中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

今年も一年間、ありがとうございました。

2012-12-29 12:30:00 | その他
 只今、年末商戦の真っ最中。
 ”昆布巻屋”が本業のボクとしては、連日午前様で帰宅するような超多忙の中、書く時間が無く、また、当然ながらどこにも行けずでネタがない。といった状況なので、マトモな記事が書けるハズもなく…。で、あるから、今回は今年一年の御礼を。


 この弱小なブログでも、有り難いかな、見てくれている方もいるようなので、その方々への感謝を込めて、「今年も一年間ありがとうございました。」
 また、お礼を述べると共に、皆々様における、来年のご多幸を祈り、これが今年の最終稿とさせていただきたく思います。

 (来年の掲載再開は、1月12日になります。それまでの間、しばらくお待ち下さい。)

 ということで皆々様方、「良いお年を!」
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悪貨は良貨を駆逐する?

2012-12-22 12:30:00 | その他
■プラズマテレビの話■

 先日、自宅で使用していたリアプロジェクションタイプの42インチTVが壊れた。早速各社最新機器の基本性能を調べ、候補を絞って販売店に走ったのだが…。

 現状では、大型と言われる40インチ以上のTVは、プラズマ方式、液晶方式共に価格が底値近くまで下がっているが、時代は進み、プラズマ方式のTVを生産するのはパナソニック一社となっている。しかも以前にこのブログでも書いた尼崎の大工場製は計画生産分しかなく、市場に流通するのはタイ製その他がメインの寂しい状況になっているそうだ。だが、プラズマ方式の性能が液晶に劣るからそうなったというのなら納得できるのだが、調べをすすめ、実際に現物を確認すると、どうやらそうでもないことに気付かされた。

 液晶対プラズマと言われていた一昔前、一般にプラズマ方式は「速い動きに強く、色の階調表現=特に黒の階調描写に優れていて、40インチ以上の大画面では威力を発揮する」のに対し、液晶タイプは「発熱量と電力消費が少なく、明るくてクッキリとした描写が得られる」と言われていたが、その傾向は今でも変わらないようだ。
 また、プラズマ方式の「発熱量と消費電力が大きく外光の差し込み(写り込み)に弱い、焼き付きが起こる」、液晶方式の「速い動きに追従できず、残像が残って違和感を感じたり、水平視野角が狭くて横方向から見るとコントラストや色表現が低下する。」といった弱点も以前に比べて改善されてはいるものの、依然として残っている。

 では実際に候補である40インチ以上のTVを店舗で視聴してみた感想だが、液晶方式では、2倍速以下のパネルを採用したモデルは、速い動きに対して全てのモデルで残像感があって候補から外れ、上位機種に採用されている4倍速パネルモデルの中から、SONY製の、「4倍速パネル+画像制御=16倍速相当」を搭載したモデルのみが、残像を気にならないレベルまで押さえている上に、自然な色合いに感じられて好感が持てた。
 対するプラズマ方式では、予算の都合で、パナソニックの最廉価版意外に選択の余地はなく、それのみを視聴したが、それでもさすがはプラズマ、階調表現が格段に優れ、速い動きに対しての追従性も申し分がなかった。しかし、かわいそうなのが、その展示方法で、明るい店内の照明を浴び、弱点である写り込みの激しい最下段に置かれていたのだ。
 こんな展示法であっても、ボクのように「見る気」で訪問した客の場合は、しゃがんで目線を正対させて確認するだろうけど、そういった客以外に対してはプラズマ方式のしっとりした色合いをアピールできず、場合によっては暗く感じる画を決してイイモノだとは思わないだろう。(事実、店員が「プラズマについての質問は久しぶり」と言っていた。)

 で、結局は、”反応速度がプラズマに追いつきつつある(=残像感が少ない)”SONY製の液晶TVが、プラズマTVよりも価格が上回っていたことをうけ、
 「だったら、より基本性能が高いプラズマでしょう。」ということで購入に至ったワケだが、買っておきながら「いつまで生産し続けるのだろうか?」という、一抹の心配があることには違いなく、そんな経験が過去にもあったことを思い出していた。実はこの私、ベータマックス方式のビデオデッキの愛好者だったのだ。そう、あの時も「小型で高性能」なベータが消滅してしまったからだ。

 現況の液晶方式が隆盛し、コントラスト表現で1割、フルHD動画解像スピードでは倍の能力差をつけているにも関わらず、プラズマ方式が衰退している原因は色々とあるのだろうが、ボク的には、液晶方式の、「誰にでも判り易い、鮮やかな画づくり」が、その要因だと思っている。しかし、このタイプの画は、ボクにとってはウソ臭く、一種の擬色のようにように思えるのだが…。
 こういったモノが受け入れられやすくなっている背景には、昨今の繊細さや緻密さよりも見た目に派手で取っつきやすいモノが優先され、例えば商品であれば提供する企業側がそれに迎合し、連鎖してゆく流れがあるように思う。勿論企業側に余裕があれば、様々な新機軸が打ち立てられ、それに沿った製品が続々と出てくるのだろうが、昨今の大赤字続きの状況では手っ取り早く売れるモノを優先するしかないのかも知れないが…。

 そんなことを考えていると、これは何もTV受像器の世界だけではなく、いろんなモノにこの流れがあるように思える。
 「日本人の舌をダメにしたのは、唐辛子とニンニク」と、以前にある料理家が言っていた。これは”刺激”と、いわゆる”パンチの効いた味”によって舌が誤魔化され、馬鹿になってしまうということを指しているのだが、その通り、”食”に目を向ければ、近年ではニンニクまみれに激辛、それに加えて多くの食品が調味料まみれになっていて、「素材の味わい」や「イイ塩梅」といった言葉とはかけ離れた、判り易く人工的な味付けのモノや刺激的なモノが幅をきかしている。
 また、話は飛躍するが、今年は大滝秀治さん、地井武雄さんといった”味のある”俳優さんたちが鬼籍には入られた。近頃はこんなことばかりに目が行くせいか、来年50歳を迎えるオッサンとしては、色々と心配になっている。


 ~追伸

 この記事を書いたすぐ後に、「パナソニック社が、プラズマTVの研究開発から撤退」のニュースが流れた。予想どおり、ベータと同じ結末になったようだ…。
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前略おふくろ様

2012-12-15 12:30:00 | その他
■念願だったDVD■

 ボクには高校時代から35年ほどのつきあいになる友人が数人居て、そのうち東京在住の一人から今年になって初めて意外な話を聞いた。それはボクと同じく、彼が倉本聰氏の脚本のファンだということだった。それも、ドラマ「北の国から」のDVDを全巻持っているという、彼のキャラからは想像もできない事実から始まった話なので、正直ビックリしてしまった。
 そんな彼と9月に会う機会があって、その時に二人で盛り上がったのが、倉本聰氏の、もう一つの代表作である、ドラマ「前略おふくろ様」の話だった。

 「前略おふくろ様」のパートⅠとパートⅡが本放送していた頃、ボクは小学校6年から中学2年だったが、例によって、岩城滉一&ショーケン(萩原健一)ファンの姉が欠かさず見ていたせいか、ストーリーやシーンの一部をあやふやながら覚えている。しかし、ドラマの舞台が”大人の世界”なだけに、ガキだった自分には理解し難いような深い内容が多く含まれているに違いなく、脚本家が意図するところの数%も理解していないハズだ。
 それでも、覚えているシーンの断片をつなぐだけでも笑ってしまうくらい、ストーリー展開が面白いことを知っているし、今となっては、描かれている”大人の世界”の多くが理解できるように思える。
 そんなことを考えれば考えるほど興味が更に深まってしまい、しばらくの間、思いは募る一方であったが、とうとう、「本気で見よう」と決意するに至った。
 見るにあたって、調べを進めてみると、制作年度が古いだけに、障害が多いことに気付かされた。
 以前は、VHSビデオには存在したレンタル品にはDVDでは存在せず、現在のところはTV、BS等で再放送の予定はないようだ。従って現状では、いわゆるセルDVDを購入するしか見る手立てがないのだ。
 しかし、このドラマは合計50話もあるからセルDVDは高額だ。そこで上述した友人と協議し、二人で折半して購入することになったのだが、負担が2分の1になっても高額なため、新品を買う気にはなれず、中古品をなんとか探し出して、ようやく手に入れるに至った次第だ。

 そして到着後は、妻と息子との家族三人で、時には腹を抱えて笑い、時にはうっすら涙を浮かべながら、日々少しずつ鑑賞している。

●やっとの事で手に入れたパートⅠ&ⅡのBOXセット●


■ブルースの世界■

 このドラマは、ショーケンが演じるところの、主人公=サブちゃんの、板前としてのリアルな日常を描いている。
 その日常で自身の周囲に起こる「あちらを立てれば、こちらが立たず」的な毎日と、サブちゃんの年老いた母親への思いが、このドラマの中で展開されてゆくが、その背景には、江戸文化や江戸情緒を受け継ぎ、義理と人情の中で暮らしてきた”町”の人々が、東京という”街”の発展と共に滅びゆく姿があって、ストーリーから伝わってくる「切なさ」は、見る側の心に染み入り、何とも言えない心地にさせる。
 その「切なさ」を「解るよな~」なんて、心で言いつつ見ていると、ドラマは心の琴線をずーっと震わせ続けてくれるが、ボクにとってこの味わいは、音楽で言うところの、正にブルースの世界であって、心地良い。
 普通のドラマでは気にも留めないような細かなところにこだわり、リアリズムに徹しているから、見る側の多くは素直に感情移入できるので、あたかもドラマ中の住人になった気分にさせてくれる。勿論それは、倉本聰氏の脚本(ただし、パートⅠの一部は他のライターも書いている)によるところも大なのだが、「収録期間は専属し、他の仕事を一切入れない」という、今では考えられないような条件の下に出演していた、役者魂あふれる”本物の役者たち”の、火花が散るような演技によるところも大きいと思う。
 
 ひねくれたオジサンの勝手な解釈と言われても仕方ないが、この時代の前後に渡って本気で作られた幾つかの”迫真”のドラマに比べると、近頃のドラマは「あり得ない設定と台詞回し」ばかりに思え、残念ながらほとんどリアリズムを感じない。その結果、感情移入がし辛くなって、ヘタをすれば、「これってファンタジー物なの?」と感じ取ってしまい、心が引いてゆくから困りものだ。
 ひとたび目を海外TVドラマに移すと、1999~2007年度の米国作品「ソプラノズ」なんかは、ブルージーで”物凄く”良かったのだが、あちらは視聴者やスポンサーに媚びる必要のない、有料チャンネルで配信するために映画会社が制作したドラマだからできることであって、ごく一部の例外を除いて基本的に”タダ”で見られる日本とは事情が違うということなのだろうか?。
 いずれにせよ、「おっと、これは…」と思える、心に染み入るブルージーな国内TVドラマに早く出会いたいと願っている。それは、いつの日なのだろうか…。
 
 
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今年最後の鷹巣沖 ~その2

2012-12-08 12:30:00 | 船釣り・釣行記
■沖のポイント■

 日が高くなると共に、この時期としてはまさかのポカポカ陽気となる中、見渡せば、いずれは登りたいと思っている白山山系の山々が雪を被った姿で顔を出していた。どうりで寒かったワケだ。

●冠雪する白山●


 次なるポイントはやや深場ということだったが、潮のスピードは微増はしていたものの、相変わらずの状態で、更に深さが増した分だけ時間が掛かるために一流しに20分近くかかってしまう。
 一投目はその20分が丸ごと無駄になったが、二投目でマキエサが効き出したのか、ボクの竿にマダイが掛かって以降、魚の食欲スイッチが入ったようで、続いての流し以降は、アタりはヒラマサからのモノに変わった。
 まず最初に65cmクラスのヒラマサをボクがゲットしたが、マヅメ時は過ぎているから、朝一番のように連続とはならず、しばらくの間、流しが無駄になることもある状況になっていた。
 そんな中、続いての魚はめでたく兄とのダブルヒットになった。それぞれにやり取りをして、無事にゲットしたのだが、兄はメジロ(ブリの若魚で、60~70cm級を指す)、とボクがヒラマサという取り合わせだった。
 さてさて、兄弟で一見よく似た魚をそれぞれに釣ったのであるが、皆さんにその違いが判るだろうか?。

●さて、どっちがヒラマサでしょう?●

 ボク達のように釣り馴れる?か、観察力のある人なら、一目見ただけで「ブリ系は魚体が砲弾型で顔付きはボケッとした表情だが、ヒラマサはその名の通り魚体がやや扁平していて、精悍な顔付きをしていること」で違いが判ってしまうのだが、決定的な判別法として「上がく骨(上唇)の上端角が丸く、胸びれより腹びれの方が長ければヒラマサ」というのがあるので、それで判断すればイイ。
 市場価値は、希少性がある上に味がウマいヒラマサの方が基本的に倍ほど高いが、夏場の旬を迎えると、その時期価値の下がるブリに対してその差は数倍にまで広がる。
 で、上写真の答は上がメジロで下がヒラマサだ。

●上唇の角が丸いのが判るだろうか?●


■夕マヅメ■

 結局、沖のポイントでは、ボクがヒラマサを二本、兄は一本追加し、そこからポイントを再移動してボクがヒラマサを更に二本追加して、最終的には朝に連発したポイントへと戻った時点で夕マヅメの時間帯に突入した。
 南西側の沖では半夜釣りで数釣りができる、ブリ系のハマチ~メジロ級を狙う船がズラリと並んでいたが、「ヒラマサ一本!」の男らしい?我々兄弟は、それとは外れた位置でひたすら仕掛を流していた。

●夕暮れ時の、半夜釣りの船団●

 しかし、その男気?に応えてくれるヒラマサは不在だったようだ。結局、マダイ、ハマチ~メジロ、サゴシ(サワラの若魚)等がアタったのみで、タイムアウトの時間を迎えた。


■帰港して■

 帰港して確認すると、ヒラマサの総数は14本で、サイズは65~72cmといったところだった。内10本がボクの釣果だったので、数の上では自己記録を少し更新した。

●右を向いているのが、全てヒラマサ●

 帰宅後、他船の結果を覗いてみたが、当日これだけのヒラマサを釣っていたのは晴海丸だけだった。この好成績な釣果の要因は、「釣り人の腕」と言いたいところだが、実のところ、船長判断が的確だったことが、ほとんどの割合を占めていると思う。
 沖釣りをしていると、入るポイントを選ぶ際には二つの船長判断がある。その一つが「好調に釣れている場所に向かって、船団内に入る」で、もう一つは「船団に入ると一船あたりの割り当てが減るから、独自のポイントに入る」だと思う。
 実際には結果をみないことには判断に優劣はつけられないのだが、晴海丸の船長は後者の判断をする傾向の強いタイプだと思う。(勿論、状況次第だろうが…)
 この判断は釣り人の意見と合わない場合には不満になるのかも知れないが、その点ボクは本来が大阪弁で言うところの「いらち(せっかち・短気)」で、「群れることが嫌い」なので、このリズムに合っている。だから気持ちの緩急のペースが掴みやすく、結果は吉と出易い。
 この日はそんな感覚でのポイント替えがピタリとハマッた。つまり、朝一のマヅメ時を除けば、食いの良い状態は続かないだろうから「独占できるポイントで、活性の高いヤツだけを獲ってゆけば、結果的に釣果が伸びる」と、判断して効果的に移動をしたようだ。差し詰めブラック・バス釣りで言うところの「ラン&ガン」だ。
 これは、本人が釣りが大好きで、自身も各地に向かう釣り人としての目を持っている船長ならでは判断だったと思う。

 またの機会での船長との再会を楽しみにして福井新港を後にしたが、残念ながらボクら兄弟は仕事の都合で年内の釣行が不可能になってしまう。そして年内一杯を持って、鷹巣沖は禁漁期に入るから、我々の鷹巣沖への釣行機会は、来年5月の解禁以降になる。それが待ち遠しくなるほどの、大満足の釣行であった。
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今年最後の鷹巣沖 ~その1

2012-12-01 12:30:00 | 船釣り・釣行記
■待ちに待った出漁■

 今秋は、日本海方面の経ヶ岬~若狭湾周辺と福井県沖に、途切れて久しかった中型のヒラマサが回遊していた。船釣りの対象魚の中ではヒラマサが一番好きなボクとしては、釣りたくてウズウズしていたのだが、如何せん、先週もこのブログで触れていたように、荒天続きでどうにもならず、たて釣りで狙おうとした中秋までと、完全フカセで狙おうとしたそれ以降を合わせると、この方面での釣りが8回も飛んでいたのだ。こんなことは、長い釣り人生では経験したことの無い出来事である。
 基本的に遊び?の我々であれば「残念!」で済むが、長引く不景気のあおりを受けてか、以前にお世話になった船頭さんの中でも、廃業する人がチラホラと居るだけに、かき入れ時に売り上げのないことを考えると気の毒でならない。
 そんな心配をする中、ようやく福井県鷹巣沖への出漁機会がやってきた。それも前日はアウト、そして翌日もアウトという、ボクにしては奇跡のタイミングだった。しかし、こんな好機が素直にボクの前にやって来るハズもないから、「天候面で運を使い果たしてしまって、沖で潮が動かなかったらどうしようか…」と、つい心配をしてしまう。そんなことを思い浮かべながら福井県へと車を走らせた。

 乗船するのは近頃鷹巣沖でお世話になることが多くなった、晴海丸さんだ。乗船場のある福井新港の朝は、前日までの北西の季節風が収まり、その結果、放射冷却が起こって、寒いこと寒いこと。逆に水温の下がりは気温に対して遅れるため、その差から水蒸気が湯気のように沸き上がる、幻想的な「けあらし(気嵐もしくは毛嵐と書く)」の中、晴海丸は定刻通りに福井新港を後にした。

●湯だっているかのような、海●


■いきなりのヒラマサ■

 15分ほどの航海でポイントに到着。アンカーが入って船の振れが落ち着いたあとにマキエサのオキアミを撒いてみると、イヤな予感通りにほとんど潮が動かず、真下の方向に落ちてゆくいわゆる「ドボン潮」の状態だった。
 だが、晴海丸の船長は、「こんな潮でも不思議と食うんですよ。」と、余裕の表情だった。水深は50mほどの場所だったのだが、完全フカセ仕掛のためにリールを逆転させて出している道糸が水深分まで流れるのに15分近く掛かるという、超スロー潮の中、何と兄のタックルに一投目からヒットがあって、兄の竿が大きく曲がっていった。

●開始1投目から、曲がる竿●

 船際まで来た後の強烈な締め込みから中型のヒラマサだと予想したが、その通りの魚を兄は無事にゲットする。
 続いて超スローに流れていたボクの仕掛も、これまた一投目に魚をキャッチしたのだが、コイツはハマチとも呼べないようなサイズの、ブリの幼魚だったためにガックリと肩を落とす。
 この様子から夏場に差をつけられた「玄達での出来事」を思い出して、恐々としていたが、次の流しでは嬉しいことにボクのリールからフルスピードで糸が引き出されていった。

●嬉しい本命らしき魚との対決●

 締め込み具合から、これまた中型のヒラマサと判断したが、腰が浮かされるほどの引きではない。そして無事に取り込んだのは、70cm級のヒラマサだった。

●待望のヒラマサをゲット!●


■絶好調!■

 続いてまたもやボクのリールが逆転した。完全フカセ釣りをしていて、アタリ=リールの急速逆転があった際、ボクの場合は通常であれば「もしも」のリール破損防止のために指でスプールを押さえてからクラッチを入れる手順を踏む。この時、押さえる指から滑っていこうとするラインの抵抗感で魚の大きさをを感じることができるのだが、今回はその時点でどこか様子が変だった。
 実際にやり取りを始めると、魚が付いていることは間違いのないところだが、引きがやたらに重々しくて、スピードがそんなに無い。

●重々しい引き●

 船際まで寄せた後、水中を確認するとビックリ!。二本のハリにそれぞれ掛かる、ヒラマサのダブルだったのだ。
 「ダブル」と言えば、経験のない人が想像すると、「物凄く引く」と思うかも知れないが、実は二匹の魚が牽制し合うのか、互いの引きが相殺されて、この日のように「重いだけ」という結果になることも多いのだ。

●人生初!ヒラマサのダブル●

 長いこと釣りをしていてヒラマサのダブルは初めての経験であったが、その後もヒラマサは食い続き、結局最初のポイントではボクが6本、兄が3本という釣果を得た。
 食った時間は朝マヅメの時合いが終わる2時間ほどの間であって、その中で仕掛が流せたのは8回であったから、小型ならいざ知らず、中型のヒラマサがこれだけ連続で食ったのも初めてに近い経験だった。
 しかし、この釣果はボク達の実力ではなく、船長判断の正しさに起因する。だから、ただただそれに驚くばかりであった。
 しばらく経つと、時合いが過ぎたことが明らかとなって、やがて全くアタリが出なくなってしまった。そして、それを受けて晴海丸は次なるポイントを目指して移動を開始した。

●ポイントを求めて移動する、晴海丸のコックピット●


 ~その2に続く
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