あまり時間がないので、編集が出来ない。よって簡単に。
ようやくの好天の到来に、意気揚々と向かったのはいつもの経ヶ岬方面。乗船したのは、今年の5月にもお世話になった、西舞鶴(和田)から出船する大海丸さん。秋に入って以降、落とし込み釣りをメインに出漁しており、この釣りに関しては、この地区ではパイオニア的存在だ。
●洋上の大海丸さん●
もう、今では一般的になりつつある落とし込み釣りだが、「極太ハリスのサビキ仕掛を小魚に喰わせ、その仕掛けに着いた小魚を大型魚に喰わせる、“わらしべ長者”的釣り」と、馴染みない方に説明しておこう。
●落とし込み用の極太サビキ仕掛●
訪問時の状況では、本命場所の白石グリでイワシやアジといった、ベイト・フィッシュの乗りが悪い可能性があった。そのため、もしもの際には活きエサを直接ハリに掛ける泳がせ釣りに変更できるよう、手前の漁礁でエサを確保しておくパターンを組んでいたが、「そんなこともあろうか。」と、活きアジを先に購入していた私と、同じ考えの2名を含む3名は、言わば予選免除となったため、アジ釣り場でいきなりの落とし込み釣りが始まった。
●落とし込み用タックル(実釣時は勿論、手持ちで狙う)●
これまでの、このタイプの釣りでの経験では、例えば福井県・鷹巣沖だと、同じサビキ仕掛であっても6号以上のハリスを使うと、イワシ類は着くものの、アジの着きが極端に悪くなる傾向があったが、船長曰く、「ここでは太ハリスでも平気で喰ってくる。」ということであった。
実際仕掛を落とし込むと、呆気なくアジが乗ってくれた。そしてそこから更に落とし込むと…。これまた簡単にドカンと本命魚が喰らいついてきた。しかし、始めはかなりグイグイと締め込んできたていたのだが、途中からはそうでもなくなってしまった。
●最初は結構締め込んだが…●
そのため、初めの内は「大き目のヒラメか?。」とも思ったが、ポカンと浮いてきたのはクロソイとガシラのダブルだった。
●クロソイとガシラのダブル●
「アレ~、何か変?」とばかりに確認してみると、16号ハリス仕掛の下半分が切られて無くなっていたのだ。
「上よりも、下の大きい方が欲しかったのに。」と思ったが、とにかく仕掛を結び直して次の投入を開始した。
しかし、バラした影響か、ベイト・フィッシュは乗っても、本命が着かない状況が、しばらく続いた。そしてしばらく後、ようやく本命のアタリをとったのだが、ファーストランに耐えていると、20号のリーダーがサルカンの上から飛んでしまった。そこから切れるほどの引きでもなかったため、恐らく先ほどのバラシの際にキズついていたのだとは思うが、慣れない釣りで焦った結果とは言え、点検を怠った自分に腹立つ瞬間だった。
その後は、アタリは出ずじまいだったが、エサとなるアジが充分に確保できたため、漁礁を後にして、一路白石グリへと向かった。
●エサの中小アジ●
白石グリに到着後は、一応は落とし込み仕掛を試したものの、ベイト・フィッシュの乗る気配が無かったため、以後しばらくはハリス20号を使用した泳がせ仕掛けに切り替えて投入を繰り返した。しかしながら、アジはかじられることすら無く、ただ時間だけが過ぎて行った。
●玄達用タックルを持ち込んでのチャレンジ●
そして午後3時を回った頃、後ろの釣り座の、釣り人の竿が突然大きく舞い込んでいった。ハナから「電動では巻き取れない。」とみたらしく、手巻きで応戦していたようだったが、ドラグ設定が20号に合っていなかったのか、糸を引き出された上にあえなく根ズレでバラシてしまった。次いでトモ側で何発かアタったようだったが、これまた太刀打ちできずにバラしてしまった。
「オレにさえ来てくれれば、獲ってやるのに…。」と自惚れ的に歯噛みすること、船内初アタリから数十分。タナは底近くに設定して何投か繰り返す内に、アジが何かに怯えて逃げ惑う前アタリのような状態になったのだが、5分ほどが経過しても一向に竿が入らない。それどころか、アジは落ち着いてしまったのかのようで、竿先さえ揺るがすことは無くなってしまった。
しかし、「もうダメか?。」と思っていた頃、ついにその時が訪れたのだ!。
いきなりズドンと竿が大きく曲がり込んだ瞬間に、竿受けから外して750番の、電動リールのアクセルレバーを全開にする。リールの回転を確認すると、巻き上げは可能な様子だった。
「底を切れば何とかなる。」と、瞬時に対処法が脳内を巡る。だが、その矢先だった。すぐに抵抗感がなくなってしまったのだ。
仕掛を回収してみると、24号のリーダーに軽い根ズレはあったものの、ハリス自体は擦れておらず、鈍い刃物で擦ったような感じでハリ上すぐのところから切れていたのだ。泳ぐスピードもなかったことから、クエ&ハタ系の仕業のようにも感じるし、サメ類なのかもしれない。とにかく正体を見ていないので何とも言えないが、20号ハリスではどうにもならない感があった。
そして夕刻。待望のイワシ類の回遊が始まり、それに合わせて落とし込み用のタックルに持ち替えたが、イワシがどんどん乗るのに反して本命魚の反応は皆無。ドキドキ感が増した割には何も起こらずのままで、納竿時間がやってきた。
当日は全体で、何者(何魚)かに20号ハリスが7~8発飛ばされていたようだ。これらを獲るには、この日の多くの釣り人が持ち込んでいた落とし込み系ロッドの流用は勿論、ボクの持ち込んだ20号バランスのライト気味の泳がせタックルでも“力及ばず”だから、これらよりも更に強い30~40号ハリスを背負える本格泳がせタックルが必要に思える。
「それらを揃えて正体を!」という気はないでもないが、結果がサメ類だった場合の落胆は大きい。だったら、初めっから「運が良ければ獲れるかも?」程度に押さえ、落とし込みや、ライト泳がせで別の魚を狙った方がイイ気がする。
実質的に今シーズンから始まった経ヶ岬沖の落とし込み釣りだが、特に9~10月の実績は素晴らしく、この先もチャレンジしたくなる内容の釣りだった。今から来年の釣行を楽しみにしている。
今回以降、年末までの間は、本業が超繁忙期に差し掛かるため、更新はありません。