先日、自宅近くにあるショッピング・モール=ららぽーと甲子園で買い物をしていると、そこに巨大な施設が建ちつつあった。そう、チョッと前から関西地区の一部では話題になり始めている「キッザニア」という施設の関西版=「キッザニア甲子園」だ。
キッザニアという施設は子供達が施設内にある、いわば小国内で「消防士、モデル、パイロットなど(=ユニフォームまで用意されている)」80種以上ある職業の中から自分が望むものに就き、中での取引は専用の通貨で行うというバーチャル社会体験施設だ。
だが、個人的な意見ではあるが、このようなバーチャル施設に対してワタシの意見は「?」だ。
建物=箱の中で、種類は多数の中から選べるものの、あらかじめ設定された物を体験させるのは、子供に絵を教えるのに際して、塗り絵ばかりを練習させているような気がしてならない。それを繰り返しても、本物の絵はなかなかうまくならないだろうし、肝心要(かんじんかなめ)の自由な発想が湧いてくることは少ないだろう。やはり絵を描かせるのなら、やはり白い紙の上に自由に書かせるべきだと思う。
今、倉本聰氏のエッセイ集=「失われた森厳」を読んでいるが、その中にこんな話が出ている。(概略しているけど。)
「気候の異常を子供に気付かせず放置していることは困る。知識ばかりどんどんつめこむが子供に感性の錬磨をさせることをおこたっている今の世の中、教育現場は困る。困るというより危険である。」「日本では緑色を表現するのに、黄緑色、若葉色、草色、鶯色(etc...以下32種)と、グラデーションの中で様々な緑を昔の日本人は識別していた。」「しかしながら、現在の日本では緑といえば黄緑、緑、濃い緑くらいにしか識別せず、それ以上を子供達に伝えようとしない。」「代わりにむずかしい知識だけを教えこみ、感性の部分は置き去られている。」「しかし、我々が周囲の環境から、異変の予兆、危険の接近を関知するのは究極的には感性の世界である。」
バーチャル体験をした結果「な~んだ、こんなもんか?」と思ってしまうよりも、子供は子供なりの想像で夢を大きく持ち、持続させ、それに向かって努力してもらいたいものだ。そして、感性を磨き、自由な発想ができる子供に育ってほしいとも思う。だからこそワタシは子供を大自然の中に連れ出すべきだと常々思っているのだ。
近頃の若者達は外に向かう気力や興味が少なく、例えば「海外旅行をしたがらない=パスポート保有率の大幅な低下」「車は要らない」「洋楽は言葉が理解できず、面倒くさいから聴かない」らしいが、反面老後が不安なので貯蓄率が高いと言われている。これらは不況の影響もあろうが、情報を得すぎた結果、先が見えてしまい、ヤル気が起きないからだという説もある。それに加えてゲームやインターネットを含む、バーチャル体験の繰り返しも一因にあるのかも知れない。
お母さん方が子供にせがまれて行く分には「仕方がない」という思いもあるが、少なくとも子供に本物体験をさせてやるべきオヤジ達が、自らすすんでバーチャル体験施設へ連れていくことには反対なのだ。しかし、このキッザニア、東京では好評だと聞く。はたして関西でも同様の結果になるのだろうか…?。
キッザニアという施設は子供達が施設内にある、いわば小国内で「消防士、モデル、パイロットなど(=ユニフォームまで用意されている)」80種以上ある職業の中から自分が望むものに就き、中での取引は専用の通貨で行うというバーチャル社会体験施設だ。
だが、個人的な意見ではあるが、このようなバーチャル施設に対してワタシの意見は「?」だ。
建物=箱の中で、種類は多数の中から選べるものの、あらかじめ設定された物を体験させるのは、子供に絵を教えるのに際して、塗り絵ばかりを練習させているような気がしてならない。それを繰り返しても、本物の絵はなかなかうまくならないだろうし、肝心要(かんじんかなめ)の自由な発想が湧いてくることは少ないだろう。やはり絵を描かせるのなら、やはり白い紙の上に自由に書かせるべきだと思う。
今、倉本聰氏のエッセイ集=「失われた森厳」を読んでいるが、その中にこんな話が出ている。(概略しているけど。)
「気候の異常を子供に気付かせず放置していることは困る。知識ばかりどんどんつめこむが子供に感性の錬磨をさせることをおこたっている今の世の中、教育現場は困る。困るというより危険である。」「日本では緑色を表現するのに、黄緑色、若葉色、草色、鶯色(etc...以下32種)と、グラデーションの中で様々な緑を昔の日本人は識別していた。」「しかしながら、現在の日本では緑といえば黄緑、緑、濃い緑くらいにしか識別せず、それ以上を子供達に伝えようとしない。」「代わりにむずかしい知識だけを教えこみ、感性の部分は置き去られている。」「しかし、我々が周囲の環境から、異変の予兆、危険の接近を関知するのは究極的には感性の世界である。」
バーチャル体験をした結果「な~んだ、こんなもんか?」と思ってしまうよりも、子供は子供なりの想像で夢を大きく持ち、持続させ、それに向かって努力してもらいたいものだ。そして、感性を磨き、自由な発想ができる子供に育ってほしいとも思う。だからこそワタシは子供を大自然の中に連れ出すべきだと常々思っているのだ。
近頃の若者達は外に向かう気力や興味が少なく、例えば「海外旅行をしたがらない=パスポート保有率の大幅な低下」「車は要らない」「洋楽は言葉が理解できず、面倒くさいから聴かない」らしいが、反面老後が不安なので貯蓄率が高いと言われている。これらは不況の影響もあろうが、情報を得すぎた結果、先が見えてしまい、ヤル気が起きないからだという説もある。それに加えてゲームやインターネットを含む、バーチャル体験の繰り返しも一因にあるのかも知れない。
お母さん方が子供にせがまれて行く分には「仕方がない」という思いもあるが、少なくとも子供に本物体験をさせてやるべきオヤジ達が、自らすすんでバーチャル体験施設へ連れていくことには反対なのだ。しかし、このキッザニア、東京では好評だと聞く。はたして関西でも同様の結果になるのだろうか…?。