中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

荒天につき…

2016-06-25 12:30:00 | 船釣り・釣行記
 半年前から心待ちにし、「さぁ、気合いを入れて…。」と身構えていた玄達瀬への、今年初の釣行は、荒天のためあえなく中止になった。
 天気予報上だと、二日前までは良好な感じで、波高の予想も終始1mのままだったので、「大したことがない。」とも、素人目には思えたが、風速の予想は前日朝からは修正が入って転がり落ちるように悪い方へ悪い方へと変わっていった。更には経ヶ岬~福井沖へと案内する船長さん達も確認するという「舞鶴海上気象予報」
」http://tenki.wet.co.jp/forecast/sea01miz.htm
でも、前日午前7時の予報が「19日の風速は8mから10mへと強まる」となっていたのが、更に進んで午後7時になると「10mから13mへと強まる」となっていたため、当初は風が強まる前の反半日だけでも…。」との思いも諦めの境地に入っていた。そして船長の見解が、「朝は現地まで走れても実釣時間は9時頃まで、帰りは大波の中をゆっくりと帰るしかない。」だったため、中止を決意した次第だ。
 協議ついでに解禁してすぐの状況を聞いてみたが、「釣り辛くなるほどのブッ飛び潮が差す事があって、そんな日に当たるとサシエサが残るので、攻略には工夫が必要。」ということと、「大=1~1.1mクラスと、小=60cmクラスが混在して、同じところで釣れるから、油断ならない。」ということだったから、幸運にも解禁初期に釣行できる方は参考にしていただきたい。

 玄達瀬の過去のデータを確認してみると、巨マサ(ここでの基準は1.1m~1.3m級)と呼べるサイズが釣れる確率が高いのは6月いっぱいで、それ以降は例年であれば産卵&放精期の7月10日頃にかけて徐々に確率が下がっている。次回は7月初旬のため、ボク的にはまだチャンスは残っているが、確率的に高い(とは言っても「可能性がある」程度の問題だが…)初回の釣行を逃したのは痛いことこの上ない。実際に各斡旋店等の釣果欄を確認してみると、118cm、115cm、114cm、113cm、112cmが解禁5日間の上位5本で、他に道糸やハリスをブチ切られたり、根ズレを起こしたりでバラシてしまうことも例によって頻発していて、今期も巨マサの食いは順調のようだから、機会を逃した痛手はとてつもなく大きい。
 と、悔やんでみたが、「天気のことだから、どうしようもない。」のは当たり前の話。ブツブツ言い続けても埒があかないので、気持ちを切り替えることにしよう。
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「異釣種交流」の話

2016-06-18 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
 先日、久しぶりに磯釣り雑誌「磯釣りスペシャル」の編集を担当している、フィッシングブレーン社を訪問した際に、社長さん(H氏)と談笑していたのだが、その中で磯のグレ釣り界の重鎮である松田稔氏の、五島列島でのヒラマサ釣り取材時の話を伺った。この時、「水分を飛ばしたボイル・オキアミが水面に浮かんで帯状になった筋の中を、数匹の大マサ(90cm以上)が浮上し、背ビレを見せながら貪り食っていた。」のだそうだ。
 これは少し前の「タナ談義」で触れたことを、カメラで撮影していた御本人から詳しく聞いたモノだが、ふと思うことがあって更にヒラマサについて調べているうちに、とあるルアー系の解説にたどり着いた。以下はその内容だが、
「ヒラマサは小さなエサに対しては目の前に落ちて来た物にしか口を使わない。」が、「大型のエサに対してはその逆で、自ら浮上して積極的に口を使う。」のだそうだ。これは、そのエサが体力コストに見合う物かどうかをヒラマサが判断しているからだそうで、誘い出し等で表層におびき出す場合は、周りにいる小魚よりも大きめのルアーを使用する方が効果的なのだそうだ。
 そこから類推すると、ボイル・オキアミを貪り食ったのは、そこまでの浮上に見合うエサの量がそこにあるからに違いない。
 また、自分の目線より上のエサに反応し易いというところにも解説があって、口吻自体が上に向かって食い上げてエサを採るのに都合の良い形をしていることが、その裏付けになるのだそうだ。
 因みに、玄達瀬に向かう船長の殆どと、白石グリに向かう船長の一部は、客が使用するマキエサの量を気にするが、上述した理由から量が少なければ正比例してヒラマサの反応が少なくなることを理解しているからだと思う。

 マキエサの量に関してはボクにも思い当たることがある。それは実釣レポートで何度も書いたが、その日の実釣終盤時に、残ったマキエサを大量に撒くと、それに反応するヒラマサが居ることだ。以降についてはヒラマサに聞いたわけではないので、想像の範囲かも知れないが…。
 通常量のマキエサが流れ来る中において、潮況がベストであればその付近に居るヒラマサ達は浮上してマキエサを追う。これは「今日は食いが良かった。」と、誰もが感じる日で、フツーに好釣果を得る日だ。
 しかし、逆に潮況が思わしくなかったり、周りにライバルが少ない中では当然ながらヒラマサの活性はさほど上がらない。そんな状況下でヒラマサは、オキアミを「小さくて労力を使う気が起こらない対象」と判断していて、撒かれた一部が、目の前に落ちてきた場合のみに反応しているように思える。そんな日の釣れ方は、船上に居るボクらから見ると、ポツポツ程度~全くゼロまでの状態になるが、大量のオキアミ・シャワーが降り注ぐと、その瞬間に、「楽してボロ儲け。」と思うのか、ヤル気スイッチが急に入ってマキエサの中に浮上して活発に口を使うのだと思う。潮が完全に死んでいる場合は勿論ダメだが、見た目に活性が上がる程に動いていなくてもこの現象は起こる。
 不思議なのは、この現象が起こるのが、マヅメ時とは限らないことだ。残りエサを大量に撒くのは殆どがその日の終盤になるため、白石グリの場合はどうしてもタイミング的に夕刻になるが、鷹巣沖の朝便は、沖上がりが日中になるので、真っ昼間に起こっているのだ。

 今までは、「何となくそんな傾向がある。」とは感じてはいたが、現実は「残りエサ処分+α程度」の範囲でしかなかった。しかし、玄達瀬~鷹巣沖でお世話になる、晴海丸の船長はよく「ドカ撒き後の一発。」なんてことをよく話しているし、こうやって書き、まとめてみると、ただの傾向ではない、ヒラマサの持つ性質であるように思える。そうであるのなら、今後はそれを積極的に利用すれば、船釣りでも上述の五島列島の出来事の様にマキエサの中をヒラマサが乱舞して、「更なる1本がゲットできる日が来るかも」?。と思っている。


 話を戻すが、取材時に松田稔さんが使った仕掛のハリ周りが独特だった。これは青物やヒラメをノマセ釣り狙う際や、シマアジを狙う際に一部で使用している、孫バリ仕掛の応用だ。前側のハリが13号ならば、後ろ側のハリは11号と、2号下がりで、約1cmの間隔で連になっていて、1本目のハリが口切れで外れても、2本目の針が掛かることでバラシを防ぐように工夫されている。

●孫バリ仕掛●

 取材時の写真を見るとは両方のハリにボイル・オキアミを1匹ずつ装餌しているが、船釣りでは一般的な生の抱き合わせを2列でも装餌は可能だろう。


 ビジネスでも「異業種交流」は現状打破につながり、大きな飛躍のチャンスになることがあるが、釣りの場合も同じで、「異釣種交流」は大きなヒントになることがある。しかし、こういった試みは「誰がいつヤルか?。」が問題だ。乗合船で一人ボイル・オキアミを撒きまくると、ひんしゅくを買うかも知れないし、特に玄達瀬では、斡旋店のメニューにボイル・オキアミ自体がないので、ボクがやるとするのなら、来年の白石グリか、今年初めて訪問した柴山沖で船を仕立てた際に限られると思う。しかし、孫バリについては即対応可能なので、今期中に試してみたいと思う。果たしてその結果はどうなるのか…。
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激流に翻弄され…

2016-06-11 12:30:00 | 船釣り・釣行記
■超ブッ飛び潮■

 白石グリでの、春のヒラマサ狙いも最終段階に入り、このボクも今回で今期最終釣行となる。気合いを入れて臨んだが、事前の天気予報では東風となっていたし、日本海海洋センターの海流図では対馬暖流の分岐流が西から東へ、兵庫県北~経ヶ岬に沿って流れているように示されていたため、釣行前から最悪の「アンカー潮」を予想していた。
 いつもの日本海41に乗って白石グリを目指したが、途中海域でイルカが飛ぶ姿が見えたりで気分は暗の方へ暗の方へと沈んでいったが、11時の解禁時間を過ぎて無事アンカーリング。ライバル船も殆ど居ない状態で、この日の釣りがスタートした。
 ライバル船が居ないのは、「白石グリは潮流が速い」との情報が飛び交っていたためだったが、そんな中でもあえてここを目剤したのはギャンブル的要素もあった。しかし、コッチとしてもそれは十分承知の上だった。そして実際に船が定位した位置は風向に関係なく、船尾が潮下に向かっていたことからも、「相当に速い。」と覚悟した次第だ。
 マキエサを効かせた後に気合いを入れて、第一投。しかし、思った以上に速かった。何と100m流すのに2分50秒ほどしか掛からない、超ブッ飛び潮だったのだ。

●ブッ飛び潮の中●


 こんな時、マキエサの流れる層に仕掛けを合わせるのは至難の業だ。とりあえずオモリを打って強制的に沈める方法を採り、エサ盗りの層を探ったが、1.5号のオモリを打ってもサシエサは盗られない状況だった。
 経験から、完全フカセ釣りで2号オモリを入れて強制的に沈めてもエサを盗られない場合は、この釣りが成立しない状況だと判断し、もっとオモリを増やしてカゴを着けてみる等、別の方法を考えるが、何となく気配的に「それどころではない感」が漂っていたため、状況を見てたまりかねた船長の「冠島方面に移動しますか?。」との提案に、あっさり同意した。

■終日変わらず■

 移動した先は冠島周辺の大グリ辺りだった。

●大グリ周辺●


 しかしここでも速い潮が差していて、最初の内こそ「なんとかなりそうかも?」と思え、実際に「巻いたら着いていたイサギ」を2匹釣ったが、リールの回転でアタリを掴むことも出来ず、いつ食ったのかも判らない魚では次に繋がる手がかりにもならなかった。そんな矢先、自体は更に暗転し、流速がドンドン速まって、男女群島のような離島の磯釣りポイントでよく見られる鏡潮(海中の隆起にぶつかって沸き上がった潮が、まるで一枚の鏡を敷いたようになった状態)が発生するようになった。

●ブリブリに太っており、食えばウマそうだけれど…●


 そして最終段階には隣とのオマツリではなく、ボクの道糸単独で約40m分が絡んで団子になって上がってくる状況になるまでに至った。恐らくこれは、海中が洗濯機のような水流になっていたためだと思うが、これではもう釣りにならなかった。
 それを見た船長は最後の移動を決意し、冠島、大小島間の水道部にある中津神で竿出しすることになった。そこではやや落ち着いた流れとなっていたため、この日、初めて明確なアタリを連続して捉えたが、全てが「お土産物釣りの対象魚」であるイサギからのモノであり、全く感動を得られないまま、それが6本釣れた時点で日没の納竿時間を迎えてしまった。



■次回以降は中盤戦■

 これで2013年に白石グリでの「春ヒラマサ狙い」を本格再開して以来の“白石ヒラマサ・0カウント”のシーズンになってしまった。自身や各船のデータを振り返ってみても、年を追うごとに減ってきているこの時期の白石グリのヒラマサ釣果だけに、「いつかはそんな日が…。」と思っていたが、それが現実となってしまった今、やはりショックは大きい。釣行回数は例年より少なかったが、最終釣行以外では「自分もゲット」のチャンスがあったのは事実なので、ここでの反省を生かしつつ、次回以降は中盤の決戦ステージである、玄達瀬へ転進する。
 「エクストラ・ヘビータックルで、仕切り直しだ!。」
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“ヒラマサの回遊”の話

2016-06-04 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
 今回は大胆にもヒラマサの回遊についての話。もっとも、ボクが経験した中からの推測なので、熱心に通う釣り人もとっくの昔からそう感じていることかも知れないし、逆に、学者レベルでも毎日沖に出ている船長や漁師さんレベルの話ではないことを念頭に置いてから読んでいただければ有り難いのだが…。

■回遊組と居残り組■

 ブリ族の場合は近年の水温上昇で、北海道の噴火湾あたりまで回遊していると聞くが、「それよりも南方系のヒラマサの場合は何処までなのだろうか?。」と、調べてみると、何とブリ族(属とはあえて言わない)と同じで、北海道南部のショア・ジギングでも釣果があるという結果が出てビックリした次第だ。
 続いてヒラマサの産卵期について調べると、図鑑的な解説では5~8月とあった。オキアミエサで狙う完全フカセでの実釣時の感覚でもその通りで、経ヶ岬周辺では例年4月上旬頃に顔を見せ始め、ここでの大型クラスである80~100cmクラス、あるいはそれ以上のクラスの釣果が5月末~6月上旬頃まで続くが、これらは抱卵(精)しており、産卵がらみで浅場に上がってくる個体達だ。
 しかし、それらはどこから来ているのだろうか?。例えばブリ族を養殖する場合、東シナ海での産卵後に成長したモジャコと言われる稚魚を主に長崎県の五島列島周辺や、高知県沖で捕獲して畜養するそうだが、東シナ海産が全てで、そこから日本列島を大回遊するのではないと思うし、4月に京都府、経ヶ岬で釣ったブリが抱卵していたこともあったので、実感でも違うような気がする。流通量の多いブリでもそんな感じなのに、そうではないヒラマサについては、「これは!」という解説はなく、ついに掴むことは出来なかった。
 学術的なことは兎も角、釣り人側の確認だと、福井沖の玄達瀬では7月中旬まで抱卵(精)した個体が釣れ、それ以降は卵(白子)を落とした個体が釣れるようになるので、この瀬の周囲では確実に産卵(放精)しているように思える。しかし、京都府・経ヶ岬沖の白石グリのオキアミエサを使った釣りでは何故か産卵(放精)後の個体が殆ど釣れない。その理由はよく解らないが、もしかすると、この地に来る群れは産卵を機に食性が変わって、顕著にフィッシュイーター化するのかも知れないし、もしかすると、ここには産卵行為のために来るのではなく、産む一歩手前の状態での立ち寄りスポットで、例えば玄達瀬辺りまで移動してから産んでいるのかも知れない。

 「居る時は山盛り、居ない時は皆無=オール・オア・ナッシング」といった、あたかもバスツアーのいわゆる“団体さん”のように、まとまって大回遊するブリ族のとは違って、ヒラマサは回遊中に途中下車組が出る。その様子は、バスに乗り合わせてはいるが、行き先はまちまちで、気に入った場所があれば小グループでそこに棲み着いてしまうといった感じだ。逆に言えばそうやってドンドン群れから抜けて行くため、ブリ族と比較すると、中型以上の回遊量が減るのかも知れない。
 途中下車組の存在をハッキリと感じるのが福井県の玄達瀬と鷹巣沖だ。想像するに玄達瀬では居着きの超大型(最大1.3mクラス)が、卵巣なり精巣がある程度膨らんだ時点で周囲の深場から浅場に上がって荒食いを始めるのが第一段階。次いでレギュラークラス(85~95cmクラス)の回遊組がここにやって来る。そして気に入った個体同士がランデブーを始め、最終段階になるとに産卵&放精する。それが終われば一旦深場に落ちて体力の回復を待ち、そこから更なる回遊を始める組と居残る組とに別れるといった感じだ。そして、居残ったレギュラークラスが、翌年以降の超大型とその予備軍になるのだと思う。
 これが鷹巣沖だと例外的な年を除いて春に明確な回遊がある感じはしないので、秋に回遊する60~70cm台の中の居残り組が翌年以降に、ここでの最大魚=1m前後に成長するのだと想像している。ここでは秋の回遊組が入る前の、春~秋までの間に、数は出ないがオキアミエサで1mチョイ・クラスまでなら出るので、前年から居残っているとしか考えられないのだ。因みにヒラマサの成長速度を調べてみたが、ブリ族よりも早く「1年で40cm、2年で60cm、3年で80cm、4年で90cmに成長する。」のだそうだから、ボクの想像の裏付けになると思うのだが、どうだろうか…。

 釣れ方は回遊組と居残り組、それぞれに違って、ライバルが多くて先を争って食う必要がある回遊組は、ブリ族と変わらない釣れっぷりになることがある。は2013年秋、2014年春の、京都府・白石グリ周辺での釣果が典型例だが、例年春に京都府・中浜沖で何度か起こる“ヒラマサの数釣り”もその範疇に入る。但し、これらはサイズが小さく、春は60cm級が中心で、秋の回遊であってもせいぜい75cm前後までの場合が多い。
 例年ボクらが狙っている白石グリ周辺の良~大型ヒラマサも、上段で触れたように回遊してきているハズだが、釣れ方は居着き組と似ていて、「大胆に食うこともあれば、突然食い渋ったりもする、“ツンデレ”タイプ」だ。もっとも、似たタイプになるのは、サイズ的にどちらもサバイバル・レースを生き残った個体達であるから、当然のことかも知れないが…。
 以前は、「春の回遊組より居着き組の方がパワーある。」といった違い以外は、そんなに差異を意識せずに狙っていたが、最近では先頃の「タナ談義」から、「回遊組の方が居着き組よりもマキエサにつられて浮き易くなる。」とボクは意識するつもりでいる。

 こうやって書いてきても謎があるヒラマサの回遊だが、とにもかくにも春の回遊のメイン・ステージである、白石グリでは、シーズンの最終段階になっている。荒天や所用のため、月一ペースでの釣行になってしまったこともあって、ボクの釣果はゼロのまま、残るチャンスはあと1回のみとなった。モヤモヤ感を晴らすには、会心の1本が必要だが、その結果は明日の日没時には出ているハズだ。果たして…。
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