。
これは、この時点で潮受けウキゴムと2Bのガン玉を打っていた兄の仕掛は速い中層の下部に入っていたのだと思うが、対するボクの更に大きな水中帆(上述のウキ)と大きなオモリ(4B×2個)を装着した仕掛は底潮に入っていたのだと思う。
「底潮に入らなければ喰わないだろう。」と、当初は思っていたが、予想に反して先にアタリが出たのは兄の方だった。しかも引き寄せた際に水中で見える姿はメーターオーバー?。
しかしながら、かなり太ってそう見えただけで、それには及ばないサイズだった。
■どうにも合わない■
「さぁ、ジアイだ!。」とこちらも意気込んだが、そこから先は忘れた頃にマダイがアタる程度に陥った。そして再びの移動…。
3時を過ぎた頃だったが、またもや兄にアタリがあったものの、10号の道糸が飛んでしまった。
その状況から、「底潮に入れないほうが、イイのかも?。」と思い、兄と同じ角度で流れるよう、調整を開始した。まずはリールのフリー回転を確認した。すると、ボクの方がスムーズなので、メカニカルブレーキの絞りを調整してみた。だが、コレだけではウマくいかなかった。次いで、水中帆を同じサイズの潮受けウキゴムに交換してガン玉の重さや配置も同じにしてみた。しかし、コレでもダメだった。ここから先は、ありとあらゆる手段を使って調整を行ったが、ついに同じ角度と層へと仕掛を入れることが出来ず、その間に兄がマダイをもう一枚ゲットした時点でこの日の釣りが終わった。
■今年はキビシイかも?■
残念ながらと言うか、ヘボなのか?、ボクはヒラマサを持たずに終わったが、「ハリス14号でも喰う(兄も同じ太さ)」ということと、「底潮に入れるには“沈め探り釣り”も有効」という事の二点の収穫はあった。
ただ、当日とその前後の状況から推測すると、今年の玄達瀬は魚影の濃さから来るフトコロの広さがあまり感じられず、我々釣り人は単に発泡ウキのサイズを変えてタナをとる戦法だけではアタリを得る機会が減ってしまうように思えた。更に言えば、ヒラマサは居心地の良い層からオキアミエサ欲しさに大きく浮上してこないように思え、高精度で、その居心地の良い層に仕掛を合わせないと結果が出辛いように思えた。振り返れば、数年前からボクが通う日本海の完全フカセ場全般でこの兆しがあったが、ここに来てそれが、よりシビアになっているように思う。
コレは何も自分に釣れなかった言い訳ではなく、当日、横に見える他船ではジアイが1時間発生していたにもかかわらず、一人だけにアタリが集中し、他者はゼロの状況だった。同様の話は他にも多く事例があり、的ハズレの話ではないはずだ。これからチャレンジする人は、その事をわきまえて心して取り組まなくてはならないと思う。
年に約二ヶ月間だけの、ボクの玄達瀬でのチャレンジが始まった。
今年は解禁二日目に145cmがゲットされるなど、いきなりスタートダッシュが始まったと思われたが、すぐに失速。中には全く潮が動かないなど、いつもの玄達瀬では考えられないような日もあったようだ。例年なら、この瀬に向かう船の中で数隻大ヤマを当てる船があって、次いでボチボチ釣果の船、悪くとも1本程度の船があって、釣果がピラミッド状に展開するのだが、日ムラ、場所ムラ、船ムラが多く、当てる船が極少なく存在する以外は、ヒラマサボーズやそれに近い状況が続いている。
今回乗船したのは玄達瀬への案内では、ボクが一番の信頼を置く、晴海丸さん。いつもの福井新港から約一時間の航海で現地入りした。
■出だしは上々■
前年の教訓を踏まえ、年毎に仕様を変えているボクのタックル類だが、少し前の記述どおり、今年はハリスは14号(6m×2本バリ)を、道糸10号に組み合わせての攻めだ。
●ロッド&リール他は継続使用、ハリスのみ14号!●
船長の合図と共に実釣がスタート。潮流は玄達基準で標準的な流速であり、それは期待が持てるモノだった。
●100mあたり、5分15秒ほど●
発泡ウキの8番+7番で投入を開始したが、数投目に道糸が走るもハリハズレが起こった。どうやら、底潮はあまり動いていないようで、中層が速い三枚潮の徴候があった。そのためその次の流しではアタリのあった120mの手前=110mで仕掛けの送りを20秒間止めてみた。するとその流しでもハリハズレが起こったため、作戦を変更する事にした。
取り出したのは、前回に記した「試してみたい事」の中にあった、沈め探り釣りで用いられる、大型のグレ釣り用のウキだった。コレを使う理由はこうだ。底層まで沈めた後に、その流れに乗せるため糸の送りをセーブして流したいのだが、10号という太い道糸が速い中層の潮流に引っ張られてしまわないよう、大型水中帆としての役割を担わせたかったからだ。
●使用したキザクラ社の全層ウキ●
110mで一旦20秒の停止を行うのは同様だが、そこから先は竿先から出た糸が“張らず緩まず”の状態になるよう、リールのメカニカルブレーキを絞ってみると、120mを過ぎた頃にラインが走ってすぐに答えが出た。
●今年の玄達瀬での初曲がり●
やり取りの途中で、中型のマダイとすぐに判断できたが、考えが的中した事による安堵感は大きかった。
●60cmほどのマダイ●
しばらく間があったものの、次いでのアタリはモヤモヤッとリールのラインを引き出す状態であったが、アワセを入れると「ドスンツ!」とした感覚があったため、少しぬか喜びをしたが、途中でただ重いだけの抵抗感に変わった。それもそのはず、60cm級のマダイがダブルで掛かっていたのだ。
●軽い思わせぶりのマダイ達●
結果はともかく玄達瀬では「マダイが騒ぐ中に、じれたヒラマサが突っ込んでくる」というパターンがあるため、まさにドンピシャだと思われたのだが…。
■潮流の変化■
「リーチもかかった事だし、あと数投でドカンッ!と…。」と皮算用をしていたのだが、その間もなく、中層の流速が更に上がって仕掛が入らなくなったうえ、角度も変わってサシエサが残るようになった。そして、それを機にポイント修正を行う事になった。
新たに攻め直してみると、とある事に気付いた。横で竿を出す兄の仕掛が流れてゆくラインは船尾方向から左に10度ほどの角度が付いているのに対して、ボクの流すラインは更に左の40度ほどの角度が付いて流れてたのだ。
これは、この時点で潮受けウキゴムと2Bのガン玉を打っていた兄の仕掛は速い中層の下部に入っていたのだと思うが、対するボクの更に大きな水中帆(上述のウキ)と大きなオモリ(4B×2個)を装着した仕掛は底潮に入っていたのだと思う。
「底潮に入らなければ喰わないだろう。」と、当初は思っていたが、予想に反して先にアタリが出たのは兄の方だった。しかも引き寄せた際に水中で見える姿はメーターオーバー?。
しかしながら、かなり太ってそう見えただけで、それには及ばないサイズだった。
●96cmの太マサ●
■どうにも合わない■
「さぁ、ジアイだ!。」とこちらも意気込んだが、そこから先は忘れた頃にマダイがアタる程度に陥った。そして再びの移動…。
3時を過ぎた頃だったが、またもや兄にアタリがあったものの、10号の道糸が飛んでしまった。
その状況から、「底潮に入れないほうが、イイのかも?。」と思い、兄と同じ角度で流れるよう、調整を開始した。まずはリールのフリー回転を確認した。すると、ボクの方がスムーズなので、メカニカルブレーキの絞りを調整してみた。だが、コレだけではウマくいかなかった。次いで、水中帆を同じサイズの潮受けウキゴムに交換してガン玉の重さや配置も同じにしてみた。しかし、コレでもダメだった。ここから先は、ありとあらゆる手段を使って調整を行ったが、ついに同じ角度と層へと仕掛を入れることが出来ず、その間に兄がマダイをもう一枚ゲットした時点でこの日の釣りが終わった。
■今年はキビシイかも?■
残念ながらと言うか、ヘボなのか?、ボクはヒラマサを持たずに終わったが、「ハリス14号でも喰う(兄も同じ太さ)」ということと、「底潮に入れるには“沈め探り釣り”も有効」という事の二点の収穫はあった。
ただ、当日とその前後の状況から推測すると、今年の玄達瀬は魚影の濃さから来るフトコロの広さがあまり感じられず、我々釣り人は単に発泡ウキのサイズを変えてタナをとる戦法だけではアタリを得る機会が減ってしまうように思えた。更に言えば、ヒラマサは居心地の良い層からオキアミエサ欲しさに大きく浮上してこないように思え、高精度で、その居心地の良い層に仕掛を合わせないと結果が出辛いように思えた。振り返れば、数年前からボクが通う日本海の完全フカセ場全般でこの兆しがあったが、ここに来てそれが、よりシビアになっているように思う。
コレは何も自分に釣れなかった言い訳ではなく、当日、横に見える他船ではジアイが1時間発生していたにもかかわらず、一人だけにアタリが集中し、他者はゼロの状況だった。同様の話は他にも多く事例があり、的ハズレの話ではないはずだ。これからチャレンジする人は、その事をわきまえて心して取り組まなくてはならないと思う。
●ボクはヒラマサ・ボーズで、二人で1本がやっと…●