■「一挙数得」の釣り■
渓流釣りに本気で取り組み初めて早5年。諸先輩方には「知った風に言うな!」とお叱りを受けるかも知れないが、今までに様々な釣りをしてきたボクの目から見た渓魚達についての評価なので、その辺はお手柔らかに…。
そもそもこの釣りを始めた切っ掛けは、グレ釣りがオフになる3月に解禁され、禁漁になる10月になれば再びグレ釣りがシーズンインするという、誠に都合の良いタイミングでできる釣りであることが大きかった。他に、副次的なことだが、暑くなっても高地の涼しい場所で釣りができるし、夢中になって楽しみつつも「流水を遡る」という、ハードな運動は日頃の運動不足が解消できるので、一挙両得どころか「一挙数得」にもなることは、この釣りを続ける要素にもなっている。
また、釣れてくるヤマメ、アマゴ、イワナといった魚達は姿形、色合い共に美しく、自然が作り出す美に触れる喜びがある。
そんな感じで、今やメインの年間釣りスケジュールの中で一角を占めるようになった渓流釣りだが、始める前には大きな誤解があった。
関西のTV釣り番組で、この釣りをとり上げるのは大抵、解禁時の頃であり、20cmそこそこのアマゴを水面から引き抜き、空中を飛んでくるのを受け玉でキャッチするという映像がほとんどだった。そして、その様子を見た結果、「こんな小物を釣って楽しいのかな?」というのが、正直な感想だった。
その評価が変わったのが、細山長司さんを始めとする「本流釣り」をする釣り人達の映像や文献を見たことだった。小物だと思っていた渓魚は、環境が整えば普通で40cm近くに、降海型などの場合であれば70cmオーバーにまで育つということをこの映像などで知ったことは衝撃的だったのだ。
■渓魚の釣り味■
「同じ魚であっても釣り方が変われば、難易度が変わる。」これは当然だが、エサ釣りに限って言うと、「延べ竿で釣る」というスタイルがこの釣りを難しくしているように思う。
ボクの釣り歴中では一番長いグレ釣りでの経験から言うと、糸強度の限界まで竿を絞り込んでも更に締め込み、走ろうとする魚には、レバーブレーキ付きのリールであればレバーを解放し、ドラグ付きのリールであればドラグを滑らしてリールから糸を出して、再び竿を立てて踏ん張ることを、または、それを繰り返すことが獲るために有効な手段であると認識している。
しかし、延べ竿には当然リールが付いていないためにそれができない。だから、竿をタメても止まらず、更に走る大型渓魚が掛かると、「滑る川底と水流抵抗」という人間にとって不利な条件の中で、相手が上流に向かおうが、下流に向かおうが、動きに合わせて同じ方向に釣り人自体が走らなくてはならないのだ。しかもその判断は瞬時に行わなくてはならず、釣り人のセンスと運動能力が問われることになる。
また、他の魚と比較しても渓魚達は警戒心がかなり強い部類に入るので、この釣りは、細糸の効果が他の釣りに比べて大きく、糸が細ければ細いほどアタリが増える傾向にある。しかし、細ければ細いほど仕掛の強度が落ちるのは当然として、上述した「糸を出せない」という構造的な問題も加わって、食いを良くしようと思えば、仕掛を切られる確率がかなり上がるというジレンマを抱えている。
その結果、ある程度の腕がないと、大きな渓魚をバラしてしまい、中小型しかゲットできないこともあるのだが、そんな様子を見かけるせいか、ルアーで渓魚を狙う釣り人の中には、エサで狙う釣り人を「小さな魚の数釣りをする人達」と思い込み、「エッサマン」と、半ばバカにしたように呼ぶ人を見かける。しかし、それは知らぬが故の勘違いしているように思える。
これは海の場合でもそうだが、オキアミなどのプランクトン系やゴカイやミミズといったエサと小魚の両方を捕食する魚を狙う場合は、エサで釣る場合よりも、小魚で釣る方が仕掛を太くしても食いがあまり変わらないという傾向があるのだ。小魚を擬したルアーも同様に、狙う範囲への飛距離が確保できた上で、動きが不自然にならない範囲であればある程度糸を太くしても構わず、それはエサで狙う人の仕掛けに対して、こと強度という面ではかなり有利になる。
だから、疑似餌を食わせるテクニックという難しさがあっても、ドラグを使ってリールから糸を出せる上に糸が太くできるというアドバンテージが自分たちにあるということを忘れないでいて欲しい。勿論、渓魚がフィッシュ・イーター化するのはある程度の大きさに成長してからになるため、ルアーで狙う場合は初めから小型が少ないのは当たり前のことだ。
つまりは、「ルアーで狙う場合は、(エサ釣りよりも)アタリの数は少ないものの、大型のゲット率が上がるが、エサ釣りの場合はその逆」ということであり、「疑似エサを使って食わせる」のも腕前が必要であるのなら、「細糸を使って良型以上をゲットする」のにも腕前が必要なのだ。であるから、アプローチに違いがあるだけで「釣り自体に優劣はない」ということを理解して欲しい。
と、話が横道に逸れてしまったが、ボクにとっては延べ竿と、それに装着される細仕掛の不合理さによって起こるハラハラ・ドキドキがたまらず、それがこの釣りの面白さとなっている。
渓流ではヤマメ、アマゴ、イワナと、一部に外来魚のニジマスやブラウントラウトが狙われているが、ボク自身は外来魚否定派なので、釣り味の評価はヤマメ、アマゴ、イワナのみとしたい。
ヤマメは海に下り、サクラマスとなって遡上すると、最大で70cmオーバーに育ち、アマゴも同様に遡上型は50cmオーバーに育つこともあるようだが、ボクはそのタイプを狙わないため、それらは別格としておく。それ以外の、普通の渓流に生息している40cmまでのタイプを狙うのなら、ヤマメ、アマゴに難易度の差はほとんど無いと思うので、釣り味は同評価の10段階で8としておく。
イワナの場合もダム湖や海から遡上した物の中には最大で80cmクラスになるそうだが、そのサイズは極希であり、一般的に釣れる最大クラスは50cmまでだろう。
同サイズのヤマメ、アマゴと比較するとスピード、パワー共に劣っているうえ、エサに対する執着が強いようだ。そのため、実釣ではヤマメ、アマゴはアワせ損ねると、二回目のチャンスはほとんどないが、イワナの場合はハリ先が刺さらない限り、同じ場所で何度かチャンスがあるように思う。またボクの釣りレポートでも尺オーバーのイワナは毎年のように釣っているが、ヤマメ、アマゴに関しては尺オーバーが極端に少ないことからも難易度に差が有ることが理解できるだろう。よってイワナの評価は10段階で6.5としたい。
■渓魚の食い味■
渓魚は養殖物であっても水温が低い清らかな水でしか育ち辛い。そのため、食材としての供給地が必然的に山間部となるため、TVの旅番組のレポートでは秘境的な地域の紹介とリンクすることが多く、そこで味わう珍品として、串に刺して焼いた渓魚をウマイ、ウマイとほおばるシーンを見かける。但し、それがイワナ、ヤマメ、アマゴ、ニジマスであっても同じような感想を言う場合がほとんどだが、実際にはかなり味が違うのだ。
順位をつけるとヤマメ、アマゴには釣り味と同様に、食い味の違いを見つけ辛いため、同格の1位となり、以下イワナ、ニジマスと続く。何と言っても1位の2種は身の中に寿司屋でよく味わうサーモン系の脂と同様の甘みがあって、実にウマイ。その旨味は、川魚の中では一定の評価を受けているアユよりも確実に上だと思う。そして料理は天ぷらを始めとして、フライに塩焼き、何でもイケる。
これがイワナとなると、身にサーモン系の脂分が少なく、かなり淡泊な味になる。そのため、味わう際は、塩焼きにするのならキツめに塩を振るか、いっそのこと強制的に味を入れる料理にした方がイイと思う。その他に、源流に棲むイワナを刺身にするという記事を読んだことがあるが、ボクには川魚を生食する勇気がないので、どうにも評価できない。
余談だが、ニジマスはどうかというと、これまた身にサーモン系の脂分が少なくてイワナよりも大味な印象の上に、分厚く硬い臭みのある皮があるため、ランクはかなり下がってしまう。
そんなこんなで、渓魚の食い味はヤマメ、アマゴが10段階の8、イワナは10段階の6.5としたい。釣り味と同じ評価になってしまったが、ボク的にはそんなところだ。
■総合評価■
総合評価は釣り味、食い味とも同評価だったためにヤマメ、アマゴが10段階の8、イワナは10段階の6.5となる。
経験が浅く、大したサイズの魚を釣っていないにも関わらず、ヤマメ、アマゴに関しては高いポイントを与えたが、ボクにとってはこれから先も更にサイズアップが狙えそうな、夢が広がる釣りの一つであることが、この評価を後押しした理由なのかも知れない。
聞くところによると、渓魚もサイズによる味の評価に違いがあるそうで、大型を連発した暁には食い味の評価が下がることもあり得る。そんな起きもしない将来の出来事はどうでも良いが、現実的に心配なことがある。それはこの釣りに衰退感を感じてしまうことだ。
実際、内水面の漁業従事者は減少し、現在行われている放流事業も一部を除いて衰退傾向にあるようだ。成魚であれ稚魚であれ卵であれ、放流がなければ成り立たないのがこの釣りの現実であるが、「放流量が減る→釣れにくくなる→釣り人が減る→入漁料収入が減る→そしてまた放流量が減る」といった負のスパイラルが各地で始まっているようだ。そのアオリを受けて釣具店の渓流用品コーナーは年々減少し、釣具メーカーは極力在庫を作らない方向に進んで、買い時を逃した道具は手に入り辛くなっている。この釣りが過去のモノとならないよう、何か手立ては無いものか?と思案する今日この頃である。
渓流釣りに本気で取り組み初めて早5年。諸先輩方には「知った風に言うな!」とお叱りを受けるかも知れないが、今までに様々な釣りをしてきたボクの目から見た渓魚達についての評価なので、その辺はお手柔らかに…。
そもそもこの釣りを始めた切っ掛けは、グレ釣りがオフになる3月に解禁され、禁漁になる10月になれば再びグレ釣りがシーズンインするという、誠に都合の良いタイミングでできる釣りであることが大きかった。他に、副次的なことだが、暑くなっても高地の涼しい場所で釣りができるし、夢中になって楽しみつつも「流水を遡る」という、ハードな運動は日頃の運動不足が解消できるので、一挙両得どころか「一挙数得」にもなることは、この釣りを続ける要素にもなっている。
また、釣れてくるヤマメ、アマゴ、イワナといった魚達は姿形、色合い共に美しく、自然が作り出す美に触れる喜びがある。
●美人なヤマメ●
そんな感じで、今やメインの年間釣りスケジュールの中で一角を占めるようになった渓流釣りだが、始める前には大きな誤解があった。
関西のTV釣り番組で、この釣りをとり上げるのは大抵、解禁時の頃であり、20cmそこそこのアマゴを水面から引き抜き、空中を飛んでくるのを受け玉でキャッチするという映像がほとんどだった。そして、その様子を見た結果、「こんな小物を釣って楽しいのかな?」というのが、正直な感想だった。
その評価が変わったのが、細山長司さんを始めとする「本流釣り」をする釣り人達の映像や文献を見たことだった。小物だと思っていた渓魚は、環境が整えば普通で40cm近くに、降海型などの場合であれば70cmオーバーにまで育つということをこの映像などで知ったことは衝撃的だったのだ。
■渓魚の釣り味■
「同じ魚であっても釣り方が変われば、難易度が変わる。」これは当然だが、エサ釣りに限って言うと、「延べ竿で釣る」というスタイルがこの釣りを難しくしているように思う。
ボクの釣り歴中では一番長いグレ釣りでの経験から言うと、糸強度の限界まで竿を絞り込んでも更に締め込み、走ろうとする魚には、レバーブレーキ付きのリールであればレバーを解放し、ドラグ付きのリールであればドラグを滑らしてリールから糸を出して、再び竿を立てて踏ん張ることを、または、それを繰り返すことが獲るために有効な手段であると認識している。
しかし、延べ竿には当然リールが付いていないためにそれができない。だから、竿をタメても止まらず、更に走る大型渓魚が掛かると、「滑る川底と水流抵抗」という人間にとって不利な条件の中で、相手が上流に向かおうが、下流に向かおうが、動きに合わせて同じ方向に釣り人自体が走らなくてはならないのだ。しかもその判断は瞬時に行わなくてはならず、釣り人のセンスと運動能力が問われることになる。
また、他の魚と比較しても渓魚達は警戒心がかなり強い部類に入るので、この釣りは、細糸の効果が他の釣りに比べて大きく、糸が細ければ細いほどアタリが増える傾向にある。しかし、細ければ細いほど仕掛の強度が落ちるのは当然として、上述した「糸を出せない」という構造的な問題も加わって、食いを良くしようと思えば、仕掛を切られる確率がかなり上がるというジレンマを抱えている。
その結果、ある程度の腕がないと、大きな渓魚をバラしてしまい、中小型しかゲットできないこともあるのだが、そんな様子を見かけるせいか、ルアーで渓魚を狙う釣り人の中には、エサで狙う釣り人を「小さな魚の数釣りをする人達」と思い込み、「エッサマン」と、半ばバカにしたように呼ぶ人を見かける。しかし、それは知らぬが故の勘違いしているように思える。
これは海の場合でもそうだが、オキアミなどのプランクトン系やゴカイやミミズといったエサと小魚の両方を捕食する魚を狙う場合は、エサで釣る場合よりも、小魚で釣る方が仕掛を太くしても食いがあまり変わらないという傾向があるのだ。小魚を擬したルアーも同様に、狙う範囲への飛距離が確保できた上で、動きが不自然にならない範囲であればある程度糸を太くしても構わず、それはエサで狙う人の仕掛けに対して、こと強度という面ではかなり有利になる。
だから、疑似餌を食わせるテクニックという難しさがあっても、ドラグを使ってリールから糸を出せる上に糸が太くできるというアドバンテージが自分たちにあるということを忘れないでいて欲しい。勿論、渓魚がフィッシュ・イーター化するのはある程度の大きさに成長してからになるため、ルアーで狙う場合は初めから小型が少ないのは当たり前のことだ。
つまりは、「ルアーで狙う場合は、(エサ釣りよりも)アタリの数は少ないものの、大型のゲット率が上がるが、エサ釣りの場合はその逆」ということであり、「疑似エサを使って食わせる」のも腕前が必要であるのなら、「細糸を使って良型以上をゲットする」のにも腕前が必要なのだ。であるから、アプローチに違いがあるだけで「釣り自体に優劣はない」ということを理解して欲しい。
●現時点の自己記録33cmのヤマメ●
と、話が横道に逸れてしまったが、ボクにとっては延べ竿と、それに装着される細仕掛の不合理さによって起こるハラハラ・ドキドキがたまらず、それがこの釣りの面白さとなっている。
渓流ではヤマメ、アマゴ、イワナと、一部に外来魚のニジマスやブラウントラウトが狙われているが、ボク自身は外来魚否定派なので、釣り味の評価はヤマメ、アマゴ、イワナのみとしたい。
ヤマメは海に下り、サクラマスとなって遡上すると、最大で70cmオーバーに育ち、アマゴも同様に遡上型は50cmオーバーに育つこともあるようだが、ボクはそのタイプを狙わないため、それらは別格としておく。それ以外の、普通の渓流に生息している40cmまでのタイプを狙うのなら、ヤマメ、アマゴに難易度の差はほとんど無いと思うので、釣り味は同評価の10段階で8としておく。
イワナの場合もダム湖や海から遡上した物の中には最大で80cmクラスになるそうだが、そのサイズは極希であり、一般的に釣れる最大クラスは50cmまでだろう。
同サイズのヤマメ、アマゴと比較するとスピード、パワー共に劣っているうえ、エサに対する執着が強いようだ。そのため、実釣ではヤマメ、アマゴはアワせ損ねると、二回目のチャンスはほとんどないが、イワナの場合はハリ先が刺さらない限り、同じ場所で何度かチャンスがあるように思う。またボクの釣りレポートでも尺オーバーのイワナは毎年のように釣っているが、ヤマメ、アマゴに関しては尺オーバーが極端に少ないことからも難易度に差が有ることが理解できるだろう。よってイワナの評価は10段階で6.5としたい。
●現時点の自己記録40cmのイワナ●
■渓魚の食い味■
渓魚は養殖物であっても水温が低い清らかな水でしか育ち辛い。そのため、食材としての供給地が必然的に山間部となるため、TVの旅番組のレポートでは秘境的な地域の紹介とリンクすることが多く、そこで味わう珍品として、串に刺して焼いた渓魚をウマイ、ウマイとほおばるシーンを見かける。但し、それがイワナ、ヤマメ、アマゴ、ニジマスであっても同じような感想を言う場合がほとんどだが、実際にはかなり味が違うのだ。
順位をつけるとヤマメ、アマゴには釣り味と同様に、食い味の違いを見つけ辛いため、同格の1位となり、以下イワナ、ニジマスと続く。何と言っても1位の2種は身の中に寿司屋でよく味わうサーモン系の脂と同様の甘みがあって、実にウマイ。その旨味は、川魚の中では一定の評価を受けているアユよりも確実に上だと思う。そして料理は天ぷらを始めとして、フライに塩焼き、何でもイケる。
これがイワナとなると、身にサーモン系の脂分が少なく、かなり淡泊な味になる。そのため、味わう際は、塩焼きにするのならキツめに塩を振るか、いっそのこと強制的に味を入れる料理にした方がイイと思う。その他に、源流に棲むイワナを刺身にするという記事を読んだことがあるが、ボクには川魚を生食する勇気がないので、どうにも評価できない。
余談だが、ニジマスはどうかというと、これまた身にサーモン系の脂分が少なくてイワナよりも大味な印象の上に、分厚く硬い臭みのある皮があるため、ランクはかなり下がってしまう。
そんなこんなで、渓魚の食い味はヤマメ、アマゴが10段階の8、イワナは10段階の6.5としたい。釣り味と同じ評価になってしまったが、ボク的にはそんなところだ。
■総合評価■
総合評価は釣り味、食い味とも同評価だったためにヤマメ、アマゴが10段階の8、イワナは10段階の6.5となる。
経験が浅く、大したサイズの魚を釣っていないにも関わらず、ヤマメ、アマゴに関しては高いポイントを与えたが、ボクにとってはこれから先も更にサイズアップが狙えそうな、夢が広がる釣りの一つであることが、この評価を後押しした理由なのかも知れない。
聞くところによると、渓魚もサイズによる味の評価に違いがあるそうで、大型を連発した暁には食い味の評価が下がることもあり得る。そんな起きもしない将来の出来事はどうでも良いが、現実的に心配なことがある。それはこの釣りに衰退感を感じてしまうことだ。
実際、内水面の漁業従事者は減少し、現在行われている放流事業も一部を除いて衰退傾向にあるようだ。成魚であれ稚魚であれ卵であれ、放流がなければ成り立たないのがこの釣りの現実であるが、「放流量が減る→釣れにくくなる→釣り人が減る→入漁料収入が減る→そしてまた放流量が減る」といった負のスパイラルが各地で始まっているようだ。そのアオリを受けて釣具店の渓流用品コーナーは年々減少し、釣具メーカーは極力在庫を作らない方向に進んで、買い時を逃した道具は手に入り辛くなっている。この釣りが過去のモノとならないよう、何か手立ては無いものか?と思案する今日この頃である。