中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

'23 春の経ヶ岬 ~4回目

2023-04-29 12:30:00 | 船釣り・釣行記

 4/15からは強化月間中の強化週間になり、釣行回数も増えて記事作成の頻度も上がるので、更新が大変になる。よっていつものペースよりも遅れての記載に、お許しを。

 

■メーターオーバーの動向■

 釣行日近辺での情報ではメーターオーバーのヒラマサがポツポツと出始め、いよいよ本格化しつつあった。ただし、予測した通り、65~85cmの数釣りサイズはほとんど回遊しておらず、「来ればデカい」傾向であるようだ。それはボクにとっては望むところであるのだが、それを邪魔するのはブリ族となっているのは気になる部分であったのだが…。

 

■一発目は…■

 今回も日本海41さんに乗って白石グリを目指した。現着すると緩めではあるが西からの潮が差していた。

●100mあたり7分50秒ほど●

 潮受けウキゴムのみを装着した設定で一投目を流し終えた中で、表層に動きはあるものの中~低層はそんなに動いていないと感じ取ったので、送り出しを30mとし、ラインが60m出た時点で30秒の停止を行い、以後は90mで10mの巻き戻し、120mで5mの巻き戻しを経たあとに150mで回収を行った。

 するとサシエサが盗られたので、その次の流しでは、60m出た時点での停止を1分とし、以後は90mで10mの巻き戻し、120mで10mとしたが、これでもダメ。次いで停止を50mに変更し以後は30mごとに10mの巻き戻しを行っった。

 周囲ではポツポツとブリ族のあたりが出始めていたので、「なんでもイイから一本釣ってウォーミング・アップを。」と思っていたところ、3回目の巻き戻しをするつもりでリールに手をかけようとした140mで待望の急速逆転が始まった。

 周囲でブリを掛けていた距離とは違っていたので、「本命か?」と思いつつ、やり取りを開始する。しかし、船下に来てからの動きと伝わる重量感から途中でヒラマサではないなと判断。やがて姿を表したのは70cm級のメダイだった。

●75cmのメダイ●

 

■下手の長竿 Part2■

 その後の流しでも40cmほどの真鯛が掛かったのでリーチ感はあったのだが、思いに反して本命は来ず、その頃から周囲とのオマツリが頻発したので、前回に続いて3.75mロッドの登場になった。

●旧型のLV・H375●

 それもこれも2回連続の4番クジを引いたために、船首での竿出しとなった結果だが、少年時代から続く己のクジ運の無さは呆れてしまうほどだ。

 

■待望の大本命!■

 ブリ族はその時の条件にあった遊泳層を横方向に、ワイドに移動しながらエサを追うようにボクは想像している。それに対してヒラマサは群れが大きい場合や、単体でも高活性時は上層目掛けて急浮上してエサを取る性質があるように想像している。しかし、群れが小さかったり低活性となったヒラマサは低層に落ちてきたエサを横方向に小さくウロツキながらついばむようにして拾っているように思う。

 セッティングの変更で時間をロスしたが、その間に、今に至るまでの流しを振り返っていた。

 ここまでは周囲がブリを掛けている位置よりも奥(遠く)に仕掛を入れるイメージだったが、そこでは本命は出なかったので、上述したように「ならば手前の低層でウロつく個体が居るかも?」と、ここから先はその位置を探るイメージの下、流すパターンを組み替えた。

 まずは潮受けウキゴムと2Bのガン玉を装着した仕掛を送り出し50mとって投入し、60mまで出た時点で1分間の停止を入れ、あとは30mごとに10mの巻き戻しを行って、130mまで流してみたが深く入りすぎたようで、サシエサが盗られてしまった。

 次にガン玉を外して同じ流しを試みたが、それも結果は同じだったので、送り出しを40mに減らして60mでの1分停止を行い、それを開放した67mで待望の急速逆転が始まった。

 アワセた後の衝撃と、なかなかこっちを向かないパワー感から、大きめのヒラマサと判断して「慎重でありながらも決して弱気にならない事」を肝に銘じつつ、やり取りを開始した。

 

●久しぶりの長竿での対決●

 メーター・オーバーのヒラマサは5cm大きくなるごとに格段にパワーを上げてゆく。自身のやり取りから得た感覚では95cmまでだと、こちらの引き寄せに対して、掛けた位置から竿下まで斜め方向に、一直線気味に上がって来る感覚で、その途中、大小によって下への突っ込み具合が変化するように感じているが、メーター・オーバー級は掛けた位置から船下まで、低層をトレースするように寄って来る感があるのだ。

 その途中で障害物を見つけると、そこへ向かってその時出せるフルパワーを掛けてくるのだが、そのタイミングで不用意にドラグを緩めてラインを出してしまうと根ズレでアウトになってしまう。そのため極力ラインを送らないやり取りが必要になるが、これは経験を積んで会得するしかない。ただし、完全フカセでのヒラマサ釣りの、2大フィールドの一つである白石グリは、もう一つの玄達瀬に比べて地形的に釣り人が有利になるし、釣期が適水温以下でフルパワーが出せない春シーズンに攻める事が多いので、一段上の、強気のやり取りが展開できることを頭に叩き込んでおいてほしい。

 そして苦労して船下まで引っ張り込んで来ても、そこからおおよそ三段階で執拗に攻め込んでくる。まずはトレースしてきた低層から引き離そうとした際、そして中間の残り40mあたりと船影を意識し始める20mあたりだが、この段階では足下の水深+ハリスの長さ+ラインの伸びの範囲内であればラインを送っても良いので、ドラグワークとサミングの併用で相手の体力を削ぐ事が可能になる。

 この時掛けていたヒラマサと思しき相手も上記と同じ道筋を歩んできたので、その場面場面で苦労させられたが、それら難関を突破して無事に玉網へと導いた。

●今季初の大政!●

●1m4cm!●

 

■ブリ族を避けるも…■

 大政の後は、釣果がブリ族に変わっていった。

 

●掛かるはブリ族ばかりなり●

 同じ事を続けてもブリの釣果が続くだけなので、発泡ウキの8番を通して沖めに落とすもイサギと小型のマダイがポツリと顔を見せる程度で、やがてブリに見つかって作戦を変えざるを得なくなった。そこで「反対側を。」と、4Bのガン玉を打って手前の深みを探ってみた。これにマダイの72cmが掛かったので、「この位置かな?」とも思えたが、出たのはそれのみで、やがて潮が緩んでしまい、ブリすら活性を落としてしまって、この日の釣りが終わった。

 当日、ヒラマサ欲しさに避け続けたブリは、それでも計7本に達してその殆どをリリースしたが、今年の春ブリはよく肥えていて、味も良い。それは救いだが、やはり大本命の大政を少しでもサイズアップさせたいのが本音だった。

 

 今回の104cmでメーター級ヒラマサの生涯獲得数は11本目になった。ここで「メーター級」と記したのは、昨年ゲットした大政が1mジャストだったためで、実はそこに漂うモヤモヤ感があった。本音を言えば「メーター・オーバーが10本」と記したかったのだ。今回の釣果で10本目と胸を張って言えるのは嬉しい限りだ。しかし、これはあくまでも二次目標であって、一次目標である「目指せ130cmオーバー!」に変更や修正は無い。但しそれを叶える可能性があるのは6/16からの玄達瀬での釣りになるだろう。だがそれ迄に、「ここ白石グリでの自己記録である119cmを1cmでも超えたい!」これを叶えるべく挑み続けてゆく。

●当日の釣果(一部)●

 

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'23 春の経ヶ岬 ~3回目

2023-04-22 12:30:00 | 船釣り・釣行記

 今週も時間がないので…。

 

 先週末も白石グリへの釣行。今回は日本海41さんに乗って現地へと向かった。

 

 現着し潮流をチェックすると、風は南東方向からやや強めに吹き、潮流も南東からの極緩い潮であった。とりあえずアンカー方向には向かわないので流す事には支障がない事は救いだった。またもやの逆潮(本命は西から)であった事が不安だったが、前回の釣行ではこの方向からの潮流であっても魚の活性への影響が例年より少なかった事から、「何とかなるだろう。」と思いつつ、実釣がスタートした。

つれて●50mあたり4分40秒ほど●

 

 一投目で探りを入れてみると、上潮が遅く底に向かうにつれてやや流速が上がる傾向だったので、二投目からは上潮をカットするために送り出しを40m取って60mまで出た時点で40秒の停止を入れ、以降は30mごとに10mの巻き戻しを行った。

 サシエサが残ったり、盗られたりで、安定しないので「恐らく仕掛けが弛んでいるからだろう。」との判断で停止の後はリールのメカニカルブレーキを絞って、極力弛みが出ないように流してみると、マキエサが効き始めた事とが重なって極ポツリ・ポツリというペースながら、イサギがアタり始めた。

 しかし、前回とは違って何故か魚の活性感は伝わって来ず、当然ヒラマサは全くアタらずで、タナを変えてもイサギのサイズがアップする程度だった。何のドラマも起こらないまま、3時間以上が経過した頃に、隣で釣友がロッドを大きく曲げた。無事に取り込んだのは92cmのヒラマサだった。潮流がやや南方向からに変わり始めた頃の出来事だった。

 ここまで、「活性の低い中、居るとすればヒラマサは深い位置にたむろしている」と予想していたので、発泡ウキを装着せず、仕掛けの張り具合の調整で攻めていたが、潮流が変わり始めた事と釣友の仕掛けには発泡ウキが装着されていたので、作戦を変更し、浮かせる方向の攻めを展開していった。

 釣友のラインは7号、こっちのラインは6号なので、同じ流しにはならないと判断し、発泡ウキの8番を装着し、それまでの流しと同じようなパターンを組んだがエサが盗られてしまった。そこで送り出しを30mに減らして50mで1分の停止。以後は30mごとに10mの巻き戻しを行ってみた。すると110mでの巻き戻しに反応して待望の急速逆転が始まった、

 しかしながら手応えは薄く、「ハマチか?」と思わせるような引きだったので、ややガックリとなったが、引き寄せてみると小マサだったので、急に笑顔に変わった。

●65cmの小マサ君●

 サイズはともかく、渋い状況の中で一本出た事には少しだけ安堵したが、まだまだ上を目指して以後も懸命にタナ調整を繰り返していった。

 

 以後は、イサギの釣果に戻ったが、そのまま続けても結果は目に見ているので、イサギよりも更に上層を狙ってみる事にした。発泡ウキは8番のままで送り出しは25m、50mで50秒の停止。以後はメカニカルブレーキ絞って、20mごとに5mの巻き戻しを行ってみた。すると、100m付近で当日二度目の急速逆転が始まった。そして合わせた瞬間の衝撃から「本命か?」と思い、大胆かつ慎重にやり取りを続けていった。

 しかし船下迄のやり取りでは期待を持っていたのだが、距離が近づくにつれて何だか雰囲気が怪しくなった来た。

●走る方向が…●

 そして残り20mを切る頃には例の欽ちゃん走りが始まって正体がブリだと判ったので、強引に引き寄せて無事にゲット。

●92cmのアレ●

 以降の流しでは、さらに仕掛を浮かせてもう1本同寸のブリを掛けてしまったので、「ならば手前の深い方か?」と発泡ウキを外し、50mで1分の停止。以後はメカニカルブレーキを絞らずに流してみた。すると80m近辺でアタリ出たので、アワセてみるが、それと共に強烈な重量感に見舞われた。

 その為「おっとコレは…?」と思わせられたが、途中でプンッといった手応えがあって以降は普通の引きに変化した。引き寄せて姿を確認してみると、またしてもブリ。しかも最終段階でハリが外れてしまった。仕掛をチェックすると、下バリがブチ切れ、上バリが伸びていた。推測するにブリがダブルで掛かっていたようだ。

 以後は、潮流が止まってしまい、サシエサに触れる生き物がないままに、この日の釣りが終わった。

 

 小マサ(魚種)とブリ(引き)で、柔道のように「合わせて一本!」とは行かないので、「大マサ一発で一本勝ち!」となるよう、次回以降も、果敢に白石グリを攻めていく。

 

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ネタ無し

2023-04-15 12:30:00 | 船釣り・釣行記

 先週末は釣行しておらず、ネタ無しで、休刊です。

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'23 春の経ヶ岬 ~2回目

2023-04-08 12:30:00 | 船釣り・釣行記

 今回は時間が取れないので…。

 

 今回お世話になったのは、京都府宮津市獅子(ちし)港から出船している、第三むつりょう丸さん。過去に何度か利用しているが、大型の船なので、いつも向かっている経ヶ岬沖までの航海は快適だ。

 

●第三むつりょう丸●

 一度経ヶ岬をグルッと周った先の中浜沖を目指したが、状況が思わしくなく、白石グリに転進となった。しかし、思わしくない状況はここでも同じで、超ユルユルの潮流が差す、と言うよりは仕掛けを漂わせる程度に流れていた。

 

●50mあたり6分40秒●

 しかも、方向がこの海域では最悪と言われる、東からの潮流であったため、不安を抱きながらのスタートになった。

 

 水深と潮流の関係から、「サシエサは100m持てばイイ方だろう。」という判断から、潮受けウキゴムを一個のみを装着した仕掛(8号ハリス、6m)を使って、「張りや止めでタナを合わせて行こう。」と、アプローチを開始した。

 送り出しは少なめだと時間が掛かり過ぎるので、30mとし、50m出た時点で1分間の停止を行い、80mでラインを10mの巻き戻してみた。これを回収するとエサが残っていたので、停止位置を60mに、10mの巻き戻し位置を90m変更するが、エサは盗られるものの、アタリは出なかった。

 「やはり、潮の影響で大型魚の喰いが悪いのか?」と思っていたが、意に反して、マキエサが効き始めた頃から周囲ではポツポツとアタリが出始めた。

 魚の活性が最悪ではないのは救いであったが、「一人が魚を掛けると、ボクの仕掛けオマツリ⇒それをほどいて投入する⇒また誰かが魚を掛けると、ボクの仕掛けオマツリ」の最悪パターンの繰り返しで周囲がメダイ、もしくはヒラマサを各1持っていた時点で、ボクの釣果はゼロのままだった。

 いつものクジ運の無さから船首の釣り座となり、その結果の成り行きなので、誰にも文句の言いようは無かったが、タマラナイ時間が続いた。

 

 何度か試行錯誤を繰り返していたが、発泡ウキを装着する状況ではないような気がしていたので、止めや張りの位置を調整していた。そして送り出しを25mとして、50mで10mを巻き戻してみると、54mに差し掛かった時点で急速逆転が始まった。それを受けて、やり取りを開始する。

 

●そこそこの引き●

 掛かった距離が周囲とは違っていたので、もしやと思ったが、正体は中型のメダイだった。

 

●まずは70cm級●

 この魚の後は相変わらずオマツリが続いた。そのままでは最悪パターンの繰り返しになるので、何とかそれを解消しようと、とうとう数年ぶりの長竿を取り出して再スタートを切る事にした。

 

●3.75mの長竿●

 しかし時すでに遅く、ジアイは過ぎて、アタリは途絶えてしまった。

 

 そして気付けば残り時間も減っていたが、潮流の角度が変わり始めたため、船長がアンカー位置を修正するべく小移動を行った。

 

 仕切り直した位置では南西方向からの潮流が差しつつあり、やや流速も速まりだしていた。そこで送り出し25m、止めの位置は60mで40秒とし、以後30mごとに10mの巻き戻しを行ったが、サシエサが盗られていた。そこで止め位置を50mに変更。これでもダメだったので、発泡ウキ7番を装着して、止めの位置を50m(40秒)、以後30mごとに10mの巻き戻しに変更すると、103mで待望の急速逆転が始まった。

 合わせた瞬間の衝撃から大型メダイと判断してやりとりを開始した。

●初めのうちは自撮りできる余裕はあったが…●

 最初の内は重量感あふれる大型メダイ特有の引きだったが、手前に来てから船の反対側に向かったと思えばスクリューや舵に向かい、そうかと思えばアンカーロープに向かうという、大暴れが始まった。

 ロッドを海中に突っ込んだり、ロッドを魚の進行方向に振りつつ巻きあげて頭を持ち上げたりと、暴れまわる相手をあの手この手で誘導して

●ロッドを海中に突っ込んでのやり取り●

 

何とか無事にネットインする事が出来た。

●92cm●

 そして最終局面でもう一度アンカーの打ち直しがあって、そこでもほぼ同じパターンでアタリを捉えた。船下での引き具合は「ヒラマサか?」と思わせる動きもあったが、その正体は2本目とほぼ同寸のメダイだった。

 

●当日最後の曲がり●

 最後のメダイは船上に横たわった瞬間に白子を出していた。例年なら11月に成熟した白子を抱いているのだが、4月初旬だというのに、何だか、ただならぬ異変を感じさせられた瞬間だった。

 異変と言えば、3月~4月初旬に東や南からの潮が差した場合、例年だと、かなり苦戦をするのだが、今年は2~3月に水温が下がりきらず、当日も高い様子であったから、魚の活性に対する影響が少なかったように思える。と、なると、今後の展開も例年とは違ってくるようにも思える。

 

 当日は、かなり焦れる展開から終盤に追い込むという展開だっただけに、本命のヒラマサは出なかったものの、Mなボクにとっては楽しい展開だった。

 また、久しぶりに使用した長竿は、ことオマツリ対策としては効果抜群だった。換えて以降は、ボクの仕掛がオマツリする事は殆ど無かったのだ。一時は「下手の長糸が転じて、下手の長竿」と、使用を避けていたのだか、それを見直すイイ機会となった。これからは「船首では長竿」を心掛けようと思っている。

 兎にも角にも、今月からは‶強化月間”が続いて釣行回数も増えてくるが、どうにかこの期間中に、二桁に突入しているヒラマサの、メーターオーバーの獲得数を増やしていきたいと思っている。「乞うご期待!」かな?

 

●当日の釣果(+イサギ×7)●

 

 

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タックルボックスに何が入っているのか?

2023-04-01 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他

 ボクの場合、完全フカセ釣りでの釣行時に利用する船は、その地区地区ごとにほぼ決めてはいるが、常に一定とはいかず、他の船に乗る事もよくある。しかし、乗合船で見かけるメンバーは、よく見る顔が多い。それはそれで楽しいのだが、新しく顔を見る事、特に若い年齢層が少ない事に対してはこの釣りの衰退につながるので危機感を持っている。

 紙媒体中心の昔なら、自分の釣りスタイル以外の記事や情報を目にする事で他方面に興味を持つ事もあった。だが時代が変わって自らの興味のある情報を選択していくネット時代になって以降はそれも望み薄だろう。

 これまでにこのブログでは微力ながら、少しでもこの釣り人口を下支えしようとロッドやリールといった基本タックルについては、初心者が見ても解り易いかどうかは別として何度か触れてきたが、「それ以外に何を用意すればよいのか?」については詳しく触れてはいなかった。その点に関しては、思い切って釣具店に飛び込んでも、恐らく店員さんに完全フカセ釣りに関しての知識を持った人は少ないと思われるので、今回は「タックルボックスと、その中に何が入っているのか?」について記していこうと思う。

 

■タックルボックス■

 これ迄、色々と回り道してきたが、現在は「メイホウ(MEIHO) 社」製品に落ち着いている。メイホウのタックルボックスは主にルアー釣りユーザー向けのヴァーサス・シリーズと一般的な釣り向けのバケットマウス・シリーズに分かれているが、サイズ展開に差はあってもオプションは共通なので、基本的には自分のスタイルに合わせて選べば良い。

 現在ボクが使用しているのはヴァーサス・シリーズのVS-7070というモデルだ。現在型番末尾にNがつくタイプに更新されているが、そちらはトップパネルがカラー変更され、持ち運ぶ際にグラつかないよう、ハンドルがロックできるようになっている。ダイワでもOEM商品が発売されていて、そちらは型番がTB4000(VS-707相当)もしくはTB4000HS(VS-7070N相当)になる。VS-7070は一般向けのバケットマウス5000~9000番に比べてスリムで小さいが、上蓋部収納と、下部のメイン収納部とが別々に開けられる点が気に入っている。(バケットマウスは上蓋のみで、開くと全開になってしまう)

●VS-7070(+オプション他)●

 「大は小を兼ねる」で、ついつい大型を買ってしまいがちで、ボクも以前はその一人だったが、大型だと何でもかんでも放り込みがちで、いざ取り出す際には「かき分け、かき分け」で探す羽目になり、オキアミや海水で汚れた手でそれを行った結果、内部が臭くなったり、場合によっては中に納めた金属パーツにいつの間にか錆が発生していたりする。その点VS-7070は、容量は必要最低限ながら使用頻度に合わせて区分けできるので重宝するのだ。

 本体容量の小ささを補うために外周部にオプション他を多数取り付けているが、これには意味があって、外周部のオプション群は現場で何度も取り換える必要があるパーツや、海水がかかっても良い物を収納するスペースとし、内部から取り出した後、海水で濡れた物は、洗浄して乾燥させるまでは戻さないようにしたいからだ。

 

■周囲のオプション・パーツ■

 前列は「マルチハンガーBM」というパーツを介して、 左からパーツケースBM-100、ダイワ製エサ箱、ドリンクホルダーBMの3点を取り付けている。

 

  パーツケースBM-100は、内部の物を濡らしても水が抜けるよう、底に穴を開け加工を施している。その中に入っているのが、ライン送りの停止時間を計測するためのストップウォッチ(防水タイプ)と、釣った魚を神経締めする際に使用するワイヤー類だ。時間計測はリールの液晶表示を利用する手もあるが、完全フカセ釣りではアタッたパターンを再現して次の魚を狙う事が数を伸ばす為に必須となるから、ストップウォッチを利用する方が見落としが無く、より確実になる。そして神経締め用ワイヤーは魚種によって太さを変えないとウマく入らないので、0.8mm~1.5mm迄を揃えている。

●ストップウォッチとワイヤー類●

 次いで中央にあるのが、ダイワ製のエサ箱で、現場で頻繁に取り換える、発泡ウキや潮受けウキゴム、オモリ類を一時収納するスペースとしている。ボクの場合、たまたま家にあったエサ箱を利用したが、メイホウの純正品(ベイトボックスBM等)も販売されているから、そっちを装着しても構わない。

●エサ箱の中身●

 尚、右側のドリンクホルダーBMに関しては、説明の必要は無いだろう。

 そして右サイド。こちらにはロッドスタンドBM-300Lightが2本装着してあり、ロッドやマキエ杓を挿している。また、片側にマルチホルダーBM-30を介してルアーホルダーBMを装着し、そこにハサミとプライヤーを挿している。

●右サイド●

 そして左サイド。こちらにはストッカーBM-3010Dを装着して左から折り畳み式ハンドギャフ、ナイフ、それと何かの都合で天秤ズボ釣りに変更した際にすぐに取り出せるよう、60~80号のオモリを入れている。

 

●ストッカーBM-3010D●

■タックルボックス上部■

 上述したが、VS-7070には上蓋部に、すぐにアプローチ出来るスペースがある。

●上蓋の収納部●

 向かって左にはカゴフカセをする場合の10~20号オモリと。完全フカセで使用するガン玉G2~4Bが入るピルケース、ドラグ数値を計るドラグチェッカー、天秤ズボ釣りに使用するPEラインとリーダーを結ぶ際に必要なボビンとライターが収納されている。

 ●上蓋左側のスペース●

 真ん中のスぺースには両面収納タイプの小物入れを納めている。

●上蓋中央のスペース●

 この小物入れの片側には発泡ウキの5~8番と、0.5~1号の丸玉オモリ他を収納している。

●小物入れ(浮力調整グッズ)●

 その反対側には2~4号オモリとウキ止めゴムやウキ止め糸、小型天秤、ウキゴム&プラヨージ他を納めている。

●小物入れの反対側●

 そして、一番右側に当日メインで使う仕掛(白石グリの場合は8号)が10本収納された仕掛ポーチ、結び替え用ハリ、サルカン類(白石グリの場合はB.B.入0号)の入った小物入れを納めている。

●上蓋右側のスペース●

■タックルボックス下部■

 次に本体下部のスペースに納めている物を紹介しよう。

 ふたを開けてまず見えるのが、パーツクリーナーと潤滑オイル、予備のストップウォッチとティッシュペーパーになる。電動リールを始めとするレベルワインド付きリールは、使用しているうちに駆動させるクロスギアの部分に海藻クズや塩分が溜まって動きが悪くなる。そんな時にはパーツクリーナーで洗浄した後に潤滑オイルを注せば復活するので常に携行している。タオルは使い捨てとはいかず、持ち帰っての洗濯も臭くて辛いので、ティッシュペーパーを手拭き他に使っている。余談だが、メダイのヌルヌルはティッシュペーパーで拭き取れば簡単に取れるから、その面でも重宝する。

●下段上部の収納物●

 このタックルボックスは工夫が随所にあって、上蓋を開けると、その部分がトレーとして保持されるのもその一つだ。底部の物を取り出す際に、避けた上部の物をここに乗せられるから、デッキに置いて海水で濡らしてしまう事がないのだ。

 その下の中段あたりには急遽天秤ズボ釣りに変更となった場合に使用する、天秤、カゴ、クッションゴムを納めている。

●下段中部の収納物●

 そして最後に最低部だが、予備の発泡ウキ、メインで使う仕掛の上下号数(白石グリの場合は7号と10号)が各10個入った仕掛ポーチ、道糸を連結するダイニーマノット他が入ったポーチ、予備のハリやサルカンが入ったピルケースとポーチ、天秤ズボ釣り用のオモリになる。

 

●下段底部の収納物●

 

■これ以外にも■

 以上が釣り座周りで使用するタックルボックスに収納された内容物だ。しかし、これ以外にもタックルバックを船室に持ち込んでいる。そちらの方には予備のリールと電源コードや予備のラインを納めている。乗合船に乗船した際にはラインを高切れさせ、予備のリールやラインの持ち合わせがなくて途方に暮れている釣り人をたまに見かけるが、一日を無駄にしない為にも、予備のリールがない場合であっても予備のラインだけは必ず用意して欲しい。因みにボクの場合、ラインは3~4回使用すると巻き替えるので、傷をチェックしたうえで抜き取った古いラインを予備としている。

●予備のラインとリール●

 

 玄達瀬釣行ではハリスや予備ラインの号数等が変化するが、以上が基本的にボクの持参するタックルボックスの内容物だ。長年の経験で得た教訓から、仕掛けやパーツから始まって、現場で起こる軽~中程度のトラブルにも対処できるケミカル用品や予備品類までを網羅しているつもりだ。これが皆様の参考になれば幸いだが、初心者にはこの全てを揃える事は厳しいかも知れない。しかし、玄達瀬釣行以外の完全フカセ釣り用品だけに絞っても「仕掛(8号ハリス)、発泡ウキ(5~8号)、オモリ類(G2~4B~2号)、サルカン類(ローリングサルカン5号程度)、予備のライン(6~7号)」は必須アイテムになる。まずはこのあたりから揃えてみよう。

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