中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

栂池自然園

2012-07-28 12:30:00 | アウトドア・スポーツ
■栂池自然園へのアプローチ■

 今を去ること数年前、山歩きを始めた頃から気になっていたことがあった。「どうやら、スキーで有名な栂池高原(長野県北部)の、その又上に、見所溢れるハイキングコースがあるらしい。」と…。
 今回の長野旅行では「晴れれば」という条件ながら、このコースへのアプローチを当初から計画していたが、運良く梅雨明けのタイミングと重なり、多少雲は沸いていて快晴とは行かないまでも、まずまずの天気になったことをうけて、決行となった。

●栂池自然園の全体マップ●

 普段、スキーで訪れる際には、ゴンドラ「イヴ」の終点から1本リフトを乗り継いだ栂の森ゲレンデが最上部になるのだが、雪解け以降のグリーンシーズンには、イヴの終点裏から更にロープウェイが運行されている。そしてその先にあるのが栂池自然園ということになる。

●グリーンシーズンも運行するイヴ●

 所要時間については、ゴンドラ約20分+乗換200m+ロープウェイ約7分で、料金は大人往復3000円、子供往復1500円となっているが、これに加えて入園料300円が必要になる。

●ロープウェイ乗り場●

 栂池自然園には日本でも有数の高層湿原があり、様々な動植物を観察することが出来る。園内一周は約5.5km、高低差は150mで、所要時間は単に歩くだけでも約3時間半ほどかかる。従って、全長1200mのロープウエイ区間はともかく、ほぼ直線距離で全長4120mもあるゴンドラ区間を基点から歩いてアプローチするには、トータルで相当の時間がかかることを覚悟しなくてはならない。
 時間の余裕がない我が家一行は、勿論ゴンドラ&ロープウェイを乗り継いで、自然園入り口にあるビジター・センターを目指した。

●自然園入り口前の山荘等●

●ビジター・センター内にある熊の剥製●


■園内へ■

 園内のほとんどには木道が通っている。これは植物保護の観点から整備したとのことだそうだ。つまり、植物に対するダメージは人間の踏み跡によるものが、一番の原因ということらしい。

●園内を縫って走る木道●

 園内に入ってまず目を惹かれるのが、水芭蕉の群生だろう。実のところ、もうシーズンは過ぎていたのだが、今冬の大雪の影響か、開花(実は花ではないのだが)が遅れ、7月中旬の訪問時であっても、まだ日陰の部分を中心に結構な数が残っていたし、こらから先に本格化するであろう夏の花も咲き始めて両方が楽しめる状況だった。

●園内の花々~その1●

 木道を進み更に奥へと進んでゆくが、途中で綺麗な花があるとつい立ち止まってしまうので、滞在時間の計算には余裕を持つ必要があるだろう。

●園内の花々~その2●

 途中、ビジター・センターから歩いて約15分ほどの距離に珍しい風穴がある。風穴とは「洞窟の内外で生じる温度差や風圧差により、早い風の通り抜けが起こるところ」という天然の構造物だが、ここの風穴は根雪か氷が洞内にあるのか、風穴を通り抜けてきた空気は周囲よりもかなり温度が低く、水蒸気を伴って、まるでエアコンの吹き出し口のようになっている。
 これがほてった体を冷やしてくれるのだが、辺りは周遊コースになっているので、ここへは後半に廻るようにするのが、ボク的にはおすすめだ。

●冷気に煙る風穴周辺●

 コースの中間、やや手前にあるのが、「銀命水」が流れる水場だ。ビジター・センターで補給した水が切れてもここで給水可能になるので、位置的にはベストに近い。
 水そのものは湧き出てくるタイプではなく、沢の水だが、ミネラル豊富な雪解けの水なので味も甘みがあるモノであり、水質は良いから安心して飲める。

●銀命水の取水場●

 そして、取水場前の広いスペースで食事をとることにする。

●銀命水でつくるカップ麺達●


■白馬大雪渓■

 コースが奥へと向かうにつれ、向かいの白馬岳方面にある「白馬大雪渓」が見え隠れし始める。それにつれて、園内にも小規模の雪渓が現れ始めて足下にも雰囲気が出てくる。

●園内の雪渓●

 少しの間で登りが続き、それが終わると急に視界が開ける。そこが自然園の最西端にある「展望湿原」だ。
 ここでは、邪魔するモノがほとんど無い状態で白馬大雪渓を見渡すことができる。

●絶景ポイントから望む「白馬大雪渓」●

 当日は、ガスがかかり気味で、全貌がスッキリと見渡せたわけではないが、待つうちにうっすらと白馬岳が顔を出す瞬間もあって、他のハイカー共々歓声を上げることもあった。

 展望湿原を過ぎると、もう一カ所展望台があったが、こちらは残念ながら手前の木が邪魔をして雪渓全体を見渡すことができなかった。
 展望湿原から先は帰路コースになるのだが、周遊するようになっているから、同じコースは辿らず、植生の違いから咲く花々も変化して歩く者を飽きさせない。

●帰路は続く●


■散策を終えて■

 あの栂池の上に、こんな施設があるとは思いもよらなかった。開園時の残雪風景に始まり、水芭蕉~夏の花々~夏の終わりのイワショウブまで、花々の咲くタイミングはリンクし、ラストは圧巻の紅葉まで、季節が変わってもコースの魅力は変わらない。その証拠に年間パスまでが発行され、それを利用する人も多いという。
 又、最奥に一番のビューポイントを置いているあたり、レイアウトは完璧で、歩きがいのあるコースになっている。とは言っても歩くことに関してはハードさは全くなく、特に前半の一部はバリア・フリー化されているから、老若男女、様々な人々の利用が可能になっているから誰にでもお勧めできるコースだ。
 かくいう我が家も秋の紅葉時にも、一度は訪れてみたいと思っている。その日がくることが今から待ち遠しい今日この頃なのである。


■帰りにチョっと■

 疲れた足を癒すには、温泉が一番。麓のゴンドラ乗り場にも温泉施設があり、急ぐ場合はその利用もアリだが、我が家の場合は帰り道に隣町の白馬に立ち寄り、そこにある「小日向の湯(おびなたのゆ)」を利用した。ここは閉まるのが午後6時と早いが、ぬめりの強いpH11.1という強アルカリ性の温泉が、掛け流しで注がれる、野趣あふれる雰囲気のイイ温泉だった。

●小日向の湯(おびなたのゆ)」●

 その他、白馬地区にはタイプの違う温泉が散在しており、歩いた帰りに”好みの温泉”に立ち寄ることをお勧めしておこう。
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安曇野散策

2012-07-21 12:30:00 | 旅行
■安曇野界隈■

 ボクの長野県好きは、このブログで度々紹介していることからも察してもらえると思うが、中でも、安曇野地区は大好きな地域の一つだ。その安曇野へ向かったのは、梅雨明け間近のタイミングだったが、ボクの住む兵庫県よりも3~4℃は低いであろう気温は、「それだけでも来た甲斐があった。」と思えるし、ここに暮らす人々に対しては羨ましく思う瞬間の一つだ。

 この地にそびえる2000m超級の山々の裾野に毛細血管のように広がる川や水路と田園風景が、四季折々に表情を変える姿は「絵になる」風景だ。
 その魅力に惹き付けられ、移住する人も多く、その人達が現地で開業する、店舗には「もし、自分がこの地で店を開くのなら…」と、思い巡らせる際、浮かんでくるイメージとピッタリ合うような、魅力に溢れるモノが多い。
 しかし、その現実は甘くはないようだ。毎年のように訪れる中、発刊して1年も経っていないガイドブックに掲載されている店であっても、訪問時には廃業し、閉店している例も多く、その現実は観光客相手の商売が、いかに難しいかを物語っている。
 そんな中、人気を博している店がある。それは、以前にもこのブログで紹介したことがある「あづみ野の朝」という名のパンとスープの店だ。

●店舗入り口●

 写真上の看板を見ても判るよう、何しろこの店は火・水・木が休みの週休3日で営業している。しかも営業時間は朝10時から夕方6時まで。よくもこれだけの営業時間で採算が合うものだと思うが、訪問当日もお昼12時過ぎの時点で、2種類あるスープの内、片方は売り切れ、パンも私たち家族が購入した後はもう2種類ほどが僅かに残るのみとなっていた。

●ギリギリで何とか購入できたパン&スープ●

 納得の味と、店から見下ろす安曇野の田園風景。それに「安曇野アートヒルズ・ミュージアム(ガラス細工関連のミュージアム)」という、集客力のある施設の直近に位置する等、条件が整っているからこそ、今の状態があるのだろうが、それにしても「この店の在り方」は羨ましい限りだ。

●安曇野アートヒルズ・ミュージアム●


■安曇野での楽しみ■

 我が家の安曇野訪問では、「道の駅」よりも少し小規模な農産物直売所を覗くことが楽しみの一つになっている。中でも安曇野観光には最寄りのインターチェンジである、豊科インターから一番近いプラザ安曇野は何かにつけ、よく覗いている。

●プラザ安曇野入口●

 その魅力は何と言っても価格の安さと、「地採れ感」溢れる品揃えの数々だ。特にこういった直売所に並ぶ農産物は、ここに限らずの話だが、農家の人達が片手間に少量だけ作った様なモノが多く、従ってその価格は「お小遣い稼ぎ」程度のような設定であることが多い。それを恐らく店舗側が、少額の手数料を上乗せして販売しているようなので、都会の常識から言えば、驚きの価格になっていることが多い。

●驚き価格の数々●


 この手の直売所は安曇野周辺だけでも4~5カ所ほどあるようだ。お互いに共通のパンフレットを制作しているので、産直販売所巡りも成り立つだろう。


■安曇野の名水■

 湧水が豊富なこの地区では、名水が湧き出る箇所が散在しているが、いつくかを検討した結果、やはり「ネーミングが第一」との思いで訪問したのが、安曇野から少し高度を上げた烏川渓谷(からすがわけいこく)というところにある、延命水という湧水地だった。

●延命水●

 その味は自然水らしい、甘みのある味わいで、十分に「延命効果があったような」気?にさせてくれる。
 一応の渓流釣り師の目で見ると、烏川渓谷には”見てくれ”的に渓魚が釣れそうな区間もあるにはあるが、堰堤だらけで分断されており、その実はあまり魅力はなさそうである。(実際にはもう少し下流域であれば釣れるらしいが…)

●烏川渓谷●


■安曇野ちひろ美術館■

 安曇野には美術館も点在している。大小合わせると、その数はかなりに上るが、安曇野ジャンセン美術館と安曇野ちひろ美術館が双璧となるだろう。
 安曇野ジャンセン美術館の方はジャン・ジャンセンの絵画、安曇野ちひろ美術館の方は、いわさき・ちひろの絵画を展示しているが、今回は妻の希望を採り入れて安曇野ちひろ美術館を訪問した。

●安曇野ちひろ美術館の入館口●


 全くボクには美術の素養は無く、興味も薄い。しかし、一緒に入館した息子が絵を一目見た瞬間に、黒柳徹子著「窓際のトットちゃんの挿絵」であることに気付き、そのことをボクに告げるてからは、ボクの見る目も少し変わった。「なるほど」と展示物を見回せば、そのほとんどが「窓際のトットちゃん」と関連づけて展示されているようだ。それを知ってからは、トットちゃんのストーリーの展開と共に展示されている絵画との絵本的世界に時を奪われてゆく。

●展示物は勿論撮影禁止なので…●


■穂高神社と道祖神■

 あまり紙面?も無いので、その他、巡ったところを写真で追うと…

●穂高神社●


●塩の道道祖神●


■ジンギスカン街道■

 旅の”シメ”の夕食には、安曇野から東の長野市方面に走った先にある、信州新町を訪問した。
 この地は「ジンギスカン街道」と銘打って羊肉料理を扱う店が並んでいる。中でも地どれのサフォーク種の肉を取り扱うのが、今回訪問した「さぎり荘」だ。

●さぎり荘の入り口●


 サフォーク種とは、羊毛をとるためではなく、肉をとるために品種改良された羊だそうで、ドラマ「北の国から」マニアならご存知の、黒板五郎が飼っている頭の毛だけが黒い羊だといえば解ってもらえるだろうか?。(余計に解らんか?)
 何しろこの羊、独特の臭みが少なく、羊肉の良いところだけを抽出したような品種であり、その実、実食してみるとその「イイとこ取り」を十分に堪能することができた。
 味の自信は料理内容にも現れており、「たたき」までもが取り入れられている。

●3人前(手前が「たたき」)●


 なんだかんだで、安曇野散策も終わりを告げた。安曇野周辺で1泊の後、われら家族は翌日、家族揃ってのハイキングのため、白馬方面へと向かう。次回は、そのレポートだ。
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’12 高原川の釣り ~その2

2012-07-14 12:30:00 | 渓流&管理釣り場での釣り
その1から続く

■芋生茂(おいも)橋■ 

 気付けば雨脚の強まる中、脱渓予定地の芋生茂(おいも)橋まで到達していた。この下流側も以前はもう少し水深があったのだが、やはり浅くなってポイントの規模は小さくなっていたが、この区間ではまだ広いポイントの一つだ。

●芋生茂橋下流のポイント●

 しかし、また先ほどのルアーマン達が居座っていた。「一声掛けてやろうかな?」と思ったが、こちらの接近に気付いてそそくさと引き上げていった。よく考えてみると、先程来ずっと「二人に往復二度攻め」されたポイントを攻めていたのだ。
 振り返れば、先ほどの流れの速いポイントからここまでの間はポイントらしい箇所はない。だからこそ、ここで例の二人は粘っていたのであり、ボクとしても「さすがにもう出る魚はないだろう」と思っていたが、浅い淵尻で、またもやこの日サイズのヤマメをゲットする。

●23cmのヤマメ●

 しかし、さんざん攻められたせいか、もう一匹同寸を加えて以降、探る場所多い割にアタリの数は少なかった。更にはここまで頼りにしてきたミミズの数は減り、極細が数本しか残っておらず、ほとんど使い物にはならなかった。そこで、半ば仕方なしにブドウ虫を装餌して、投入してみる。
 これまでの自分の経験を辿ってみると、ブドウ虫では小型のヤマメばかりを釣っていて、「目先を変える」効果以外は、そこそこの型以上の実績は少ない。しかし、この日はその目先の変化に効果があったのか、スパッと目印を引き込む一番ハッキリしたアタリをこのエサが届けてくれた。
 高原川のヤマメらしい、シャープな引きに”良型”を感じたが、”大型”ではなさそうだ。それでもこの日一番の魚には違いはないので、慎重にいなして受け玉へと導いた。

●28cmのヤマメ●

 これがこの区間最後の魚になったが、大型こそ出ないものの、ここまで”そこそこサイズ”が11匹と、「つ抜け(一つ、二つ、といった一桁を超えたという意味)」を達成したことに納得つつ、この区間を後にした。


■情報収集■

 一旦、退渓した後、ガソリン・スタンドも経営している、宝フィッシングさんで、車の給油がてら情報収集をする。
 聞けば、今年はヤマメの当たり年だったようで、春から良~大型が結構出ていたそうだ。そのことから昨年は絶不調だったヤマメは、居るには居たが、何らかの影響でハリに着いたエサを活発に食わずに、そのまま越冬したと思われるそうだ。だが、その勢いも鮎釣り用の稚鮎等を入れるまでのことであり、その放流後は食性が変わったのか、川虫等のエサへの反応はかなり鈍っているそうである。又、すでに稚魚の放流もあったので、逆に川虫への反応が早い小型が、うるさくつきまとう状況になっているそうだ。
 そのことを考慮し、中上流部とは条件の違う下流部へと向かうことにした。


■割石以北■

 神岡の町を挟んで上下流で高原川はかなり表情を変える。神岡町から上流では川底には主に人頭大程度の大きさの石が散らばっているのだが、下流側の、この地区では大石、それも読んで字の如く、巨岩を割ったような石がゴロゴロとしているので、表情がかなり違う。

●割石以北の河原風景●

 入渓場所は少しズレるが、この区間では’10年に40cmのイワナを上げているだけに期待を持って望んだ。
 ここ一帯には所々で大石が流れを狭め、そのすぐ下流の淵へと流れ込む流筋を形成している箇所が散在しているが、その一つ一つを丁寧に攻めてゆく腹づもりだ。単発だが、尺オーバーのヤマメも登場する区間と聞いているだけに、「一発勝負」に勝つため、硬度MHの8.5m竿に0.5号という太仕掛けで投入を開始した。
 しかし、以前に訪れた際とは違って、ここまで雨が少なかったせいか、何となくよどんだ水色で、水質が悪いように感じる。そのためか、アタリがあるのは鯉科の魚=ウグイばかりで閉口する。そこで、ウグイが泳ぎ辛いであろう、なるべく流れの速いポイントを中心に攻めるようにする。
 何度目かの淵に差し掛かり、速い流筋脇にある渦を巻くポイントで仕掛けを馴染ませていると、ようやくソレらしいアタリと同時に竿が大きく曲がり込んだ。
 「やった~!、尺はあるかも?」と思い、慎重にやりとりを開始するが、引きに力はあるものの、ヤマメの引きほどのシャープさとスピ-ドがない。かといって、イワナのようなウネウネとしたトルク感もない。ソレよりも第一に、使用しているタックル敵ではなさそうだ。
 「嫌な予感が…」と思いつつ、半ば強引に引き上げた瞬間に相手が姿を現した。得てして悪い方の予測は当たるモノで、ソレはニジマスだった。

●トホホな35cm級のニジマス●


■鳴り響くサイレン■

 気を取り直して、更に各所を攻め続けていたが、好転することがないまま、臭いウグイまみれになり、閉口しながらも、脱渓地点まであと残り2淵になった時点で、河原全体に大きく響くサイレンと共に「こちらは北陸電力です…」という放送が流れ始めた。
 その内容は…増水で上流の浅井田ダムが放水を始めたというモノだった。周囲を見回しても水位が上がっているようには思えなかったが、「流されては大変」と、脱渓を決意し、あっけなくこの日の釣りが強制終了となった。


■後悔先に立たず■

 「食いが悪くなった」という中でもヤマメは”つ抜け”し、イワナ等を含めると総合釣果は結構な数になった。この点からも不調だった昨期が、一時的にどうかしていただけで、高原川の実力が落ちていたワケではないということを確認した。その点では安心できたのだが、こうなってくると十分に楽しめた一日ではあっても、「鮎が入る前の好調時に入っていれば更に良型が、数が…。」と、欲が沸いてくる。正に「後悔先に立たず」だ。
 これから高原川は鮎釣りシーズンに入り、本流は鮎師たちに占領されてしまう。従って早朝や、支流といった具合に、限られた時間や限られたエリアしか竿出しができないから、遠征組のボクには制約が多くなることから、釣行は厳しくなるだろう。恐らく、次回の釣行は来シーズンになるだろうが、ソレが今から待ち遠しくなった釣行だった。
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’12 高原川の釣り ~その1

2012-07-07 12:30:00 | 渓流&管理釣り場での釣り
■行きそびれていた高原川■

 本格的に渓流釣りに取り組んで4年目のシーズンが始まっている。始めたばかりの頃は3月の解禁からスタートしていたのだが、サビ(越冬状態)の消えたコンディションの良い状態の渓魚が釣りたいことから、水温の低い3月はパスするようになり、いつしか自身のスタートは4月になっていた。
 ボクの場合はここ数年来、4月に入って最初に入る川は、釣れだしの早い川として知られている高原川に向かうことをパターンとしていた。そのために昨年までの2年間は年券を購入していたのだが、考えてみると元を取るまでには通っておらず、それに加えて昨年はヤマメが不調とあって一考の余地があった。また、沖釣りに意地になっていたところもあって今年はとうとう年券は購入せずにいた。
 ところがである。悪い方の巡り合わせに行ってしまいがちなボクが、年券を購入しなかった年だからこそだろうが、今シーズンは解禁以来、ヤマメが好調という噂が流れていた。そのあたりは、いかにもボクらしい展開になっている。今更それに乗っかっても、どうせ乗り遅れだろうが、せめて一度くらいは竿出ししておこうと、ようやく重い腰を上げるに至った。

■葛山堰堤上流■

 さてさて、どこから入渓しようかと思ったが、今年は恐らくこの川には一回しか訪れないだろうから、勝手知ったるポイントに入ろうと思い、毎年一度は入る葛山堰堤の上流から釣り上がることにした。
 この区間に入り始めて3年が経つが、随分と川筋が変わった。特に最初の区間は砂の堆積が進み、一面が砂浜のようになっている。そのためにポイントのいくつかが潰れ、区間全体の水深も浅くなっている。

●区間の始めにはポイントは少ない●

●河原に残る足跡=4本爪は犬科だそうだが、狸にしてはデカ過ぎる●

 「これも山が荒れたせいなのか?」と考えつつ、要所に仕掛けを打ち込んでゆくが、相手にしてくれるのは最近放流された稚魚ばかり。キープサイズが全く出ないままに小一時間が経過していく。

●15cmが精一杯●



■風光明媚■

 過去に良い思いをしたポイントはほとんど条件が変わってしまって、稚魚以外の反応はなく、「もしかして今日はキープサイズはゼロかも?」という、予感が走る。それでもここ高原川の河原から見る景色は風光明媚という言葉がピッタリと当てはまるので、気分がイイ。
 晴れた日には冠雪した焼岳が正面に見え、ガスがかかり気味になれば今度は周囲の山々が水墨画のように見えるのだ。

●当日は水墨画の世界●


■ようやくのヤマメ■

 「この区間はもうダメかも?」という念に支配され、早めに退渓して、「他の区間に走ろうか?」とも考えたが、過去の実績ポイントが目前に見えたので、「ここがダメなら…。」との思いで一通りの攻めを展開する。
 このポイントには瀬から落ちてくる流筋が浅い淵(以前はもう少し深かったが…)に流れ込み、条件は整っている。淵尻には適度に人頭大の石が散らばり、それが隠れ場所になってヤマメがエサをとり易い環境だ。水深があまりないので、晴天時には厳しそうな感じがするが、幸いにも当日は小雨模様であるから期待が持てそうだった。

●過去にも実績があるポイント●

 まずは基本の下流側から。何とその一投目、淵尻の最後尾、それも仕掛けの流し終わりに、いきなりのアタリが目印に出た。あまり気合いが入っていなかったせいか、それまでチビを掛け続けていた仕掛けがそのままだったせいか、はたまた竿と腕が伸びきった辺りでアタったせいか、チモト切れ(ハリの結び目のすぐ上で切れること)でバラしてしまう。
 慌てて仕掛け全部を念のために交換して、投入を再開する。再開後は食いの渋い状態が続いたが、朝一よりも雨量の増し始めると、スイッチが入ったようで、アタリが連続し始める。
 しかし、まだアタリは小さく、掛け損ねやハリ外れをやらかして、それまでの稚魚とは違う手応えがあっても、なかなか取り込みまでには至らない。
 目先を変えるためにクロカワムシとミミズ、そしてブドウ虫やヒラタと何度かエサローテーションをさせた末に、ようやく当日一号が受け玉に収まった。

●高原川らしい体高のあるヤマメ(25cm級)●

 このポイントで腰を据えて釣る内に何となく傾向が見えてきた。つまり、稚魚サイズが反応する位置にはマトモサイズが居ないということであり、稚魚サイズはヒラタに対して特に敏感に反応するということである。そこで最初にヒラタを使って、稚魚のたまり場を見つけたらそこは省き、地形から見れば、そこにはヤマメが着いているはずなのに、実際の反応が鈍ければミミズとクロカワムシをローテーションさせてじっくり釣るというパターンを組んでみた。
 これが当たってポツポツとゲット数が増えてゆく。

●先ほどと同寸●

●ヤマメよりも小型だが、イワナも登場●

●アタリの多かったミミズ(キヂ)●


■釣り下るルアーマン■

 同じポイントでは結構アタリはあったのだが、初期のハリ外れや掛け損ね等がたたって、結局ゲット数は5匹にとどまった。
 それでも当日の展開から考えると、上出来な釣果に満足し、次なるポイントへと向かうため上流方向へ目をやると、ルアーマン2人の姿が目に入った。盛んキャストしているようだが、しばらく経つとこちらの存在に気付いたようだ。
 どう見ても釣り下りであり、ルール違反だ。他人のレポートではフライやエサ釣りの人も居るということだが、ボクが渓流に入り始めて以来、何度か出会った明らかなマナー違反の釣り人全てがルアーマンだった。あまりの確率に、ボクには渓流でのルアー釣り経験はないが、「この釣りは釣り下った方が釣り易いのか?」と思うほどだ。
 以前にも書いたが、日本の渓流釣りは、元々はエサ釣りとテンカラ釣りの人達が始めた釣りであり、後から来た人が、元々そこに存在するルールに従うのは当然だと思う。これまた書くのは二度目だが、「左側通行の日本の道路で、自分が左ハンドルの車に乗っているからと言って右側を走行すれば、正面衝突は避けられない。」ということだ。(勿論、ボクが見ていない他タイプの釣りを含めて”釣り下り行為”をする人全てにおいて同様の話だ。)
 人気河川だけに人が多いのは仕方がないし、何も独占しようとなど思ってはいない。極端な”頭はね”と呼ばれる、直前に入る行為以外であれば、河川上で攻めるポイントが重複するのは仕方がないことだと思う。だから、下から釣り上がってくるだろう釣り人と適度な距離を保って入渓し、そこから釣り上がるという基本ルールを守って欲しい。ただただそれだけだ。
 実際にはルールを守っているルアーマンも多いことだろうから、釣り上って渓魚を得るのに高度な技術が必要とは思えないが、もしそれが必要であるのならば、技術を磨きながらチャレンジして欲しいものだ。

●釣り下ってきた二人●


 で、その二人、こちらに気付いてからは、元来た方向へと慌てて戻っていった。


■釣り残し■

 これから先は、ルアーマン二人が盛んにキャストし終わったポイントばかりになるが、今更戻ろうにも先に進んだ方が脱渓点に近いので、かまわず釣り上がってゆく。
 次に目に入ったのは、割に傾斜がきつく、流れも速いポイントだった。

●二人のルアーマンが、さんざん攻めていたポイント●

 まず、下流側の淵尻(と言っても淵と呼べるほどの水深はないが)部分の石裏で目印がアタリを捉えた。流れが速いので多少手こずったが、体高のあるヤマメを無事に取り込む。

●またもや25cm級●

 結局、この区間では3匹のヤマメを追加した。ルアーとエサでは反応する魚が違うのかも知れないが、釣り残しからの3匹に気を良くし、これで以後の攻めに自信をもって望むことができるようになった。

その2へ続く
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