早い年だと、3月後半に兵庫県北部~若狭湾周辺の各ポイントでは最大で1mクラスの、ヒラマサの回遊が始まる。それに関しては、今年は「雪が多いから遅くて、4月半ばだろう。」という説もあるし、「2月だというのに、冠島周辺でウロウロしているから、去年と同じ3月後半だろう。」という感もある。結局はフタを開けてみないと判らないが、ボク的には来る開幕を前にしたこの時期は、昨年度の反省を生かしての、“道具のバージョンアップ”を図る時期としている。
中核である竿とリールは、対象サイズが1m未満だと、「がまかつ・真鯛SP H375とダイワ・シーボーグ500J」、そして「目指せ1m30cm級!」の玄達瀬では「アルファタックル・スフィンクス・ヴァーサタイル 252&253とダイワ・シーボーグ750MT(初期モデル)」という、昨年の、最終段階での組み合わせから変更は無いが、リールに関しては、両機共に改善の必要を感じている。だが、それは後日に記すとして、まず今回は魚との第一接点である、仕掛から記していこう。
■バラシの元凶■
以前にも触れたが、昨年は対1mクラス以下とのバトル・フィールドではとにかくバラシまくった。従って強化しなくてはならないのは、主に8号ハリスを使用する仕掛だ。
弱点克服のためには、まず、ハリス自体の強化が挙げられる。グレ釣り師だった時代を振り返ると、クレハのシーガー・グランドマックス・シリーズ一辺倒で、2.5号以上の太い号数はしなやかな方の、FXを絶大な信頼の下で使用していたことを思い出し、金銭面での負担が掛かってしまうが、今年は奮発して、このFXを使用することとした。これで、ハリスの材質面では、これ以上は望めない体制となる。因みに玄達瀬での初期に使う12号に関しては、ラインナップには無いので、同社の船用ハリスのFXRを使用することとした。
勿論、仕掛の長さは6mで、2本バリという構成は実績を踏まえて判断しているため、変える気は無い。そこで、「昨年、どの位置で切れていたか?。」を振り返ってみることにした。すると、「ボクがもたついた結果、根ズレでヤラレた場合を除いて、歯がキツイ魚でもないのになぜかチモトあたりでブツリと切れていることが多かった。」という点に改めて気付かされた。
想像するにこれは「ハリスの結び目自体がハリのミミ裏に回って、そこで刃物が当たったように切れた。」のだと思われる。結び方自体は昨年から導入した南方延縄結び(シーガーのホームページ内、「強いノットはこれだ!」http://www.seaguar.ne.jp/knot/ を参照)で強化を図っていたのに、この有様だったのだ。
その対策には、「強度が最強クラスで回らない結び」を採用しなくてはならない。と、なると、中村式カン付南方延縄結びしかない。(同じくシーガーのホームページ内、「強いノットはこれだ!」を参照=ただし、動画と図では結び方が違うので要注意=僕の場合は動画の方を採用している。)
そこで、玄達瀬での釣りでは一昨年から採用していたこの結びをハリス8号仕掛でも採用することにした。ついては、これまでメインとしていたヒラマサ・ブリ王の12号は通常のミミ付タイプのため使用できないため、カン付のハリの中から選び直すことになった。
■カン付きバリ、色々■
各社の、カン付バリのラインナップから適切なハリを探してみると、予想通りだが種類は少ない。
ただでさえ展開の少ない中、まず、チヌバリは逆に軸が細目で、また形状がボクの好みではないために、初期段階で候補から外れてしまった。これで更に少なくなった候補から、何とか選び出したのが、下に記す4種だった。
これらと、これまでにメインで使っていたヒラマサ・ブリ王と比較するために並べたのが、下写真↓
で、左から①「カン付伊勢尼(金)13号」→②「ヒラマサ・ブリ王12号」→③「メジ・カツオ(ゴールド)13号」→④「超青物 カン付(ゴールド)14号」→⑤「カン付伊勢尼(金)14号」→⑥「ヒラマサ・ブリ王13号」となる。この並びにした理由は、ハリのフトコロが狭い→広い、軸が短い→長いの順にしたためだ。
細かく述べると、「カン付伊勢尼(金)13号」は、「ヒラマサ・ブリ王12号」とフトコロの幅がほぼ同じで、軸が「ヒラマサ・ブリ王12号」の方が長いということになる。
軸が短いと、「掛かり易い」傾向があり、軸が長いと「バレ難い」傾向があるとされるため、軸長は中庸なタイプが理想なのだが、その点を考慮すると、「カン付伊勢尼(金)13号」が第一候補に挙がった。だが、僅かに軸径が細いのと、針先にヒネリが入っている点で、ボクの理想から離れてしまう。「軸は細いほど身切れでのハリハズレの可能性が高まる」という点が気に掛かるし、ヒネリ加工のメリットは「掛かりが良く、より深く刺さる」ということだが、カラバリでの回収時に「回転して仕掛にヨリがかかり易くなる」というデメリットもある。そのうえ、「ねじれた分だけ強度が落ちるのでは?」と思ってしまう部分もある。そんなこんなであるから、二の足を踏んでしまったのだ。
「ヒラマサ・ブリ王12号」と同じフトコロ幅のハリには、もうたどり着かなかったため、ひとつ上の13号クラスで探してみることにした。
ピックアップしたのは、上写真の③~⑤だった。
③は、これまで玄達瀬での10号ハリス使用時に結ぶことが多かったが、カンの部分に丁寧にロウ付け処理を施し、ハリスにダメージを極力与えない配慮がされているため、ベストのように思える。しかし、短軸のため、「もう少し長めの方が…」という欲が沸いてくるのだ。次いで⑤「も候補に挙げたが、「ヒネリが…」
そして、最終候補に挙がったのが、④の超青物 カン付(ゴールド)14号だった。形状的にはこれがベストのように思えるが、ボクの、普段の行動エリアに取扱店がな無く、メーカーの直販(通販)でいちいち購入しなくてはならないことと、メジ・カツオのようなロウ付け処理が無いのは、不満になる点だ。
■理想のハリ■
上述したように「超青物 カン付(ゴールド)14号」をメインとして採用するに至ったのだが、これとて形状以外はベストに思ってはいない。理想を言えば、カンの末端部分にロウ付け処理を施して欲しいし、これまで使っていた「ヒラマサ・ブリ王の12号」と同じフトコロ幅の13号あたりが欲しい。と言うのは、このハリのサイズ展開はひとつ飛ばしの12、14、16~であり、12号では小さすぎて使えないのだ。だから採用の判断は、あくまでも暫定であり、シーズン途中での変更も有り得ると思う。
特に、カン付伊勢尼シリーズは最もコストが低く、やや細軸と言っても指定ハリスの表示を確認すると十分な強度を持っているため、ヒネリに対する偏見が無ければ、一般的にはこれが良い選択の一つになると思う。また、ごくオーソドックスな形状であることと、カン付しか結べない初心者への対応上、取り扱う店舗が多いことも有難い。
以上はあくまでも、ボクの想像の範囲での話だ。答えが出るのは、良~大型のヒラマサに相手をしてもらってからになるが、あれこれと考えてハマッた時の悦びは至上となる。それは、いったいいつのことだろうか?。