都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」

なつ‐ばて【夏ばて】
[名](スル)夏の暑さで疲れ、動作や思考力が鈍くなること。夏負け。「―して寝込む」
大辞泉
夏の盛りに、暑さのために食欲が減退したり、冷たい水分の摂りすぎで体調をくずしてしまったり、内臓の機能が低下してしまうなどの症状の総称。自律神経の乱れに起因するそうです。
最近はクーラーなどでの身体を冷やし過ぎが原因となることが多いようです。
「暑気中り(しょきあたり)」、「暑さ負け」、「夏負け」と呼ばれることもある。
「夏バテ」といえば「ウナギ」。これは、平賀源内さんの専売特許のようになっていますが、『万葉集』にはこんなのがあります。
「石麻呂(いしまろ)に我れ物申す夏痩せによしといふものぞ鰻(むなぎ)とり食(め)せ」。大伴家持さんが石麻呂さんを心配しています。
このところ、北海道も暑さがぶり返して「真夏日」が続いています。
私のネタも「夏バテ」気味でして、今日はこのぐらいで失礼します。
身体は「夏バテ」していないんですが、脳がダメです・・・
したっけ。
「箆増しは果報持ち(へらましはかほうもち)」という諺があるそうです。
「箆」とは何のことでしょう。
へら【篦】
1 竹・木・象牙(ぞうげ)・金属などを細長く薄く平らに削り、先端を少しとがらせた道具。布や紙に折り目や印をつけ、または物を練ったり塗ったりするのに用いる。2「篦鮒(へらぶな)」の略。「―釣り」
大辞泉
『大辞泉』にはこのように載っています。しかし、この場合の「箆」は、北海道の方言で「飯杓子(めしじゃくし)」のことです。「飯杓子」とは「しゃもじ」のことです。
意味から、説明しましょう。
「箆増し」とは夫より妻の方が年上のことで、年上の妻(姉さん女房)を持った男は幸福だということなのです。年上の女性は、気がきいていて、よく愛してもくれるということです。
男なんてものは、いつまでたっても子供みたいなものですから、手綱を引いてくれるしっかり者の女房の方が良いということです。
「姉さん女房」は昔からありましたが、このところの傾向を見ると「年上の妻」が多くなったような気がするのは、私だけでしょうか。プロ野球選手は、圧倒的に年上の奥さんが多いようです。
一歳上を「一箆」二歳上を「二箆」と呼びます。
昔は、新郎より新婦のほうが年上の結婚披露宴の招待客の間から・・・
「嫁さん、ヘラだぁそうだなぁ・・・」
「そう、ひとつヘラだそうだ。」
などとささやきが起こったものです。ある一定の年齢以上の方なら経験しているはずです。
しかし、なぜ「へら」なのかは、知りませんでした。調べても分かりませんでしたし・・・。
ところが、「へら」でも「へら」でなくてもという記事に、合点のいく解釈をようやくみつけました。
大里武八郎著「鹿角方言考」(昭和28年刊)に載っているそうです。
方言考には「妻の年齢夫ノソレヨリ多キコト」「妻ハ家庭に於(お)ケル食事即チへラノ主宰者ナレバ、へラノ語を借リテ之(これ)ヲ表ハス」と記しており、「つまりご飯をよそうヘラの方が偉いこと」。
「ふつうはご飯の上にヘラを置くでしょう。ご飯を旦那に例えれば、ヘラの方が上」ということだそうです。
私は「ヘラ」という言葉にあまり良い印象はなく、自分では使ったことがありませんでしたが、諺になっているとは知りませんでした。
東北地方でも「姉さん女房」を一般に「ヘラマシ」、一歳年長を「一本箆」、二歳なら「二本箆」などと呼ぶそうです。
「箆」は、昔から主婦権の象徴であったから「ヘラ」といえば女房のことを表しているということです。
東北地方では、「一本ベラは金のわらじを履いてでも探せ」と言い習わされていて、年長の女房は世事にもたけ家のきりもりにも慣れているところから、年上の女房が喜ばれたのだそうです。
「一つ年上の女房は、金(かね)のわらじを履いてでも探せ」の置き換えのようにも思えます。
「箆増しは果報持ち」も「一つ増しは果報持ち」の置き換えだと思えます。
私は、残念ながら「果報持ち」ではありません。
したっけ。
「毛嫌いする」といえば、はっきりとした根拠もなく感情的に決め付けて嫌うことです。
「どうっていわれても困るのよね。とにかく嫌いなの・・・。」
いわれたほうは対処に困ります。
似た言葉に「食わず嫌い」があります。こちらは「食べないうちから、見た目等で不味いと決めてかかっている」ということです。
したがって、もしも食べたら好きになるかもしれないという余地が残っています。
ところが、「毛嫌い」には、そんな余地は残っていません。何と言われようとも、嫌は嫌なのです。
鳥獣は毛並みで好き嫌いを決めるそうです。オスは自分の毛並みの美しさをメスにアピールして交尾に持ち込み、自分の子孫を残そうとします。
毛並みの美しさでアピールするといえば「孔雀」が代表格でしょうか。
しかし、その毛並みがメスのお気に召さなければ上手くいきません。
け‐ぎらい【毛嫌い】
[名](スル)《鳥獣が、相手の毛並みによって好き嫌いをするところから》これという理由もなく、感情的に嫌うこと。わけもなく嫌うこと。「演歌を―する」
大辞泉
つまり、「毛嫌い」は、動物的本能に基づいたものなのです。人間も遠い昔には体毛に覆われていたときの記憶がどこかに残っているのでしょうか。今で言えば、「肌が合わない」、「肌嫌い」という感じでしょうか。
「きゃー、ダメ!手が触れただけでも蕁麻疹が出そう・・・。」などとはいわれたくないですね。
したっけ。
落雷で中3意識不明=ジョギング中に―大津市
時事通信 8月18日(土)19時55分配信
18日午後4時半ごろ、大津市桐生で落雷があり、付近にいた中学3年の男子生徒(15)が倒れ、意識不明の重体で病院に搬送された。生徒はジョギング中だったという。
滋賀県警大津署によると、約200メートル離れた田んぼで農作業をしていた男性が、雷が落ち、男子生徒が倒れるのを目撃。近づくと生徒に意識がないことが分かり、119番した。
彦根地方気象台によると、県全域に18日午後、雷注意報が発令されていた。
昨日は各地で落雷事故があったようですが、皆様の地方は大丈夫だったでしょうか。被害にあわれた方には心からお見舞い申し上げます。
雷は、大気中で大量の正負の電荷分離が起こり、放電する現象です。放電する際に発生する音が雷鳴で、光が電光です。雲と地上の間で発生する放電を対地放電(落雷)といい、雲の中や雲と雲の間などで発生する放電を雲放電といいます。
雷を発生させる電荷の分離は、雲の中で「あられ」と氷晶(小さい氷のつぶ)の衝突により起こると考えられています。湿った空気が激しく上昇して上空の低い温度の層に達すると「あられ」や氷晶が多量に発生し、雷雲となります。このため、雷は上空高くまで発達した積乱雲で発生し、雷雲の背丈は夏は7km以上、冬は4km以上となります。
―気象庁―
近年は地球温暖化にともない都市部でも雷の発生が増加傾向にあるそうです。
そのうえ、IT社会の現代、電子機器はますます高性能、高機能になっています。
そのため雷の増加とともに電気機器の被害もまた増加傾向にあり、一般住宅を含め落雷防止の必要性がますます高まっています。
さて、以前は一般住宅における雷の被害製品のトップと言えばテレビでした。
ところが最近では、電話回線とつながったパソコンやモデム、ホームセキュリティなど、通信系機器の割合が急増しているそうです。
情報通信技術の発展とともに、これらの機器が低電圧化・高速通信化・さらに高密度実装化され、雷に対しては弱体傾向にあることが原因とされているそうです。
現代社会でまず守らなくてはならないのがパソコンではないでしょうか。仕事はもちろん個人でもデータは大切な財産です。
大切な物を守るための落雷対策として、まずは簡単にできることはなんでしょう。
雷雲が接近し、雷光と雷鳴の間隔が10秒以内になった時は、電気器具の使用を一時中止して電源を切り、コンセントを抜きます。
そして電気回路のそばには近づかないようにしましょう。さらに電気のブレーカーも切っておいた方がより安全です。
外出先で雷にあったら、速やかに建物に非難してください。くれぐれも林の中には逃げ込まないでください。
平らなところで地面に伏せるのも危ないそうです。雷が地表を走ると接地面が多いほど危険が増します。両足でしゃがみこんだほうがいいそうです。
車の中に避難するのは、非常に効果的な安全対策だそうです。これはファラデーケージ効果とも呼ばれており、スチールに囲まれた車内は、導体に囲まれていることになるので、雷によって電位差が発生しても内部まで影響せずに大地に流れ、人体に落雷が及ぶことがないからだそうです。
ただし、車内に避難した場合は扉など金属体部分に触れない事が重要だそうです。
以前は指輪イヤリング等の貴金属類ははずしたほうがいいといっていましたが、現在は逆になっています。かえってそこから電気が抜けることがあるのだそうです。そのときはもちろん形はありません。
人体に落雷したときの死亡率は70%だそうです。恐いですね。
桑原桑原・・・。
したっけ。
王や長島が「向日葵(ひまわり)」ならば、自分は野に咲く一輪の「月見草(つきみそう)」と野村克也氏が言ったのは有名な話しです。
この「月見草」は、「宵待草(よいまちぐさ)」とも言われますが、正確には「待宵草(まつよいぐさ)」だそうです。
『宵待ち草(よいまちぐさ)』は、大正浪漫を代表する画家・詩人である竹久夢二によって創られた詩歌のタイトルのため混同されています。
よいまち‐ぐさ【宵待草】
オオマツヨイグサの別名。
大辞泉
今は草花の名前はひらがなやカタカナで書くことが多くなっています。しかしこれでは味がありません。私はなるべく漢字で書くようにしています。
花に関する漢字には、花の持つ美しさがうかがえるからです。たとえば「紫陽花(あじさい)」です。この文字の間には「陽」という文字があります。雨上がりの雲間から、陽の光が差し込んで、紫の花が光り輝く様子が思い浮かぶような気がします。
例によって、花の漢字を並べますに出読んでみて下さい。カタカナ名前のものもありますので注意してください。
① 水仙
② 金木犀
③ 車前草
④ 鳳仙花
⑤ 風信子
⑥ 石蒜
⑦ 金鳳花
⑧ 巻丹
⑨ 蒲公英
⑩ 万年青
⑪ 罌粟
⑫ 鬱金香
⑬ 牽牛花
⑭ 木槿
⑮ 紫苑
どうでしょうか。読めましたか?
解答
① すいせん(水仙):ヒガンバナ科の多年草。早春に、鱗茎(りんけい)から1本の花茎を出し、白や黄色で中央に副花冠をもつ花を横向きにつける。葉は根生し、平たい線形。耐寒性で栽培に適し、観賞用とする。
② きんもくせい(金木犀):モクセイ科の常緑低木。よく分枝し、葉は狭長楕円形。雌雄異株。秋、強い芳香のある赤黄色の小花を密集してつける。中国の原産。白い花をつけるのは「銀木犀(ぎんもくせい)」
③ おおばこ(車前草):「大葉子」とも書きます。オオバコ科の多年草。道端などの踏み固められた所に生える。葉は楕円形で長い柄があり、根際から出る。春から秋、10~20センチの花茎を伸ばし、多数の小花を穂状につける。漢方では種子を「車前子(しゃぜんし)」と言います。
④ ほうせんか(鳳仙花):ツリフネソウ科の一年草。高さ約60センチ。葉は長楕円形で互生する。夏から秋、葉のわきに花を横向きにつけ、色は赤・桃・白色や絞りなど。実は熟すと破れて種子を飛散する。
⑤ ヒヤシンス(風信子):「ふうしんし」とも言う。ユリ科の多年草。鱗茎(りんけい)は卵形で外側は黒褐色。葉は広線形でやや多肉質。春、高さ約30センチの花茎を伸ばし、青紫・紅・白・紫色などの漏斗状の6弁花を多数総状につける。ギリシャ神話の美少年ヒュアキントスの名に由来します。
⑥ ひがんばな(石蒜):「せきさん」とも言う。別名「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」。民間療法で鱗茎(りんけい)を乳腺炎などに用いる。
⑦ きんぽうげ(金鳳花):キンポウゲ科の双子葉植物の総称。約3000種が北半球の温帯・寒帯に分布。一年草または多年草で、まれに低木。葉は三出複葉あるいは手のひら状に切れ込む単葉。花は、萼(がく)が花びら状となるものもある
⑧ おにゆり(巻丹):オニユリの漢名で「けんたん」と読む。一般的には「鬼百合」と書きます。
⑨ たんぽぽ(蒲公英):キク科タンポポ属の多年草の総称。野原や道端に生え、根際から羽状に深く裂けた葉を放射状に出す。3、4月ごろ、花茎を伸ばし、頂に黄色または白色の舌状花のみからなる頭状花を開く
⑩ おもと(万年青):ユリ科の多年草。山地に自生し、肥厚した地下茎から多数の濃緑色の葉を出す。葉は長さ30~50センチで、厚くつやがある。春、短い茎を出して淡黄色の小花を穂状に密集してつけ、実は丸く赤色、まれに黄色。冬でも葉が枯れないことに由来します。
⑪ けし(罌粟):「芥子」とも書きます。ケシ科の越年草。高さ約1.5メートル。葉は白みを帯び、縁にぎざぎざがあり、基部は茎を包む。初夏、下を向いていたつぼみが上向き、大形の紅・紫・白色や絞りの4弁花を開く。「阿片」を製するので一般の才羽尾は禁止されています。
⑫ チューリップ(鬱金香):「うっこんこう」とも言う。ユリ科の多年草。鱗茎(りんけい)は卵形で、1本の茎が出て幅広い葉が数枚つく。4、5月ごろ、大きい花を1個開く。花色は黄・白・赤・紫などいろいろ。
⑬ あさがお(牽牛花):「けんぎゅうか」とも言う。「朝顔」と書くのが一般的。ヒルガオ科の蔓性(つるせい)の一年草。茎は左巻き。葉は大きな切れ込みがある。夏の朝、らっぱ状の花を開く。種子は漢方で牽牛子(けんごし)といい、緩下剤などに用いる
⑭ むくげ(木槿):「槿」とも書きます。アオイ科の落葉低木。高さ約3メートル。葉はほぼ卵形で、縁に粗いぎざぎざがある。夏から秋にかけて、紅紫色の5弁花が朝開き、夕方にしぼみ、次々と咲き続ける。
⑮ しおん(紫苑):別名「鬼の醜草(しこぐさ)」。キク科の多年草。山間の草地に自生し、高さ1.5~2メートル。根際に大きな葉が群生。秋、多数の淡紫色の花を開く。漢方で根を 乾かしてせき止めの薬にする。
全部読めた方は「漢字博士」の称号を贈ります。認定証はありませんが・・・。
したっけ。
お弁当には欠かせないソーセージ。ソーセージはいつごろから食べられていたのでしょう。
ソーセージは、いつどこでつくられはじめたかははっきりしないそうです。
今から3500年前にエジプト、中近東のバビロニア地方でソーセージらしきものが食べられていたという伝承があるそうです。
ほかにも類似の伝承があり、概ねソーセージの歴史は3000~3500年前に始まったようです。
なおソーセージの語源は「塩漬けして貯蔵された肉」を意味するラテン語「salsus」からきていると言われています。「sal」は塩を意味します。
ホメロスの『オデュッセイア』が、ソーセージが登場する最古の文献だといわれています。書かれたのは、およそ3000年前のギリシア時代で、その18巻に「ヤギの胃袋に脂と血を詰めて焼いたもの」(血液を材料としてくわえたブラッドソーセージ)のような記述が見られるそうです。
また古代期ギリシアの都市国家(ポリス)の広場に並ぶ出店の中に腸詰め屋があったという伝承もあります。ギリシアは多くの植民地を持ち、交易によって各地から様々な香辛料が持ち込まれていました。香辛料はソーセージ作りには欠かせないものだったはずです。
話しは変わりますが、ボツルヌス中毒は古代ギリシャ・ローマ帝国時代からソーセージを食べることによって起こる特異な中毒として知られていたもので、病名の別称であるbotulismはソーセージ( 腸詰め)を意味するラテン語botulusに由来することから、「ボツリヌス菌」は「腸詰め菌」とも呼ばれるそうです。
ソーセージの語源にはラテン語のsalsus(塩漬け)からきたという説、そしてsauce(塩水)とage (寝かす)、つまり塩漬して熟成させた物がソーセージであるという説が有力です。
sau(牝豚)とsage(香辛料のセージ)という語が合成されてできたという説もありますが、最古の文献では、山羊が主原料につかわれていて、それ以外の文献にも特に「豚肉」とは記述がないことから、後付の説と考えられています。
ウィンナーソーセージ:羊腸を使用したもの、又は製品の太さが20mm未満
フランクフルトソーセージ:豚腸を使用したもの、又は製品の太さが20mm以上36mm未満
ボロニアソーセージ:牛腸を使用したもの、又は製品の太さが36mm以上
※上記は、あくまでも日本での分類です。
したっけ。
「旅」の語源は諸説あって正確には分かっていないそうです。
「たどる日」「他日(たび)」「外日(とぶ)」「外辺(たび)」「飛(とび)」「発日(たつび)」「他火(たび)」「給(たべ)」のほか数多くの説があり正確な語源は未詳である。
古くは、遠い土地に限らず、住居を離れることすべて「たび」と言った。
語源由来辞典
今、私たちは「旅」といえば「旅行」を思います。「旅行」は、「住む土地を離れて、一時他の土地へ行くこと」ですが、古い解釈では「住居を離れること」をすべて「たび」といったと『語源由来辞典』にはあります。
つまり、40km先に歩いていっても、ご近所で寝泊りさせていただいても「たび」となるのです。江戸時代の旅人は「一日十里(40km)」が普通だったようです。
「他火(たび)」であれば、他所の家庭の火で生活するといった意味となります。
よその火で調理したものをいただけば、「給(たべ)」となるのです。
「他日(たび)」「外日(たび)」「外辺(たび)」は、家以外の場所で一日を過ごすという解釈になります。
旅立つ日を前もって決めていたなら「発日(たつび)」かもしれません。
また、帰ってきて思い出にふけったならば「たどる日」ということになります。
『語源由来辞典』は、「飛(とび)」は、飛行機のない時代なので、遠くへいったと言う意味からですが、「たび」が遠い場所とは限られていないので、「飛(とび)」が「たび」の語源とは考えがたいとしています。
というように「たび」の語源はその多様さ同様、どれも「近からず遠からず」ということなのです。
距離に関係ないという曖昧さがと一緒で「たび」の語源も一つに限る必要もないのかもしれません。
旅をする先々で食べ物を貰いながら歩いた「給(たべ)」。
現代旅の楽しみの一つが、その土地の美味しいものをいただくことであるならば、旅行者は「食べ人」なのかもしれません。
「旅人」は、常に帰るべき家があると言うことです。定住の地を持たないものは旅人ではなく「放浪者」なのです。
したっけ。
「なし崩し」という言葉が使われることがありますが、みなさんはどのように捉えているでしょう。
「崩し」という漢字のせいで「物事がぐずぐずになって崩れていき駄目になること」という意味で使われる事が多いように思います。
正しくは「済し崩し」と書き、「済」とあるように「返済、それも少しずつ返済していく事を意味する」言葉です。
つまり、現在使われている「物事が崩れて少しずつ無くなっていく」というような否定的な言葉ではなく、「少しずつでもでも物事を片付けていく」という肯定的な言葉だったのです。
ましてや、「積み上げた梨が腐って崩れる」などと言う意味ではありません。
なし‐くずし【済し崩し】
物事を少しずつかたづけていくこと。徐々に物事を行うこと。「企画が―に変更される」
大辞泉
ある一部の乱れ・破れ目が広がって全体が壊れることを意味する言葉としては、「瓦解(がかい)」があります。これは一部の瓦(かわら)が崩れ落ちると屋根全体に及ぶところから生じたことばです。
「鳩が去り 管が詰まって 野が残り」(満夫)
なお、現政権の公約は「なし崩しになっている」ではなく「瓦解している」が正しい使い方です。
したっけ。
帯広市出身の「片瀬チヲル」さんのトークショウに行ってきました。
彼女は「第55回群像新人賞新人文学賞優秀作」受賞した女性です。
片瀬チヲルさんに読みどころ聞く
2012年06月30日 14時14分
帯広市出身の作家片瀬チヲルさん(21)=本名非公表、明治大4年=の小説「泡をたたき割る人魚は」(講談社、1365円)が7月5日、単行本として発売される。第55回群像新人文学賞優秀作に選ばれた作品で、片瀬さんに読みどころや今後の目標などを聞いた。
-小説の内容は。
恋愛のできない女の子が、それならば魚になってしまおうという非日常の描写が多い作品。小説でしかつくれない世界観を見てほしい。
比喩にこだわり、描写は書いていて止まらなかった。冒頭の「海と砂浜の境目にはっきりと線を引くことができるだろうか」は特に気に入っている。言葉にすると断定してしまうが、世の中にはっきりしていることはあまりないとの思いから、人魚のうろこと皮膚の間の描写などの境目にもこだわった。
―抜粋―
はじめての、トークショウでぎこちない彼女のしぐさは、とても好感が持てました。
彼女は、地元の「郷土作家アンソロジー」の最優秀賞を高校生で受賞し、大学入試のときに「芥川賞」をとるから入学させてほしいと言ったそうです。就職活動はせずに、アルバイトをしながら小説を書いていきたいと、目を輝かせていました。
若いっていいですね。何でもいえる未来があります。
小説の論評については私などが言える立場ではありませんので差し控えますが、21歳の若々しい表現力は選者の先生方にも評価されています。
本人は気づいていなかったようですが、当地ならではの言葉も出てきます。
彼女は、「お金持ちか、貧乏かは分かりませんが30年後にも、小説を書いていると思います」と言っていました。
彼女の人生初サインは私がいただきました。
小説(純文学)があまり売れない昨今、もし興味がありましたら「泡をたたき割る人魚は」(講談社、1365円)に投資をしてみてはいかがでしょうか・・・。
したっけ。