中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

愛しの”オッサン”チーム

2011-02-26 12:30:25 | その他
■阪神タイガースと共に40年■

 以前に書いたことだけど、ボクの育った実家は阪神タイガースの本拠地である、甲子園球場から子供の足でも10分とかからない距離にあった。だからボクは物心ついた頃からの阪神ファンだ。記憶に残る中で一番古いチーム編成は小学校低学年時の4番に田淵幸一氏、エースに江夏豊氏が君臨していた頃になるが、それからかれこれ40年近く経過してしまった。
 当時の名称で「阪神こどもの会」という、小学生を対象とした会員組織があり、それに入会すると内外野の自由席への年間パス的なチケットがつく他、球場の斜め向かいにある「阪神パーク」という、遊園地検動物園に数回入園できる特典がついていたので、ボクも小学校6年生になるまで毎年購入し続け、何度も球場に足を運んでいた。

 その頃の楽しみは野球観戦の他に、地の利を生かしての選手のサイン集めもその一つであり、自分なりに考えてゲットしていた。

 一つ目は、ボクにとってのミスタータイガース第一号=田淵幸一氏をピンポイントで狙う方法だ。
 ラッキーにも自宅から100m位しか離れていないところに「ホームラン」という名の理髪店があり、そこの上得意さんが田淵幸一氏なのを知っていたボクは、学校の帰りに、いつもの場所をチェックするのが日課だった。というのも田淵氏が来店すると、必ず同じ位置に当時の高級車であった「フォード・ムスタング(色は白)」が駐車してあるからだ。運良く駐めてあるのを発見すると、自宅に走ってサイン帳、もしくは近くの文房具屋さん経由で色紙を持参してひたすら待ち続け、店から出てくるタイミングを狙ってサインを貰うワケだ。だから、田淵氏だけでも何種類も持っているのが自慢だった。

 もう一つの方法として、雨天練習場パターンがあった。
 今は残っていないと思うが、改装前の甲子園球場にはアルプススタンド下に雨天練習場が備えてあった。雨の日にはホーム&アウェイの、両チームの選手達がそこで練習をしていたのだが、当時は恐らくエアコンもなく、更には今とは違ってノンビリしていたので、窓は全開、扉も開けっ放しでボールが飛び出さない、あるいは部外者が入ってこないようにするためのネットが張ってあるだけだった。そしてその扉のネット際には選手達が練習の合間に涼めるようにパイプ椅子を並べていたのだ。つまり外を歩く人には椅子に座っている選手が手で触れられそうな距離で丸見えの状態であったのだが、当時は特に人だかりが出来るわけでもなく、それは言わば当たり前の光景だったのだ。
 サイン小僧であるボクはそこを狙っていたのである。ここでは相当な数のサインを集めたが、特に今でも印象に残っているのは、ある雨の日の2日間だった。

 初日、ボクが雨天練習場に到着した頃にはあいにく阪神の選手は練習を切り上げて帰った後であり、そこでは宿敵巨人軍が練習していた。ボクはその日、敵情を探るために?何となく眺めていたのだが、ソレにも飽きて、程なく家に帰ることにした。
 そして翌日もまた雨だった。そこでもう一度覗きに行ったのだが、運悪く?またもや巨人軍の練習中だった。もう見る気はないので、「帰ろうかな?」と思っていると、上述したパイプ椅子に座っている選手に声を掛けられた。それが当時巨人の正捕手だった吉田孝司(よしだ たかし)氏だったのだ。

「ボク、昨日も来とったな、ほんで(それで)どこのファンや?」(吉田選手)
「阪神ファンや!」(ボク)
「へ~、弱い阪神のどこがええんや?」(吉田選手)
この話にカチンと来たボクは子供なりにヘコませてやろうと、こう答えてやった。
「オッチャンこそ、大阪弁使ってんのに、なんで東京の巨人に行ってるんや、この裏切り者!」(ボク)
「コラッ!」(吉田選手)

 コレには周りにいた他の選手達も大笑い。恐らく初めは「熱心に練習を見つめる巨人ファン」とでも吉田孝司氏の目には映っていて「サインでもしてやろうか?」と思って声を掛けてくれたのだろう。勿論、どちらもノリが判る関西人なのでそれは笑顔を浮かべての会話であり、生意気なクソガキの返答にどこまで吉田孝司氏がヘコんだのかは判らないが、当時の選手との距離感は、こんな感じであったことがうかがい知れる懐かしい思い出だ。

 そして試合の中止が決まると、選手達は一風呂浴びた後に帰って行く。出て行く門は決まっているから、そこでボクは待ち構えるのだが、ここでは新人時代の掛布雅之氏が思い出深い。
 掛布氏を呼び止め、その時代のみに使用していたひらがなベースのサインを書いてもらった後に、コッチが照れてボソボソと言いながら握手を求めると、逆に向こうから「よろしくね」と言われてしまったのだが、それが子供心に大きく響いたのだ。些細なことかも知れないが、子供にとっては大きな出来事だ。それ以来、掛布雅之氏の大ファンになり、やがてはボクにとってのミスタータイガース第二号になってゆくのだが、以降の実力や実績は言うに及ばず、この時のイメージが更に加わって、今でも同氏のファンであり続けているのだ。


■愛しの”オッサン”チーム■

 今年もシーズンを前にキャンプインしている「我が愛しの阪神タイガース」は沖縄キャンプから舞台を変えた安芸キャンプもほぼ終了し、オープン戦へと順調に駒を進めているようだ。
 キャンプの話題が集中する日本ハムの斉藤祐樹クンよりもレギュラー野手陣の平均年齢が10歳も上のオッサン集団の阪神タイガースだが、古くからのファンの立場から言わせてもらうと、何もこのオッサン度の高さは今に始まったことではないような気がする。
 振り返ってみると、ボクが物心付いた頃から、オッサン臭い選手が中心であり、それは「田淵幸一・江夏豊・遠井吾郎」三氏に代表されるように、お腹が出ている姿が強くイメージされる選手が在籍していたことでもそれが理解してもらえると思う。また、若トラと言われても今とあまり雰囲気の変わらない掛布雅之氏であったり、俊足の新人と言われていた割にはこれまた今と変わらない、あの川藤幸三氏、はたまた藤山寛美さんにソックリだと言われた岡田彰布氏…。亀山・新庄の両氏が活躍した時代と一部の例外を除いて、オッサンだらけの感のあるチームだけに今の状態は不思議ではなく、一種の伝統のように思える。

 自分がオッサンになった今、そんな阪神タイガースだからこそ、より応援に力が入ってしまうのだが、少々ヘコんでしまうのは、その愛すべき”オッサン”集団の誰よりも自分の方が年上になって久しいことだ。しかしこれから先、たとえ孫の世代がプレイしていても、球団が無くならない限りボクはファンで居続けることだろう。
 長きにわたった「阪神の暗黒時代」を知るファンは、ついつい自虐的になって「優勝しろ」という言葉が、とてもじゃないけど出てこない。ここは、ただただ「各選手の、今シーズンの健闘を祈る!」と言っておこう。
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太平洋の奇跡

2011-02-19 12:30:53 | その他
■人生初の封切り日■

 諸事情があって思ったように釣りに行けず、悶々とした日々を送っている今日この頃。世間は3連休という中、家でジッとしてはいられないので、妻と連れだって久しぶりに映画を見に行った。近くの映画館へと向かったのは2月11日で、「太平洋の奇跡」という作品を人生初の封切り日に見に行った。
 この太平洋の奇跡という映画は太平洋戦争(大東亜戦争)後半、日本の統治領だったサイパン島での戦いで、正規守備隊が玉砕後も住民を守りつつゲリラ化し、島の北部にあるタッポーチョ山に立て籠もって500日以上も降伏を拒み続けた大場栄大尉以下の戦い=実話を描いた作品だ。


■ザ・パシフィック■

 昨年の7月~9月にかけて、ヨーロッパ戦線を描いた「バンド・オブ・ブラザーズ」に続いて、エグゼクティブ・プロデューサーにトム・ハンクス氏とスティーヴン・スピルバーグ氏を迎えて作られた太平洋戦争がテーマの長編TVドラマ「ザ・パシフィック」が、WOWOWで公開された。作品自体は未だ日本語版がDVD化されておらず、ボクは見ていないのだが、「ザ・パシフィック」について語るトム・ハンクス氏のインタビュー記事を読んだ際に、ある箇所にボクの目が行っていた。「太平洋の奇跡」を見る数ヶ月前のことだ。
 その中でトム・ハンクス氏は「太平洋戦線で戦ったアメリカ兵たちの勇敢さを称えたい気持ちはある。しかし同時に、アメリカ兵が日本の人々に何をしたか、ということも知ってもらいたい」と語っていたのだ。実は「太平洋の奇跡」の公開に際して「この点が描かれているのだろうか?」との思いがあって興味をもっていたのだが…。


■「容赦なき戦争」■

 互いの論理で正義を唱えていても実際の戦場ではそれが成り立たず、残虐な行為に至ることが多い。何もコレは旧日本軍だけの話ではなく、アメリカであっても同じだということはベトナム戦争やイラク戦争での事例をみれば判断できるだろう。しかしソレが一変して太平洋戦争中に関しては旧日本兵の行為のみが声高に聞こえ、他からはほとんど聞こえてこないのだ。コレを不思議に思っていたのだが、トム・ハンクス氏のインタビュー記事をキッカケに自分なりに色々と調べているうちに、とある本に出逢った。それがジョン・W・ダワー氏著「容赦なき戦争」だった。


                   
                           ●文庫本タイプで1680円!●

 この本は副題にあるように、人種主義がいかに戦争を加速させ、凄惨にさせるかがせるかがテーマであるのだが、その中の一部に史上初の大西洋横断無着陸飛行を成功させ「翼よ、あれがパリの灯だ 」で有名なチャールズ・A. リンドバーグ氏が太平洋戦争中に南太平洋諸島へ軍事顧問として赴任した経験を記した参戦記の一部がとりあげられている。(リンドバーグ氏の参戦記そのものもあるのだが、只今絶版中)
 実はそれが、トム・ハンクス氏の言う残虐行為そのものであり、例えばそれは、無抵抗の日本兵捕虜を殺害することは言うに及ばず、それ以前に捕虜を捕らない=初めから敵を全滅させるつもりの米兵部隊の話であったり、輸送機による移送中に無抵抗の多くの日本兵捕虜を空から突き落とすオーストラリア兵の話であったりするのだ。そしてそういった日本兵に対する行為と、元々彼らの心にたたき込まれている戦陣訓が言うところの「生きて虜囚の辱めを受けず」とが重なり合ったことが、捕虜になるよりも死を選ぶ原因になっていたとこの本には記されている。

 著者のジョン・W・ダワー氏とチャールズ・A. リンドバーグ氏は、共にその後はピューリッツァー賞を受賞するほどの人達なので、まさかこの話がウソとは思えない。だとすると、「太平洋の奇跡」に描かれている大場大尉達が降伏しないという判断は「米軍に対する単なる疑心や自分たちの誇り」といった精神的なことよりも、より現実的に「出て行けばどうなるのか」が見えていたからではなかったのか?とも思えてしまう。
 もっとも、民間人の多いサイパン島での戦いは、「他の南太平洋諸島での戦いとは別であった」と言われても否定するだけの知識がボクにはないし、実際に民間人全体の約6割もが保護され、「玉砕した」と言われていた軍人であっても全体の1割強が捕虜となったということが米軍の姿勢を証明するという説もあるが、反面、実際に大場大尉の部下であった田中徳祐大尉(一説には中尉)の手記に、出て行った婦女子を含む民間人の悲惨な末路が書かれていることも事実だ。
 そんな話を考慮したうえで見ると、どうしても「太平洋の奇跡」での描写はソフトに見えてしまうが、今の日本映画界ではコレ以上の描写は無理だったのかも知れない。
 内容についてはこれ以上とやかくは言わないけれど、こういった映画を見ることによって「人々が太平洋戦争とその時代を知ろうとするキッカケになれば…。」と思うばかりだ。

 ボクが今言いたいのは、何も過去の現実を知って恨みを募ろうとすることではない。事実は事実として受け止め、「何があったのか?」を知り、そこからスタートしなければ他国と真の友好関係を築くことは出来ないと思うからだ。ただし個人間は別として、国家間でその構築が本当に可能かどうかは判らないが…。
 これまで我々戦後世代の多くは、この時代についての勉強を怠ってきた。その結果、知識の土台がないために、どこからともなく聞こえてきた感のある「風聞的」なモノに導かれたり、ことあるごとに各方面から一方的に言われたことを受け入れるばかりだった。そして気付けばそこから生まれた歪みに飲み込まれ、身動きが取れなくなることが近年では特に多くなっているように思う。
 それらに立ち向かうには「まず自分から知ろうとすること」、これが大切だと思う。更にはそれが現在の国難とも言うべき外交での失敗を取り戻すことにつながっていくのだと思うのだが、どうだろうか…。

 
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モンベルのアンダーウエア

2011-02-12 12:30:27 | その他
■モンベルのアンダーウエア■

 一時よりマシになったとは言え、ぶり返しを含めてまだまだ寒い日々が続くであろう、今年の日本の冬。今回は温かいアンダーウエアの話を。


 国内外の、多くのアウトドア愛好家に指示され続けているアウトドア・ウエア・メーカーに「モンベル」という会社がある。(http://www.montbell.jp/)
 かく言うボクも18年ほど前からここの製品を使用しているが、特に「お気に入り」なったのは、この会社が開発する防寒アンダーウエアを手にしたのがキッカケだった。
 それ以前も他社製の冬用アンダーウエアを使用していたが、モンベル社の製品は次元が違っていたのだ。ボクが最初に購入した頃、このメーカーの製作するアンダーウエアは、一番分厚い「エクスペディション」、中間の「ミドルウエイト」、そして一番薄い「ライトウエイト」の3種類くらいだったと記憶しているが、現在では厳冬期用から盛夏用まで、ウールやシルクを混紡したタイプ等、ラインナップは豊富に揃っている。

                   
                          ●写真はミドルウエイト、丸首タイプ●

 高性能さは異次元の保温性がまず挙げられる。何しろ一番分厚い「エクスペディション」に至ってはヒマラヤ登山にも使用できるほどの高性能を誇っているのだ。実例を挙げるとすれば、風呂上がりに着ると保温されすぎて真冬でも大汗をかいてしまうくらいの性能だと言えば理解してもらえるだろうか。
 また、高性能は速乾性にも表れている。これは、かいた汗をすぐに吸収して乾かす面と、荷物を出来るだけ少なくしなくてはならない登山家の事情から、洗濯してもすぐに乾く=持ち込む枚数が減るという面も考慮しているからだ。モチロン速乾性能は滑って汗をかく→リフトに乗ってジッとするということを繰り返すスキーでは必須条件であるが、これまでこのアンダーウエアを使用していて全く不都合を感じたことがない。


■他社との比較■

 保温性の高いアンダーウエアと言えば、ここ近年大ヒット中の「ヒートテック」を始め、吸湿発熱素材が一般には有名だが、両方を使用している立場から言わせてもらえば、それらの保温性はモンベルの中間モデルであるミドルウエイトよりもかなり劣るように感じる。その点は、日経トレンディ2月号の中でデータ=着始めて3分以降は時間経過と共に一般素材との差が無くなることが掲載されていたから、これがボクの個人的な意見ではないことを皆さんにも理解してもらえることが出来るだろう。(http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20110113/1034189/)
 吸湿発熱素材はメーカーや年式、タイプによって様々な繊維が混紡されていているが、肌触りを優先するために綿を混紡しているタイプは、特に問題があった。
 綿の使用は保温性と速乾性を妨げ機能低下につながるので、それだけでもデメリットも多いが、ソレよりも更に問題なのは耐久性にあると思う。
 某有名カジュアル・ウエア販売店の綿混紡タイプは洗濯を繰り返していると2年ほどで、綿の部分が断裂し始めて繊維のバランスが崩壊するのか、長袖丸首タイプの襟首がビロ~ンと伸び始めてくるし、タイツの場合は胯間部にも穴が開き始める。もっともこの点は販売店や素材メーカーでも理解しているのか、現行モデルは化繊を100%使用しており、改良されているのかも知れないのだが…。
 対して現在、現役で活躍しているモンベルのエクスペディションは購入後12、3年間使用し、洗濯の回数はザッと見積もっても150回以上になるが、繊維の破れやほつれもなく、ウエストのゴムにもヘタリが出ていない。同時期に購入したミドルウエイトは生地が薄い分だけ不利で、タイツの胯間部にやや薄くなっている部分もあるのだが、それでも構わず使用していて問題は一切出ていないのだ。
 モチロン、デメリットに目を瞑ってもヒートテックの¥1500~¥990(特売時)という価格設定は魅力あるかも知れないが、モンベル製はその高性能と耐久力を誇るうえに長袖丸首の価格は¥3800(ライトウエイト)~¥5800(エクスペディション)という価格帯に展開しているので、性能と耐久性をトータルで考えれば、割安感は逆転するだろう。
 また、他のアウトドア・ウエア・メーカーでも同様の高性能アンダーウエアは発売されているが、例えばノースフェイス社製だとミドルウエイトが¥7350もするから、どうしてもモンベル製の良心的な価格設定に軍配が上がってしまうのだ。


■システマチックな展開■

 ボクの場合は動きの少ない磯釣り等では12月後半~2月一杯はエクスペディションを中心に使用し、その前後の時期にミドルウエイトを使用している。
 また、渓流釣りでは透湿タイプのウエーダーを使用しているが、その内部に履き込むタイツは水温と気温に合わせて、エクスペディション~ライトウエイトを使い分け、夏場であっても直接肌が触れるとベタついてしまうので、その防止にジオライン・クールメッシュ・ニーロングタイツ というのを使用している。
 そして、スキーで使用する際は、志賀高原のように気温の低いところや、吹雪く日はエクスペディションを使用し、陽の暖かさを感じる日であれば、ミドルウエイトを使用している。
 それもこれもモンベルのアンダーウエアが、ありとあらゆるシチュエーションに合わせて選択できるよう、機能が細分化されているから可能になるのだ。だからボク的には、コレを手にして以来、冬場の海や山でのアウトドア活動において、今や寒さを感じることはほとんど無くなっているのだ。


■信頼できる商品■

 モンベルのアンダーウエアのシリーズの多くは、ボクが最初に手にした時点よりも以前から現在まで、少なくとも15年以上の間でほぼ同じ仕様のままで販売され続けているが、コレは、そのトータル性能の高さが評価され続けている証拠ではないのだろうか?。
 余談だがモンベル社ではアンダーウエアの他、フリース等も段階別(暖かさ別)、用途別に細分化されており、これまた高性能を誇っているので、それらを組み合わせてゆけば、ありとあらゆる寒さ対策が出来るほか、逆に夏用として暑さ対策をほどしたウエアも充実している。だから、ボク的にはアウトドアウエアで困った際に最も頼りに出来るメーカーになっているのだ。
 その他にもモンベル社の製品は本格的な登山者をメインに釣り(フライ)、カヤック、自転車など、各種アウトドアスポーツ・ユーザーの意見が反映されている商品が数多くラインナップされている。特に登山の世界では用具の選択を誤ったり品質の悪い製品を用いると、死に直結することがあることは、その昔ザイル(ロープ)が切れて死亡事故が発生した際に、とある登山用品店が訴えられたことでも理解できると思うが、そんな風にユーザーから厳しい目で見られているからこそ高性能で信頼できる製品が生まれてくるのだろう。

 そんなモンベル社の辰野勇社長(現会長)は成功した社長としてTVでもよく紹介されているし、近年の中高年の登山ブームに支えられて業績は好調であり、開発意欲も充実しているようだ。(更には本社所在地が大阪市というのは個人的にはウレシイ限りだ。)
 同社の「高品質で信頼できる製品を、お手頃な価格で」という姿勢は、これまで成功した日本企業が歩んだ、言わば王道でもある。「皆がそんな心を忘れていなければ、日本も復活するのでは?」との思いが浮かんでくる「ただの下着」ではない「アンダーウエア」のお話なのだ。
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韓流ドラマ「推奴」に思う

2011-02-05 12:30:31 | その他
■韓流ドラマ「推奴」■

 その昔、レンタルDVDではなくて、レンタルビデオ、それも1本の貸出価格が1000円もした頃からホームシアターで映画やドラマを見初め、勿論それ以前から映画館にも行って映画を見ていたが、マニアと呼ぶほどではないにしろ、かなりな数の映画を見てきた。それらには感動の名作があり、箸にも棒にもかからぬ駄作ありでそれぞれに思い出深いが、見る作品のほとんどが洋画であって邦画の割合は少なかった。それに加えて近年では、いわゆる韓流ドラマや映画も見るようになっている。
 韓流ブーム初期の「冬のソナタ」の頃は、「なんだコレは?山口百恵さんの『赤いシリーズ』を今頃になって見せるなよ!」との思いから真剣に見る気が全く沸いてこなかったが、それでも他の作品を何作か掻い摘んで見ていく内に面白いモノに当たり始め、近年ではその確立がかなり上昇しているように思える。
 今までで見た映画の中でボク的に一番面白かったのは「殺人の追憶」だったが、先日女房&子供が見始めたドラマをチョッと横目で見ている内に見事にハマってしまったのが、「推奴(チュノ)http://chuno-t.jp/」という作品だった。(全24話)
 このドラマのストーリーは見てもらうしかないと思うが、韓国の史実をベースにしたオリジナルストーリーということだ。その展開は、黒澤明監督の「隠し砦の三悪人」とリドリー・スコット監督の「グラディエーター」をパクリではなく、言わば要素を「えーとこ取り」をしたようなスピード感があるうえに、愛と友情、憎悪と嫉妬にまつわる人間模様が随所に散りばめられており、見る者を飽きさせない。やや強引な展開や、辻褄が合わず、まとまりのない部分があったり、劇画チックな「キメ・ポーズ」とBGMの使い方に日本人のボクとしては少し臭さ?を垣間見てしまうのだが、それは見終わった後に冷静になって判断した結果であり、ストーリーに惹き付けられている最中であればそれほど気にはならない。

                  
                        ●ツタヤのみの貸し出しだそうです。●


■役者根性の違い■

 最近の韓国の映画やドラマを見ていると、ストーリーの好き嫌いや出来不出来がはっきりと分かれるものの、そこに出演する役者の演技力の高さにはいつも驚かされる。彼(彼女)らが、役作りから喜怒哀楽の表情や所作を含む全てにおいて端役の人までがプロ意識の固まりで演技をしていることを感じるのだ。ソレもそのハズで、各役者のプロフィールを調べてみるとうかがい知ることが出来るが、多くの役者が大学の演劇科を卒業しているのだ。日本とは学歴意識が違うし、大学を出たからと言って演技がウマくなるとは限らないだろうけど、少なくとも下積み時代から正規の演劇教育を受けた卵から役者が生まれていることが多いようだ。
 また、韓国ではドラマや映画を見る側の評価がかなり厳しいと聞くし、アイドルや俳優などの芸能全般を「輸出品目」として捉えている国家の後押しがあるという。それら様々な要素が一体となることによって役者達がウマくなってゆくのではないだろうか。
 モチロン、ウマい役者さんも日本には数多く存在すると思うのだが、何故か一度注目を浴びると同じ人ばかりの言わば「使い回し」が始まることが多い。コレでは、いくらその人が役作りに徹して頑張っていても、見る側が食傷気味になってしまうだろう。
 しかしソレよりもガッカリなのは、商業主義に走るあまり「演技力」よりも「集客力」を優先するのか、主役級にチョッと他方面で話題になった人や、つい先日までモデルさんをやってた人、そしてアイドル等をその人の能力に関係なくキャスティングしがちなことだ。モチロン、血筋だけが「売り」の二世俳優も、この範疇になるだろう。
 そんな促成栽培俳優の中でもそれなりにウマい人も「当たり」として居るだろうけど、ちゃんと役作りと演技が出来ていない(出来ない?)「ハズレ」の人が出演する映画やドラマを見てしまった場合は、ストーリーへの感情移入ができず、感動は減るばかりだ。だから、役者の平均レベルが高く、プロの演技が安心して見られる韓国の状況に、ボク的には羨ましさを感じてしまうのだ。

 映画の原作や脚本といった部分は「アカデミー賞でのノミネート実績」や、リメイク版の製作実績が物語るように、日本の作品の方が国際的評価は高いようであるし、海外では「クールジャパン」の一角として評価の高いアニメ作品も数多く存在するが、それは数ある中の一部の話。それとは違って、普通に劇場公開されているモノの中では、「愛する人が、はかない命を散らす」パターンや「動物モノ」がまるで定期刊行物のように繰り返されるし、「アニメや漫画を実写化したモノ」も多く、日本の映画&ドラマ界はワンパターンとアイディア不足の感は拭えない。
 蛇足だがワンパターンと言えば、よくTVで流されていた、一見シロート風の人達が上映を終わった映画館を出てきた風に装って「涙が止まりませんでした~!」と言わせる映画のCMはアイデアのカケラも無い「アホの一つ覚え」のようであり、「なんとかならないのか?」と、いつも感じていたのだが…。(皆さんそう思いませんか?)
 そしてそうやって、テレビCMなど大作だの何だのと煽るモノに限ってツマラナイ作品が多く、逆にレンタルビデオ店で「こんなのやってたの?」と感じるモノほど面白い作品が多いように思えるのはボクだけなのだろうか?。


■ホンモノを育てよう■

 韓国の芸能界は国家のサポートを得て「諸外国に追いつけ追い越せ」の努力を続けているが、何もコレは芸能界に限ったことではなく、例えば液晶TVを含む家電メーカー等も同様のサポートを得ており、その結果今やヨーロッパや中東あたりではサムスン、LGといった韓国メーカーに我が日本メーカーは押されっぱなしだとの報道もされている。
 自国の製品や作品を輸出することを国策でサポートするには政治判断が必要だと思うが、我が国の国会は政局争いばかりを繰り返し、景気回復の手は決め手に欠け、打ったところで効果は見えてこない。それどころか、近頃では景気回復による税収増を諦めたのか、増税路線に切り替えつつあるようだ。そして、国債の格付けが下がったことに対しては、「そんな話に疎い」と、国の代表たる首相自らがコメントする始末である。
 また、留学者の激減が表すように、我々国民、特に若い世代の目は内へ内へと向かいつつあるようだ。まだ余力があった時代であれば日本国内だけに向いていても、それなりの需要が見込めたのかも知れないが、デフレと共にしぼむ一方の日本であれば、そうはいかず、目は外に向けるしかないハズだ。
 そのためには日本中のみんなが芸能から政治、そして工業製品に至るまで「ホンモノを見抜き、それを鍛える目」を常に持つことでそれらを鍛え直し、更には「外に打って出る気構え」を持っていないとドエライ未来が待っているように思えてならないのだ。
 先日GDPが中国に追い抜かれてしまったという報道があったばかりだが、「まだ一人あたりでは負けていない!」という言い訳が通じている内になんとかせねば…。
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