~その2より続く
■最初の一投■
ボクの場合は船長からの情報で「かなり浮いていそうだ。」と判断した場合を除き、ゴールデンウィーク頃迄ならポイント到着後の第一投は、サルカン上に潮受けウキゴム1個のニュートラル状態でセッティングしている。
次いで撒きエサを十分に効かせた後に仕掛を投入するが、投入した仕掛の先バリからサルカンまでがピンと伸びているのを確認してから送り出しを開始する。送り出す量は標準で20m、「見た目で今日は速そう。」と感じた場合は30m、逆の場合は10mとしている。
やがてリールの逆転が始まるが、ボクの場合は真下に落ちるドボン潮以外であれば、触らずそのまま放置し、とりあえずは想定地点まで流す。
その想定地点だが、「(アンカーで止めた位置から船長が想定した最短ポイントまでの距離)マイナス(10m)」としているが、それも船長の情報次第。決め手がない場合は、足元の水深の1.5倍としている。
想定地点に達すると、仕掛けの弛みを取るために一旦停止を行うが、この最初の1回は長めにとる。ボクの感覚では標準~やや速めの場合で30秒とる事が殆どで、潮流が遅ければ1分以上とる事もある。時間の計測は指折り数えるのはダメ。アタリがあった際に、その次の流しでもに同じ流しを再現しなくてはならないので、タイマー表示のある電動リールであっても、ストップウォッチで計るようにしている。
この釣りに慣れていなかったり、見た目で潮の遅速が判断出来ないうちは最初の一投で停止をさせずに100mまで流した時間を計測した方がイイと思うが、この場合はストップウォッチでの計測以外でも構わない。100mあたり5分を標準とし、それ以上か、それ以下で潮の遅速を判断する。
そして想定地点までの距離の、1.5倍迄流し終えたら一旦仕掛けを回収する。
■調整■
仕掛けを回収したら刺しエサの残り具合を確認するが、残っていれば「魚の浮上層まで届いていない」、逆ならば「深く入り過ぎた」と判断して、次の流し以降では以下の方法でアタリの出るタナを探って行く。
:刺しエサが盗られる=タナを上げるには:
→一旦停止する位置を手前にする(10m単位)
→一旦停止する時間を長くする(10~30秒単位)
→一旦停止する回数を増やす(20~50mごと)
→停止や巻き戻しの後、リールのメカニカルブレーキを絞る
→送り出し量を10m単位で短くする(最少は0)
送り出し量は潮流の流速に合わせるのが基本としているので、タナを上げて行く調整に使う際は最後に行う。優先するのは最初に一旦停止をする位置を手前にする事と、その時間の延長になる。
停止ではなく、リールでの巻き戻しパターンを組む場合も、停止パターンと同様に「位置を手前にする」、「巻き上げ距離を長くする(5~30mの間)」、「一流しあたりで巻き戻す回数を増やす」等の加減でヒットポイントを探ってゆく。
また、リールのメカニカルブレーキを絞る場合はフリー回転時の80~50%の範囲で抑制し、上層を狙うのなら、より絞りをきつくして行く。
どちらかと言えば、潮流が速めの場合は一旦停止、遅めの場合は巻き戻しが有効な傾向にあり、メカニカルブレーキ調整はどちらでも使えるが、複数を組み合わせてアレンジする事も多い。
以上の策を施してもまだ刺しエサが盗られるなら
→発砲ウキの7番を挿入して上記の作業を繰り返す
次いで刺しエサが残ったら
→発砲ウキを6番に下げて上記の作業を繰り返す
逆に刺しエサが盗られたら
→発砲ウキを8番手に上げて上記の作業を繰り返す
以後は発泡ウキでの浮力調整は越前方式と同様に、「盗られれば浮力を増やし、盗られなければ浮力を減らす」を続けるが、昔のようにただ流すのではなく、止めや巻き戻しを組み込んだ方が遥かにアタリの出る確率が上がる。
:刺しエサが残る=タナを下げるには:
→送り出しの距離を20m単位で長くする(最大は50mほど)
→一旦停止させる位置を先に伸ばす(20m単位)
→一旦停止する時間を短くする(10秒単位)
→サルカン付近にガン玉を打つ(G2~4B、最大3号程度まで)
巻き戻しで組んだ場合も当然、「位置を先にする」、「巻き上げ距離を短くする」、「一流しあたりに巻き戻す回数を減らす」で調整する。
尚、初めからチビチビと細かく変化させていては非効率的なので、「最初は大胆に、後に細かく」調整する方がイイ。
また、
:潮がほとんど動いていなければ:
→送り出しは5~10m
→水深の半分で停止(10~30秒)
→以後10mごとに停止
もしくは20mごとに5m巻き戻し
というパターンを組む。
回収後、刺しエサが残っていれば、停止距離を先に延ばしたり、停止回数を減らしたり、巻き戻し回数を減らす等で対応し、反対ににサシエサが残ってない場合はその逆パターンにする。別パターンとして、一定の距離(例=水深の1/3)迄ラインを出したら、止めたままで待つ方法が有効な時もあるが、この場合、止める時間を計ってその長短と、止める位置の調整でタナを探る。
■まとめ&裏?ワザ■
ボクの場合は1本掛かって取り込んだ後、次の、2回目の流しでアタらなければ3回目は刺しエサの残り具合を参考に仕掛のセッティングなり、流し方を変更している。これに関しては、「同じことをするのは2回目まで!、3回目は違う事をする!」が、グレのフカセ釣りでは鉄則なので、それが染みついているから当たり前に実行しているが、慣れない人にとっては読んだだけでウンザリする内容かも知れない。
だが「止めパターン」、「巻き戻しパターン」、「リールのメカニカルブレーキ調整」の内、どれか一つを採用するだけで「何もしない」より得る魚が増える事を理解しておいて欲しい。実際に、どれか一つを試した時点でアタリが出た経験がボクには何度もあるのがその裏付けとなるだろう。
しかし、それでも面倒に思える人に、一番ズボラな方法をお伝えしよう。それは「多層潮あるある」の一つの、「リールを巻いてみたら付いていた。」を利用する方法だ。
「巻き上げ途中で重みが乗って、電動リールの巻き上げ音が変わった」が自分や周囲に起こったら、その距離をすぐ確認して、次の流しではその10m手前でリールの回転を指で押さえて止めて(サミングして)、リールのタイマーなり、腕時計なりを利用して潮の遅速に合わせて20~40秒カウントした後、再び流してみる。もしくは同位置でリールのクラッチを入れて手巻きで10~20m巻き戻してみる。このどちらかを実行するだけでアタる魚の数が増えるのだ。
例えばヒラマサ狙いで「アタリが判らず、先に走られてバラシ連発」、マダイ狙いで「ハリ外れ連発」なんて事が釣果欄に記されているのを見かけるが、「せっかく魚がタナを教えてくれているのに…。」、「ただその10m手前で仕掛けを張るだけでイイのに…。」と、ボクはいつも思っている。
以上、3回にわたって長々と書いてきたが、要は「とにかく近年の完全フカセ釣りは張らないと釣果が減る」と意識する事が大事なのだ。
■最初の一投■
ボクの場合は船長からの情報で「かなり浮いていそうだ。」と判断した場合を除き、ゴールデンウィーク頃迄ならポイント到着後の第一投は、サルカン上に潮受けウキゴム1個のニュートラル状態でセッティングしている。
次いで撒きエサを十分に効かせた後に仕掛を投入するが、投入した仕掛の先バリからサルカンまでがピンと伸びているのを確認してから送り出しを開始する。送り出す量は標準で20m、「見た目で今日は速そう。」と感じた場合は30m、逆の場合は10mとしている。
やがてリールの逆転が始まるが、ボクの場合は真下に落ちるドボン潮以外であれば、触らずそのまま放置し、とりあえずは想定地点まで流す。
その想定地点だが、「(アンカーで止めた位置から船長が想定した最短ポイントまでの距離)マイナス(10m)」としているが、それも船長の情報次第。決め手がない場合は、足元の水深の1.5倍としている。
想定地点に達すると、仕掛けの弛みを取るために一旦停止を行うが、この最初の1回は長めにとる。ボクの感覚では標準~やや速めの場合で30秒とる事が殆どで、潮流が遅ければ1分以上とる事もある。時間の計測は指折り数えるのはダメ。アタリがあった際に、その次の流しでもに同じ流しを再現しなくてはならないので、タイマー表示のある電動リールであっても、ストップウォッチで計るようにしている。
●ボクにとっては必須のストップウォッチ●
この釣りに慣れていなかったり、見た目で潮の遅速が判断出来ないうちは最初の一投で停止をさせずに100mまで流した時間を計測した方がイイと思うが、この場合はストップウォッチでの計測以外でも構わない。100mあたり5分を標準とし、それ以上か、それ以下で潮の遅速を判断する。
そして想定地点までの距離の、1.5倍迄流し終えたら一旦仕掛けを回収する。
■調整■
仕掛けを回収したら刺しエサの残り具合を確認するが、残っていれば「魚の浮上層まで届いていない」、逆ならば「深く入り過ぎた」と判断して、次の流し以降では以下の方法でアタリの出るタナを探って行く。
:刺しエサが盗られる=タナを上げるには:
→一旦停止する位置を手前にする(10m単位)
→一旦停止する時間を長くする(10~30秒単位)
→一旦停止する回数を増やす(20~50mごと)
→停止や巻き戻しの後、リールのメカニカルブレーキを絞る
→送り出し量を10m単位で短くする(最少は0)
送り出し量は潮流の流速に合わせるのが基本としているので、タナを上げて行く調整に使う際は最後に行う。優先するのは最初に一旦停止をする位置を手前にする事と、その時間の延長になる。
停止ではなく、リールでの巻き戻しパターンを組む場合も、停止パターンと同様に「位置を手前にする」、「巻き上げ距離を長くする(5~30mの間)」、「一流しあたりで巻き戻す回数を増やす」等の加減でヒットポイントを探ってゆく。
また、リールのメカニカルブレーキを絞る場合はフリー回転時の80~50%の範囲で抑制し、上層を狙うのなら、より絞りをきつくして行く。
どちらかと言えば、潮流が速めの場合は一旦停止、遅めの場合は巻き戻しが有効な傾向にあり、メカニカルブレーキ調整はどちらでも使えるが、複数を組み合わせてアレンジする事も多い。
以上の策を施してもまだ刺しエサが盗られるなら
→発砲ウキの7番を挿入して上記の作業を繰り返す
次いで刺しエサが残ったら
→発砲ウキを6番に下げて上記の作業を繰り返す
逆に刺しエサが盗られたら
→発砲ウキを8番手に上げて上記の作業を繰り返す
以後は発泡ウキでの浮力調整は越前方式と同様に、「盗られれば浮力を増やし、盗られなければ浮力を減らす」を続けるが、昔のようにただ流すのではなく、止めや巻き戻しを組み込んだ方が遥かにアタリの出る確率が上がる。
:刺しエサが残る=タナを下げるには:
→送り出しの距離を20m単位で長くする(最大は50mほど)
→一旦停止させる位置を先に伸ばす(20m単位)
→一旦停止する時間を短くする(10秒単位)
→サルカン付近にガン玉を打つ(G2~4B、最大3号程度まで)
巻き戻しで組んだ場合も当然、「位置を先にする」、「巻き上げ距離を短くする」、「一流しあたりに巻き戻す回数を減らす」で調整する。
尚、初めからチビチビと細かく変化させていては非効率的なので、「最初は大胆に、後に細かく」調整する方がイイ。
また、
:潮がほとんど動いていなければ:
→送り出しは5~10m
→水深の半分で停止(10~30秒)
→以後10mごとに停止
もしくは20mごとに5m巻き戻し
というパターンを組む。
回収後、刺しエサが残っていれば、停止距離を先に延ばしたり、停止回数を減らしたり、巻き戻し回数を減らす等で対応し、反対ににサシエサが残ってない場合はその逆パターンにする。別パターンとして、一定の距離(例=水深の1/3)迄ラインを出したら、止めたままで待つ方法が有効な時もあるが、この場合、止める時間を計ってその長短と、止める位置の調整でタナを探る。
■まとめ&裏?ワザ■
ボクの場合は1本掛かって取り込んだ後、次の、2回目の流しでアタらなければ3回目は刺しエサの残り具合を参考に仕掛のセッティングなり、流し方を変更している。これに関しては、「同じことをするのは2回目まで!、3回目は違う事をする!」が、グレのフカセ釣りでは鉄則なので、それが染みついているから当たり前に実行しているが、慣れない人にとっては読んだだけでウンザリする内容かも知れない。
だが「止めパターン」、「巻き戻しパターン」、「リールのメカニカルブレーキ調整」の内、どれか一つを採用するだけで「何もしない」より得る魚が増える事を理解しておいて欲しい。実際に、どれか一つを試した時点でアタリが出た経験がボクには何度もあるのがその裏付けとなるだろう。
しかし、それでも面倒に思える人に、一番ズボラな方法をお伝えしよう。それは「多層潮あるある」の一つの、「リールを巻いてみたら付いていた。」を利用する方法だ。
「巻き上げ途中で重みが乗って、電動リールの巻き上げ音が変わった」が自分や周囲に起こったら、その距離をすぐ確認して、次の流しではその10m手前でリールの回転を指で押さえて止めて(サミングして)、リールのタイマーなり、腕時計なりを利用して潮の遅速に合わせて20~40秒カウントした後、再び流してみる。もしくは同位置でリールのクラッチを入れて手巻きで10~20m巻き戻してみる。このどちらかを実行するだけでアタる魚の数が増えるのだ。
例えばヒラマサ狙いで「アタリが判らず、先に走られてバラシ連発」、マダイ狙いで「ハリ外れ連発」なんて事が釣果欄に記されているのを見かけるが、「せっかく魚がタナを教えてくれているのに…。」、「ただその10m手前で仕掛けを張るだけでイイのに…。」と、ボクはいつも思っている。
以上、3回にわたって長々と書いてきたが、要は「とにかく近年の完全フカセ釣りは張らないと釣果が減る」と意識する事が大事なのだ。