中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

’15 玄達釣行 ~3回目

2015-07-25 12:30:00 | 船釣り・釣行記
■最良の潮?■

 これで三度目の玄達瀬釣行。今回も信頼する晴海丸さんに乗って、一路玄達瀬へ。
 到着すると5分で100mほど糸が出る、流速的には最良の潮が流れていた。そうであっても底潮が動いていなければ難しい展開になることもあるが、割と素直な感じがあって、スタート時点では乗船者全員が意識の中で「今日は行けるかも。」と安堵していたと思う。ただし、方向が南東から来ていたことだけが気になっていたが…。
 しかし、そんな不安が吹き飛ぶかのように、船位を少し修正した後の2投目、早くもボクのラインが走った。

●朝陽を浴びて曲がる竿●

 そこそこの引きを味わいながらマダイをゲットする。

●60cmチョイのマダイ●

 幸先良いスタートから、「今日こそはイケルかも?」と思い、次の流し以降も期待を込めていたのだが、不思議なことに船上の全員の仕掛からエサがほとんど盗られなくなった。その様子から、「さては大ヒラマサの来襲でエサ盗り達が散ったのか?。」とぬか喜びしたのも束の間、期待に反してミヨシで大型のマダイが1枚上がったのみで、その後はヒラマサの来襲は勿論のこと、船上の全員に何事も起こらない展開になった。


■そしてアンカー潮に■

 何も得られないままに時間が過ぎ、気付けば潮が緩んで海からの生命感すらあまり感じられなくなっていったが、潮に乗っていた船が風に負けて、船首方向に流れる“アンカー潮”になってしまった。それを受けてついに船長が移動を決意した。
 この日、ジャンケンに勝ったボクは運良くトモに座っていたが、この潮では逆の潮上になってオマツリすることも多くなったため、久しぶりに長竿を出して対応した。

●久しぶりの長竿(3.9m)●

 こういった長い竿を持っているとオマツリ回避に役立つが、ボク以外に持参している釣り人を見かけることは殆ど無い。乗合船では誰もが潮上になる可能性があるため、持っておいた方が良いのだが、今やこのタイプの竿は絶版になっいていることが惜しまれる。

 移動した後の数投目、左隣で大きく竿が曲がった。
 引きからして青物に間違いなく、それも船下に来てからのツッ込みから、ヒラマサだと想像できた。

●真下へ突っ込む様子は…●

 上がってきたのは、中型のヒラマサ+メジロのダブルだった。

●無事にネットイン●

 ダブル食いから、時合いが期待されたが、これまた1チャンスのみで、後に続く魚は無かった。


■ようやく…■

 あまりにアタらないので、船長はまたもや移動を決意する。
 移動した先ではアンカー潮が解消されていたので、釣り易くはなったが、ここまでの傾向から、「1ポイント1チャンス」という展開になることは想像できた。
 「次にアタるのは誰なのか?」と、くじ引きを待つような心境で待っていたが、運良く次はボクの番だった。
 久しぶりに見る、「ブシューッ!」と音を立てて逆転するリールのスプールを指で押さえた瞬間は、いつもながらにドキドキとする。そしてアワセを入れて、やり取りに入ってゆく。

●「長竿が曲がる」の図●

 引き具合からして、超大型ではなさそうだが、油断は禁物。特に足下に来てからは注意深く対処する。しかし、期待された足下でのバトルでも大化けはなく、エクストラ・ヘビータックルの敵ではなかった。そして、無事にネットイン!。

●88cmのヒラマサ●

 やっとのヒラマサは、この上ない喜びを招いてくれたが、またもや予想通りだった。散々期待を裏切った“時合い到来”は、この魚の後にもなく、ポッと灯ったと思われた火はボヤ的にすぐに消えてしまった。

■ダレる展開■

 そして、最後の移動。これまで移動直後の数投目以内で食ってきた傾向から期待されたが、最後のポイントでは全くその気配はなく、迫り来るタイムリミットとの関係から、正直言ってボクの心はダレていた。
 そんな中、とうとうラスト一投になってしまったが、ついに左隣の釣り人がアタリを捉えることに成功した。ボクは自身の釣りに反映させるため、時折周りの仕掛や釣り方をチラ見するのだが、この最後の流しで左隣は、道糸の送りを時々止めて流していたようだ。

●92cmのヒラマサが竿を曲げる●

 そういった作戦が当たってゲットする感覚はタマラナイものだが、ボクにはもうそれを味わう時間もなく、お手上げのままでこの日の釣りが終わってしまった。


■残り僅か■

 翌日は一転して3人で78~93cmを13本という釣果が出ているので、ボクは今シーズン、「ヒラマサの活性が上がらず、目の前に落ちてきたエサだけに口を使う」ような日ばかりに当たっているようだ。
 今後の展開に関しては、もう神頼みの領域に入っていて、目標だった「1m30cmをゲット!」は遙か彼方に遠退いてしまったが、残りの釣行では、せめて自分の意図した作戦が当たるという、気持ちのイイ展開を望むばかりだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

完全フカセ色々 ~タナとりの話 その1

2015-07-18 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
■肝心要のタナ取り■

 船からの完全フカセ釣りで、一番大切な部分。それは本命魚がエサを拾うタナへハリの付いたサシエサを届けること=タナとりだ。それは誰にでも解ることだと思うが、その方法には色々あって我々を悩ませる。
 タナとりの方法は、各地で細かにスタイルが違うようだが、ボクが知るのは、福井県鷹巣&玄達方式(以下福井方式)、京都府経ヶ岬沖&冠島方式(以下、舞鶴方式)、そして京都府間人方式(以下間人方式)の3つだ。もっとも、3箇所は隣り合わせの海域のため、明確に分かれているわけではないので、“そこでの主流派”と捉えて於いて欲しいが、その中で、福井県鷹巣&玄達方式がボクにとっては一番解り易く、合理的な方法だと思っている。

 タナとりについての説明は難しいが、福井方式を中心にタナとりを行っているボクから見た、他の地域方式の欠点なんかに触れつつ、何故ボクが「一番解り易く、合理的な方法」だと思うのかを、以下に記してゆこうと思う。


■タナとりの実際■

 タナとりを行う際に目安となるのが、エサの盗られ具合だ。つまりは、ハリに付いたサシエサが盗られれば、より上層を狙い、残れば、より下層を狙うということで探りを入れ、「残るか、盗られるのギリギリのライン」を狙うのが良しとされている。これは天秤ズボ釣りであっても、磯のグレ釣りであっても同じであり、狙うタナを探るための根拠になっていて、これが基本中の基本ということになる。これは、「本命魚がエサ盗りの層を突き破って上層を流れるエサを採る」という習性を利用したモノで、特にマダイ狙いではこの理屈がピッタリと当てはまることが多い。また、ヒラマサなどの青物も同じ理屈が当てはまるが、これらの場合は自身が食われることを恐れてエサ盗りが散ってしまうことが多く、それまで盗られたり残ったりしていたサシエサが、急に完全に残りだした時が、その回遊の知らせになることが多い。
 では、実際に「どうやってタナをとるのか?」だが、これには少々の小道具を揃えて、それぞれを使いこなす必要がある。

●現場に持ち込む小道具●

 小道具の使う目的は大まかに「沈めるため」、「浮かせるため」「潮を受けるため」の3つになるが、まずは「沈めるため」に使用する物から。

■オモリ系■

 舞鶴辺りの船に乗り合わせていると、道糸とハリスの連結部に付いているサルカンの数を増減したり、サイズの大小を交換している光景を目にすることが多い。それは仕掛の重みの増減で仕掛を入り具合を調整しているのだとは思うが、福井方式ではガン玉の数やオモリのサイズで調節していることが多い。
 浮力調整のキビシイ磯釣りのグレ釣りでの要求から、最近のガン玉は重さの表示がされている物が多いため、材質の違いや構造の違いで比重にバラツキのあるサルカンを使用するよりも、ガン玉を打った方が精度が上がるように思える。ガン玉の重さ基準は各社で少しバラツキがあるので、同一メーカーの物を揃えた方が良いが、標準的な重さはガン玉B=0.55g、同G3=0.25g、丸玉0.5号=1.87g、同1号=3.75gとなっている。
 因みに今から20年程前、この釣りの初心者だった頃に鷹巣沖の船長から教えてもらったのは、ハリス8号までに使うサルカンは、インターロック付きローリングスイベル5号のみを使用し、それを基準にしてガン玉等のオモリを打っていくことで沈み具合を調整するという方式だったが、このようにサルカンはハリスの強度に合わせた一手に固定しておいた方が迷いが無くなるので、オススメだ。
 揃えるガン玉は、サイズBと、その約半分の重さのG3あたりを持っていれば事足りるはずで、後はその数の多少や組み合わせで対処すればイイ。ガン玉を選ぶ際にはゴム貼りタイプがベストだが、これだとハリスに滑らずピッタリと固定できるし、外す際にも爪が入れて開き易い構造になった物が殆どなので便利だ。

●Bサイズのゴム貼りガン玉●

 現場では、サルカン1個のみの状態でもエサが盗られずに残ったら、とりあえずガン玉Bを1つ打って様子を伺い、ここで盗られたらガン玉G3に、それでも残ればBを2個にといった具合に微調整を繰り返す。普通に流れる潮であれば、徐々に増やしてゆくこのパターンでOKだが、激流時など、仕掛を更に沈ませたい場合は号数表示の0.5~1号程度までの丸玉オモリをサルカンの上部=道糸側に入れて強制的に沈めるようにしている。
 ただし、ボクの場合は、1号でもエサが盗られない場合は、激流のためにマキエサの流れる層とサシエサが流れる層が大きく違っていると考え、石鯛用の小さな天秤を装着して、ナイロンカゴにマキエサを詰めて流すことも試す場合がある。

●石鯛用の小型天秤と1号オモリ●


■次回は「浮力を付ける」から■

 ここまでは、サルカンの数で重みを増すか、オモリの数や大きさで重みを増すかの違い程度で、標準状態=サルカン1個だけを付けた状態からの、マイナス方向へのアプローチが狙いであること自体は変わらないが、それとは逆の、標準状態からプラス方向へ積極的アプローチするのが、福井方式の特徴であり、一番のメリットだとボクは考えている。次回はそれを説明してゆく。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

’15 玄達釣行 ~2回目

2015-07-11 12:30:00 | 船釣り・釣行記
■今年の傾向■

 今年はブチ切られ続出で、超大型のゲット率が下がっている玄達瀬のヒラマサだが、今回で二度目の挑戦となって、少し傾向が掴めてきた。とは言っても、ボクは科学者でもないし、漁師でもないので、一釣り人としての推測だが…。
 気象庁の日本海海洋気象センター
http://www.jma-net.go.jp/jsmarine/
では、ホームページ内で日本海の、海流の診断を行っている。その6月下旬版には、「東経135度付近にある冷水域に沿って反時計回りに回る流れと、能登半島沖にある暖水域に沿って時計回りに回る流れが発生している。」との見解が出ている。
 同ホームページ内の海流図を見ても診断通り、その影響で山陰湾~能登半島沖にかけては蛇行などが起こっていて、玄達瀬周辺もその影響を受けていることが確認できるし、更に絶好調だった昨年のデータを検索して比較すれば、本潮と呼ばれる西からダイレクトに差す流れが殆ど発生していないことが確認できる。
 実際に現場ではデータ通りであり、フラフラとした流れになったり、二枚潮やそれ以上の複雑な流れとなって、釣り人の勘を狂わせているように思う。
 これまた恐らくだが、この海流の影響はヒラマサの供給量の差にも繋がっているようで、昨年のように群れで供給されている魚が連発するという釣れ方があまりなく、居着きっぽい個体、もしくは小さな群れの一部が単発で釣れているような感覚がある。
 釣れてくるヒラマサのサイズに70cm台は殆ど無く、来れば80cm級以上で、アタリの中にはメーター20~30cmクラスが混じっているようだが、単発のアタリの中、いつ来るか予想もできない巨マサクラスに対して緊張感を持ち続けることはかなり厳しく、前回説明した遅い流れの影響もあって、今年はゲット率がかなり下がっているように思う。

 と、タラタラ不満を漏らして家に籠もったところで、絶対に釣れないので、今回も、いつもの晴海丸さんに乗り込んで、玄達瀬へと向かった。

●今回もお世話になった晴海丸さん●


■マシな潮■

 現地に到着すると、開始早々は緩い流れであったが、前回釣行時よりも感覚的にはマシな状況に思えた。今回はリールを大型回遊魚対応のモノにグレードアップし、「絶対に獲る!」の気合いの下での挑戦だ。果たしてコイツがうなりを上げて逆転するのだろうか?。

●新調したリールで130cmクラスのゲットを狙う(つもり)●

 今回は乗合船での乗船だったため、乗り合わせた人達はバラバラの地方から集まり、バラバラのタックルを使用していた。ボクの右隣の名古屋の釣り人ははミディアムクラス、ボクの左隣の長野県松本市の釣り人はヘビークラス、そして兵庫県西宮市のボクがエクストラ・ヘビータックルといった具合で、それぞれに流れ具合が違うため、アプローチも違う。果たして結果はどうなるのだろうか…。


■三枚潮?■

 実釣開始直後こそ遅かった潮の流れだったが、徐々に流速を上げてゆき、それと共にテンションが上がっていったが、そんな矢先に、右隣のミディアム・タックルをアタリが急襲した。どうやら相手はヒラマサらしく、ここから懸命のやり取りが始まった。しかし、リールの巻き取り力が足らないために、かなりの時間を要しているようで、横目で見ながらも「やばいかな?」と思っていた。それでも何とか船長が手で道糸を引き抜くという補助が功を奏して船下近くまで詰めるまでに至ったが、根ズレを起こした上に再三の締め込みで弱ったハリスが限界に達していたようで、残念ながら船下での締め込みでアウトとなった。

●懸命のやり取りだったが…●

 その後は全員がマダイやグレ、イシダイといった魚をポツポツと拾っていったが、時合い感を感じることはないままに時間だけが過ぎ、当然、本命のヒラマサのアタリは途絶えていた。不思議なのは、左隣ではウマズラハゲが連発しているというのに、ボクのエサが残りっぱなしになっていたことだ。これは恐らく上層が遅く、中間層が速く、最後の低層が遅い三枚潮になっていたためだと思うが、それに気付くのはまだ先のことで、この時点では、攻めるタナがそれぞれに違っていることが原因だと思っていた。
 そんな中、ボクのリールが「ビューンッ!」ではなく、「スルスルッ、スルスルッ」と出ていった。「エサ取りか?」と思いつつ、アワセを入れるが、糸フケが出ているようで、それが効かない。そこでかなり巻き込んでからの“巻きアワせ”を入れ、やり取りを開始する。どうやら相手は本命魚のように思えた。

●心地よく曲がる、エクストラ・ヘビータックル●

 引き具合からサイズを想像すると、80~90cmクラスのようで、引きが心地良い。勿論、ボクのタックルに引き合うようなサイズではないが、地形から根ズレする確率が高く、また、昨年のように足下に来てから豹変するヤツもいるので、大胆且つ慎重にやり取りを行う。
 しかし、船下の攻防で期待した下方向への締め込みはなく、それどころか仕掛を掴む直前あたりでは横方向に走り始めた。その様子から「ハハ~ン。」と想像が付いた。正体はブリとようやく呼べる程度のサイズの、メジロのお兄さんだった。

●88cmだけど…●

 この魚のアタリの出具合から、上述の三枚潮を確信したが、さてさて、対策はどうとればイイのか、思案のしどころだった。


■あて無き仕掛いじりの結果■

 まずは、セオリー通りの「エサが盗られたら、タナを上げ、残ったらタナを下げる」をもう少し細かくかつ頻繁に繰り返してみた。しかし、マダイがポツポツとアタるのみで、明確に「ここだ!」と確信を持てるようなタナは見つからないままだった。

●マダイは釣れるものの…●

 次は「底潮に早く馴染ませて、手前に出て来ているかも知れないヤツを狙おう」との考えの下、ガン玉Bを打つ量を徐々に増やしていき、やや仕掛を張り気味に流すことを意識してみた。しかし、殆ど全てでエサが盗られて何も得られないままに、この方法も断念し、元の「微調整を繰り返す」方法に戻すことにした。この間、右隣では83cmのヒラマサをゲットしたというのに…。

 そして早くも夕マヅメ。残り時間からすると、あと5投でラストを迎えそうな頃、今度は左隣の竿が大きく曲がった。

●ようやくのアタリ!●

 引き具合を見ればこれまたヒラマサのようで、羨ましい限りだ。

●これが欲しいのに…●


●松本市の上條さんもゲット!●


 結局、ボク一人が取り残され、焦りに焦ったが、何度調整してもエサが殆ど残る状況は変わらず、失意のままにこの日の釣りが終わった。

●左がボクの釣果だけど…●



■まだまだチャレンジは続く■

 この日を振り返ってみよう。
 ヒラマサのアタリが3回あった右隣(道糸7号、ハリス10号+よく回るリ-ル)は、終始発泡ウキ7番を一つだけ付けた仕掛で一日を押し通したようだが、潮の強弱でエサが盗られたり、残ったりを繰り返していたようだ。そして左隣(道糸10号、ハリス10号+そこそこ回るリール)は底潮に入りやすかったのか、エサが盗られたり、ウマズラハゲが掛かる確率が一番高かった。そしてボク(道糸10号、ハリス12号+調整不足で回らなかったリール)は中層に入る確率が高かったようで、エサが残る確率が一番高かった。
 しかしマダイがアタッた数においては全員がほぼ同じだったことが不思議だった。ただし左隣はハリ外れすることが多かったようで、これは上述した“三枚潮の影響”で、糸フケが多く出ていたためにアワセが効かなかった結果だと思う。逆の右隣は中層と低層を行ったり来たりしながら“そこにやって来る魚待ち”の状況だったようだ。そして中層メインに流れていたボクの仕掛には、たまに活性が上向いて食い上がったマダイがハリ掛かりしたようだった。
 肝心のヒラマサは、マキエサにつられて食い上がってくるような感じは殆どはなく、何かの条件でスイッチが入った瞬間にだけマダイ達の中に入ってエサを拾うようだった。つまりはマダイが釣れている以上、全員にチャンスはあったワケだが、気まぐれなヒラマサを相手に仕掛をタイミング良く流して狙い撃ちするワザがボクの頭の引き出しに収納されていなかったための、ヒラマサ・ボーズだった。(て言うか、そんな方法あるの?)
 更に言えば、この状況は今春の京都府下の白石グリでも時折感じていた“ヒラマサの活性感”で、これも最上段で触れたように本潮が差してこない影響だと思う。

 と、まぁ、言い訳を書くのはここ迄にしておく。悔しさばかりが残る釣行が続いているが、今年はまだ前半戦を終えたばかりだ。これから先もチャレンジし続ける予定なので、まだ「目指せ130cm級!」の看板を降ろしてはいない。果たして後半にドラマが待ち構えているのだろうか…?。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

完全フカセ色々 ~仕掛の話

2015-07-04 12:30:00 | 船釣りタックル&仕掛、戦略他
■仕掛色々■

 完全フカセに使用する仕掛については、先バリを結んだその反対側にサルカンがあって、その中間に枝バリが出ているのが基本形だ。
 だが、基本形は同じであっても、僕が通う福井側の鷹巣沖&玄達瀬と、京都府側の経ヶ岬&冠島には地域差があって、福井側はハリ数か少なく、全長は短く、号数は太いが、京都府側はその逆の傾向がある。
 具体的には、マダイを狙う場合であれば、京都府側では5号ハリスを使った全長21mの3本バリをセットする人を時折見かけるが、福井県側で乗り合わせた人にそんな長仕掛をセットする人を見たことはなく、6号ハリスがメインで、たとえ3本バリであっても全長が短い。
 長仕掛のメリットを考えてみると「長い分だけ強度が上がる」、「潮に対する馴染みがよい」、「3本バリにした場合、間隔が広くとれるので、広範囲を探れ、場合によってはダブル・トリプルが狙える」あたりだと思うが、逆にデメリットは「ヒラマサやメダイなど船際でも走る魚との攻防の際に邪魔になる(と言うか、危険な場合もある)」「1本あたりのコストが高い」「オマツリ時にほどきにくい」あたりになる。
 それぞれを書き出してみると、メリットは食わせる面に現れて、デメリットは取り込みや手返しに影響するように思える。しかし、メリットに思える部分は長仕掛でしか得られないことなのだろうか?。ボクが考え、経験した中ではそれは「否(いな)」だった。


■弱点を補えば■

 ボクの場合は、完全フカセ釣りで使用する仕掛は全て6mの2本バリに統一している。号数は、殆どマダイしか出ないとの判断があれば、6号、少しでもヒラマサやメダイが出る可能性がある場合は7号、ヒラマサがメインでも最大でメーターは越えない状況であれば8号、そして玄達瀬では12号と、対象魚によって使い分けている。従って今期の、春から初夏までの京都府下の釣りだと、3月いっぱいまでは7号ハリス、4月初旬~5月の連休頃は8号ハリス、5月中旬以降は再び7号ハリスを使用していたのだ。ボクの仕掛は回りの人達より1ランク太いハリス設定だと思うし、京都府下の乗合船では全長が短い部類だ。しかしながらこのような仕掛でも竿頭になることが度々あったし、たとえ貧果であっても、その原因は別にあると判断しているため、太さが原因で釣り負けた記憶はない。
 結局、長仕掛の、第一のメリットである、長さによる強度の違いについては、短くても1ランク太いハリスを使用することでその差をカバーできるとボクは思っている。

●全てが全長6mの自作仕掛●
 
 では、潮に対する馴染みはどうなのだろうか?。完全フカセ釣りでは流し始める第1段階で、潮に馴染ませるために、直接道糸を手で手繰り、リールから強制的に道糸を引き出すことで潮乗りを助長させる「送り出し」を行うが、もし長い仕掛を使っている釣り人の方に釣果が偏っているのであれば、この量を増やすことで初期の馴染みをカバーできるとボクは考えているので、簡単に解決できるが、更にここで一考するべき点がある。
 船釣りよりも難しく繊細な磯からのグレ釣りでは、ハリスにオモリを打つ場合、潮に馴染む範囲で針先から離れた位置に最小限を打った方が食いが良いとされている。これを船からの完全フカセ釣りに当てはめてみると、サルカンからの距離が離れる長仕掛の方が有利に思える。しかし、ここで多くの人が利用している市販の仕掛を確認して欲しい。それにはかなり大きいスナップ付きサルカンが付いているハズだ。これまたグレ釣りの話で恐縮だが、(例外はあるが)重いオモリ程ハリから離した方が良く、逆に軽い程ハリの近くに打っても食いに影響しないと言われている。この考えを元にボクは、短めの仕掛であっても、小さなサルカンを使用することで、その影響を最小にしているつもりだ。余談を言えば、サルカンの効能は仕掛のヨリをを取ることが第一だと思うが、であるのなら、少しでもよく回ってくれた方が効果は大きいハズなので、ボクの場合はスナップ無しのボールベアリング入りサルカンの0号サイズをハリス8号までの釣りに、ハリス10号以上では2号サイズを使用している。スナップ無しなのは少しでも軽くしたいためで、浮力調整等の際には、いちいち結び直す必要はあるが、一番負荷の掛かる結び目を結び直すことは、強度アップの面でも効果が高いので、苦にはならない(と言うか、苦にしてはイケナイ)。

●左から、市販仕掛のサルカン、ボールベアリング入り2号、同0号●

 そして最後の「広範囲を探れ、複数が狙える」についてだが、ボクの場合は数釣りには興味がないため、中小型のダブルやトリプルはそんなに嬉しいわけではなく、常に大型魚が欲しいと願っている。
 誰もが経験していると思うが、型の良い魚は先バリに掛かる確率が高い。逆に言えば、強度的に強い先針に掛かってくれた方が、釣り人側にしても有り難いため、ボクの場合は先バリ重視で枝バリは「水中帆の役目を果たしてくれればイイ」と捉えている。
 また、よく言われる「先バリのサシエサが盗られて、上バリのサシエサが残る状態は、タナに合っている証拠」という説にも懐疑的だし、枝バリの間隔を開けてたところで、エサ盗り達がヤル気になれば全て盗ってしまうだろうとの考えから、広範囲をハリの数でを探ろうという試みは無駄に思える。それよりも仕掛の浮力設定でエサ盗りをかわしながら、本命のタナを探ることの方が大切だと考えている。

 例外として、潮流の加減から完全フカセを諦めて、天秤ズボで釣らざるを得ない場合がある。その時の狙いがメダイであれば6mの仕掛けを切って短くすることもあるが、マダイの場合は長くする必要が出てくる。その際はセットするハリスの1ランク太い号数を仕掛に継ぎ足して使用している。(結び方は強いと言われている、8の字結びのダブル=2箇所結びで連結している。)

 以上。こうやって考えているから、ボクにとっては完全フカセ釣りにおける長仕掛のメリットは無く、手返しの邪魔になるだけの「無用の長物」になっているのが解っていただけただろうか?。
 「まだ、解ってもらえない?。」なら、次に行こう。
 


■自作のススメ■

 乗合船の納竿時にその日使った仕掛を仕掛巻きに巻き取っている光景をよく目にする。物持ちが良いことを批判するつもりはないが、次回の使用時はハリスに付いたキズのチェックを行い、それと共に、サルカンとハリは新品に交換して使用して欲しい。「ハリス切れ」、「ハリ折れ予防のため」は勿論だが、玄達瀬などでは「サルカンブッ飛び」が度々起こっているので、そこにも目をやる必要があるのだ。
 ただし、この再利用は「市販仕掛が高価」なために起こっているのだと想像する。誰もが理解できると思うが、本当のところを言えば、仕掛は毎回新品を使用した方がイイに決まっているのだ。であればこそ単価の低い6mの仕掛で、廃棄するサイクルを少しでも早めるのが大型魚に近付く早道だと思う。
 もっと言うのなら、更にコストの下がる自作をオススメする。そうすれば、6m仕掛だと1本あたり200円以下に納まるため、メリットは更に増える。
 一例を挙げると、高価な仕掛がオマツリした際は、仕掛惜しさほどくことに時間がとられ、せっかくの時合いを逃すことにも繋がるが、コストの低い仕掛は惜しげもなく(?)切ることができるので、時間が節約できる。ボクの場合、オマツリしてほどくのに時間が掛かりそうになれば、仕掛が惜しいと思っている釣り人に「ズタズタに切ってもらって結構です。」と、ほどきを一旦任せ、サルカンの上下でカットして道糸をオマツリから抜いた後、さっさと結び直して次の流しに入ってから、ほどきを手伝うようにしている。
 また、大型魚が掛かるとハリスの強度は必ず落ちるので、次の流しでは必ず新しい仕掛に交換している。

 但し、自作する場合は、枝バリは“三方編み込み”で出すことが必須になる。この方法が解らない、あるいは面倒だから、8の字結びを利用したり、ビーズを利用したりする人がいるが、それがダメなことは構造を見れば理解できる。
 編み込み結びは、大型の掛かる率の高い先バリの結びと、仕掛の最上部であるサルカンの結び以外にメインのライン上に結び目は存在せず、枝バリは編み込んだ摩擦によって止まっているだけの構造になっている。また枝バリも根元が編み込まれてことによって補強され、同時に絡みが予防されるので、枝バリを出す方法としては最強・最良になるのだ。8の字などの普通の結びでは、メインのラインに当然結び目ができるし、ビーズ方式もズレ防止のためメインのラインに結びコブを造る必要があるうえ、枝バリに大型魚が掛かった際にはビーズ自体が破壊されることがあるので、大物釣りには向かない。

●枝バリは必ず編み込みで出すこと!●



 今回は「長仕掛って本当に必要なの?」ってところを書いたつもりだが、納得できない人もいると思う。そんな人であっても、完全フカセでは「本命魚の遊泳層にサシエサを届ける。」ことが最重要なことは理解できることだろう。
 例えば、長仕掛を使ってマダイを連発している釣り人がいるとしよう。それを見たボクの考えはこうだ。
 「その人が使っている仕掛の長さにロッドやリール、道糸の号数、巻き糸量、サルカンの大小といったタックルの全てのバランスが合ってマダイの層に入っているから食わせている。」
 当然と言えば当然だが、この理屈からだと、「タックルの一部でも違えば、(厳密に言えば同一機種のリールであっても、オイルの回り具合によって回転時の抵抗が違う)バランスが変わるため、仕掛の長さやハリの数だけをその人と同じにしても、自分の仕掛の流れる層が変わる」ってことが言えるのだ。
 であるから、その逆の、短い仕掛や、あるいは回らないリール、長い竿、短い竿などを使っていても、それに合わせたセッティングを行い、タナとりができれば、隣で連発する釣り人と同じ層にサシエを届けることが可能になるのだ。
 ボクなりに経験で得た結論は、「仕掛が長いから食うのではなく、その仕掛に合ったタナ取りをしているから、本命魚にサシエサが届いている。」ということだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする